ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 「私は家族を焼き殺された――。」三角草(ミスミソウ)。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花。閉鎖的な田舎町の中学に転校してきた少女「春花」を待っていたのは、壮絶なイジメだった。せき止められない憎しみに、少女の心は崩壊する―――!!
どんな話ですか? 中学3年生の春花は廃校寸前の中学校、大津村中学校へと転校してからクラスメートによる壮絶ないじめを受けていましたが、それを家族には言わずに耐えていました。ところがついに家族にいじめのことを知られ、登校するのを引き止められて学校を休んでいたある日、春花が登校しない代わりにいじめの標的になりそうだった流美の暴走で家族を家ごと燃やされてしまいます。妹は重傷で済みましたが両親は亡くなってしまいました。クラスメートによる犯行だと気づいた春花による壮絶な復讐劇が幕を開けます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? このマンガでは、大人や子供限らず、人間の醜悪さ、残酷さを隠さず描いています。そしてその悪意に真っ向から挑み、復讐を果たしていく中学生の少女の姿は圧巻です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 理不尽で胸糞悪くなるような残酷なストーリーを読みたい人 孤独で絶望的な状況に立ち向かう強い女性の姿を見たい人
読んだことによるエピソード このマンガでの主人公のおかれた状況は、中学生女子にとってどうすることもできないようなものでした。しかし、それでも復讐を遂げようと行動する主人公を見て、自分も困難な状況に陥ったときこそ信念を貫こうと思えました。

ふれなばおちん 小田ゆうあ (著) 集英社

ふれなばおちん 小田ゆうあ (著) 集英社

出典:ふれなばおちん

 

 

アマゾン商品紹介 夫は大事です。でも、好きな人ができました。 結婚××年。家族のために生きてきました。それで幸せ、それが幸せ、と思っていたけれど、最近娘が、もっとキレイなお母さんでいてよ、なんてことを言いだした。母だけじゃ、いけないのでしょうか─。
どんな話ですか? ごく普通の主婦が、夫ではない男性を好きになって少しづつ変わっていくお話です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 主人公の女性は、ごく普通で、家族思いで、料理上手で明るい素敵なお母さんです。そんな人が少しづつ好きになってはいけない人を好きになっていく過程が、とてもリアルに描かれています。不倫に踏み込んでいく過程が丁寧に描かれている漫画はそう多くないと思います。あと、主人公が作るご飯が美味しそうで食べたくなります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 人を好きになっていく過程を追体験したい人に読んでもらいたい漫画です。好きになってはいけない人を好きになるというストーリーだからこそ、人を好きになっていくプロセスがよく分かる漫画ではないかと思います。
読んだことによるエピソード 特になし

 

プリンセスメゾン  池辺葵 (著) 小学館

プリンセスメゾン  池辺葵 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 映画化作品『繕い裁つ人』の池辺葵氏、最新作は“住”。女ひとり、たったひとつの“家”さがしは、運命の人を見つけるよりも難しい!? 2015年、日本。女性がひとりで家を買うことは、無謀なのか、堅実なのか。年収200万ちょっとの独身女性・沼越さんが、オリンピックを控えた東京で、理想の家を求めて歩く。twitterなどで大人気の、共感度100%の家さがしストーリー。
どんな話ですか? 主人公が、自分一人が住む理想のマンションを見つけるためにモデルルーム見学を繰り返します。家を巡り、色々な人の過去・現在・未来が描かれています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ただの持ち家探しのお話ではありません。家を通じて生き方や過去の思い出との向き合い方について考えさせられます。ですが決して押し付けがましくなく、読んだ後に温かい気持ちになります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 将来や生き方について悩んだり、漠然としたもやもやを抱えたときに読んで欲しいです。お休みの日や仕事終わりに、自宅でくつろいでいるときに読むのにぴったりな漫画です。
読んだことによるエピソード 独身女性が家を買うと結婚できなくなる、という世間の言い伝えに真っ向から向かっていく漫画だと思いました。生き方なんて人それぞれだ、と自分に思わせてくれた漫画でした。読んだあと張り詰めた気持ちがフッと緩み、自然と気持ちが明るくなります。

