秘密 -トップ・シークレット- 清水玲子 (著)  白泉社

秘密 -トップ・シークレット- 清水玲子 (著)  白泉社

アマゾン商品紹介 変死を遂げた米大統領、自殺した連続殺人犯…。彼らの脳に遺された映像が語る「秘密」とは…!? 大幅加筆の上、シリーズ第1作より収録!!

レビュー

どんな話ですか? 清水玲子さんの近未来SFサスペンス漫画となります。舞台は2060年代の警察で、この世界では殺人事件の被害者の脳をMRI操作することで故人の記憶(MRIで読み取れるのは画像となるため、聞いた記憶ではなく目で見た記憶)を読み取り操作を進めていくという設定となっています。MRI操作が行われるようになっている、という設定で2060年頃と設定されているのだと思いますが、事件自体は現在の世界でも起こりうるもので臨場感を持って読むことができます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 操作対象となるのは凶悪犯罪や重要な事件・人物に関わる場合のみであることから扱う事件の内容も重く、また他人の記憶を覗くということから捜査員の精神的負荷も高く、いろいろな思惑が混ざり合って、漫画ではありますが非常に読み応えのある内容になっています。

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 宮川サトシ (著) 新潮社

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 宮川サトシ (著) 新潮社

アマゾン商品紹介 「あんたもワテが産んだ傑作やでねぇ、なんも心配しとらんよ」。かつて僕が白血病になった時、母はこう笑い飛ばした。今度は僕が母を救う、そう決めたはずだったのに。死が近づく闘病の日々と、母を失った日常で僕が知った、最愛の存在がいない世界とその死の本当の意味。死後1年、母から届いたスペシャルな贈り物とは。特別編も収録! 涙と希望に溢れる家族エッセイ漫画。

レビュー

どんな話ですか? 主人公の母親がガンを宣告されるところから物語は始まり、二人三脚での闘病生活が始まる。

そんな主人公の思いとは裏腹に意欲的に取り組まない母親に苛立ち怒りをぶつけてしまう。

ついには母親は亡くなってしまい、主人公は初めて母親がいない世界をこれから生きていくのだと気づく。

生きていく中で、ふとした時に思い出す母との思い出、後に遺された人たちの心情、ついには母との繋がりが強い地元を出て東京で暮らすことを決意する。

そんな主人公の生き様が描かれている。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者が実際に体験した母親との闘病生活の日々、葛藤、自分にとっての幸せ、周りの変化を作者らしい言葉と画の表現で漫画化していて、子供にとって親という存在がいかに大きなものか、当たり前のように過ごしているこの時間が、かけがえのない時間なのだということを作品を通して教えてくれます。

読みやすい1巻完結というボリュームで、何度でも手にとって読み返したくなる、そんな作品です。

読んだ後は必ず親に会いたくなります。

デッドマン・ワンダーランド 片岡 人生 (著), 近藤 一馬 (著) KADOKAWA

デッドマン・ワンダーランド 片岡 人生 (著), 近藤 一馬 (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 ある日突然、クラスメイト惨殺の容疑で死刑を宣告された五十嵐丸太。送られた先は日本唯一の完全民営化刑務所「デッドマン・ワンダーランド」だった…。大ヒット、監獄サバイバルアクション!

レビュー

どんな話ですか? あらすじ:未曾有の災害「東京大災害」を受け、東京は水没し、多くの住人が都外へ疎開することとなった。

そんな中、長野県へと疎開した中学生・五十嵐丸太。

平凡で平和な学生日常を送る丸太の元に、ある日、謎の装甲を身に纏う「赤い男」が現れ、クラスメイトを残らず惨殺してしまう。

目の前で級友や親友を殺され失意に陥る丸太だが、事件唯一の生き残りであることから殺人の罪に問われ、完全民営化刑務所「デッドマン・ワンダーランド」に収監されることとなる。

