憂国のモリアーティ コナン・ドイル (著), 竹内良輔 (著), 三好輝 (著) 集英社

憂国のモリアーティ コナン・ドイル (著), 竹内良輔 (著), 三好輝 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 時は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン──。
この国に根付く階級制度に辟易するモリアーティ伯爵家長子・アルバート。孤児院から引き取ったある兄弟との出会いによって、世界を浄化するための壮大な計画が動き出す。名探偵シャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授の語られざる物語の幕が開く──!!

レビュー①

どんな話ですか? コナンドイルのシャーロックホームズを原案とし、ホームズの最大の敵として描かれているモリアーティ教授を主人公とした物語。古くから根付く完全階級制度は非常に強固で、貴族以外にとっては生きづらい中、主人公のウィリアムは弟のルイスと一緒に孤児院で暮らしていた。そこにやってきた貴族のモリアーティ家の嫡男アルバートの好意(気まぐれ)によってひきとられることになった。天才的な頭脳を持ったウィリアムは、アルバートにその才能を認められ、ルイスも含む三人でモリアーティ家を乗っ取り、国を変えるために暗躍していく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? シャーロックホームズを原案としているが、原案では描かれていないモリアーティに焦点が当たっている、新たな物語として楽しむことができる。もちろんホームズ好きも楽しめると思う。まら歴史的背景も描かれているので産業革命前後のイギリスを中心とする世界がうかがえるのも興味深い。モリアーティ家の三人がイケメンであることも読んでいて大変眼福。モリアーティが彼なりの美学と正義感を持っており、必ずしも悪とは言えない点も魅力的な点。

レビュー②

どんな話ですか? 小説家アーサー・コナン・ドイルが書いた探偵小説にシャーロック・ホームズシリーズがあります。その小説にホームズの敵役としてモリアーティ教授という人物が数回登場します。このモリーアーティ教授を主人公にしたのが漫画「憂国のモリアーティ」です。20世紀初頭の完全階級制度がはびこるイギリスで、孤児だった天才少年が死亡した貴族「ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ」になり代わるところから物語は始まります。成長したウィリアムは数学の教授となりますが、裏では犯罪相談役(クライムコンサルタント)として活動していました。犯罪を利用して腐った階級制度を変えるという信念を持ち、ウィリアムに賛同する仲間たちとともに暗躍します。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 犯罪を利用して暗躍する主人公のウィリアムですが、その信念には共感できるものがあり大変惹きつけられます。ウィリアムの天才的頭脳を駆使した作戦が行われるたびにハラハラドキドキして、読むのがとめられなくなりました。同じく天才でありウィリアムの裏の顔を暴く側となるシャーロック・ホームズも個性的で面白く描かれています。ウィリアムに賛同する仲間たちも犯罪に手を染めますが素敵な人たちで、どの人物にスポットが当たっても楽しめる漫画です。かの有名な小説シャーロック・ホームズの舞台裏を見るような感じで小説を読んだことある人は倍楽しめますし、読んだことがない人でも純粋に面白い内容となっています。