孤高の人 坂本眞一 (著), 鍋田吉郎 (著), 新田次郎 (著)  集英社

孤高の人 坂本眞一 (著), 鍋田吉郎 (著), 新田次郎 (著)  集英社

アマゾン商品紹介 孤独な青年・森文太郎は転校初日、同じクラスの宮本にけしかけられ校舎をよじ登ることに。一歩間違えば死んだかもしれない、だが成し遂げた瞬間の充実感は、今までになかった「生きている」ことを確かに実感するもの…。文太郎はクライミングへの気持ちを加速させはじめた――!!
どんな話ですか? 同名の小説が原作となっています。孤独な少年があることをきっかけにクライミングを始め、そこに生きている実感を見出して、山へのめり込んでいく話です。実在の登山家をモデルにしています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 取り憑かれたように何かにのめり込んでいく人の思いや衝動を追体験できる漫画です。繊細な絵でより一層、漫画の世界に没頭できます。
どんな人に読んでもらいたいですか? 何か非日常を体感したい、刺激が欲しいという人にぜひ読んで欲しいです。読み終わった後、少し疲労感を感じるくらいのヒリヒリする漫画です。
読んだことによるエピソード 「なぜ人は山に惹かれるのか」という問いの一つの答えだと思いました。わざわざ危険を冒してまで山に登る人達を不思議に思っていましたが、この漫画を読んでみて困難や挑戦に惹きつけられる人達の気持ちが少し分かったような気がします。

あひるの空  日向武史 (著) 講談社

あひるの空  日向武史 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 149cmと小柄な高校生ながら、天性の才能を魅せるバスケ少年・車谷空! 入学先のクズ高で、最初はバスケをやるには困難な状況だったものの、空の熱意に影響を受けて、千秋・百春兄弟や、天才少年・トビなど続々メンバーが集まった! 順調に進みだしたクズ高バスケ部だったが、挫折や事件とあらゆることに巻き込まれていく‥‥。バスケを愛する空たちは、数々の困難にどう立ち向かうのか!?
どんな話ですか? 背の小さい事からハンデとコンプレックスを背負った主人公が母親との約束を果たすべく、高校バスケの大会で優勝を目指すというのが最初の目的だったスポーツ漫画です。スポ根ものと呼べなくは無いですがリアルな人間模様を楽しくヒューマンドラマが魅力な漫画でもあります。不真面目に過ごしてきた部のメンバーでもある不良達が徐々にバスケに本気になっていったり、煙草の不始末により部室を燃やしてしまい廃部に追い込まれたりとバスケ以外の部分も面白いです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 自分が小学生の頃に連載が開始した漫画であり、当時からミニバスをしていた事もあってか共感できる部分が非常に多いです。部活をしていた時に感じていた特有の空気感が出ている漫画なので、既に引退している人にとっては感慨深く懐かしい、現役の人にとってはあるあると思える所が良い。漫画なのである程度はファンタジーな要素もありますが、巻数を重ねて後半になってから主軸メンバーだったキャラが部活を止めてしまったりとリアルだと感じる部分もあり、そこの具合が絶妙です。漫画は全てが上手く行きすぎる部分がありますが、あひるの空は挫折がメインといっても良いくらい、何かしらに負ける描写があるのでご都合主義過ぎない感じもオススメです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 何かしらの部活に励んでいたり、過去にやって来た方にはヒットすると思います。特にバスケ部だった人ははまれる筈。また、展開がスローペースでじっくり描写してくれるのでしっかりとした物語が読みたい方にもオススメ出来ると思います。
読んだことによるエピソード 部活を止めようか悩んでいた時期に似たような話が漫画で始まりました。元々は仲間だった部のメンバーとの距離感がおかしくなってしまう話を見て、それは嫌だなと思い直した事があります。

20世紀少年 浦沢 直樹 (著) 小学館

20世紀少年 浦沢 直樹 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 無事、2016年を迎えられた人類へ捧ぐ。

浦沢直樹が世に放ち、日本中を席巻することとなった大ヒット作、『20世紀少年』。
来年完結10周年を迎える本作が、雑誌掲載時のカラーを再現した完全版として遂に登場!