施設内で出会った不思議な少女・シロとの新たな関係性を築く中で、丸太は大きな陰謀に巻き込まれていく。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 作中世界観で登場する完全民営化刑務所「デッドマン・ワンダーランド」の背景が非常に独創的で面白い。
ツッコミ所にもなりかねない点は否めないが、少年から青年まで様々な罪状で収監されており、登場人物のバックグラウンドにそれぞれの人生の苦悩が感じられ、鬱屈感を覚えるストーリーが好みの方には非常にオススメ。テーマである「冤罪」に沿うような形で描かれている、登場人物を襲う「理不尽」な状況は、同情を誘うものもあれば、非常にサイコで利己的な内容もあるが、丸太を含む他者との触れ合いや衝突の中で、心情や置かれた状況が移り変わる様子も作品の魅力。

登場人物が個性的で入り込みやすいのも魅力のひとつ。

結末に向かっていくにつれ、様々な謎が解明されていくのだが、新たに謎を生む展開も加速感があってアグレッシブな作品といえる。

メタな内容ではあるが、完結済の作品であり、全13巻と一気に読める部数なので、連載待ちに苦しむこともない。

 

幸色のワンルーム はくり スクウェア・エニックス

幸色のワンルーム はくり スクウェア・エニックス

アマゾン商品紹介 薄幸な少女は誘拐されて“幸せ”を初めて知る。

その日、少女は誘拐された。
しかし、それは少女にとって一縷の希望にかけた生活の始まりだった。
少女は誘拐犯に結婚を誓い、誘拐犯は少女にたくさんの“幸せ”を捧ぐ。
被害者と誘拐犯の関係なのに―――どうしてこんなに温かいの?
pixiv&Twitterの超話題作が待望の書籍化!!!
半分以上が本書限定の描き下ろしエピソードを収録!!!

 

レビュー

どんな話ですか? 親から虐待され学校ではいじめられ、一人ぼっちだった少女が誘拐犯と生活を共にすることで人間味を取り戻していく物語。誘拐は犯罪のはずなのに、誘拐犯である「お兄さん」の方が世界の誰よりも少女「幸」に優しく、幸自身もお兄さんと一緒に行動することを望んでいるという、複雑なストーリーです。なぜお兄さんは幸を誘拐したのか、お兄さんの素顔はどうなっているのか、誘拐犯とその被害者という2人はその後どのような運命をたどるのか、最後まで目が離せない話題作です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? あらすじを読み、幸とお兄さんのシリアスな設定に一気に引き込まれました。読んでいると「正義とは何か」を問いかけられているように感じます。自分自身、正解が何なのか、自分ならどうするか、といった答えが出せていません。難しいなあと頭を悩ませてしまう問題からも目を背けずに向き合うきっかけになる作品だと思うので、1人でも多くの人に知ってほしいと思いました。複雑なストーリー設定とは裏腹に絵がとてもきれいで見やすいです。そのギャップにも引き込まれてしまう秘密があるかもしれません。

鬼滅の刃  吾峠呼世晴 集英社

鬼滅の刃  吾峠呼世晴 集英社

レビュー①

アマゾン商品紹介 時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!
どんな話ですか? 舞台は人を食う「鬼」が暗躍する、大正時代の日本。炭売りの少年・竈門炭治郎(かまど たんじろう)は裕福ではないものの、母ときょうだいたちと幸せな毎日を過ごしていた。
しかし炭治郎が家を空けた際に、妹の禰豆子(ねずこ)を残して家族が鬼に惨殺されてしまい、禰豆子も鬼の血を傷口に浴びたことで鬼化してしまう。
そこに鬼を倒す組織である鬼殺隊の柱・富岡義勇が現れ、禰豆子を鬼と認めて始末しようとするが、禰豆子も富岡を敵視して炭治郎を庇うような仕草をする。
「禰豆子は普通の鬼とは違う」と感じた富岡は剣を収め、炭治郎に鱗滝左近次(うろこだき  さこんじ)という育手の元に向かうように指示し、炭治郎は鱗滝の元で修行を積んで鬼殺隊に入隊する。
鬼と戦いながら、炭治郎が禰豆子を人間に戻すべく奮闘するダークファンタジー・アクション漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 人間同士でなくなってしまっても、決して切れることのない炭治郎と禰豆子の強い絆に胸を打たれます。
鬼殺隊の隊士はもちろん、敵である鬼側ですら悲しい過去を背負った者が多く、それぞれ深くエピソードが掘り下げられています。
アクション漫画としてもダークファンタジーとしても楽しめるため、非常におすすめの漫画となっています!

