坂道のアポロン 小玉ユキ (著) 小学館

坂道のアポロン 小玉ユキ (著) 小学館

アマゾン商品紹介 1966年初夏、横須賀(よこすか)から地方の高校へ転入した薫(かおる)。幼い頃から転校の繰り返しで、薫にとって学校は苦しいだけの場所になっていた。ところが転入初日、とんでもない男と出会い、薫の高校生活が意外な方向へ変わり始め…!?
●収録作品/坂道のアポロン(1)/種男

レビュー

どんな話ですか? 転校が多かった主人公の薫はまた東京から佐世保へ転校。ひょんなことからクラスから恐れられていた千太郎と関わることに。千太郎はジャズでドラムをやっており、薫はクラシックのピアノを。お前にジャズなんかわからん、と言われたことからジャズピアノにのめり込む薫。そこから良くも悪くも仲良くなり、ジャズセッションをする仲になる。千太郎の幼馴染である律子との三角関係にも悩みながらも友情、青春、恋愛の要素が詰まった心温まるストーリーです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 最初は真逆の性格の千太郎と薫だが、仲良くなる過程や、ジャズ、というあまりないジャンルにとても胸躍らせられます。また、選曲もとてもよく、漫画からは音が伝わらないが、表情や楽しそうに演奏しているシーンから音をも伝わるような気がします。青春、友情、恋愛、全ての要素を詰め込んだとても心温まるストーリーです。また、設定が1966年、というところもグッときます。現代にはない、ほろ苦い恋愛も見ることができます。

あしたのジョー 高森朝雄 (著), ちばてつや (著) 講談社

あしたのジョー 高森朝雄 (著), ちばてつや (著) 講談社

アマゾン商品紹介 「ひじを左わき下から離さない心構えで……やや内角をねらい、えぐりこむようにして打つべし!」――漫画史にその名を刻んだ、永遠の名作! 東京・浅草のドヤ街に、ふらりと現れた一人の少年。矢吹丈(やぶき・じょう)と名乗るその少年に一方的に叩きのめされたアル中の元ボクサー・丹下段平は、その動きに天性のボクシングセンスを見出し、一流のボクサーに仕立てあげんと奮闘するが……。

レビュー

どんな話ですか? ベテラン漫画家ちばてつやの代表作で、原作が書かれた年代は1960年代後半から1970年代初めごろの話ですので、今からざっと50年ぐらい前の話になります。テレビでも放映された、なつかしの名作とも言えます。

まだ、日本中貧しい層もかなり広範にあり、その貧しい街の出身の若者ジョーは、ふるさとの街に帰ってきます。まだ若いが少しひねくれもののジョーは、少し不良で、やぐされものです。まだ若いエネルギーをどこに持っていけばよいのか、わからないジョーは、ボクシングと出会い、ボクシングを通じて、生きていくことに希望を見つけ出していきます。その希望は、貧しい街の希望ともなり、街の子どもたちのヒーローともなっていきます。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 若いエネルギーは、若者にはどの時代でもいつもあるものですが、それをどのようにどの道に発揮していいかわからない若者たちは、今もたくさんいると思います。

その道をみつけたジョーの生き方を見て、深く共鳴する人は多いと思います。

ボクシングのライバルや、指導者(コーチ)、仲間にも恵まれ、ひたすらボクシングにのめり込んでいくジョーは、完全に燃え尽きるまでその生を、輝かせます。

最後の場面は、今でも、かなり高齢となった私にも強い印象を残しています。

花田少年史 一色まこと (著) 講談社

花田少年史 一色まこと (著) 講談社

アマゾン商品紹介 近所でも一押しの悪ガキ・花田一路(はなだ・いちろ)少年。ある日、いたずらが過ぎ自動車に激突してしまう。幸いにも九死に一生を得たがこの事故以来、頭に残った9針のキズと共にオバケが見えるというコワ~イ能力まで得ちまったからたまらない。

