ゴールデン・デイズ  高尾滋 白泉社

ゴールデン・デイズ  高尾滋 白泉社

 

 

アマゾン商品紹介 異様に過保護な母親に反発しながら暮らす、高校1年の相馬光也。そんな彼の心の拠り所は、バイオリンと、入院中の祖父だけだった。しかし、その祖父の容態が急変し、病院へ駆けつけた光也は突然の地震に襲われて…!? 大正タイムスリップ浪漫!
どんな話ですか? 過保護な母親を疎む高校生の相馬光也は、危篤の祖父を見舞った病院で地震に遭って階段から落ち、大正時代にタイムスリップしてしまう。
自分を祖父・慶光と勘違いする少年・春日仁に出会い、共に暮らすことになった光也は、仁やその家族たちと交流を深めていくが、タイムスリップの直前に聞いた「もしも時が戻るなら……あいつをきっと助けに戻るのに」という祖父の叫びが気にかかっていた。
自分は祖父に代わって仁を助けるためにここに来たのだと信じるようになった光也は、祖父の両親が事故死した事件に謎があることを知り、その謎を探り始めるのだが……。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ジャンルとしては少女漫画なのですが、主人公の光也と仁との友情関係が非常に尊く美しく、ラストは何度読んでも涙してしまいます。
目的もわからないままにタイムスリップした光也が、相馬家の謎にたどり着く展開にはサスペンス的な面白さもあり、一気読みしたくなること間違いなしです。

アンダンテ 小花美穂 集英社

アンダンテ 小花美穂 集英社

アマゾン商品紹介 茗は中2の吹奏楽部。天才音楽家の兄・那都と二人暮らし。実は、この兄妹、血はつながっていない。そこに美少女・メルも同居することになり、複雑な気持ちの茗……。
どんな話ですか? 中学2年のメイは吹奏楽部に所属しています。血のつながらない兄のナツは天才音楽家です。二人で生活をしている中、父からオーストラリアの知人の子どもを預かることになったと言われる。その子はメルという美少女でした。メルは人の心を動かす歌声の持ち主でした。ナツの事が好きなメイは複雑な気持ちでしたが、三人での生活をすることになりました。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 音楽を絡めて、切ない恋心を表わしている作品です。血は繋がらなくても兄弟としてしか考えられなかったり、恋愛感情はあるのに血のつながりがはっかくしてしまったりと複雑な恋模様を音楽とともに展開されるストーリーに恋愛の物悲しさを感じさせてくれる作品です。小花美穂先生の作品は子どもが読む漫画なのにとても大人びている作品が多いので大人の女性にもおススメです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 切ない恋を経験した人、叶えられない恋を経験した人
読んだことによるエピソード 特になし

藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>(1)ミノタウロスの皿 藤子・F・不二雄 小学館

藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>(1)ミノタウロスの皿
藤子・F・不二雄 小学館

アマゾン商品紹介 藤子・F・不二雄のSF短編112話を全8巻に完全収録した“PERFECT版”が登場! 鋭い風刺精神を存分に発揮した「藤子美学の世界」にどっぷり浸かれる作品集!

ある日突然、ある町のスーパーマーケットのむすめが、スーパーマンになってしまった。「女の子のくせに、えらいものになってくれたね」と嘆く両親だったが、町内会長がやって来て、「スーパーマンの店と大はやりになるだろう」と言ったことから、両親は大喜び。「がんばってスーパーマンをやりなさい」と言われるものの、むすめは何をしたらいいのかわからず……(第1話)。
乗っていた惑星間航行ロケットが故障し、生き残ったのはオレ1人。水、食料ともに底をついたが、救助艇がくるのは23日後だという。やっとの思いで不時着した地球型の惑星。そこには低い段階ながらも文明があり、ミノアというかわい子ちゃんとも出会うことができた。ところが、その文明というのが実は……(第2話)。

