ヴィンランド・サガ 幸村誠 講談社

ヴィンランド・サガ 幸村誠 講談社
アマゾン商品紹介 11世紀、北欧の地は、蛮族と恐れられた
ヴァイキングにより戦火にまみれていた。
その中に、父親を殺され、復讐のため戦場
を駆け抜けた少年・トルフィンがいた。
彼は仇敵・アシェラッドを殺すために生き、
生きるために戦った。だが、イングランド
王位をめぐる争いの中でアシェラッドは
不慮の死を遂げる。唯一の希望を失い、
奴隷に身をやつしたトルフィンはそれでも
なお安息と豊穣の地、ヴィンランドを思い描く。
心休まる日はいつ訪れるのか。
”本当の戦士”の物語が紡がれていく。
レビュー
どんな話ですか? 11世紀ごろに北ヨーロッパで一大勢力を誇った、ヴァイキングの生き様を描いている、重厚な作品。モデルとなる人物はいるものの、内容は完全フィクションです。主人公のトルフィン(父親を殺した相手の兵団に入りながら、決闘で父の仇を取ろうとするが…)の壮絶な半生もさることながら、脇を固める戦士たちもバックボーン含め非常に手厚く書かれており、作者の緻密な画風と相まって、漫画ではなく伝記を読んでいる気分にさせてくれる。
登場人物の「勇敢に戦い死んだ戦士はヴァルハラ(神の宮殿)に導かれる」という信仰を持つヴァイキングなので、戦闘・戦争シーンは非常に多めで、一部欠損シーンなども描かれるので、そういうのが苦手な人は要注意です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 月刊誌ならではの、丁寧な作画による重厚なストーリーと「人の生き様」が丁寧に描かれているから。(実際には想像になってしまうだろうが)当時の人がどのように考えたのか、同じヴァイキングでも地方によりどんな特性を持っているか。登場人物の出自が与える影響など、とにかく人物へのフォーカスが徹底している。だからこそ、ヴァイキングたちが避けて通れない戦闘シーンにおいても、そこに至ってしまった無念さや闘いへの矜持などを知っているからこその感情移入ができて、「ただ戦っている」だけの漫画になっていない。

ぼくらの17-ON! アキヤマ香 双葉社

ぼくらの17-ON! アキヤマ香 双葉社
アマゾン商品紹介 「アスコーマーチ! 」、「僕のおとうさん」の作者・アキヤマ香が贈る俳句青春グラフィティ。
日々をただ「なんとなく」生きて、怠惰な生活を送っていた高校生・久保田莉央。
彼は片想いの錦織彩ちゃんが俳句好きだから、という不純な理由で俳句愛好会に入部する。
部長の山本春樹と切磋琢磨しながら、やがて莉央は“俳句甲子園”出場を目指す!
レビュー
どんな話ですか? なんとなく生きてきた高校生の莉央が、主人公の漫画です。莉央は、恋心を抱いた相手に近づきたいという不純な動機で俳句愛好会に入部しますが、俳句甲子園をめざすことに燃えていきます。俳句の何たるかを全く知らなかった莉央が、あたたかい友情やライバルへの悔しい思いを積み重ね、めきめきと力をつけ、とうとう俳句甲子園に出場することになるという青春漫画です。アイドルを思わせる俳句チームも出場してきて、彩りを添えています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 俳句に対して何の知識もなかった主人公が、友人やライバルに刺激され、自分の感性をひきだしていくストーリーにひきこまれるからです。すぐに成功への道をたどるのではなく、挫折を幾度か経験していて、何度かやめようと思うこともあるのですが、その度に、その挫折で大切なものを学び取っている姿が、自分のこれまでの経験とも重ね合わされて、「あの時の決断はあれでよかったな」と、自分で自分を励ますことができる漫画です。俳句甲子園出身の俳人の佐藤文香さんが協力しているので、掲載されている一句も、読み応えがあります。

みゆき あだち充 小学館

みゆき あだち充 小学館

アマゾン商品紹介 みゆきとみゆき。六年ぶりに再会した妹・みゆきと、同級生のみゆきちゃん。二人はとってもかわいいのです。だから、ぼくの悩みは増すばかり。抱き合って眠れたら……もう死んでもいい!!

