おやすみプンプン 浅野いにお (著) 小学館

おやすみプンプン 浅野いにお (著) 小学館

アマゾン商品紹介 ある日のこと、プンプンはクラスにやってきた転校生・田中愛子に一目惚れ。彼女から「もうすぐ地球は人の住めない星になる」「別の星に移住しないと人類はメツボーしてしまう」という話を聞いたプンプンは、今日出された「将来の夢」の作文に、「宇宙を研究する人になりたい」と書こうと思い立つ。だが翌朝、プンプンが起きると家の中が大変なことに…?
どんな話ですか? 主人公は小学生のプンプン。プンプン含め彼の親族はみんな鳥のような姿で描かれています。そんなプンプンは転校してきた少女・愛子ちゃんに一目惚れしてしまいます。ある日プンプンは突発的に愛子ちゃんに告白してしまいました。その答えは愛子ちゃんによるキスでした。しかし、愛子ちゃんは母親の宗教の影響でクラスで孤立していきます。プンプンはそんな愛子ちゃんの家庭状況を聞いて、夏休みに愛子ちゃんの親戚のいる鹿児島へ二人で行く約束をしました。ところが約束の当日に入院中の母が転落して怪我をしたという一報を受け、愛子ちゃんとの約束を破って病院へ向かいます。そして疎遠になって時間が経ち、中学生になったプンプンの前に愛子ちゃんが現れ、あの日鹿児島へ行く約束をしたという絆をもとに、再び二人の人生は絡み合っていきます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 鬱漫画としてよく紹介されるこの漫画ですが、描いている舞台は特別な世界というわけではなく、むしろ現代社会そのままをステージに、普通の人間が色々な困難にあって揉まれていくという構図になっています。ある意味では、今自分たちが生きる社会を俯瞰して見れるという点で勉強になると思います。
どんな人に読んでもらいたいですか? スタンダードになってきた「勧善懲悪」「ハッピーエンド」の構図に飽き、ポジティブネガティブ関係なく刺激的な展開を求めている人 現代社会を強く生きるキャラクターを見たい人
読んだことによるエピソード 主人公プンプンは人間の欲に弱いところを強調したようなキャラクターです。自分にもそういう一面が備わっていることを自覚して生きていくべきだと思いました。

ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 「私は家族を焼き殺された――。」三角草(ミスミソウ)。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花。閉鎖的な田舎町の中学に転校してきた少女「春花」を待っていたのは、壮絶なイジメだった。せき止められない憎しみに、少女の心は崩壊する―――!!
どんな話ですか? 中学3年生の春花は廃校寸前の中学校、大津村中学校へと転校してからクラスメートによる壮絶ないじめを受けていましたが、それを家族には言わずに耐えていました。ところがついに家族にいじめのことを知られ、登校するのを引き止められて学校を休んでいたある日、春花が登校しない代わりにいじめの標的になりそうだった流美の暴走で家族を家ごと燃やされてしまいます。妹は重傷で済みましたが両親は亡くなってしまいました。クラスメートによる犯行だと気づいた春花による壮絶な復讐劇が幕を開けます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? このマンガでは、大人や子供限らず、人間の醜悪さ、残酷さを隠さず描いています。そしてその悪意に真っ向から挑み、復讐を果たしていく中学生の少女の姿は圧巻です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 理不尽で胸糞悪くなるような残酷なストーリーを読みたい人 孤独で絶望的な状況に立ち向かう強い女性の姿を見たい人
読んだことによるエピソード このマンガでの主人公のおかれた状況は、中学生女子にとってどうすることもできないようなものでした。しかし、それでも復讐を遂げようと行動する主人公を見て、自分も困難な状況に陥ったときこそ信念を貫こうと思えました。