どんな話ですか? 宇宙船が難破した主人公はある星に辿りつきます。その星では牛と人間の立場が逆転をして牛が星を支配し、人間は家畜や愛玩動物として飼われていました。主人公はミノアという女性に一目ぼれしました。ある日主人公はミノアは大祭でご馳走として、食べられてしまう事を知った。主人公はその星の支配者に抗議をしに行きます。ですがいくら言葉をつくしても伝わらず、途方にくれます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 意思疎通ができずに徒労に終わる事は実社会の中でもあるのではないのでしょうか。まったく違う意識を持つ人と話をする事は別の惑星と話をする事と同じだと思います。何がよくて何が悪いかは環境によって大きく変わってしまうもので、人の命の重さ、軽さも星が違えば大きく変わっていくものだと気付かされた作品です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 実生活で価値観の違いで悩む人、言葉をつくしてもどうしても伝わらなくて辛い想いをした人
読んだことによるエピソード 人間社会の価値観について考えるようになりました。

下弦の月 矢沢あい (著) 集英社

下弦の月 矢沢あい (著) 集英社

アマゾン商品紹介 美月は、ギターでせつない旋律を奏でるアダムと運命的な出会いをする。居心地の悪い家を飛び出し、アダムと暮らし始めた美月だが…。ミステリアス・ラヴァーソウル。
どんな話ですか? 下弦の月の夜二人の人間が交通事故に遭う。

女子高生の美月。

不仲な家族と、彼氏が親友と浮気したことを知り、居場所を失っていた。

そんな中街を彷徨っていると路上で歌うアダムと出会う。

アダムの寂しさに触れ、ある洋館で同棲するようになった美月。

美月はアダムの元恋人の存在を知りつつも、彼について行くと決心。しかし待ち合わせ場所の前の交差点でトラックに引かれてしまう。

小学生の白石蛍。

飼い猫のルルを探すうちに車にはねられる。昏睡した蛍の夢の中で美月と出会う。昏睡から目覚め退院した蛍は、ピアノの音に引き寄せられ、ある廃墟に侵入する。そこには夢で出会った美月がいた。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 下弦の月はりぼんで連載していました。小学生の時読みましたが当時は理解不能でした。今までの矢沢あい作品にはないミステリアスなシリアスな描写は、今読むと新鮮で面白く、物語も深みがあります。

美月やアダムだけではなく、登場人物の複雑な気持ちが入り混じっている漫画です。子どもの頃に読んで理解できなかった登場人物の気持ちは、今大人になってそれなりに経験してきたのでよく分かります。大人に読んでもらいたい、哀しく切ないストーリーです。

どんな人に読んでもらいたいですか? ミステリアスな漫画が好きな方。

悲しい恋愛要素があったりもしますが、一つ一つ記憶の謎を解いて行くシーンが一番印象的であるので、読者も考えながら読む事ができます。伏線は回収されながらストーリーは進みますが、最後まで曖昧さを残していて、読者も自分なりの解釈をしながら読む事ができます。

読んだことによるエピソード 特にありません。

静かなるドン 新田 たつお (著) 実業之日本社

静かなるドン 新田 たつお (著) 実業之日本社

アマゾン商品紹介 関東最大の暴力団・新鮮組の総長が射殺された! 跡目を継いだのは息子の静也。しかし彼の本業は、ランジェリー会社「プリティ」のデザイナーだったのだ。かくして、昼はしがないサラリーマン、夜はヤクザの大親分という、奇妙な生活が始まった……。
どんな話ですか? 日中は下着会社で働いている青年近藤静也は、実は日本有数の広域大組織の暴力団の総長でありますが、カタギの彼は背も小さく、上司の部長からはしょっちゅう怒られている冴えないサラリーマンです。チーフである女性に片想い中ですが、あまり相手にされていません。

が、彼がひとたびドンになった裏の姿はとても素敵で、言動・行動がすべてにそつがなく、トップリーダーとして組の者を率い数々の困難や他の暴力団組織との抗争にも打ち勝っていきます。