作中では、2015年に人類は滅亡――
以降、西暦は「ともだち暦」と改められる。
まさに、今読むべき黙示録。

オリジナル単行本2冊を1冊にまとめ、読み応え充分の全11巻+『21世紀少年 完全版』全1巻で刊行スタート!
あらすじ/1997年、ケンヂが営むコンビニへ刑事が訪れた。ケンヂがいつも酒の配達をしている敷島家が、全員行方不明になったのだという。敷島家の集金がまだ終わっていなかったケンヂは、飲み逃げかと落ち込むものの、渋々ビールの空きビンを取りに敷島の家を訪れる。するとそこには、どこかで見たことがあるような、不思議なマークが壁に描かれていた(第1話)。▼ケンヂは、幼なじみのケロヨンの結婚式に出席していた。ケロヨンとは少年時代、小学校の仲間たちと近所の空き地に秘密基地を作り、みんなで地球の平和を守るために戦うと誓い合った仲だった(第2話)。

レビュー①

どんな話ですか? ケンヂとその仲間たちが小学生時代に書いた「よげんのしょ」をもとにストーリーが展開していく。ケンヂは、姉の子カンナを育てながら実家のコンビニで働いていた。そんなある日、小学校の同級生のドンキーが投身自殺したとの訃報が舞い込んでくる。ケンヂのもとにはドンキーからの手紙が送られており、その中には「このマーク、覚えてないか?」との文字とマークが書かれていた。そのマークは、数日前に行方不明になった敷島教授の家の壁に描かれていたものと同じだった。そして同じ頃、そのマークをモチーフとした教団で「ともだち」なる存在が世界を動かし始めていた。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 正義とは何か、友情とは何かを教えてくれる作品。誰しもが子ども時代に経験したような息苦しさと罪悪感を思い出させ、子どもの善と悪について考えさせられる。また人間の精神のもろさ、すがりたいという気持ち、洗脳と信仰についても深く考えさせられる。善が悪になり、正が負になるような逆転があり、いったい何が正しいのか、誰が正しいのかをいろんな視点で感じることができる。今この時代をどうやって生きてくか、ケンヂやカンナ、仲間たちの生き方から学ぶことができるように思う。

レビュー②

どんな話ですか? 冴えない主人公遠藤健児(ケンヂ)が、少年時代からの友人たちと共に地球滅亡を企てる悪の組織に立ち向かうSFサスペンス大作。

大阪万博を翌年に控えた1969年、ケンヂは友人たちと秘密基地の中で「よげんの書」を作って盛り上がる。悪の組織が企てる地球滅亡計画に、正義のヒーローとして立ち向かうのはもちろん自分達。仲間のオッチョ、ヨシツネ、フクベエらと共に他愛のない空想で盛り上がる、昭和の平和な小学生だった。

時は流れ、ヒーローどころか冴えないコンビニ店主となったケンヂ。ロック歌手になるという夢をあきらめ、酒屋だった実家の店を改装したコンビニで働き、パッとしない日々を送っているのだ。そんな平凡な日常が、世界各地で起こり始めた異変によって一変していく。なんと、子供の頃自分達が考えた「よげんの書」のとおりに世界が破壊されて行ったのだ。

その事実にいち早く気づいたケンヂは、悪の首謀者「ともだち」に立ち向かうべく、昔の仲間達と共に立ち上がる。

なぜその漫画をオススメしたいですか? もともと浦澤直樹のマンガのファンなのですが、その中でも冒険性、サスペンス性に優れたエキサイティングなストーリーです。物語は1970年代前後と現代を行き来する内容になっており、当時、主人公と同じように小学生だった世代の人には堪らない漫画だと思います。