レビュー②

どんな話ですか? 主人公の鬼になった妹を人間に戻す為に旅を続けるお話です。鬼を滅する鬼殺隊に入った主人公が色んな仲間に出会い修行して戦っていく物語です。この漫画は家族愛や友情、仲間などをすごく大事にしていてとても感動する所もまた見所です。切っても切っても死なない鬼と生身の人間との戦いは白熱で柱と言われる最強の剣士も怒涛の戦いを見せます。また鬼になった鬼も元は人間なので鬼たちの過去もとても感動の内容となっています。鬼の始祖との戦いは多くの剣士が亡くなっていく中、悲しみを乗り越えて意思を繋いでいく内容は感動物です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 剣士同士の強い絆がとても良い内容だったり、鬼の過去や鬼になった理由なども書かれているのがとても興味深いし作者が時代に沿って描いている絵や文字、花や表紙などがすごく深い意味になっているのがすごいと思いました。読んでいても考察出来るし友情の大切さがとても感じられる漫画だと思います。それぞれのキャラクターの過去も悲しいのが多いですがその悲しい過去があるからこそ今があってこうして強くなって亡くなった方々の意思を繋いでいるのがとても感動的で見どころだなと感じたからです。

レビュー③

どんな話ですか? 鬼滅の刃は、人間と人食い鬼が存在する世界で、主人公の竈門炭治郎は家族と普通の暮らしをしていた。ある日、炭治郎が炭を売りに町に出ることになり、家に帰るのが遅くなってしまった。次の日、炭治郎は家に帰ると、家族全員が鬼に殺されていた。だが、妹の竈門禰豆子は微かに体に温もりを感じ、炭治郎は医者に診てもらおうと禰豆子を担いで家を出た。病院へ行く道中に禰豆子は目を覚まし、立ち上がったが、なんと妹の禰豆子が鬼になっていた。炭治郎は禰豆子に襲われそうになるが、間一髪のところで鬼殺隊と呼ばれる鬼を退治してくれる剣士が炭治郎の前に現れた。鬼殺隊の剣士は、禰豆子を退治しようとするが、炭治郎は妹の禰豆子を人間に戻したいという気持ちがあり、禰豆子をどうにかして人間に戻せないかと鬼殺隊に聞くと、鬼になってしまったらもう人間に戻らないと言われる。そんな絶望の中、炭治郎は禰豆子を人間に戻す方法を探しに鬼殺隊になることを決意するところから物語は始まります。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 人間と人食い鬼が存在する中で、主人公の炭治郎は妹を鬼に変えられてしまうという強烈な始まり方が目に留まりました。鬼はとても強く、ケガや傷もすぐに治りますが、人間はそうではなく、強くならなければ鬼に勝てないという状況も、緊迫感があり、面白いなと思いました。とにかくキャラクターそれぞれの設定が凝っており、ストーリー構成もとても面白く、敵キャラにも人間だったころのエピソードもあり、漫画を読みながら泣くことは普通にありました。心動かすような漫画だなと思ったのでオススメしたいです。