そのギャップは読んでいてとても痛快であり、男性としての理想をみるようです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 裏街道の長として、類まれな極道の素質を持った若きドン近藤静也の、カタギ世界に憧れ、女性に一途な彼の想いにはとても哀愁があり、普通の生活の幸福というものをあらためて読者に感じさせてくれます。

同時に、近藤静也という男のどんな状況でもぶれない価値観を持ち続けるという強さにも感嘆させられます。

単なる、コミカルマンガという観点ではなく、人の生き方という面でもかなり勉強になるマンガなのでオススメしたいと思います。

どんな人に読んでもらいたいですか? きわどいシーンも多々あるので、20歳以上の学生やサラリーマン等、現実に疲れた人やこれからどうしてよいか分からなくなっている人、将来に希望が持てない人など、幸せ感がうすい人々に男女問わず読んで欲しいと思います。
読んだことによるエピソード 近藤静也のサラリーマン生活での笑顔に日常生活のしあわせの探し方を教えられました。

Paradise Kiss 矢沢あい (著) 祥伝社

Paradise Kiss 矢沢あい (著) 祥伝社

アマゾン商品紹介 受験勉強に追われる早坂ユカリは、単調な日々を送っていたが、服飾専門学校「矢澤芸術学院」に通うジョージの学園祭でファッションモデルを務めることになった。夢を追いかける仲間たちとの出会いは、やがて---。 ファッション誌「Zipper」で連載。

レビュー①

どんな話ですか? NANAなどを描いた矢沢あい先生『ご近所物語』の続編作品。

普通とはかけ離れたオシャレすぎる高校生たちが、将来や切ない恋愛に悩む物語です。

容姿端麗な主人公・早坂紫。

親の期待を背負いながらも、進学校での成績が振るわず、進路に悩む落ちこぼれ高校生。

そんな時、謎の高校生・ジョージにファッションショーのモデルをしてほしいとスカウトされます。

服飾学校に通う『ご近所物語』主人公の妹・美和子や、

容姿端麗すぎる謎の高校生・ジョージにより、紫の高校生活は一変!

恋愛模様や友情だけでなく、煌びやかなファッションショーなど見どころいっぱいの作品です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? なにより、お洒落な世界観!

連載誌がファッション誌だっただけに、とにかく華やか。

前作『ご近所物語』と同じ高校生でありながらも、少し大人な世界観。

煌びやかなファッションショーのシーンは、色あせることがありません。

彼らのブランド「Paradise Kiss」はラグジュアリーでありながらも、繊細なディティールが素晴らしい。

紫は基本的に進学校の制服姿ですが、「矢澤学園」に通うジョージ、実和子、嵐、イザベラなど、私服姿が個性豊か!

夢を追う高校生たちの物語としてはもちろん、ファッションを見ているだけでうっとり。

レビュー②

どんな話ですか? 端正なルックスにモデル体型と容姿に恵まれながらも、母親との関係性から自分に自信がない平凡な女子高生だった主人公・紫(ゆかり)は、ファッションの専門学校である矢澤芸術学院の「パラキス」メンバーと出会い、学園祭のショーのモデルにスカウトされる。受験勉強真っ最中の紫は「あんたたちの遊びに付き合っている暇はない!」と突っぱねるが、パラキスのメンバーたちが真剣に自分の夢と向き合っているということを知りモデルを引き受けることに。次第に”誰のためでもない、自分の人生を歩くって決めたんだから”と葛藤や周りとの衝突を繰り返しながら一人の自立した女性へと成長していく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ファッション誌「Zipper」での連載開始から20年以上経った今でも、移り変わりの激しい”ファッション”がテーマの漫画でありながら全く”時代遅れ”を感じさせない作品。

自身が10代の頃にはキラキラしたファッションの世界への憧れや、自分の手で夢のように美しいドレスを作り上げるパラキスメンバーたちに、ただただ「夢」を見せてもらっていた。メインの登場人物たちよりも大人になって久しぶりに読んでみると、煌びやかな世界観だけでなくその表情やセリフの中に今だからわかる思春期特有の揺らめきや繊細さを感じ取ることができ、主人公の紫だけでなく、一人一人の心の動きがものすごく丁寧に描写されていることに気づいて感動した。