レビュー

どんな話ですか? 腹違いである兄の若松真人と妹の若松みゆき、ひょんなことから一緒に住むことになった二人の交流、そして兄と妹以上の存在であると気づくようになるまでを描く作品。そして、真人の恋人である鹿島みゆきをからめて物語は進行していきます。いわゆるラブコメとして位置付けられるのですが、それ以外にも登場する人物も非常に魅力的。特に作品後半に登場するプロサッカー選手で若松みゆきと結婚寸前まで親交を深める沢田優一の存在も大きい。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 今の漫画ではなかなかこうしたシンプルながらも微妙な心の変化を描き上げる作品が少ないこともあり、懐かしい作品ながらも時折読み返したくなる秀作だと感じます。あだち充さんならではのキャラクターの描き方もありますが、特に若松みゆきのさわやかで屈託のない様子、それでいながらいつのまにか義理の兄である若松真人を愛することになる過程は非常にうまく描かれています。若松真人についても同じく、あまりさえない男性ながらも優しいキャラクターが非常に共感を覚えました。

恋する1/4 田島みみ 集英社

恋する1/4 田島みみ 集英社
アマゾン商品紹介 吉田実明(みあけ)のニックネームはミケ。高校の合格発表の日、ミケは長身で無口な男に出会う。新学期、同じクラスにその男・立川那智はいた。ミケがつけたあだ名はナスくん。さらに幼なじみでご近所さんの染谷祐太と、美人で大人っぽい浅見樹も同クラス。ミケを中心に、恋する4人の青春が展開する。
レビュー
どんな話ですか? 超王道の高校生ラブストーリー!ちょっと天然な主人公・ミケと無口で背の高いナスくんとの恋物語です。ミケ&ナスくんカップルとミケの幼馴染・祐太、クラスの高嶺の花・樹の4人はいわゆるイツメン。いつも仲良く遊んでいましたが、男女グループの運命なのか、グループ内でそれぞれの恋が動き出します。一体誰と誰がくっつくのか、みんなはもとの仲良し4人組に戻れるのか、ドキドキしながら読み進められるドストレートな少女漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 王道な少女漫画を楽しみたい!と思ったときはこの作品に限ります。基本的に登場人物も増えないので、内容がわかりやすくどんどん読み進められます。少女漫画に期待する胸キュンシーンや思わずニヤニヤしてしまうセリフもたくさんあります。少女漫画の教科書みたいな作品なので、一度は読んでみてほしいです。

封神演義 藤崎竜 集英社

封神演義 藤崎竜 集英社

 

アマゾン商品紹介 紀元前11世紀の中国、殷(いん)の時代末期。崑崙山脈(こんろんさんみゃく)の仙人・太公望(たいこうぼう)は、悪しき仙人・道士を封印する「封神計画」という任務を受ける! 殷の皇帝・紂王(ちゅうおう)を誘惑して暴虐の限りを尽くす仙女・妲己(だっき)を、太公望は真っ先に封神しようとするが…!?
レビュー
どんな話ですか? 3000年以上昔の古代中国。賢君・紂王は仙女・妲己の妖しい術に惑わされ、彼女を皇后に迎え入れた。そして妲己に操られた王は、悪政で民を苦しめていた。その都の遥か上空に浮かぶ仙人界・崑崙山で日々修行(?)に励む太公望は、教主・原始天尊の命を受け、『封神計画』の実行を始める。悪しき仙人を神界に閉じ込め、革命により新しい王朝を作るための『封神計画』。妲己の真の目的とは?策士・太公望は無事封神計画を成し遂げることが出来るのか?
なぜその漫画をオススメしたいですか? 主人公・太公望の飄々とした立ち回りや、独特の絵柄、魅力的なキャラクター達で、過去に一大ブームを巻き起こした作品なので、当然面白くない訳がない。少年(だった人)なら誰が読んでも間違いなく楽しめるし、(腐)女子も絶対に楽しめる作品。
古代中国が舞台かと思いきや、まさかそういう話だったの!?と驚くような展開も魅力。とにかく読むべき。