輝夜姫 清水玲子 (著) 白泉社

輝夜姫 清水玲子 (著) 白泉社

アマゾン商品紹介 赤ん坊のときに竹林に埋められていたのを発見されたという謎の過去を持つ少女・晶は、突然2人組の少年に連れ去られ、妖しき天女伝説が残る南海の孤島・神淵島へと連れて来られるが…!? 壮大なスケールで贈る、愛と陰謀と復讐のSF巨編!
どんな話ですか? 今まで読んだ漫画の中でとても印象深いのは「LaLa」で連載されていた清水玲子先生の「輝夜姫」という作品です。ストーリーがかなり壮大で、ジャンルとしてはSFサスペンスになるのですが全27巻があっという間に読み終えてしまうほど、のめり込みました。物語は日本の「竹取物語」をベースにしており、5歳までの記憶がない主人公の女性(晶・アキラ)が大人になり自分の数奇な運命に翻弄されながら、過去の記憶と現在に起こっていることを紐解いていくストーリー展開になっています。彼女は自分の過去を掘り起こしていく中で、幼少期「神淵島」という孤島で、世界各国の財閥や権力者たちのドナーとして育てられた経緯があることを知り、同じような仲間が存在していること、「輝夜姫」の生贄として、捧げられるという謎の儀式をしていたこと、計画自体が米軍の指揮のもと行われていたことがわかり、不思議な力をもつ自分と対峙しながら、この不条理な状況を解明して、復讐をしていくストーリーになっています。もちろん前編で島での生活や仲間との出会い、別れを経験していくのですが、後半では復讐するために葛藤する晶の戦いぶりもとても見ものです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 女性向けの漫画雑誌の中で、これほどスケールの大きさで書かれていることがとても珍しいと思ったのと、絵がとても綺麗なので初めて読んだ時のトキメキがあったことがお勧めしたい1番の理由です。趣味でよく海外ドラマを見るのですが、この作品もストーリーの展開自体は、いくつもの伏線が張られていて、仲間の裏切りや恋愛要素もしっかり入っているのでかなり精巧に練られていて、海外ドラマに引けを取らないほどの作品であると感じます。さらにドナーや世界経済を牛耳っている財界や著名人の替え玉として存在するという設定自体も、現実では都市伝説のような形で言われていることでもあったりするので、フィクションですが、想像の中で現実的にはあり得るのではないかと思ってしまうような錯覚が起きてしまう魅力があると感じています。なかなか日本における漫画の世界観でここまで、表現できているのは面白いし、珍しいと思うので是非もっと知ってもらいたい作品の1つです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 元々、少し大人向けの漫画雑誌ではあったので、若干難しい要素はあるのですが、30代、40代と年齢を重ねた方には是非とも読んで欲しい作品ではあります。画力がとても高いので表現力も美しいですし、ストーリーの展開自体もシリアス〜ちょっとセンチメンタルな大人の恋愛要素も含ませてくるので、女性としては憧れの気持ちで見ることもできるし、ストーリーは練られているし、楽しみが倍増して読んでもらえる作品だと思います。また登場人物は皆、何らかの特殊技能や役目があって生まれてきているバックボーンがあるので、それぞれの人物に感情移入してしまい、どの人物の話がメインになっても非常に読み応えがあります。絵が綺麗なので、男性向けよりは女性全般的にオススメの作品ではあります。
読んだことによるエピソード 今まで大人向けの漫画雑誌のものはあまり読んだことがなかったのですが、この漫画をきっかけに漫画≠子供向けという概念はなくなり、日本にはこうやって中身の濃い、ストーリー性の高い漫画がいくつも眠っていることを知るきっかけとなりました。今は動画配信サービスなどで色々な作品を見ることができるので、予算のあるこういったメディアから実写化の作品が出ても十分にインパクトを残せるなと感じています。男性・女性問わず、良作が世代や時間を超えてたくさん多くの人に見られたり、改めて注目を浴びてくれることに期待していきたいです。

ミステリと言う勿れ 田村由美 (著) 小学館

ミステリと言う勿れ 田村由美 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 『BASARA』『7SEEDS』の田村由美、超ひさびさの新シリーズがついに始動!! その主人公は、たった一人の青年!
しかも謎めいた、天然パーマの久能 整(くのう ととのう)なのです!!
解決解読青年・久能 整、颯爽登場の第一巻!!
冬のある、カレー日和。アパートの部屋で大学生・整がタマネギをザク切りしていると・・・警察官がやってきて・・・!?
突然任意同行された整に、近隣で起こった殺人事件の容疑がかけられる。
しかもその被害者は、整の同級生で・・・
次々に容疑を裏付ける証拠を突きつけられた整はいったいどうなる・・・???
新感覚ストーリー「ミステリと言う勿れ」、注目の第一巻です!!

レビュー①

どんな話ですか? 『BASARA』や『7SEEDS』の著者である田村由美さんの作品で、現在『月刊フラワーズ』で連載中です。博識でよく喋る大学生久能整が主人公で、自身がある殺人事件の容疑者となったことにより警察で取り調べを受け、疑いを晴らすためにいつの間にか事件を解決してしまいます。これをきっかけに自身の周りで起こる事件を解決していくミステリー漫画です。久能整は大学生なのに通学している様子は描かれず、たいてい家でカレーを作っています。これも何かの伏線なのか、ただのカレー好きなのか今のところ不明です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 久能整がとにかくよく喋ります。刑事や警察官を相手に、また凶悪犯を相手に、臆せずべらべら喋ります。それは一見、その場に似つかわしくなく事件とも関係ない内容に思えるのですが、事件が解明されてみると、「あ、そういうことだったのね」と腑に落ちます。その瞬間が読者は気持ちがいいと感じると思います。久能整は無駄なことなど何ひとつ喋ってはいなかったのだとわかります。少女漫画誌掲載ですが、男性にも大人にもオススメしたい作品です。