主人公の紫とジョージの恋の行方について、2人の選択に10代の頃はどこか腑に落ちないものがあったが、30代の今は「わかるよ」と共感してしまったところに時の流れを感じた。

また今作は、矢沢あい先生の「ご近所物語」のその後の世界と繋がっているためご近所ファンにとっても”あのキャラがこんな大人になったのか!”という懐かしさと発見がとても感慨深かった。

レビュー③

どんな話ですか? 進学校に通う平凡な女子高生、早坂紫が個性豊かな矢沢芸術学園の生徒達と出会い、彼らとの交流を通して自分自身が本当にしたいことは何なのかと疑問に思うようになっていきます。

彼女は親の期待や希望に合わせるようにいい子を演じて過ごしてきました。

学校も無理をして自分のレベルよりも高い学校へ通い、塾にも通いますが成績は良くなく親にもがっかりされます。

紫は自分の存在価値を見失ってしまいます。

そんな彼女にショーのモデルをして欲しいと頼む矢沢芸術学園の生徒の一人嵐。

彼の友人達の熱意も感じモデルをやってみようと決心します。

また、リーダー的存在の譲二は紫とは全く違い、自分の夢や考えを持っていて自信に満ち溢れています。

紫は彼の存在を否定しながらも自分とは全く違う性格の彼に惹かれていき、恋をします。

紫にとって彼女の周りで起きる全てのことが新鮮であり魅力的。

親の反対を押しのけて、自分の人生を歩くと決めたと誓い、葛藤しながらも一生懸命自分の人生と向き合い、成長していこうとするストーリーです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 私を含め、10代の中高生は将来の進路や夢に行き詰まり、親の言われたとおりに行動し学校へ通う人は多いです。

私自身、自分で決めた進路に進みながらもこれでいいのか、もっと他にやりたいことはないのかと自問自答することが多かったです。

しかし、挑戦することでの失敗を恐れて安全な道を突き進んできました。

誰でもない自分自身の人生なのだから自分が一生懸命考え、行動して失敗もして成長することは自信へも繋がります。

あの頃は戸惑っていた私も今なら分かります。

矢沢あい先生の作品は中高生にとても人気です。

多感な10代の子供たちが学校や恋愛に悩むことが多いけれど、読みやすい漫画の中に参考になる言葉が多く出てきます。

少しでも多くの人の悩みが早く解決できればと思いオススメします。

薔薇のために 吉村明美 (著) 小学館

薔薇のために 吉村明美 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 大学受験に失敗した枕野(まくらの)ゆり。それを皮切りにボーイフレンドにはフラれ、たったひとりの身内である祖母も亡くなるという不幸に見舞われる。ところが、祖母の遺書により、死んだと思っていた母親が生きていたことがわかる。しかも、母親は有名女優で、兄弟が3人もいるというものだった…!!
どんな話ですか? 両親を早くに亡くした、デブでブサイクな主人公ゆり。ゆりを育ててくれたおばあちゃんも亡くなって、住むところもなくなった…と思っていたら、自分が有名女優の娘であることを知りるところから物語が始まります。

突如美形一家に放り込まれて、一緒に暮らすことになったゆり。女優一家の美形姉弟たちに、デブでブスとバカにされながらも、健気で優しく打たれ強いゆり。その家事能力の高さもあって、家族みんなが心のキレイなゆりに惹かれていいきます。

やがて、ゆりは兄に恋心を抱くようになったり、弟がゆりに想いを募らせるようになったり…と、恋愛と家族愛の入り混じった見ごたえたっぷりのヒューマンドラマです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? デブでブスと容姿でバカにされるゆりは、一見可哀想な環境にあり、多くの人が自分と同じようだと共感できる部分があると思います。ただ、ゆりが普通の人と少し違うことは、打たれ強く周りをも明るく変えてしまうような、愛に満ち溢れる人だということ。読んでいて、自分も前向きになれるような、心があたたくなるような気持ちになるので、オススメしたいです。