自殺島   森恒二 白泉社

自殺島   森恒二 白泉社

アマゾン商品紹介 「自殺島」─それは、自殺を繰り返す“常習指定者”達が送られる島。主人公・セイも自殺未遂の末、その島へと辿り着いた。果たして、セイ達の運命は!? 極限サバイバルドラマ待望の第1巻リリース!!
どんな話ですか? 自殺未遂者数十人が強制的に集められ、法律のない島「自殺島」で生活することを余儀なくされる、自殺島での人々の生活を描いた作品です。
自殺島には彼ら以外に人がいないため、山や海で狩りをし、農耕をして、自分たちの生活を支えなければいけません。
主人公のセイを初めとした元自殺志願者たちは、みな心に大きな傷を負っていますが、自殺島での生活の中で次第に生きる気力を取り戻し、過酷な環境で協力して生きていきます。
自殺島には法律がないため、略奪やレイプや殺しも自由。
無法者たちによって集団が荒らされますが、ルールを作ったりときには暴力で統制したり、何とか危機を克服して、集団で生きていく術を模索していきます。
物語の後半は、二つに分かれた集団の抗争がメインに描かれます。
人間の醜い欲望がとてもうまく表現されており、自分の中にも本質的に備わった醜い性質を見せ付けられる思いです。
自殺島での様々な出来事の中で、大きく成長する主人公セイの葛藤も見どころです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 自殺島での生活は、人間が自然で生きていくありのままの姿です。
無法状態で何の技術力もない環境は、現代の人が原初に戻ったリアルな姿のように思います。
物質に満たされているのが当たり前の世の中で、忘れられている人間ド同士の密な関係を教えてくれます。
見ていて辛く悲しいシーンも多いですが、最後には上手く話が終息します。
ご都合主義でもなく、過剰にネガティブに偏るでもない、良い話だと思います。

藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>(1)ミノタウロスの皿 藤子・F・不二雄 小学館

藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>(1)ミノタウロスの皿
藤子・F・不二雄 小学館

アマゾン商品紹介 藤子・F・不二雄のSF短編112話を全8巻に完全収録した“PERFECT版”が登場! 鋭い風刺精神を存分に発揮した「藤子美学の世界」にどっぷり浸かれる作品集!

ある日突然、ある町のスーパーマーケットのむすめが、スーパーマンになってしまった。「女の子のくせに、えらいものになってくれたね」と嘆く両親だったが、町内会長がやって来て、「スーパーマンの店と大はやりになるだろう」と言ったことから、両親は大喜び。「がんばってスーパーマンをやりなさい」と言われるものの、むすめは何をしたらいいのかわからず……(第1話)。
乗っていた惑星間航行ロケットが故障し、生き残ったのはオレ1人。水、食料ともに底をついたが、救助艇がくるのは23日後だという。やっとの思いで不時着した地球型の惑星。そこには低い段階ながらも文明があり、ミノアというかわい子ちゃんとも出会うことができた。ところが、その文明というのが実は……(第2話)。

どんな話ですか? 宇宙船が難破した主人公はある星に辿りつきます。その星では牛と人間の立場が逆転をして牛が星を支配し、人間は家畜や愛玩動物として飼われていました。主人公はミノアという女性に一目ぼれしました。ある日主人公はミノアは大祭でご馳走として、食べられてしまう事を知った。主人公はその星の支配者に抗議をしに行きます。ですがいくら言葉をつくしても伝わらず、途方にくれます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 意思疎通ができずに徒労に終わる事は実社会の中でもあるのではないのでしょうか。まったく違う意識を持つ人と話をする事は別の惑星と話をする事と同じだと思います。何がよくて何が悪いかは環境によって大きく変わってしまうもので、人の命の重さ、軽さも星が違えば大きく変わっていくものだと気付かされた作品です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 実生活で価値観の違いで悩む人、言葉をつくしてもどうしても伝わらなくて辛い想いをした人
読んだことによるエピソード 人間社会の価値観について考えるようになりました。