レビュー②

どんな話ですか? 天然パーマの謎めいた大学生久能 整(ととのう)にある日、同級生の殺人容疑がかけられる。警察官に取り調べを受ける中で、真犯人はもとより話している相手の悩みや事件の本質を導きだしていくのが痛快。途中主人公の話が脱線していくようで、本質をついていく新感覚のミステリー。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 主人公の脱線した話に鬱陶しいと感じながらも犯人の抱える悩みなど事件の核心をついていくところが斬新で面白いです。

レビュー③

どんな話ですか? ある日カレーを作っていた大学生・久能 整(くのう ととのう)のところに、近隣で殺人があったと警察官が訪ねてきた。警察署で話をすることになったが、そこでは話す人話す人みんなが初めから整を犯人と決めつけているかのような取り調べが行われる。そして全く身に覚えがないのに、次々と容疑を裏付ける証拠が出てくる。様々な事情を抱えていた警察官達との会話の中で、ある事に気がついた整は…。ミステリーだけで終わらない心に響く新感覚ミステリー。
なぜその漫画をオススメしたいですか? だだ事件があってトリックや犯人を「推理する」というものではなく、どうしてこうなったのかというそのキャラクターの心理面から「犯人が分かってしまった」という感じなので、本当に新感覚のミステリーで面白いです。様々な悩みに対しての整の返答が心に刺さるものが多くて、また、いろんな角度からの考え方があるんだと知ることができるので、読んだあとに、自分だったらどう考えるかなと、自分を見直すきっかけにもなると思います。ストーリーも1つの話がそこまで長くないので読みやすいです。

レビュー④

どんな話ですか? 1巻の最初は大学生の男性がカレーを作る内容だったので、タイトルの割にほのぼのしているとおもったけど、いきなり殺人事件の容疑者になってしまい
そこから取り調べを受ける中で、大学生の彼の推理力が発揮されて事件を解決してしまいます。
それからは、ミステリーではよくあるように事あるごとに事件に巻き込まれますが、途中から別のキーパーソンが登場して、主人公とその人物のストーリーが同時進行していきます。
漫画アプリのお試し版を読み、続きが気になり全巻を本で購入しました。
イラストは柔らかいタッチで少し大人世代の恋愛漫画チックなのですが、中身は重厚なミステリーです。
イラストよりも圧倒的にセリフが多い印象があるので、漫画なのに軽い文庫本を読んだような感覚になります。
説明くさい主人公の推理、というか彼の主観とか考えを書いているだけなのに、いつの間にか犯人に迫っていて、あまり見たことのない漫画です。
主人公の大学生の名前もとても個性的で、彼を気に入るきっかけの一つになりました。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ステイホームでずっと家にいると、生活のメリハリをつけにくいと感じます。

ミステリー系の漫画は、ほとんどが1話で事件解決してしまうので、30分程度の時間があれば、読んで頭がスッキリすると思います。

セリフが多いので、時間を潰したい人にもおすすめです。

私は7巻分を3時間程度で読みました。

子育て真っ最中の方は時間を作るのは難しいと思いますが、読み終わればとてもスッキリします。

あったかいコーヒーを飲みながら、こたつで読みたい本です。

レビュー⑤

どんな話ですか? 主人公は、少し変わった名前と髪型の男子大学生。カレーを愛し、1年中カレーを煮込んでいる。他人の言動や身の回りの出来事に敏感で、誰もが見過ごしてしまうような違和感に疑問を抱き、何事にもつきつめて考える性質を持っている。ある日とつぜん殺人容疑をかけられて取り調べを受けるハメになったというのに、気付けば刑事たちの人生相談にのっていたりする。

・新米パパ刑事は、なぜ奥さんとのケンカが絶えないのか?夫婦の意識は、どう食い違っているのか?

・上司からセクハラまがいの扱いをうける若い女性刑事は、組織の中でどう見られているのか?これからどのように振る舞うべきなのか?