やがては、女性としての美しさをも持ち合わせるようになるゆりの魅力を、ぜひ一度読んで味わってほしいです。また、美形姉弟たちのキャラも個性豊かで、ゆりとのやりとりも楽しくて飽きさせません。

どんな人に読んでもらいたいですか? 自分には何もないと、おちこんでいる人。

日常がつまらないと思っている人。

ヒマな人。

逆境にあっても笑顔で人に優しく接するゆりを見ていると、自分も優しい気持ちになれるような気がするから。後読感もあたたかいマンガです。

読んだことによるエピソード とくになし。

四月は君の嘘 新川直司 (著) 講談社

四月は君の嘘 新川直司 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 「あの日、僕はピアノが弾けなくなった‥‥」仄暗い青春を過ごす元・天才少年、有馬公生。夢も恋もない世界に佇む、彼に差し伸べられた手は名も知れぬ少女のものだった!! 少女の名は宮園かをり。性格最低・暴力上等の彼女はしかし、まぎれもなく最高のヴァイオリニストだった!公生は、かつて住んでいた音楽の世界に、強引に引きずり戻される。カラフルに色づく、音楽の世界に! 完結後の今もなお、各界からの絶賛の声が鳴り止まない音楽コミックの金字塔!「音が聴こえる」その描写から、目が離せない!

母の死をきっかけにピアノを弾かなくなった、元・天才少年有馬公生。目標もなく過ごす彼の日常は、モノトーンのように色が無い‥‥。だが友人の付き添いで行ったデートが、少年の暗い運命を変える。性格最低、暴力上等、そして才能豊かなヴァイオリニスト‥‥少女・宮園かをりと出逢った日から、有馬公生の日常は色付き始める!! 青春を切り取る注目の作家・新川直司がおくる、切ない青春ラブストーリー最新作第1巻!

レビュー①

どんな話ですか? 14歳の”有馬公生”は幼少期より天才ピアニストとして将来を嘱望されていたが、ある時からピアノが全く弾けなくなる。公生は同じ年のヴァイオリニスト”宮園かをり”と出逢う。かをりがヴァイオリンを演奏する姿を見て公生は心を奪われる。公生はかをりにコンクールの伴奏者をお願いされる。2年前からピアノの音が聞こえないため最初は断る。自分を支えて欲しいと泣きながら頼むかをりに心動かされた公生。2年ぶりに人前でピアノを演奏することを決意する。底抜けの明るさの中にどこか儚さを漂わせるかをり。交流を深めるうちにかをり自身の抱える難題が公生を徐々に翻弄していくのだった。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 序盤からテンポ良く進む物語の中で、その時々の主人公の繊細な感情がしっかり表現されています。そのため悩みや悲しみなどを通じて主人公に感情移入しやすく描かれています。また一般的には漫画では表現しにくいとされる音楽の演奏シーン、メロディーが流れるシーンは本当に音が聞こえるかのように描かれており、さらにその演奏に主人公の感情を絡めていく描写は、この漫画独自の表現がなされており圧巻の一言です。その世界にいるかのような没入感が味わえる名作です。

レビュー②

どんな話ですか? 中学生の天才ピアニスト・有馬公生は、厳しい指導を受けた母の死を境に、ピアノの音が聞こえなくなってしまい音楽の世界から離れていました。そして、彼の幼馴染である澤部椿と渡亮太、そして渡に好意を寄せ、椿を介して渡と仲良くなったバイオリニスト・宮園かをりの4人を軸にして、物語は展開します。

かをりたちに半ば強制されることで、彼女のパートナーとして公生は再びピアノに向かいます。彼はかをりにひかれつつも、渡に遠慮してしまいます。また、椿も公生にひかれているのですが、幼馴染の関係を変えられずにいます。