not simple オノ・ナツメ (著) 小学館

not simple オノ・ナツメ (著) 小学館

アマゾン商品紹介 普通の幸せを求めた青年が辿る“単純ではない”旅の物語ーー俊英、オノ・ナツメ未完の衝撃作、完全版として全1巻で待望の復刊!
どんな話ですか? マフィアの娘の恋人に仕立てられ、人違いで殺されてしまった不幸な青年・イアン。
小説家でイアンの親友のジムは、彼の身の上を調べるうちに、イアンが実に複雑な半生を辿っていたことを知る。
崩壊家庭に生まれたイアンは、幼い頃から何故か両親に冷遇され孤立していた。
唯一姉だけがイアンに愛情を注いでいたが、それにはある家族の秘密が関与していた。
やがてイアンはアルコール依存症の母親の酒代を稼ぐため、売春を行うようになるのだが……。
オノナツメが描く、孤独な青年の数奇な半生。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 読後感のやりきれなさはヘヴィ級です。洋画のようにスタイリッシュに洗練された絵柄と空気感で描き出される、あまりに過酷なイアンの人生に胸が痛んでたまりません。自分に身に覚えない事で周囲に疎まれ孤立を余儀なくされた、イアンの境遇がやるせないです。彼が心優しく繊細な青年として描かれているだけに、もっと早くに手をさしのべてくれる人はいなかったのか、他の結末はなかったのか後々まで考えてしまいます。過剰な演出は一切せず、ストイックに淡々と進行するので、純文学の趣さえあります。作中イアンの死を悼む数少ない人物であるジムの本音が明らかになるくだりは、両者のすれ違いが切なすぎて涙なしには読めませんでした。重苦しくて気が滅入る話ですが、読んだら一生忘れられない底力を持っています。
どんな人に読んでもらいたいですか? 鬱展開に耐性がある人
ガツンとくる話が読みたい人
海外ドラマや洋画のような、オシャレな雰囲気の漫画が読みたい人
読んだことによるエピソード 特になし

ヨイコノミライ! きづきあきら (著) 小学館

ヨイコノミライ! きづきあきら (著) 小学館

 

アマゾン商品紹介 高校の漫画研究サークルで、ゆる〜い青春を謳歌してきた部員達。自分勝手で気ままな空間を各々気に入っていたのだが、ある時異物が混入する!毒を持つ可憐なその女生徒にかき乱されるサークルの行方は……?
どんな話ですか? とある高校の漫画研究会が舞台。
不真面目な部員ばかりが集うなか、唯一やる気のある主人公・井上広海は、保健室登校の女子生徒・青木杏にどうしたら皆が真面目に部活動に取り組んでくれるか相談する。
広海にアドバイスを乞われた杏はやがて部室に出入りし始め、彼女に言葉巧みに唆されたメンバーたちは部誌の制作にとりかかる。
漸く本格的な活動ができると喜ぶ広海だが、杏の本性は漫研の撲滅を目論むサークルクラッシャーだった。
杏は口先ばかりで何もしないメンバーらをひどく軽蔑し、裏で「夢潰し」と称して人間関係をひっかき回す。杏の暗躍と部員たちの未熟さのせいで部誌作りは暗礁に乗り上げ、メンバーそれぞれの秘密が暴かれていく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 可愛い絵柄と毒のある作風のギャップがたまらない作者の初期の代表作。
むちむち肉感的でフェティッシュな美少女ヒロインのデザインは、萌えキャラ好きな男性にも受けそうです。高校の漫研という狭い空間内で展開するエピソードが主ですが、出てくるオタクが皆自意識の肥大した痛いキャラなので、黒歴史を蒸し返されます。
漫研の部員はメンヘラリスカ僕っ娘に声優志望のぶりっこギャル、理論武装の自惚れオタク、壁サー同人作家のストーカーなどいずれ劣らぬ問題児ばかり。サークルクラッシャーなんて概念がまだ存在しない時代に描かれたにもかかわらず、本作のキーパーソンとなる杏は、ただそこにいるだけで人間関係を破綻させる魔性のヒロインとして危ない魅力を放ってます。
同人作家(志望)あるあるに悪意をプラスしたネタが延々描かれる為、身に覚えがあるオタクは過去にやらかしてしまった自己嫌悪がぶり返すことうけあいです。
基本的に鬱展開続きで、ラストも一部を除いて救われない結末をむかえますが、この後味の悪さが癖になります。
どんな人に読んでもらいたいですか? ヤンデレ・メンヘラが好きな人
サークルクラッシャーものが好きな人
オタクの話が好きな人
鬱展開に耐性がある人
むちむちぼいんな美少女キャラが好きな人
読んだことによるエピソード 特になし

ちーちゃんはちょっと足りない 阿部共実 (著) 秋田書店

ちーちゃんはちょっと足りない 阿部共実 (著) 秋田書店

 

