まだ、生きてる・・・ 本宮 ひろ志 (著) サード・ライン

まだ、生きてる・・・ 本宮 ひろ志 (著) サード・ライン

アマゾン商品紹介 定年を迎えたサラリーマン・岡田憲三。家に帰ると家族は消えていた。妻が全財産を持ち逃げし、息子や娘は音信不通に・・・。生きる事に疲れた希望も無くした憲三は、60年の人生の幕を閉じようと、故郷・房総の山奥に入り首吊り自殺を図るが・・・。現代人に生きる事の意味を問いかける意欲作、第一巻。

レビュー

どんな話ですか? 物語の主人公はサラリーマンで、長年勤めた会社を定年退職した際に、突然、退職金を持って家族に逃げられる。主人公は故郷に帰って山で自殺を図るが、失敗して山で死ぬまで生きようと決意する。幼い頃におばあちゃんに教えられた生活の知恵を利用しながら、逞しく生きていく。ヨモギを利用した傷薬や、ドングリを食料にしたりと、今では忘れ去られている利用方法があるのだと感心する。会社勤めに疲れたサラリーマンに読んで欲しい漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 都会の生活に疲れて死のうと思っていたサラリーマンが、同じく自殺しようとしていた若い女性、産まれた子供の3人とともに生活する中で、生きることの本当の意味を教えてくれるとても感動的な作品だから。年功序列や終身雇用、メンバーシップ型の仕事という独特の制度がまだ色濃く残っている日本の会社の中では、人間関係に悩みながら、仕事にやりがいを感じられないサラリーマンorサラリーウーマンも多く働いていることだろう。そのような疲れた会社勤めの人々の価値観を変えてくれると思う。

 

サマータイムレンダ 田中靖規 (著) 集英社

サマータイムレンダ 田中靖規 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 幼馴染の潮が死んだ――。その報せを聞き、故郷の和歌山市・日都ケ島に帰ってきた慎平。家族との再会。滞りなく行われる葬儀。だが島にはある異変が…? ひと夏の離島サスペンス!!

レビュー

どんな話ですか? 主人公の幼馴染の潮が亡くなったことを聞き故郷の和歌山・日都ヶ島に帰ってきた、慎平。

滞りなくなく進行していく葬儀だったが潮の死には不審なところがあった。

その夜、解剖に立ち会った父をもつもう一人の幼馴染の窓に電話で解剖の内容を聞く。

海で溺れたはずの潮の首に誰かに絞められた跡があったと。

当時一緒にいた窓は怪しい人はいなかったという。

翌日、潮の両親が営む飲食店に島で唯一の警官が来て、潮が助けた少女の家族が消えてしまったらしいという。

潮の妹、澪が少女から自分とそっくりの子がいる気がするときいていた。

昔からの言い伝え「影の病」ではないかと、詳しく聞くため神社に向かった。

しかし、留守のようであたりを見渡していると消えたはずの少女がいたと澪が追いかけてしまう。

そこにはおなかを撃たれた女性と澪に銃を向ける澪にそっくりな少女がいた。

次の瞬間、少女に澪も慎平も頭を撃たれてしまった。

気がつくと、島に帰るために乗ったフェリーのなかだった。

同じように過ぎていく時間に、もう一度同じ日を繰り返していることに気づいた慎平。

そして、行動次第で未来が変わることに気づいていく。

潮の身にいったいなにがあったのか、影の病の正体は?

繰り返す日々の中、慎平は真実にたどり着けるのか。

ひと夏のタイムトラベラーサスペンスです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 誰にもあの時ああすれば良かったと、後悔することもあると思います。

でも、実際にやり直すことができたとしてどんな困難があっても未来を変える自信があるのかと、好きな人のためにここまでできるのかと問われている気がして自分を見直すいいきっかけになったからです。

たくさんのキャラクターがでてくるのでいろんな角度からの人の思いが書かれているので誰かしらに共感できると思うし、そういう考えもあるんだなと勉強にもなると思います。

坂道のアポロン 小玉ユキ (著) 小学館

坂道のアポロン 小玉ユキ (著) 小学館

アマゾン商品紹介 1966年初夏、横須賀(よこすか)から地方の高校へ転入した薫(かおる)。幼い頃から転校の繰り返しで、薫にとって学校は苦しいだけの場所になっていた。ところが転入初日、とんでもない男と出会い、薫の高校生活が意外な方向へ変わり始め…!?
●収録作品/坂道のアポロン(1)/種男

レビュー

どんな話ですか? 転校が多かった主人公の薫はまた東京から佐世保へ転校。ひょんなことからクラスから恐れられていた千太郎と関わることに。千太郎はジャズでドラムをやっており、薫はクラシックのピアノを。お前にジャズなんかわからん、と言われたことからジャズピアノにのめり込む薫。そこから良くも悪くも仲良くなり、ジャズセッションをする仲になる。千太郎の幼馴染である律子との三角関係にも悩みながらも友情、青春、恋愛の要素が詰まった心温まるストーリーです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 最初は真逆の性格の千太郎と薫だが、仲良くなる過程や、ジャズ、というあまりないジャンルにとても胸躍らせられます。また、選曲もとてもよく、漫画からは音が伝わらないが、表情や楽しそうに演奏しているシーンから音をも伝わるような気がします。青春、友情、恋愛、全ての要素を詰め込んだとても心温まるストーリーです。また、設定が1966年、というところもグッときます。現代にはない、ほろ苦い恋愛も見ることができます。