主人公のケンヂ達が小学生時代にふざけて書いた「よげんの書」に沿って世界滅亡のシナリオが進行して行くのですが、悪の首謀者の名前は「ともだち」、そのトレードマークは小学生時代のコミックに載っていたおなじみのマーク、最初に破壊される都市は近所にあった飲み屋の名前(さんふらんしすこ)という、いかにも小学生の頭で考えたような子供じみたストーリーなのに、その話の通りに現代の世の中で人がリアルに死に、世界が破壊されていくという、嘘なのか本気なのかわからないような構成も絶妙です。

主人公はカッコ良くも強くもない、どこにでもいる冴えないキャラクターというのもまた感情移入できるポイント。

「ともだち」の正体がなかなか明かされず、どんどん先を読まずにいられなくなる徹夜必至の漫画です!

 

聖☆おにいさん  中村光 (著) 講談社

聖☆おにいさん  中村光 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 ブッダとイエスのぬくぬくコメディ。“笑い”でも世界を救う!聖人in立川。目覚めた人ブッダ、神の子・イエス。世紀末を無事に越えた2人は、東京・立川でアパートをシェアし、下界でバカンスを過ごしていた。近所のおばちゃんのように細かいお金を気にするブッダ。衝動買いが多いイエス。そんな“最聖”コンビの立川デイズ。

レビュー①

どんな話ですか? ブッダとイエスキリストが現在の日本で生活をするという物語になります。漫画の中では、イエスキリストはおちゃめな性格をしており、ブッダはそれを抑えるという役割をしています。それぞれ仏教とキリスト教を理解しているとより面白いですが、もし知らなかったとしても十分に楽しめる内容になっています。例えば、クリスマスに関しては一般的に多くの人が知っており、身近に感じられる内容になるかと思います。この漫画は面白いにもかかわらず、学校の図書館に入る学習漫画のようなポジションを有しています。アニメにも、映画にもなっています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 上記にも書かせていただいたように、学習漫画の要素と、ギャグ漫画の要素を持っているからです。他の学習的な要素を保持していると考えられる漫画、たとえば銀魂と比較してみたいと思います。銀魂は歴史上の人物を覚えるのを助長するという点から学習的要素を保持していると考えられますが、人物名のパロディであって本当の名前とは異なります。これは子供の成長を妨げかねません。一方で聖お兄さんは間違っている知識が見られませんので良いかと思います。

レビュー②

どんな話ですか? 天上界の目覚めた人ブッタ(倹約家、主婦っぽい)と神の子イエスキリスト(無駄遣いが多いゲーマー)が世紀末を無事終えたので有給を使って、下界の日本は東京立川でバカンスを過ごす話。聖人なのに給料が少ないので立川で風呂なしアパートを借りて川で行水をして捕まりかけたり、カラオケ屋ではしゃいだり、ほのぼの日常系の漫画ですが、時折天界の友人(性格がかなりきついか変人が多い)や悪魔や立川にやってきてひと騒動起こして帰るというパターンが多いです。仏教ネタ、聖書ネタ、神話ネタが多く、大元を知らないとマニアックすぎて笑えないところもあるのですが、基本不毛な争いごとなく、日本って平和だなと思わせてくれる漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? とにかく落ち込んでいても笑ってストレス発散ができるのでおすすめです。仕事の過労やとんでもないクライアントからのストレスでイライラした時、ブッタの上司の方が無茶振りすごいよな、と癒されていました。ブッタもイエスも餓死しかけたり、刺されて殺されたりと、生きてる間はとんでもないことをされていた割に、恨みつらみもなく聖人業を営んでいるので、色々悩みの多い自分の生活はそれに比べると平和だなと悩んでいることが小さく思えるので気に入っています。

昭和元禄落語心中 雲田はるこ (著) 講談社

昭和元禄落語心中 雲田はるこ (著) 講談社

アマゾン商品紹介 満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎(よたろう)。娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。昭和最後の大名人・八雲(やくも)がムショで演った「死神」が忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに……!? 昭和元禄落語心中・与太郎放浪篇、いざ幕開け!!
どんな話ですか? 昭和元禄(1960年代に、当時の高度経済成長を指して生まれた言葉)のタイトルが示す通り、主に昭和から現代に至るまでのある落語家の人生の物語です。

