子連れ狼 小島 剛夕 (著), 小池 一夫 (著) グループ・ゼロ

子連れ狼 小島 剛夕 (著), 小池 一夫 (著) グループ・ゼロ

 

アマゾン商品紹介 一殺五百両!子連れの刺客――人呼んで”子連れ狼”拝一刀とその子大五郎が昿野をさすらう!柳生一族の厳しい追撃をはねのけ親子が目指すは・・・!?巷間を感動の渦にまきこんだ時代劇画の金字塔!!
どんな話ですか? 公儀に仕える介錯人、公儀介錯人としての地位を柳生一族を押しのけて勝ち取った水鷗流剣術の達人・拝一刀。しかし、公儀における権力をさらに拡大したい柳生烈堂の策略で妻を殺されてしまいます。残された息子・大五郎と共に冥府魔道(復讐のみに生きる道)へと自らを落とし、柳生一族からの度重なる刺客を返り討ちにしながらも着々と烈堂へ復讐を果たすべく旅を続けていきます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 主人公の拝一刀はポーカーフェイスで笑顔は見せません。しかし、復讐の旅路の途中で会った人々にも手を貸すような真心のある人間性の持ち主でもあります。そんな父と、こちらは子供らしく表情豊かですが、父と復讐の道をゆく覚悟の決まった表情を時折見せる息子・大五郎の親子愛はこころを打ちます。
どんな人に読んでもらいたいですか? 武士のかっこいい戦闘シーンが見たい人 父と息子の絆の深さを見たい人 孤独な復讐劇が見たい人
読んだことによるエピソード 主人公の息子・大五郎は幼いながらも肝の座っている子供です。父からの教育が無くても、父の背中を見て、自ら考えて行動しています。この姿には尊敬の念を覚えました。

ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

ミスミソウ 押切蓮介 (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 「私は家族を焼き殺された――。」三角草(ミスミソウ)。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花。閉鎖的な田舎町の中学に転校してきた少女「春花」を待っていたのは、壮絶なイジメだった。せき止められない憎しみに、少女の心は崩壊する―――!!
どんな話ですか? 中学3年生の春花は廃校寸前の中学校、大津村中学校へと転校してからクラスメートによる壮絶ないじめを受けていましたが、それを家族には言わずに耐えていました。ところがついに家族にいじめのことを知られ、登校するのを引き止められて学校を休んでいたある日、春花が登校しない代わりにいじめの標的になりそうだった流美の暴走で家族を家ごと燃やされてしまいます。妹は重傷で済みましたが両親は亡くなってしまいました。クラスメートによる犯行だと気づいた春花による壮絶な復讐劇が幕を開けます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? このマンガでは、大人や子供限らず、人間の醜悪さ、残酷さを隠さず描いています。そしてその悪意に真っ向から挑み、復讐を果たしていく中学生の少女の姿は圧巻です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 理不尽で胸糞悪くなるような残酷なストーリーを読みたい人 孤独で絶望的な状況に立ち向かう強い女性の姿を見たい人
読んだことによるエピソード このマンガでの主人公のおかれた状況は、中学生女子にとってどうすることもできないようなものでした。しかし、それでも復讐を遂げようと行動する主人公を見て、自分も困難な状況に陥ったときこそ信念を貫こうと思えました。

幽麗塔 乃木坂太郎 (著) 小学館

幽麗塔 乃木坂太郎 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 時は昭和29年、舞台は神戸。ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。テツオは曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名であった・・・・・・・・

レビュー①

どんな話ですか? 舞台は昭和29年、神戸。
気弱で善良な青年・天野太一は、憧れのマドンナ・花園恵が、いじめっ子の御曹司・三村と婚約した事にショックを受ける。
失意のどん底の太一のもとを訪れたのは、ミステリアスな美青年・テツオ。彼は一緒に金持ちになろうと太一を誘い、ある富豪が所有する時計塔に隠された財宝の秘密に迫っていくが、その時計塔には死番虫と呼ばれる猟奇殺人鬼が徘徊し、過去の惨劇で犠牲者もでていた。
はたして太一とテツオは謎に包まれた時計塔の全貌を解き明かし、莫大な財宝を手に入れることができるのか。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 江戸川乱歩や横溝正史の推理小説が好きならハマること間違いなし、耽美で仄暗い世界観が最大の魅力です。
それに加えて男装の麗人・テツオの、中性的な美しさがたまりません。
性同一性障害という概念がまだ認知されてなかった第二次世界大戦直後の日本、テツオが抱えるジェンダーの問題や孤独、深い苦悩を当時の世相と絡めて掘り下げていく手腕はさすがです。続きが気になる巧みな構成で、極上のスリルが味わえます。
死番虫の不気味な存在感、猟奇的な惨劇の盛り上げ方など、ホラーとミステリーのいい所どりの贅沢さ。
絵の上手さは折り紙付き。登場人物は男女とも美形ぞろいなので目の保養です。また、本作のキーパーソンとして登場する丸部から滲み出す異常さや狂気にはぞくぞくします。
眉目秀麗で頭脳明晰な名探偵テツオとその助手・太一の凸凹コンビのとぼけた掛け合いには愛着がわきますし、二人が行く先々で巻き込まれる事件も、人間の欲や業、土地の因習が絡んだおぞましいもので見ごたえあります。