そんな、平凡なようで少し変わり者の主人公が、次々と事件に巻き込まれ、解決したりしなかったりする物語です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者の方は否定されていますが、ミステリー作品として面白いと思います。読み進めていく中で、事件の全貌が少しずつ明らかになっていく様にハラハラできます。また、非日常的な事件が起こっている中で、登場人物一人ひとりの、妙にリアルな生活風景が垣間見えるギャップも癖になります。共感してしまうようなところもあれば、異常だと感じてしまうところもある。しかしどんな人であれ、ひとつの人生を生きる一人の人間なのだということを再認識させられます。

レビュー⑥

どんな話ですか? 飄々とした印象のつかみどころのないマイペースな、天然パーマの青年 久能整(くのう ととのう)が自分では意図せずに巻き込まれていく ミステリー漫画です。

カレーに目がない彼は、すさまじいこだわりを持ってカレーと向き合う。いつもいつも大好きなカレーを食したいのに周りの押しの強い人間たちに巻き込まれて事件に遭遇する。会話をしながら彼の疑問点からの考察により事件の謎が徐々に紐解かれていく、読者を置いてけぼりにしない心地よいスピード感がある。

面白いのは本人は善と悪区別が哲学的で、言葉からは計り知れない観察眼と論理力が読むこちらを夢中にさせる。

なぜその漫画をオススメしたいですか? ただのミステリー漫画じゃないストーリーの進み方が、小説を超えたと感じさせる。

これは新感覚。

日常で知らず知らずのうちに持ってしまった固定観念をも優しく覆してくれる。夫の家事の手伝い方や子育て、本当の善と悪とは何か、もっとこの久能整くんの考えていることを知りたい、このただごとならない青年を知りたいと思わせてくれるなんとも不思議な魅力を持った青年の深く長い沈黙の時間が、現実世界の私の考え方にもスパイスを与えてくれる。

啓発系の本が好きな方でも充分楽しめるし確実に世界の見え方が優しく変わった新しい漫画なので、多くの方に読んでいただきたい。

シグルイ 山口貴由 (著), 南條範夫 (著) 秋田書店

シグルイ 山口貴由 (著), 南條範夫 (著) 秋田書店

アマゾン商品紹介 江戸時代初頭、天下の法に反して駿河城内で挙行された真剣御前試合で対峙したのは、片腕の若武者と盲目の天才剣士だった!! 残酷無惨時代劇!!
どんな話ですか? 江戸時代の初頭、美しい駿河城内では真剣を用いた御前試合が行われました。その第一試合に登場したのは二人の剣士。しかし両名ともその体はとても死闘に耐えられるようには見えません。一方は左腕を失っており、一方は片足が不自由、更に盲目だったのです。隻腕の剣士に骨を断つことはできず、盲目の剣士には皮を切ることすらできない。そう評され危ぶまれた試合でした。しかし剣士にはお互いに斬らねばならない理由と強い思いがあります。それを形作った壮絶な過去が15巻に渡って明かされる作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 封建社会に囚われる登場人物たちの狂気に触れられます。どんなに努力しても覆すことのできない身分の差。突然訪れる死はあまりにあっけなく、恐怖は大きい。特に主人公である藤木源之助の宿敵、伊良子清玄の存在が強烈です。彼の母は貧民集落で性を売り、客をとっていました。しかし野心を持っていた伊良子はその出自を偽り、士となって天下すら夢見るのです。が、身分を、士を憎む相反した気持ちを持ちながら歪んだコンプレックスに翻弄される姿は、江戸の社会で唯一現代的な思考を持っているようにも見え、深い共感が生まれます。
どんな人に読んでもらいたいですか? 血にまみれた死闘が好きな方、封建社会や武士の制度に興味のある方には是非お勧めします。残酷方面を突き詰めた作風は血なまぐさくも美しいので、ただのグロテスクではないストーリー性の強い作品を読まれたい方は特に。
読んだことによるエピソード 特になし。

子連れ狼 小島 剛夕 (著), 小池 一夫 (著) グループ・ゼロ

子連れ狼 小島 剛夕 (著), 小池 一夫 (著) グループ・ゼロ

 