レビュー

どんな話ですか? 昭和は舞台で、近所でも有名な悪ガキ少年花田イチロが、母親と喧嘩して自転車で家を飛び出し、交通事故に遭い生死をさまようが、後頭部に抜い跡は残ったが、助かる。それからというもの、イチロはお化けが見えるようになってしまう。イチロの前に現れるお化け達は、イチロにお願いばかりしてくる、この世に未練を残したお化けばかり、イチロは嫌々ながらも、様々なお化け達の願いを叶えるべく奮闘する笑いあり、涙ありの感動作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 悪ガキイチロがお化けの願いを叶えるべく奮闘するのですが、お化け達の願いは、親と子の絆、動物達との絆を、人と人との絆の大切さや、切なさを其々の話の中で描かれていて、涙なしでは読めないほど、感動できます。それだけではなく、主にギャグ要素が強いので、楽しみながら、感動できるので、かなり惹きつけるられます。様々なお化けを通して、色々と考えさせられますし、クライマックスも、イチロ自身の親子の絆と重なるように描かれていて、最後まで満足のいく作品だと思います。

まんが道 藤子不二雄(A)  小学館

まんが道 藤子不二雄(A)  小学館

アマゾン商品紹介 まんが家を目指す多くの少年少女に決定的な影響を与えた著者の代表作を豊富なカラーページまで再現した決定版です。『まんが道』は1970年~72年にかけ『週刊少年チャンピオン』にあすなろ編、77年から82年にかけて『週刊少年キング』に立志編・青雲編が連載され、青雲編の未完部分が春雷編として『藤子不二雄ランド』の巻末マンガに継続されて完結した、著者の自伝的長編作。藤子不二雄Aと藤子・F・不二雄をモデルにしたふたりのマンガ少年が、デビューを果たして上京、トキワ荘というアパートで同世代の若いマンガ家たちと生活をともにしてプロへの道を歩む姿を感動的に描く。『まんが道』に出会わなければマンガ家になっていなかった」と語るマンガ家も少なくないほど。戦後まんがの青春期の光芒が刻まれた重要作を愛蔵版で刊行します。

レビュー

どんな話ですか? 藤子不二雄の自伝的セミノンフィクション漫画。デビュー前からトキワ荘時代までが描かれています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 超有名漫画ですが、意外と全編読んだことのある人は少ないかも知れないので。

炎の料理人周富徳 荒 仁 (著), 今泉 伸二 (イラスト) 集英社

炎の料理人周富徳 荒 仁 (著), 今泉 伸二 (イラスト) 集英社

どんな話ですか? 多数のテレビ出演でも有名な中華料理の巨匠、周富徳の半生をベースにした伝記風の作品。
グルメ漫画、ドキュメンタリー漫画というより、幼少から下積み時代の奮闘、修行先での試練やライバル料理人としのぎを削るコンクールを経てステップアップしていくという、エンターテインメント性が強く打ち出されています。
大らかで血気盛ん、お調子者の周は初めこそバタバタして挫折を味わうものの、たゆまぬ努力と土壇場での天才的な閃きによって目の前のハードルを次々と乗り越え、日本における中華料理文化に新しい可能性を開拓していきます。
順調に腕を上げつつあったある日、尊敬していた親方が病に倒れ、実力ナンバー2の副料理長も、やむなく中国へ帰郷することになります。
新料理長に抜擢されたのは周でした。ついに組織のトップに立った彼は、はたして伝統ある名店を守っていけるのでしょうか。
なぜその漫画をオススメしたいですか? かなりフィクション成分が強く、若き日の周氏は「浅草橋ヤング洋品店」などで見せる陽気でコミカルなキャラクターそのままに描かれています。
最大のみどころは、どう考えても不利な土壇場で活路を見出す、周の天才的な閃きです。
しかしそれらは、日々の努力や料理に対する好奇心、良いものは何でも吸収しようとする貪欲さに裏打ちされたものであり、単なる行き当たりばったりとは違う備えの大切さを教えてくれるように思います。

お三十路の町 東陽片岡 (著) 小学館

お三十路の町 東陽片岡 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 とある街の片隅、古びたアパートに一人暮らす女性。3年前に失踪した亭主のことを今も想う彼女が、ある日、屋台のカレー屋を始める決意をした。それは亭主の大好物がカレーだったから…。