 

レビュー②

どんな話ですか? 昭和29年の神戸。ニートの天野太一はひょんなことから自分とは正反対の美青年テツオに出会い、莫大な財産が隠されていると噂の謎めいた時計塔の謎を解くことになる…。

財宝が隠されるという時計塔にまつわる不気味な怪人の噂。昔住んでいた老婦人の奇怪な死亡事件。そして再び時計塔を舞台に起こった凄惨な殺人事件。

本当にお宝が眠っているのか?謎の美青年テツオの正体は?

主人公の太一はテツオと共に様々な事件に巻き込まれながら、時計塔の謎に挑んでいきます。

なぜその漫画をオススメしたいですか? まず、昭和初期という時代の少し不気味で謎めいた世界観がたまりません!!

登場人物もとても魅力的で、読み進めるごとにキャラクターに愛着が湧いてきます。

初めは利害関係の一致から行動を共にし始め、お互いに「何かあったらコイツを切り捨てよう」と考えていた二人が様々な困難を乗り越え、それぞれ抱えていた悩みやマイノリティによる孤独感を認め合って少しずつ本当の親友になっていく過程にグッときます。昭和初期を舞台にした作品ですが、いまにも通ずる家庭問題やLGBT、人が自分らしく生きることの難しさや大切さについても考えさせられる作品です。

物語の本筋である「時計塔の謎」を軸としたミステリー要素も読みごたえがあり、ミステリー好きな方にもぜひおすすめです。

純粋に謎解きや犯人捜しの要素も面白いので、予想しながら読み進めていけます。

絵も綺麗なので、とても読みやすいです。

ブラッドハーレーの馬車 沙村 広明 (著) 太田出版

ブラッドハーレーの馬車 沙村 広明 (著) 太田出版

出典:ブラッドハーレーの馬車

 

アマゾン商品紹介 資産家・ブラッドハレー家の養女になることが、孤児院の少女たちの憧れだった。ブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しく活躍する……そんな期待に胸を膨らませた少女たちがたどり着いた先は、暗い暗い塀の中。恐ろしく壮絶な悪夢が始まる――。
どんな話ですか? 歌劇団を主催する大富豪・ブラッドハーレー家は、毎年豪華な馬車を孤児院にさしむけて、身寄りのない少女たちを養子に迎え入れていた。
舞台での活躍を夢見、希望にあふれて馬車に乗り込んだ薄幸の少女たちを待ち受けていたのはしかし、高い塀が聳える監獄。
実は富豪の養女というのは建前にすぎず、少女たちは野蛮な囚人たちの性欲の鬱憤の捌け口として、慰み者にされる宿命だった。
何も知らずブラッドハーレーの馬車に乗り込んだ少女たちそれぞれが辿る、あまりに残酷すぎる運命とは。
トラウマになること必死の衝撃作。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 夢と希望にあふれた無垢な少女たちが辿る、残酷すぎる運命に衝撃を受けます。
読んだら鬱になる事必至、絶望しかもたらさない名作。
どん底の底が抜けるほどとことんまで落ち込みたい、鬱好き読者にはおすすめです。
また、美少女たちが鬼畜に凌辱されるシーンが描かれるので、嗜虐欲を満たしたい人にもおすすめ。
ただ残酷で外道なだけではなく、作者持ち前の画力の高さによって、一種の残虐美ともいえるような芸術表現に昇華されているのもポイントです。
ただのエログロにあらず、少女たちが突き落とされた地獄で見出す一筋の希望もちゃんと描かれるため、群像の悲喜劇が交錯する人間ドラマの趣があります。
時代や場所は明言されていませんが、作者は「赤毛のアン」に触発されて描いたと言及しており、少女たちが着る華やかなドレスの描写や欧州風の馬車や建物の描写も見ごたえあります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 鬱展開に耐性のある人
どんでん返しに驚きたい人
エログロが好きな人
読んだことによるエピソード とくになし。