アマゾン商品紹介 一殺五百両!子連れの刺客――人呼んで”子連れ狼”拝一刀とその子大五郎が昿野をさすらう!柳生一族の厳しい追撃をはねのけ親子が目指すは・・・!?巷間を感動の渦にまきこんだ時代劇画の金字塔!!
どんな話ですか? 公儀に仕える介錯人、公儀介錯人としての地位を柳生一族を押しのけて勝ち取った水鷗流剣術の達人・拝一刀。しかし、公儀における権力をさらに拡大したい柳生烈堂の策略で妻を殺されてしまいます。残された息子・大五郎と共に冥府魔道(復讐のみに生きる道)へと自らを落とし、柳生一族からの度重なる刺客を返り討ちにしながらも着々と烈堂へ復讐を果たすべく旅を続けていきます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 主人公の拝一刀はポーカーフェイスで笑顔は見せません。しかし、復讐の旅路の途中で会った人々にも手を貸すような真心のある人間性の持ち主でもあります。そんな父と、こちらは子供らしく表情豊かですが、父と復讐の道をゆく覚悟の決まった表情を時折見せる息子・大五郎の親子愛はこころを打ちます。
どんな人に読んでもらいたいですか? 武士のかっこいい戦闘シーンが見たい人 父と息子の絆の深さを見たい人 孤独な復讐劇が見たい人
読んだことによるエピソード 主人公の息子・大五郎は幼いながらも肝の座っている子供です。父からの教育が無くても、父の背中を見て、自ら考えて行動しています。この姿には尊敬の念を覚えました。

ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 「私は家族を焼き殺された――。」三角草(ミスミソウ)。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花。閉鎖的な田舎町の中学に転校してきた少女「春花」を待っていたのは、壮絶なイジメだった。せき止められない憎しみに、少女の心は崩壊する―――!!
どんな話ですか? 中学3年生の春花は廃校寸前の中学校、大津村中学校へと転校してからクラスメートによる壮絶ないじめを受けていましたが、それを家族には言わずに耐えていました。ところがついに家族にいじめのことを知られ、登校するのを引き止められて学校を休んでいたある日、春花が登校しない代わりにいじめの標的になりそうだった流美の暴走で家族を家ごと燃やされてしまいます。妹は重傷で済みましたが両親は亡くなってしまいました。クラスメートによる犯行だと気づいた春花による壮絶な復讐劇が幕を開けます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? このマンガでは、大人や子供限らず、人間の醜悪さ、残酷さを隠さず描いています。そしてその悪意に真っ向から挑み、復讐を果たしていく中学生の少女の姿は圧巻です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 理不尽で胸糞悪くなるような残酷なストーリーを読みたい人 孤独で絶望的な状況に立ち向かう強い女性の姿を見たい人
読んだことによるエピソード このマンガでの主人公のおかれた状況は、中学生女子にとってどうすることもできないようなものでした。しかし、それでも復讐を遂げようと行動する主人公を見て、自分も困難な状況に陥ったときこそ信念を貫こうと思えました。

20世紀少年 浦沢 直樹 (著) 小学館

20世紀少年 浦沢 直樹 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 無事、2016年を迎えられた人類へ捧ぐ。

浦沢直樹が世に放ち、日本中を席巻することとなった大ヒット作、『20世紀少年』。
来年完結10周年を迎える本作が、雑誌掲載時のカラーを再現した完全版として遂に登場!

作中では、2015年に人類は滅亡――
以降、西暦は「ともだち暦」と改められる。
まさに、今読むべき黙示録。

オリジナル単行本2冊を1冊にまとめ、読み応え充分の全11巻+『21世紀少年 完全版』全1巻で刊行スタート!
あらすじ/1997年、ケンヂが営むコンビニへ刑事が訪れた。ケンヂがいつも酒の配達をしている敷島家が、全員行方不明になったのだという。敷島家の集金がまだ終わっていなかったケンヂは、飲み逃げかと落ち込むものの、渋々ビールの空きビンを取りに敷島の家を訪れる。するとそこには、どこかで見たことがあるような、不思議なマークが壁に描かれていた(第1話)。▼ケンヂは、幼なじみのケロヨンの結婚式に出席していた。ケロヨンとは少年時代、小学校の仲間たちと近所の空き地に秘密基地を作り、みんなで地球の平和を守るために戦うと誓い合った仲だった(第2話)。

