ボールルームへようこそ 竹内友 (著) 講談社

ボールルームへようこそ 竹内友 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 俊英が贈るダンススポーツ青春譚、開幕! その一歩(ステップ)で僕は変わる――。平凡な中学生、富士田多々良(ふじた・たたら)は将来の夢も特に無く、無為な日々を過ごしていた。そんなある日、謎のヘルメット男に出会った多々良は訳もわからず連れ去られてしまう。男が向かった先は……何と社交ダンスの教室だった。ダンスの世界に一歩を踏み出した多々良の日常が、みるみる変わり始める――!! 剥き出しの才能が描く“ボーイ・ミーツ・ダンス”!! 踊り手の魂が交錯する舞踏室(ボールルーム)で繰り広げられる、激アツ! ダンスストーリーに酔いしれろ!!
どんな話ですか? 漫画家竹内友による、社交ダンスをスポーツという観点から掘り下げて描かれた作品です。2017年にアニメ化もされました。冴えない少年だった主人公の富士田多々良が、社交ダンスと出会い、才能を開花させて一気にプロへの道を駆け上がっていく、非常にテンポ良く展開の進むストーリーが特徴です。社交ダンスを通して、師匠であるプロダンサーの人物が続々登場しますが、その誰も彼もが魅力的なキャラクターでストーリーがどんどん加速していきます。主人公のトップへと上り詰めるまでの軌跡を痛快に体感できる、とても読み応えのある漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 作画のレベルが非常に高いことが挙げられます。どのコマも登場人物たちが美しく生き生きとしていて、もちろんストーリーも面白いのですが、美術品を眺めている時のようにじっくりと絵に集中させてくれる、こちらを魅了させ没頭させてくれる美しいイラストです。ストーリーがスピード感あふれているので、ページを捲るのがもったいなく感じられるほどです。作者の竹内友先生はかなり社交ダンスの勉強をされたようで、ダンス中の人間の肉体の描写は大変リアルで、なおかつ綺麗な描線で表現されています。整髪剤や汗の匂い、ダンスシューズと床が擦れる鋭い音や登場人物の息遣いが体感できるような、圧倒的な表現力だと思います。ぜひ、いろんな方に鑑賞してもらいたくなります。
どんな人に読んでもらいたいですか? まずは、何かに熱中したい方にお勧めしたいです。「ボールルームへようこそ」は読み手の首根っこを無理やり掴んで没頭に引き摺り込んでくれる強い引力があるからです。そして、大変な熱量でこちらを満足させてくれます。途中で手を止めると続きが気になって仕方なくなりますし、読了感も最高です。次に、新しいことをはじめたい、もしくははじめる方にお勧めしたいです。主人公が未経験からプロへと成長していく姿を見ていると、自分もゼロからのスタートでも頑張ろうという気持ちにしてくれるからです。足を踏み出す勇気と力を分けてくれる、頼もしい漫画です。
読んだことによるエピソード 社交ダンスを中高年の趣味程度の認識しかしていなかったのですが、本当はこんなに若くて熱いダンス競技だったのかと驚きました。新たな世界を知れて、とても勉強になりました。