レビュー

どんな話ですか? お三十路の町(おみそじのまち:小学館 全3巻)は基本的に4ページ読み切りのオムニバスギャグ作品で、昭和情緒あふれる、様々な境遇の低所得の人々の哀愁漂うエピソードが独特のタッチの画でユーモアたっぷりに描かれています。作者は東陽片岡先生。オムニバス作品なので毎回登場人物は変わるのですが、ポツポツ出てくる名物レギュラーキャラ(別出版社の別作品でも出てくる!)が数人いて各話に繋がりはないのになぜか統一感が出ている漫画です。貧乏、エロ、金欲、食欲、名誉欲、夢などなどテーマも様々。不思議な脱力感が味わえる稀代の漫画だと思います。
なぜその漫画をオススメしたいですか? まず、絵のクセがすごい!初めてのひとはその絵力【絵ヂカラ】に圧倒されると思います。スクリーントーンは一切使わず、タイトルや吹き出しの中のセリフも何から何まですべて手書きの作品です。作者は別名タタミ職人(描くのが大変そうな畳の部屋が出てくる話が異常に多いから)とも呼ばれているようです。あまりにクセが強い絵のため一瞬で好き嫌いが判定されるような作品だと思いますが、少しでも興味をそそられたらハマることは間違いないと思います。主な舞台はボロアパート、場末のスナック、小さい居酒屋、下町の小さな会社、ガード下など常に昭和の懐かしい貧乏感が醸し出されています。オムニバス作品でも漫画の世界観がとてもがっしり安定しています。どの話から読んでもいいし、トイレにおいておくのもいいかも(私は大切に本棚に置いてます)。休日やちょっとした暇な時間に軽く鼻で笑える息抜き時間を提供してくれる作品です。

夕凪の街 桜の国 こうの史代 双葉社

夕凪の街 桜の国 こうの史代 双葉社

アマゾン商品紹介 昭和30年、灼熱の閃光が放たれた時から10年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか……、原爆とは何だったのか……。漫画アクション掲載時に大反響を呼んだ気鋭、こうの史代が描く渾身の問題作。
どんな話ですか? 広島を舞台に、原爆投下から現代までをひとつの家系をとおして描く物語。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 原爆のもたらした状況は命が続く限り消えることはないかもしれないという現状をつきつけられて苦しいけれど、伝える場は必要なので、広島・長崎の人だけでなく少しでも多くの人に読んでもらいたい。

ちびまる子ちゃん さくらももこ (著) 集英社

ちびまる子ちゃん さくらももこ (著) 集英社

アマゾン商品紹介 “さくらももこ”は小学3年生。とても小さくて女の子だから“ちびまる子ちゃん”とよばれている。そんなまる子ちゃんが、おかしな家族の人たちや学校のお友だちとくり広げる、愉快な日常絵日記コミック。

レビュー①

どんな話ですか? 主人公は小学3年生のさくらももこです。みんなからはまる子、まるちゃんと呼ばれています。

まるちゃんの家族や友人やクラスメイトが出てくるお話です。

まるちゃんの周りで起きる出来事が描かれていて、笑えてほっこりし時には感動してしまう楽しいお話が描かれています。

おじいちゃんと仲良しだったり、お姉ちゃんと喧嘩したり、たまちゃんという仲良しの友人がいたり、学校のクラスメイトに変わった子がいたりして楽しいお話がたくさん描かれています。

なぜその漫画をオススメしたいですか? ちびまる子ちゃんは、難しいストーリーではなく日常での出来事などが描かれていて気楽に読むことができます。

またほとんどが一話完結なので、途中から見始めても内容が分かりやすいのもオススメできるポイントです。

自分の小学3年生の頃の事と重ね合わせて読む事ができて、懐かしい気持ちにもなり心が穏やかになれます。

誰かを憎んだり傷つけたりなどは一切出てこないので、とても平和でどの年代の方にもオススメできる漫画だと思います。

レビュー②

どんな話ですか? 静岡県清水市の小学校3年生のちびまる子ちゃんをとりまいている、何気ない家族とのやりとりや、同級生等の友達とのやりとり等の日常生活を面白おかしく描いたコメディ漫画です。家族や同級生のキャラクターがそれぞれ特徴があり、自分達のまわりにもどこかこんな感じの人いたなーと思うことや、日常にあるささいなことを作者の力量や切り口で面白おかしく描かれていることがとても面白くつい引き込まれて読んでしまうような作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 単純に気楽に読むことができる漫画だからです。どんな体調や気分の時であっても気楽に読んで楽しい気持ちになれるんだろうと思っています。というのも、小学校3年生の日常なのでエピソードの多くが、ある特定の前提や物語の経緯なども追う必要がない話が多く、何巻からでも手にとって読んでいくことが出来てまた、エピソード毎に読んでいくことが出来ることもオススメ出来るポイントです。また、国民的な漫画なので、多くの人と共有の話題として利用出来る点もポイントです。