過去に生きる二人の天才落語家と、その薫陶を受けた落語家の卵の奮闘を交えながら、芸に向き合う者たちの姿勢や、取り巻く人々の人情が描かれています。

「心中」という不穏なキーワードは、世の移り変わりで落語がどうなっていくのか、また変質していくなら落語家も迎合するべきか、それとも旧態様式と心中して過去のものになっていくのか…という芸人としての葛藤はもちろん、愛憎の果てに生死の問題をも伴う本当の意味でも使われ、人を楽しませる落語を扱いつつもそこに隠れた道化師の舞台裏のような悲哀が常に漂っています。

時代設定は昭和初期の戦時中から携帯電話があるごく最近までと非常に幅広く、一貫して出てくる「八代目八雲」の若き日から最期までの一代記という側面も強く、この八雲が「与太郎」と並ぶ影の主人公と言えるかもしれません。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 同時期にドラマ化した「トクサツガガガ」とどちらにするか非常に迷いました。
こちらの方がより衝撃的で、腹を抱えて笑うというより腰を据えて取り組む大人の文学のような印象があります。
よってより活字だけでもその魅力が伝わりやすいのではと思い、今回は「昭和元禄」を選びました。
内容はもちろん落語が中心で、徒弟制のしくみはどうなっているとか、寄席の裏側はこうなっているとか、伝統とどう向き合っているのかという知識も得られますが、漫画作品としての魅力としてはまず絵柄と人物造形の美しさで誰もが目を奪われるのではないでしょうか。
個人的にはあまり女性作家のタッチは好きになれない事が多く、敬遠の元となりがちなところが、雲田はるこ氏の筆はスマートかつ力強い透明感があります。
特に男性は格好良く、美しく描かれており、どこかボーイズラブ的な匂いもありつつ、前述の骨太感のおかげで抵抗がありません。
一方の女性は魅力がないかというとそんな事はなく、中心となる昭和編の小夏、過去編のみよ吉ともにちょっとめんどくさい
性格をしてはいるものの、基本的に男社会の落語界隈に女としてどう絡むのかという重要な役割を持っています。
どんな人に読んでもらいたいですか? 活字が多い割に説教くさくなく、どちらかというと人の心の根底にあるものをダイレクトに打つ作劇のため、落語に興味がなくとも人から人へ伝わる思いを感じ取るだけでも充分楽しめます。

よって普段からよくドラマを見る方ならすんなり入れるのではないでしょうか。

またすでに完結ずみの作品であり、単行本は10巻とすっきりまとまり、一気読みもしやすいため時間のない人にもおすすめです。

美男子が吐く数々の名啖呵も見所の一つであり、昨今の薄っぺらな日本語に辟易している人にもぜひ読んでほしいと思います。

読んだことによるエピソード これはもう落語に興味が沸いたという一点に尽きます。もともと「笑点」のイメージしかなかったところに、作中の非常にわかりやすい解説と小気味よいセリフのおかげで、ただの伝統芸能という既成観念が取り去られてしまいました。読んだ人の大半が、こんなに面白いのならぜひ寄席に行って生で触れたいと思うに違いありません。

 