レビュー①

どんな話ですか? ケンヂとその仲間たちが小学生時代に書いた「よげんのしょ」をもとにストーリーが展開していく。ケンヂは、姉の子カンナを育てながら実家のコンビニで働いていた。そんなある日、小学校の同級生のドンキーが投身自殺したとの訃報が舞い込んでくる。ケンヂのもとにはドンキーからの手紙が送られており、その中には「このマーク、覚えてないか?」との文字とマークが書かれていた。そのマークは、数日前に行方不明になった敷島教授の家の壁に描かれていたものと同じだった。そして同じ頃、そのマークをモチーフとした教団で「ともだち」なる存在が世界を動かし始めていた。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 正義とは何か、友情とは何かを教えてくれる作品。誰しもが子ども時代に経験したような息苦しさと罪悪感を思い出させ、子どもの善と悪について考えさせられる。また人間の精神のもろさ、すがりたいという気持ち、洗脳と信仰についても深く考えさせられる。善が悪になり、正が負になるような逆転があり、いったい何が正しいのか、誰が正しいのかをいろんな視点で感じることができる。今この時代をどうやって生きてくか、ケンヂやカンナ、仲間たちの生き方から学ぶことができるように思う。

レビュー②

どんな話ですか? 冴えない主人公遠藤健児(ケンヂ)が、少年時代からの友人たちと共に地球滅亡を企てる悪の組織に立ち向かうSFサスペンス大作。

大阪万博を翌年に控えた1969年、ケンヂは友人たちと秘密基地の中で「よげんの書」を作って盛り上がる。悪の組織が企てる地球滅亡計画に、正義のヒーローとして立ち向かうのはもちろん自分達。仲間のオッチョ、ヨシツネ、フクベエらと共に他愛のない空想で盛り上がる、昭和の平和な小学生だった。

時は流れ、ヒーローどころか冴えないコンビニ店主となったケンヂ。ロック歌手になるという夢をあきらめ、酒屋だった実家の店を改装したコンビニで働き、パッとしない日々を送っているのだ。そんな平凡な日常が、世界各地で起こり始めた異変によって一変していく。なんと、子供の頃自分達が考えた「よげんの書」のとおりに世界が破壊されて行ったのだ。

その事実にいち早く気づいたケンヂは、悪の首謀者「ともだち」に立ち向かうべく、昔の仲間達と共に立ち上がる。

なぜその漫画をオススメしたいですか? もともと浦澤直樹のマンガのファンなのですが、その中でも冒険性、サスペンス性に優れたエキサイティングなストーリーです。物語は1970年代前後と現代を行き来する内容になっており、当時、主人公と同じように小学生だった世代の人には堪らない漫画だと思います。

主人公のケンヂ達が小学生時代にふざけて書いた「よげんの書」に沿って世界滅亡のシナリオが進行して行くのですが、悪の首謀者の名前は「ともだち」、そのトレードマークは小学生時代のコミックに載っていたおなじみのマーク、最初に破壊される都市は近所にあった飲み屋の名前(さんふらんしすこ)という、いかにも小学生の頭で考えたような子供じみたストーリーなのに、その話の通りに現代の世の中で人がリアルに死に、世界が破壊されていくという、嘘なのか本気なのかわからないような構成も絶妙です。

主人公はカッコ良くも強くもない、どこにでもいる冴えないキャラクターというのもまた感情移入できるポイント。

「ともだち」の正体がなかなか明かされず、どんどん先を読まずにいられなくなる徹夜必至の漫画です!

 

珈琲いかがでしょう コナリミサト (著) マッグガーデン

珈琲いかがでしょう コナリミサト (著) マッグガーデン

アマゾン商品紹介 あなたの為の珈琲を…。幸せを運ぶ移動珈琲物語! いい香りに誘われて向かったその先に待っていたのは、素敵な移動珈琲屋さん。店主が淹れる珈琲は、一杯一杯、丁寧に、誠実に、心を込めて淹れられ、なんだか気持ちがほんのりほぐれるような、そんな味。そのお店はあなたの街にもやってくるかも…?幸せを運ぶ移動珈琲物語第1巻!