パートナー 小花美穂 (著) 集英社

パートナー 小花美穂 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 双子の苗と萌、賢と武は4人で楽しく学校生活をおくっていた。しかし、萌が交通事故で死んでしまう。それ以来、3人は異常な世界に巻きこまれてしまい……。
どんな話ですか? 双子の姉妹のなえと萌そして同じ双子の兄弟の賢と武は4人は同じ双子のという事で意気投合し、楽しく学校生活をしていました。ある日、交通事故で萌が死んでしまい、その死体が消失してしまいました。萌がいなくなった悲しみを乗り越えようと同級生の誘いで旅行に行きます。旅行にいった先で萌とそっくりな人物を見かけます。賢が萌とそっくりな人物の腕を引っ張ると腕が人形のようにとれてしまいます。なえと賢と武は萌の後をつけると怪しい施設に辿りつきます。その施設は死体を機械にして研究する施設だったのです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 命の大切さと生きる事の尊さを訴えかける作品です。大切な人の体を機械にされてしまった悲しみと葛藤がありながら、どうにかして施設から抜け出そうとするなえと賢と武の姿はいじらしく感じる作品です。どれだけおかしいと思っても現実を変えられない苦しさは現実の社会にも通ずるものがあるのではないでしょうか。
どんな人に読んでもらいたいですか? 命の大切さを感じたい人、様々な葛藤に打ちひしがれている人、大切な人を亡くした人
読んだことによるエピソード 命について考えるようになりました。

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 植草杏、12歳。両親の離婚を機に母親の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーが無いと感じた杏。だが、近所に住む大悟と知り合い、徐々に自分の居場所を見つけるのだった。しかし、彼女を支える母親が仕事中に倒れて…!?現在、過去、未来をつなぐ恋の物語、第1巻!!

レビュー①

どんな話ですか? 杏(あん)と大悟という幼なじみの男女が小学、中学、高校と共に過ごす中で互いを異性として意識し合い、大人へと成長していく様子を描いた恋愛漫画です。東京に住んでいた12歳の杏が母親の実家がある島根に引っ越してくるところから物語が始まります。そこで大悟という少年と出会い二人は仲良くなっていきます。思春期特有の甘く切ない恋愛話なのですが、その後の進学や就職等で離ればなれになり、二人の関係はなかなか上手くいきません。しかしどのような困難な状況でも二人の心をしっかりつなぎ止めているのは杏が大切に持っている砂時計でした。

幼なじみ、島根、砂時計という3つのキーワードがこの漫画では大切な要素になっています。人との出会いと別れを繰り返す中で成長していく二人の純愛物語で、少女漫画ではありますが大人が読んでも楽しめる内容になっています。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 最近は奇をてらうような恋愛漫画や恋愛ドラマが多いですが、昔ながらの純愛の物語も面白いということを多くの人に知って欲しいです。そして世間の人にもう少し地方(田舎)にも目を向けて欲しいという思いもあってこの漫画をオススメしたいと思いました。都会がダメというわけではありませんが田舎のゆったりした雰囲気や、田舎の純朴な子ども達の友情もこの漫画の注目ポイントです。泣いたり笑ったりの恋愛漫画ですが読み終わった後には必ずホッとする気分になると思いますので、ぜひ多くの人に読んで欲しいです。