公生の再生、かをりが隠している嘘、4人の恋を描いた、中学生たちの美しい物語です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 音楽をテーマにしていることもあり、とても美しい物語だと感じました。絵もさわやかで綺麗だと思います。それぞれいろいろな悩みや葛藤を抱えていますが、登場人物たちがみな基本的に良い人たちで、優しく、ひたむきに生きていることが感じられます。そして主人公である公生が徐々に再生し、成長していく姿と、彼を支える周囲の人たちの思いやりにもまた感動します。恋の行方も気になりますし、破天荒な少女であるかをりの嘘にも、涙を禁じ得ません。

ちょびっツ CLAMP (著) 講談社

ちょびっツ CLAMP (著) 講談社

アマゾン商品紹介 可愛さ無敵の人型パソコン「ちぃ」! 浪人生の本須和秀樹が、近所のゴミ捨て場で拾ってきた、1台の人型パソコン。CLAMPが描くキュートなファンタジック・ラブコメディ!
どんな話ですか? パソコンが人間の形をして、人間と会話をしながら生活する世界。

予備校に通うために上京してきた本須和秀樹は、可愛らしいパソコンが包帯でグルグル巻きになってい捨てられているのを発見します。パソコンが欲しくてもなかなか買えなかった秀樹は、そのパソコンを持って帰ってしまいます。

やっと起動に成功しましたが、パソコンは「ちぃ」としか言いません。

秀樹は、パソコンをちぃと名付けて暮らすようになります。

OSが入っていないちぃは、秀樹の生活を便利にはしてくれませんでしたが、秀樹はちぃとの生活をいつしか大切なものだと感じるようになってきました。

そんなとき、秀樹はちぃが伝説のパソコンchobitsかもしれないことを知ります。

そして、ある日。

ちぃは秀樹を「アタシだけのヒト」と意識するようになりました。そして、秀樹はある決断を迫られるのです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 当たり前のようにインターネットを使うようになり、人工知能が内蔵されたロボットと暮らすようになった時代。

もしかすると、ロボットやパソコンと恋愛をするような時代がくるかもしれません。

ちぃは、OSが入っていないため、日常生活ではなんの役にも立ちません。

パソコンとは、ロボットとは人間にとってどういう存在なのかを考えさせられる作品です。

本来、心が存在しないはずのものに心が芽生えたときというのは、人類の進化にも感じますし、脅威にも感じます。

どんどんIT技術やロボット技術が進化している時だからこそ読んで欲しいです。

どんな人に読んでもらいたいですか? 日頃からパソコンを使っている人や、人工知能と暮らしてみたいと考えている人に読んで欲しいです。

心が芽生えたパソコンは、単なる道具ではなく、大切な家族や友達、また恋人になっていきます。

そのため、叶わぬ恋に悩んだり、心を塞ぎ混んだりということもあるのだということを、この作品で知って欲しいです。

読んだことによるエピソード この作品を読んでから、パソコンなど機械を大切に使うようになりました。

それまでは、乱暴に扱っていたものも、ちょっとぶつかっただけで、大丈夫だったかなと心配するようになりました。

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 植草杏、12歳。両親の離婚を機に母親の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーが無いと感じた杏。だが、近所に住む大悟と知り合い、徐々に自分の居場所を見つけるのだった。しかし、彼女を支える母親が仕事中に倒れて…!?現在、過去、未来をつなぐ恋の物語、第1巻!!