レビュー①

どんな話ですか? ちょっとワケありな店主の移動販売コーヒー店を舞台にした作品。コーヒーのおかげで人生が変わるお話。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ちょっとしたことでも人は変われるし、それが生きる糧になるということを教えてくれる漫画なので。

レビュー②

どんな話ですか? タコのマークが目印の移動コーヒー販売車を営む青山一(あおやまはじめ)。彼が一杯一杯丁寧にいれるコーヒーは非常においしく、人々の心を癒していた。
仕事が遅い、人生がつまらない、いじめに加担したくない……様々な悩みを持つ人たちが青山のコーヒーを飲むことで気づきを得て、それぞれの問題を解決していく。
しかし実は青山には、誰も想像できないような過去があった。そして、そんな青山の過去を知る男が彼を探しているという。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 「凪のお暇」で知られるコナリミサトさんの過去作品です。
前半の一杯のコーヒーで他人の人生が変えられるというお話も素敵ですし、後半の主人公の過去にまつわる展開も非常におもしろく読めます。
あるひとつの出来事が、別の側面からみるとまったく違う意味を持っていたという仕組みのお話が多く、最後にあっと言わせられて新鮮な感動を味わえるので、読んでみてほしいです。

トライガン 内藤泰弘 (著) 少年画報社

トライガン 内藤泰弘 (著) 少年画報社

アマゾン商品紹介 7都市のひとつを灰に変え、600億$の賞金首として手配された伝説のガンマン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード。そんな力を持つとは思えない程温厚な男。無関係な人達を守る為に今日も戦う!ハートフルガンアクション。
どんな話ですか? 最愛の人を殺された主人公が復習を果たすため、世界を旅する漫画
なぜその漫画をオススメしたいですか? 複雑な描写にも関わらずスピード感があり胸が熱くなるようなガンアクションで興奮してくる作品だからです
どんな人に読んでもらいたいですか? スカッとしたい方、熱中したい方、スピード感のある漫画を読みたい方
読んだことによるエピソード 自分で決めた信念を貫く強い心の大切さを知りました

サユリ 押切蓮介 (著) 幻冬舎コミックス

サユリ 押切蓮介 (著) 幻冬舎コミックス

アマゾン商品紹介 この家に住んでた人って…どんな人だったの…? 夢の一戸建てマイホームへと引っ越した神木家。しかし、家族7人揃ってのありふれた幸せを満喫する間もなく次々と不幸で不気味な出来事がこの一家にふりかかる…。鬼才・押切蓮介の超絶ホラー、開幕――。
どんな話ですか? 高校受験を翌年に控えた主人公・則雄は、家族とともに郊外の一軒家に引っ越したものの、直後に父親が変死を遂げる。
父親の死のショックが冷めやらぬ中、家では次々と怪異が起こり家族が順番に姿を消していく。
家に取り憑いた悪霊の仕業を疑えど、どうすることもできない無力感と絶望にうちひしがれる則雄。自分も他の家族と同じく正体不明の悪霊の犠牲になるしかないと諦めかけた時、認知症を患っていたはずの祖母が突如正気に戻る。恐ろしい形相に豹変した祖母は悲嘆に暮れる則雄を叱咤し、この家に取り憑いた邪悪なものに宣戦布告するのだった。
人間と怨霊の熾烈な戦いを描くオカルトホラー。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 数々の名作ホラー漫画を手がけてきた押切蓮介の隠れた傑作。郊外の一軒家に引っ越してきた平凡で幸せな一家が、背筋も凍る惨劇に見舞われます。ホラー映画の「貞子」「呪怨」に通底するオーソドックスな恐怖演出で、家中に響き渡る狂った哄笑や不気味な女の影に身の毛がよだちました。個人的には壁の中から弟の断末魔が聞こえるシーンが一番怖かったです。中盤まではただひたすら悪霊の脅威に怯え続けるしかありませんでしたが、認知症の祖母が正気を取り戻してから完全に潮目が変わります。この祖母とにかくヤバいです、イカレてます。家族を奪った悪霊に一切容赦せず、その正体を突き止めて復讐を開始するのですが、反撃の仕方が苛烈すぎて、人間と幽霊本当に怖いのはどちらかわからなくなりました。前半は前半で正体不明の悪霊にやられっぱなしで、不条理を極めて怖いのですが、後半からずっと祖母のターンが続くため怖さの種類がガラリと変わります。祖母が悪霊を倒す為にとった手段が犯罪紙一重(というか犯罪)だったのも衝撃的でした。
どんな人に読んでもらいたいですか? 「呪怨」が好きな人
Jホラーが好きな人
幽霊より生きてる人間の方が怖いと思っている人
復讐でスカッとしたい人
読んだことによるエピソード 特になし