リトル・フォレスト 五十嵐大介 講談社

リトル・フォレスト 五十嵐大介 講談社
アマゾン商品紹介 スローフードって楽じゃない。手間ひまかけて、汗かいて。だけど、そうやって辿り着いたひとくちには、本当の美味しさが満ちているのです。
レビュー
どんな話ですか? 都会に出たものの、故郷の小森に戻ってきたいち子。小森は冬は雪深く孤立してしまうような田舎の村。そんな小森で農業をしながら生活を営むいち子は、春夏秋冬さまざまな農作物を作り、収穫し、料理して食べるという生活を繰り返す中で、自分の人生についてゆっくり向き合っていく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 特に大きな事件が起こるような作品ではないですが、いち子の田舎の生活を通じて、「生きるとは」「食べるとは」「人生とは」という、「生」の根本について深く考えさせられます。また、いち子の毎日の食事を見ていると、現代人が忘れてしまったような「本当の豊かさ」を感じ取ることができます。

カジムヌガタイ-風が語る沖縄戦 比嘉慂 講談社

カジムヌガタイ-風が語る沖縄戦 比嘉慂 講談社
アマゾン商品紹介 外に敵、内にも敵──沖縄戦の真実を、重厚な人間ドラマとして描き出し、第7回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞を受賞。 娘たちを犯しにやってくる米兵3名を相手に、シマ(集落)の人々が一致団結して戦う表題作『カジムヌガタイ』ほか、読み切り作品6編を収録。
レビュー
どんな話ですか? 沖縄出身在住の作者が朴訥な絵柄描く、沖縄人目線での沖縄戦の物語が詰まった短編集。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 沖縄の自然や文化が好きな人は多いが、戦争まで踏み込んで興味を持つ人は少ない。ひめゆり学徒隊以外にも様々な悲劇があったことを知って欲しい。

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 竜田一人 講談社

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 竜田一人 講談社
アマゾン商品紹介 「いちえふ(=1F)」とは福島第一原子力発電所の通称。「F」は福島。「1」は第一。
現場の作業員や地元住人は「フクイチ」ではなく「いちえふ」と呼ぶ──。新人賞MANGA OPENの大賞受賞作として「モーニング」に掲載されるやいなや読者、国内外のメディアからのすさまじい反響を呼んだ話題作がついに単行本化!
ここに描かれるのは「フクシマの真実」ではなく、作者がその目で見てきた「福島の現実」だ。「メディアが報じない福島第一原発とそこで働く作業員の日常」、そして「この先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実」を、あくまでも作業員の立場から描写。「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」働き続ける作業員たちの日々を記録した、いま日本に暮らすすべての人たちに一度は読んでみてもらいたい「労働記」です。
レビュー
どんな話ですか? 自称「売れない漫画家」であった作者が2011年の東日本大震災および福島第一原子力発電所爆発事故をきっかけに、原発作業員として働くことを決意。仕事に就くまでの過程や、高い放射線量の中、実際に働いた現場の状況が知れる貴重なルポ漫画
なぜその漫画をオススメしたいですか? 原発事故から10年、当時のことを思い出して欲しい。

失踪日記 吾妻ひでお イースト・プレス

失踪日記 吾妻ひでお イースト・プレス
アマゾン商品紹介 突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働、アルコール中毒・強制入院まで。
著者自身が体験した波乱万丈の日々を、著者自身が綴った、
今だから笑える赤裸々なノンフィクション!
レビュー
どんな話ですか? 売れっ子漫画家が締め切りを放り出して失踪し、野宿生活から保護されるまでを本人自ら描いたノンフィクション。2度目の失踪やアル中治療編も収録。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 壮絶だったであろう失踪生活を明るい絵柄で悲壮感なく描いていて面白い。人間どんな状況でも生きていけることに勇気が出ます。

 

まんが 新白河原人 ウーパ! 守村大 講談社

まんが 新白河原人 ウーパ! 守村大 講談社
アマゾン商品紹介 30年近く漫画を描き続け、気づけば齢47になる漫画家・もりむら。次回作のアイディアを練っていたある日、とんでもないことを思いつく。それは、電気もガスも水道もない未開の山で、自給自足の“原始生活”を送ることだった!

レビュー

どんな話ですか? ベテラン漫画家守村大が、福島新白河の原生林を購入し、自ら開墾してログハウスを建て、自給自足の生活を始めるノンフィクションエッセイ漫画
なぜその漫画をオススメしたいですか? 人間本気になれば家も建てられる。DIY未経験からログハウスからツリーハウス、炭窯、サウナ小屋、カヌーまで作ってしまうバイタリティを読んで感じて欲しい。