レビュー③

どんな話ですか? ちびまる子ちゃんは作者であるさくらももこ先生の子供期時代がモデルになっています。

静岡県に住む小学校三年生の「ちびまる子」とその家族、友人たちのほのぼのとした日常が描かれています。

個性的なキャラクターに囲まれて、笑いあり涙ありの心温まるエピソードばかりです。

まる子がドジをしながらも明るく前向きに成長していく姿を見守ることができます。

当時の流行歌手やおもちゃも登場して、昭和の一般家庭の風景やカルチャーを学ぶこともできます。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 嫌なことがあったとき、ちびまる子ちゃんを読んでいつも笑って元気をもらっていました。

ギャグセンスの高さとキャラクターの個性にいつも感心してしまいます。

そして、読んでいるうちにすごく心が温かくなって、不思議とイライラや不安が鎮まっていくのです。

「こんなときもあったなぁ」と自分の少女時代とリンクしていって、家族や友達との思い出が蘇ってきます。

学校帰りの友達との会話、家族の団らん、兄弟喧嘩など、ノスタルジックな気持ちに浸ることができるからです。

この世界の片隅に こうの史代 (著) 双葉社

この世界の片隅に こうの史代 (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。

レビュー①

どんな話ですか? 1944年の広島で、絵を描くことが好きなすずという女の子がいました。子どもの頃は自分の想像と現実が入り混じった表現があり、初めはファンタジーのようでした。19になって子どもの頃にあったかもしれない男の人とすずは結婚しました。旦那のおねえさんは口は悪いけどすずの服をこしらえる為に家事をやっといてくれる人でした。戦争中ではあるが、お隣さんとの集まりや家族の為にお料理を考えたりする姿など、戦時中であっても日々を生活している姿を描いている作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 私が子どもの頃から見ていた戦争の物語はとにかく我慢をしいられ、辛く、重苦しい生活を表現していたように思えます。ですが、この世界の片隅は戦争まっただ中であってもお料理はするし、近所づきあいはするし、憲兵に怒られても笑ってしまったりそんな描写が本当にリアルな戦時中の生活の姿のように思えました。自分の大切なものを失って苦しい想いはすれどそれでも生活は続いていくのが実際の戦争を感じさせました。戦争の物悲しさも、それでも生活していく姿を今の日本人に見てもらいたいと思いました。

レビュー②

どんな話ですか? 太平洋戦争後期の呉市でを舞台に、一人の女性「浦野すず」の、嫁入り先での淡々とした普通の暮らしと、時折やってくる戦争の悲惨さを交えて描いた作品です。
日本における戦争を語る上で外せない原爆と広島からあえて少し外様の人々を中心にしているのが特徴で、戦時下における一般的な生活ぶりを描いた、かぎりなく個人の視点となっています。
各話の題名は日付になっており、絵が得意でそこから想像力を働かせるのが好きな「すずさん」の回顧録か絵日記のように感じる構成になっています。
日常系は日常系でも戦争という非常の只中であるゆえに、単なるほのぼのだけでは済まないやりきれない出来事もまったく突然に起こり、すずさんが当時の特別な存在なわけではなく、きっとあちらこちらに同じような人生があったはずなのだ、と深く考えずにはいられません。
激しい戦闘の描写があるわけでも、英雄が出てくるわけでも、東京や沖縄、原爆ドームが舞台なわけでもありません。それでもこれはまぎれもなく、毎年8月に読みたくなる漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ヒロインのすずさんはかなりほのぼのとした天然キャラで、小さな花のような可憐な女性です。
アニメ化された際には声をのん(能年玲奈)が担当し、あまりの適任ぶりに話題となりました。
大半は食材を無駄なく使うとか、義姉となかなかうまくいかないとか、ごく普通の出来事ですが、すずさんだからこそそれが絵になるのでは。
当時の呉の様子や詳細な生活風景を窺い知るという点でも、歴史史料並に貴重な作品といえます。

20世紀少年 浦沢 直樹 (著) 小学館

20世紀少年 浦沢 直樹 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 無事、2016年を迎えられた人類へ捧ぐ。

浦沢直樹が世に放ち、日本中を席巻することとなった大ヒット作、『20世紀少年』。
来年完結10周年を迎える本作が、雑誌掲載時のカラーを再現した完全版として遂に登場!