ホクサイと飯さえあれば  鈴木小波 (著) 講談社

ホクサイと飯さえあれば  鈴木小波 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 「料理はね、作ってる時間が楽しいんだよ。」
伝説のインドアご馳走マンガが「ヤングマガジン サード」にて復活移籍新連載!!
かつて掲載誌の休刊に伴い惜しまれつつ終了した『ホクサイと飯』。
本作『ホクサイと飯さえあれば』は、その8年前のお話。
大学進学のため上京した山田ブンが、愛するぬいぐるみ(?)ホクサイと共に、
東京・北千住の町でアイディア満載のレシピで美味しいご馳走作ります!
トラブルがあっても、ホクサイがいて、美味しい飯さえあれば、毎日ハッピー!!発売前から各所で話題の1巻は「空き缶ご飯」「変身のサンドイッチ」「魔法瓶で甘酒」「ミートボールスパゲティ」「聖なるパフェ―」「牛すじカレー」のレシピと、それにまつわる笑えて沁みて温まる、家庭料理のようなほっこり物語収録です。
どんな話ですか? 美大に通う主人公が日常を過ごしながら食べたい衝動にかられ、ぬいぐるみのホクサイや友を横目に料理を作って食べるお話です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ご飯の描写がおいしそうなのと、一つ一つの料理にレシピがきちんと書かれています。読んでいて自分自身も食べてみたいと思ったときに、漫画をレシピ本代わりにして作ることも可能です。また、普段なら市販のもので済ませるような甘酒やめんつゆを作って食べてみたいというだけで作ってしまうのがとても共感します。また、主人公は漫画家を目指し、応募しますが、担当にけちょんけちょんにあしらわれます。その怒りの矛先を料理作りに向けるところなど、とても気持ちがわかり、自分自身もそうしてしまうなと思ってします。
どんな人に読んでもらいたいですか? 料理を作る人、きちんとしたものではなく日常で目分量で作る人やたまに本格的なもの作りたい衝動に駆られる人におすすめです。また、漫画家志望でまだまだ悩みながら頑張っている人にたまの息抜き、現実逃避にこんなやり方もあるんだなと読んでもらいたいです。
読んだことによるエピソード 作中、主人公が冬場部屋の中にテントをたててその中で漫画を描く姿を見てテントを購入しました。冬場は暖かいのですが、ちょっと大きすぎてあまり使わなくなりました。最近ではソロキャンが流行りだし、一人用のテントもいろいろな種類があると知れたのでもう少し調べてから購入すればよかったと思いました。

サラリーマン金太郎 本宮 ひろ志 (著) サード・ライン

サラリーマン金太郎 本宮 ひろ志 (著) サード・ライン

 

アマゾン商品紹介 長髪にハチマキ。背中に赤ん坊くくりつけ、史上最強のサラリーマン・矢島金太郎がしがらみだらけの世の中に殴りこみ!!かつては関東一円でその名を鳴らした暴走族・八州連合の頭(ヘッド)。そんな金太郎は妻の実家で漁師となったが、海でヤマト建設の会長を助けたことで新たな行くべき道を掴んだ!上京してヤマト建設の社員となった金太郎は、会社を飲み込む台風の目となり、行く先々で大暴れ!!

レビュー①

どんな話ですか? 中卒、少年院あがりの金太郎がひょんなことから建築会社の社長を助け、働くことになる
学はないが腕っぷしとひらめき、そして人との縁で破天荒ながらもサラリーマンの道を金太郎は極めて行く
なぜその漫画をオススメしたいですか? 働くことに理不尽さ、そして充実感などをたっぷり味わえる作品です

レビュー②

どんな話ですか? 元暴走族で前科2犯の主人公の矢島金太郎が田舎の漁師から東京のサラリーマンになるストーリです。

サラリーマンになるきっかけは、船釣りで漂流していてヤマト建設の会長の大和守之助を助けたことにより東京のサラリーマンになる。ヤマト建設に就職してからは、金太郎の正直で真っ直ぐな性格が影響して、様々な人間との交流により小さな仕事からやがて大きな仕事を成功させていく。

一人の人間がサラリーマンを通して成長していく物語である。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 実際に自分が働きだしてから、多く感じることがあります。

人間関係によって態度を変えたりや正直になんの仕事をやっているのかを漫画を通して見直すことができるからです。

仕事にて小細工をすることも多々ありますが、真っ直ぐに正直に仕事にぶつかっていくことを思い出せてくれます。

仕事で心が折れそうになった時も、どのようにして突破すれば良いかなどを、漫画を通して自分を見直すことでやり切るためのヒントを届けてくれるような気がします。