アマゾン商品紹介 成績、お金、恋人、友達、いつも何かが足りない気がする中学2年生女子のちーちゃんとナツ。2人はクラスの中で成績優秀な友達・旭や、学級委員に助けられながらも、普通の日々を送っていた。そんなある日、ナツとちーちゃんは学校帰りに寄ったお店で、クラスの目立つグループの女子・藤岡から「万引きしねえ?」と声をかけられる。ナツはその場を上手くしのいだが、お金が足りずに買えなかった可愛いリボンが忘れられずにいた。後日、教室で女子バスケ部員が顧問の誕生日プレゼントを買うために、部員である藤岡から集金をしていた。その様子を目撃した旭は、「学校でお金のやり取りは危ない」と注意をしたが、部員達に煙たがられる。そして放課後、事件は起きた。
どんな話ですか? 同じ団地に住むちょっと足りないちーちゃんとナツは中学二年生の幼馴染。
天真爛漫で言動の幼いちーちゃんは無邪気にナツに懐いていたが、ナツはちーちゃんを内心見下し自分はもっと上にいけるはずと信じていた。
成績優秀な友人・旭や、クラスの中心人物・藤岡に憧れと同時に劣等感を抱き、日々を無難にやり過ごすナツ。
そんなる日、ナツとちーちゃんは下校中に立ち寄った店で藤岡に万引きを唆される。その場は上手くごまかして切り抜けナツだが、翌日事件が起きる。
思春期を経た人間なら誰しも覚えがある人間関係の軋轢を描いた話。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 思春期を通った人間、あるいは真っ只中の人間にダイレクトに突き刺さる話です。
自分はもっと上のカースト、上のグループに属せるはずだという欲求不満を抱えながら、ちーちゃんを内心見下して自尊心を維持するナツの造形がとても痛々しいです。
中学校の友人グループの閉塞感や女子間の陰湿なマウントの取り合いなど、いじめと呼べるほど顕在化してないぶん生々しく歪な関係を、すごく的確に抽出しています。
頭からっぽのお馬鹿とナツをはじめとする周囲に軽んじられていたちーちゃんが、その素直さや朗らかさでもって次第に受け入れられていくのと対照的に、自意識をこじらせて鬱屈していくナツがひどくやるせないです。
十代の女子の嫉妬や劣等感が絡んだ微妙な友情、共依存にも似たどん詰まりの感情が大変な説得力を持って描かれていて、「もうやめてくれ!」と叫び出したくなります。
鬱展開に定評のある作者ですが、本作は私たちの身近で起こり得る体験を扱っている為、中学生日記を地でいくリアルさが半端ありません。
黒歴史を蒸し返される感覚を味わいたい、ドМな読者向けです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 中学生日記が好きな人
幼馴染に対して劣等感や憧れなど、複雑な感情を抱いてる人
鬱展開が好きな人
黒歴史をほじくり返されたい人
女子の友情なんて信じない人
鬱屈した十代を過ごした人
読んだことによるエピソード 特になし

辺獄のシュヴェスタ 竹良実 (著) 小学館

辺獄のシュヴェスタ 竹良実 (著) 小学館

レビュー①

アマゾン商品紹介 驚驚異の新人作家! サバイバル歴史大作!
16世紀、神聖ローマ帝国。罪なき賢者が「魔女狩り」という名の迫害に遭った時代。魔女狩りを指揮する修道会の処刑で家族を失くした「魔女の娘」エラは、魔女の子供達を集めた女子修道院に収容された。
激流のごとき変革の刻。聖母を形どった拷問具「鋼鉄の処女」と共に辿るエラの苛烈な運命を描く、サバイバル歴史大作…!!
どんな話ですか? 16世紀、魔女狩りの嵐が吹き荒れるドイツが舞台。
親に見捨てられた少女・エラは、薬師の義母・アンゲーリカの庇護のもと幸せな日々を過ごしていたが、ある日アンゲーリカが魔女の冤罪をかけられ残酷な拷問の末に処刑される。
最愛の義母の復讐を誓ったエラは、魔女狩りを主導する元凶が牛耳る修道院に潜入し、同じく孤児のヒルデやジプシーのカーヤら仲間を集めて刃を研ぎ澄ませる。
はたしてエラは復讐の悲願を遂げることができるのか?
陰謀渦巻く修道院にて、少女の過酷な戦いを描く骨太な歴史もの。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 魔女狩り遺族の少女たちを集めた修道院が舞台の復讐もの、という設定からして類を見ずドキドキします。
なんといっても主人公のエラがタフでしたたかでかっこいい。
無愛想でほぼ表情は変わりませんが、仲間想いで正義感が強く、義母の復讐を果たす為なら手段を選ばない苛烈さ、泥臭いまでの生き汚さに痺れます。
エラの仲間となる気弱で泣き虫だけど心優しいヒルデ、飄々として賢いカーヤも、それぞれ魅力的です。
基本的にハードな描写とシリアスな展開が続きますが、3人の少女たちがじゃれあっているシーンはほっと一息吐ける微笑ましさで、物語運びの緩急が絶妙です。
体罰や拷問が横行する修道院で、いかに知恵を絞り生き抜くか、サバイバル能力が試される展開は手に汗握るスリリングさ。
16世紀ドイツの歴史背景を踏まえた風俗描写も非常に見ごたえあり、エラの復讐の標的である修道院長の、カリスマ的なミステリアスさが際立っています。
誰も信用せず孤独だった少女が、かけがえのない仲間と得、数々の試練を経て強く優しく成長していく姿は感動。
ひたすらひたむきにかっこいいエラと、そんな彼女を支える仲間たちを応援したくなります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 鬱展開に耐性ある人
かっこいい女主人公が好きな人
女の子の友情に弱い人
サバイバル展開やハードな描写が読みたい人
16世紀ドイツの歴史に興味がある人
魔女狩りに興味がある人
読んだことによるエピソード とくになし。