作中では、2015年に人類は滅亡――
以降、西暦は「ともだち暦」と改められる。
まさに、今読むべき黙示録。

オリジナル単行本2冊を1冊にまとめ、読み応え充分の全11巻+『21世紀少年 完全版』全1巻で刊行スタート!
あらすじ/1997年、ケンヂが営むコンビニへ刑事が訪れた。ケンヂがいつも酒の配達をしている敷島家が、全員行方不明になったのだという。敷島家の集金がまだ終わっていなかったケンヂは、飲み逃げかと落ち込むものの、渋々ビールの空きビンを取りに敷島の家を訪れる。するとそこには、どこかで見たことがあるような、不思議なマークが壁に描かれていた(第1話)。▼ケンヂは、幼なじみのケロヨンの結婚式に出席していた。ケロヨンとは少年時代、小学校の仲間たちと近所の空き地に秘密基地を作り、みんなで地球の平和を守るために戦うと誓い合った仲だった(第2話)。

レビュー①

どんな話ですか? ケンヂとその仲間たちが小学生時代に書いた「よげんのしょ」をもとにストーリーが展開していく。ケンヂは、姉の子カンナを育てながら実家のコンビニで働いていた。そんなある日、小学校の同級生のドンキーが投身自殺したとの訃報が舞い込んでくる。ケンヂのもとにはドンキーからの手紙が送られており、その中には「このマーク、覚えてないか?」との文字とマークが書かれていた。そのマークは、数日前に行方不明になった敷島教授の家の壁に描かれていたものと同じだった。そして同じ頃、そのマークをモチーフとした教団で「ともだち」なる存在が世界を動かし始めていた。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 正義とは何か、友情とは何かを教えてくれる作品。誰しもが子ども時代に経験したような息苦しさと罪悪感を思い出させ、子どもの善と悪について考えさせられる。また人間の精神のもろさ、すがりたいという気持ち、洗脳と信仰についても深く考えさせられる。善が悪になり、正が負になるような逆転があり、いったい何が正しいのか、誰が正しいのかをいろんな視点で感じることができる。今この時代をどうやって生きてくか、ケンヂやカンナ、仲間たちの生き方から学ぶことができるように思う。

レビュー②

どんな話ですか? 冴えない主人公遠藤健児(ケンヂ)が、少年時代からの友人たちと共に地球滅亡を企てる悪の組織に立ち向かうSFサスペンス大作。

大阪万博を翌年に控えた1969年、ケンヂは友人たちと秘密基地の中で「よげんの書」を作って盛り上がる。悪の組織が企てる地球滅亡計画に、正義のヒーローとして立ち向かうのはもちろん自分達。仲間のオッチョ、ヨシツネ、フクベエらと共に他愛のない空想で盛り上がる、昭和の平和な小学生だった。

時は流れ、ヒーローどころか冴えないコンビニ店主となったケンヂ。ロック歌手になるという夢をあきらめ、酒屋だった実家の店を改装したコンビニで働き、パッとしない日々を送っているのだ。そんな平凡な日常が、世界各地で起こり始めた異変によって一変していく。なんと、子供の頃自分達が考えた「よげんの書」のとおりに世界が破壊されて行ったのだ。

その事実にいち早く気づいたケンヂは、悪の首謀者「ともだち」に立ち向かうべく、昔の仲間達と共に立ち上がる。

なぜその漫画をオススメしたいですか? もともと浦澤直樹のマンガのファンなのですが、その中でも冒険性、サスペンス性に優れたエキサイティングなストーリーです。物語は1970年代前後と現代を行き来する内容になっており、当時、主人公と同じように小学生だった世代の人には堪らない漫画だと思います。

主人公のケンヂ達が小学生時代にふざけて書いた「よげんの書」に沿って世界滅亡のシナリオが進行して行くのですが、悪の首謀者の名前は「ともだち」、そのトレードマークは小学生時代のコミックに載っていたおなじみのマーク、最初に破壊される都市は近所にあった飲み屋の名前(さんふらんしすこ)という、いかにも小学生の頭で考えたような子供じみたストーリーなのに、その話の通りに現代の世の中で人がリアルに死に、世界が破壊されていくという、嘘なのか本気なのかわからないような構成も絶妙です。

主人公はカッコ良くも強くもない、どこにでもいる冴えないキャラクターというのもまた感情移入できるポイント。

「ともだち」の正体がなかなか明かされず、どんどん先を読まずにいられなくなる徹夜必至の漫画です!