レビュー②

どんな話ですか? 島根を舞台に、幼馴染たちの恋愛模様を描いた作品です。幼馴染をテーマにした作品は数あれど、こちらの作品は恋愛要素以外にも惹き込まれる点がたくさんあります。物語のヒロイン、植草杏は両親が離婚し母親と共に島根に引っ越しますが、しばらくしてその母親が亡くなってしまいます。悲しみに暮れる杏を救ったのが、北村大悟という同級生の男の子です。二人は互いに惹かれ合い、ついに付き合うようになるのですが、幸せいっぱいの二人の前に突然杏の父親が現れ、彼らを取り巻く環境に変化が訪れます。大悟と同じく杏の幼馴染である藤は、地元の名家に生まれたお坊ちゃまですが、自分の出生には何か裏があるのではないかと疑いを持っていました。自分の出生に疑いをもち、思い悩む藤の姿に亡くなる間際の母の面影を感じ、心配になる杏…。それぞれの悩みや暗い過去を抱えながら、それでも前を向いて成長していく彼らの姿が印象的な作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 母親を失った暗い過去を忘れられず苦しむ杏や、自分の出生に疑念を抱き思い悩む藤など、それぞれのキャラクターが異なる悩み・過去を抱えています。その人を取り巻く環境や経験が、どれほどその後の人生に影響を与えるのか、そしてそれを乗り越えることがいかに難しいことであるか痛感させられます。乗り越えたい、強くなりたいという思いを打ち砕くように押し寄せる悲しみや苦しみが随所に表現され、時間をかけて成長していくキャラクターたちの姿に勇気をもらえるためオススメしたい作品です。

レビュー③

どんな話ですか? 両親の離婚を機に、12歳の冬に母・美和子の実家である島根に引っ越してきた主人公・植草杏。
田舎独特の雰囲気に馴染めずにいた杏だったが、近所に住む少年・北村大悟と出会う。
村の地主・月島家との交流もあり杏の笑顔が増える一方で、美和子は生きることに疲れ、突然自殺してしまう。
心の拠り所をなくした杏は悲しみのあまり、葬式の場で美和子と一緒に買った砂時計を遺影に投げつけて壊してしまった。
大悟は全く同じ砂時計を杏に贈り、「ずっと一緒におっちゃるけん」と約束し、成長した二人はやがて恋仲になる。
しかし様々な苦難や変化が訪れ、二人の関係は少しずつ変わってゆく。
少女から大人に成長していく杏の人生を追った、心に迫る少女漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 誰もが経験する初恋や初体験の甘酸っぱい記憶、失恋などを植草杏というひとりの女性に重ね合わせて描くことで、読者側も感情移入して読めるのが魅力的な点です。
少女の頃に読めば自分がいずれ経験するであろう未来を覗き見ることができて、大人になってから読めば懐かしい記憶を思い出しながら感傷に浸ることができます。
読む年齢によって受け取り方が変わるバイブル的な漫画なので、女性には是非一度読んで頂きたいです!


ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 「私は家族を焼き殺された――。」三角草(ミスミソウ)。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花。閉鎖的な田舎町の中学に転校してきた少女「春花」を待っていたのは、壮絶なイジメだった。せき止められない憎しみに、少女の心は崩壊する―――!!
どんな話ですか? 中学3年生の春花は廃校寸前の中学校、大津村中学校へと転校してからクラスメートによる壮絶ないじめを受けていましたが、それを家族には言わずに耐えていました。ところがついに家族にいじめのことを知られ、登校するのを引き止められて学校を休んでいたある日、春花が登校しない代わりにいじめの標的になりそうだった流美の暴走で家族を家ごと燃やされてしまいます。妹は重傷で済みましたが両親は亡くなってしまいました。クラスメートによる犯行だと気づいた春花による壮絶な復讐劇が幕を開けます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? このマンガでは、大人や子供限らず、人間の醜悪さ、残酷さを隠さず描いています。そしてその悪意に真っ向から挑み、復讐を果たしていく中学生の少女の姿は圧巻です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 理不尽で胸糞悪くなるような残酷なストーリーを読みたい人 孤独で絶望的な状況に立ち向かう強い女性の姿を見たい人
読んだことによるエピソード このマンガでの主人公のおかれた状況は、中学生女子にとってどうすることもできないようなものでした。しかし、それでも復讐を遂げようと行動する主人公を見て、自分も困難な状況に陥ったときこそ信念を貫こうと思えました。