 

レビュー②

アマゾン商品紹介 驚驚異の新人作家! サバイバル歴史大作!
16世紀、神聖ローマ帝国。罪なき賢者が「魔女狩り」という名の迫害に遭った時代。魔女狩りを指揮する修道会の処刑で家族を失くした「魔女の娘」エラは、魔女の子供達を集めた女子修道院に収容された。
激流のごとき変革の刻。聖母を形どった拷問具「鋼鉄の処女」と共に辿るエラの苛烈な運命を描く、サバイバル歴史大作…!!
どんな話ですか? 16世紀、強制的な修道院で暮らす少女の復讐までの物語です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 主人公の、少女でありながら力強く生きて行く姿がとても美しいです。主人公と過酷な境遇を共にする少女たちの友情にも感動します。読んでいると元気や勇気を貰えるのでオススメです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 日常に刺激が欲しい人、生きることに迷いがある人、スカッとしたい人にオススメです。
読んだことによるエピソード 特になし

 

ブラッドハーレーの馬車 沙村 広明 (著) 太田出版

ブラッドハーレーの馬車 沙村 広明 (著) 太田出版

出典:ブラッドハーレーの馬車

 

アマゾン商品紹介 資産家・ブラッドハレー家の養女になることが、孤児院の少女たちの憧れだった。ブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しく活躍する……そんな期待に胸を膨らませた少女たちがたどり着いた先は、暗い暗い塀の中。恐ろしく壮絶な悪夢が始まる――。
どんな話ですか? 歌劇団を主催する大富豪・ブラッドハーレー家は、毎年豪華な馬車を孤児院にさしむけて、身寄りのない少女たちを養子に迎え入れていた。
舞台での活躍を夢見、希望にあふれて馬車に乗り込んだ薄幸の少女たちを待ち受けていたのはしかし、高い塀が聳える監獄。
実は富豪の養女というのは建前にすぎず、少女たちは野蛮な囚人たちの性欲の鬱憤の捌け口として、慰み者にされる宿命だった。
何も知らずブラッドハーレーの馬車に乗り込んだ少女たちそれぞれが辿る、あまりに残酷すぎる運命とは。
トラウマになること必死の衝撃作。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 夢と希望にあふれた無垢な少女たちが辿る、残酷すぎる運命に衝撃を受けます。
読んだら鬱になる事必至、絶望しかもたらさない名作。
どん底の底が抜けるほどとことんまで落ち込みたい、鬱好き読者にはおすすめです。
また、美少女たちが鬼畜に凌辱されるシーンが描かれるので、嗜虐欲を満たしたい人にもおすすめ。
ただ残酷で外道なだけではなく、作者持ち前の画力の高さによって、一種の残虐美ともいえるような芸術表現に昇華されているのもポイントです。
ただのエログロにあらず、少女たちが突き落とされた地獄で見出す一筋の希望もちゃんと描かれるため、群像の悲喜劇が交錯する人間ドラマの趣があります。
時代や場所は明言されていませんが、作者は「赤毛のアン」に触発されて描いたと言及しており、少女たちが着る華やかなドレスの描写や欧州風の馬車や建物の描写も見ごたえあります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 鬱展開に耐性のある人
どんでん返しに驚きたい人
エログロが好きな人
読んだことによるエピソード とくになし。