レビュー①

どんな話ですか? 杏(あん)と大悟という幼なじみの男女が小学、中学、高校と共に過ごす中で互いを異性として意識し合い、大人へと成長していく様子を描いた恋愛漫画です。東京に住んでいた12歳の杏が母親の実家がある島根に引っ越してくるところから物語が始まります。そこで大悟という少年と出会い二人は仲良くなっていきます。思春期特有の甘く切ない恋愛話なのですが、その後の進学や就職等で離ればなれになり、二人の関係はなかなか上手くいきません。しかしどのような困難な状況でも二人の心をしっかりつなぎ止めているのは杏が大切に持っている砂時計でした。

幼なじみ、島根、砂時計という3つのキーワードがこの漫画では大切な要素になっています。人との出会いと別れを繰り返す中で成長していく二人の純愛物語で、少女漫画ではありますが大人が読んでも楽しめる内容になっています。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 最近は奇をてらうような恋愛漫画や恋愛ドラマが多いですが、昔ながらの純愛の物語も面白いということを多くの人に知って欲しいです。そして世間の人にもう少し地方(田舎)にも目を向けて欲しいという思いもあってこの漫画をオススメしたいと思いました。都会がダメというわけではありませんが田舎のゆったりした雰囲気や、田舎の純朴な子ども達の友情もこの漫画の注目ポイントです。泣いたり笑ったりの恋愛漫画ですが読み終わった後には必ずホッとする気分になると思いますので、ぜひ多くの人に読んで欲しいです。

レビュー②

どんな話ですか? 島根を舞台に、幼馴染たちの恋愛模様を描いた作品です。幼馴染をテーマにした作品は数あれど、こちらの作品は恋愛要素以外にも惹き込まれる点がたくさんあります。物語のヒロイン、植草杏は両親が離婚し母親と共に島根に引っ越しますが、しばらくしてその母親が亡くなってしまいます。悲しみに暮れる杏を救ったのが、北村大悟という同級生の男の子です。二人は互いに惹かれ合い、ついに付き合うようになるのですが、幸せいっぱいの二人の前に突然杏の父親が現れ、彼らを取り巻く環境に変化が訪れます。大悟と同じく杏の幼馴染である藤は、地元の名家に生まれたお坊ちゃまですが、自分の出生には何か裏があるのではないかと疑いを持っていました。自分の出生に疑いをもち、思い悩む藤の姿に亡くなる間際の母の面影を感じ、心配になる杏…。それぞれの悩みや暗い過去を抱えながら、それでも前を向いて成長していく彼らの姿が印象的な作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 母親を失った暗い過去を忘れられず苦しむ杏や、自分の出生に疑念を抱き思い悩む藤など、それぞれのキャラクターが異なる悩み・過去を抱えています。その人を取り巻く環境や経験が、どれほどその後の人生に影響を与えるのか、そしてそれを乗り越えることがいかに難しいことであるか痛感させられます。乗り越えたい、強くなりたいという思いを打ち砕くように押し寄せる悲しみや苦しみが随所に表現され、時間をかけて成長していくキャラクターたちの姿に勇気をもらえるためオススメしたい作品です。

レビュー③

どんな話ですか? 両親の離婚を機に、12歳の冬に母・美和子の実家である島根に引っ越してきた主人公・植草杏。
田舎独特の雰囲気に馴染めずにいた杏だったが、近所に住む少年・北村大悟と出会う。
村の地主・月島家との交流もあり杏の笑顔が増える一方で、美和子は生きることに疲れ、突然自殺してしまう。
心の拠り所をなくした杏は悲しみのあまり、葬式の場で美和子と一緒に買った砂時計を遺影に投げつけて壊してしまった。
大悟は全く同じ砂時計を杏に贈り、「ずっと一緒におっちゃるけん」と約束し、成長した二人はやがて恋仲になる。
しかし様々な苦難や変化が訪れ、二人の関係は少しずつ変わってゆく。
少女から大人に成長していく杏の人生を追った、心に迫る少女漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 誰もが経験する初恋や初体験の甘酸っぱい記憶、失恋などを植草杏というひとりの女性に重ね合わせて描くことで、読者側も感情移入して読めるのが魅力的な点です。
少女の頃に読めば自分がいずれ経験するであろう未来を覗き見ることができて、大人になってから読めば懐かしい記憶を思い出しながら感傷に浸ることができます。
読む年齢によって受け取り方が変わるバイブル的な漫画なので、女性には是非一度読んで頂きたいです!