銀河の死なない子供たちへ 施川 ユウキ (著) KADOKAWA
アマゾン商品紹介 | とうに人類が滅亡した星で、ラップを口ずさむのが大好きな天真爛漫な姉・πと、いつも読書をしている内向的な弟・マッキは、永遠の命による終わらない日々を過ごしていた。そんなある日、愛すべきものの終わりに直面した二人は……。「手塚治虫文化賞」受賞作家が挑む、不死の子供たちの果てしない日常と、途方もない探求の旅――。 |
どんな話ですか? | 人類が滅亡した遥か未来の地球を生きる3人の母子。 へんてこなラップを愛するπと冷静沈着なマッキ、そんな二人を見守るミステリアスな母親。 不老不死の身であり、永遠を生きる3人の日々は、ある日宇宙から身重の女性が不時着し、女の赤ん坊ミラが生まれた事で終止符が打たれた。 ミラを試行錯誤育てる中で、次第に親としての愛情に目覚めていくπとマッキ。 しかしミラの身体は放射能に蝕まれ、長生きできない宿命だった。 πとマッキは余命短いミラの夢を叶える為、懸命に献身するのだが。 人間の生と死、命とは何か。哲学的な命題を孕むSF。 |
なぜその漫画をオススメしたいですか? | のっけから壮大なスケールの世界観に圧倒されます。 文明崩壊後の地球にたった3人で生きるミステリアスな親子。彼らが一体何者なのか、終盤になるまで明かされません。 数千年、あるいは数万年単位で生き死にを繰り返す彼らの死生観は、私たちとは大きく異なっています。 そんなある意味人間離れした存在だったπとマッキが、女の赤ん坊ミラと出会い、彼女をいちから育てるうちに愛情に目覚め、失われた人間らしさを取り戻していく過程が感動的です。 愛する人間に先立たれる痛みや哀しさ、どうしようもない喪失を体験したπとマッキが選んだ未来も、非常に考えさせられるものでした。親となる現実が人の精神にもたらす影響、個人に促す成長に胸を打たれます。 母親とπとマッキ、πとマッキとミラ、異なる二組の親子の関係をじっくり掘り下げる事で、両者の愛情がしみじみ伝わってくる構成が憎いです。 哲学的な深みと広がりを持った、多くの人に読んでもらいたい漫画です。 |
どんな人に読んでもらいたいですか? | SF好きな人 親子愛に感動したい人 哲学的な命題を持った漫画が好きな人 とにかくスケールの大きな話が読みたい人 |
読んだことによるエピソード | とくになし。 |
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