のんのんびより あっと (著) KADOKAWA

のんのんびより あっと (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 田舎にある学校「旭丘分校」には、小中合わせて生徒は5人のみ。みんな家の鍵は閉めないし、たぬきはよく出るし……どこか不便だけど、でも何だかんだで気ままに過ごしている。『こあくまメレンゲ』のあっと先生が描く、ド田舎の学校に通う少女たちのまったりライフ。待望の第1巻登場です!

 

どんな話ですか? 田舎を舞台にした物語です。親の仕事の関係で東京の学校から、とある田舎の小学校と中学校が併設された学校に転校してきた一条蛍。転校してきた学校では全校生徒が合わせて5人しかいなかった。信号がない道路には牛が横断していたり、バスは5時間に一本しかこない田舎では宮内れんげ、越谷夏海、越谷小鞠、越谷卓らと過ごす日々が待っていた。個性的なキャラクターたちが描く、ギャグあり、ちょっぴり感動もあるのんびり田舎漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 出てくるキャラすべてがかわいいです。様々な世代が混ざり合って織り成すのんびりライフを読んでいるだけで体験することができます。田舎に住んでいたことがある方は懐かしく、都会に住んでいる方は田舎に住みたいと思えるような漫画です。全校生徒が少ない学校でもこんなに楽しい毎日があるということが分かります。外で遊ぶということが少なくなってきている今の社会に、自然を感じながら仲間達と外で遊ぶことの楽しさを伝えてくれる漫画なのでとてもおすすめです。

北北西に曇と往け 入江亜季 (著) KADOKAWA

北北西に曇と往け 入江亜季 (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。
17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。
ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。
3つ、その職業は、探偵――。
あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、
またあるときはひと目ぼれの相手を探し出す。
愛車ジムニーを駆りながら、
胸のすくような探偵活劇が、いま始まる!
若き魔法使いの成長を描いた『乱と灰色の世界』から2年。入江亜季の最新作は極北の大地が舞台の“エブリデイ・ワンダー”!!

 

どんな話ですか? 北欧のアイルランドを舞台に、探偵を職業としている17歳の主人公、御山慧が活躍します。逃げ出した愛犬の捜索から、一目惚れの相手探しなど様々な依頼に応えるべく、愛車のジムニーでアイルランドを駆け巡ります。主人公の御山慧には、弟がいます。弟にはある疑いがかけられており、そこからストーリーは大きく動きだします。基本ミステリー系のストーリーですが、日本から来た友人にアイルランドを観光案内したりと旅要素も満載です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 設定やストーリーに引けを取らないくらい、登場人物がキャラ立ちしています。主人公の大人ぶってるけど子供っぽい所や、祖父の渋いカッコ良さなどが絶妙で、何回も読み返したくなります。また、ストーリーの面白さもさることながら、漫画が持つ空気感がとても素敵です。コーヒーを水筒に入れて、愛車に荷物を積み込み、広大なアイルランドを走り回るシーンや、アイルランドの壮大な自然(火山・氷河)が、旅へ出たいという気持ちを刺激します。持ち物から背景まで、絵が細部まで忠実に描き込まれているところも魅力の一つです。

Dr.コトー診療所 山田 貴敏 (著) コトー・カンパニー

Dr.コトー診療所 山田 貴敏 (著) コトー・カンパニー
アマゾン商品紹介 【ドラマ化もされた名作!】主人公・五島健助は、東京の大学附属病院に勤める優秀な医師であったが、とある理由から離島の古志木島の診療所へ赴任することに。古志木島は3ヶ月間も無医村状態でまた過去に赴任した医師の評判から五島健助は歓迎されなかった。しかし、島に来るときに出会った漁師・原剛利の息子を見事な手術で助けたことで島民の信頼を得ていくことになり・・。

レビュー

どんな話ですか? ドラマにもなったので知っている方も多いと思いますが、離島にある診療所へ都会の大学病院から赴任した、後島 健助医師の物語です。島に一軒だけの診療所を舞台に、赴任直後は全く信用されずに苦労したが、様々な病や怪我で訪れる患者を技術と情熱で治療していき、少しずつ島民の信頼を得て仲間として受け入れられていく。その後も大学病院とのしがらみや観光利権を巡る争い等、島を取り巻く様々な問題が起きる中で島の皆と心を通わせていく暖かい気持ちになれる物語です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 普段町中で暮らしていると全く想像する事もないが、遊びに行くだけであれば素晴らしい場所も、暮らしてみると大変な生活があるという事を教えてくれ、人の命を支えてくれている医者や看護師の有り難さを感じられるから。今ではあまり無くなってしまったが、離島のような人口の少ない場所では、昔のように人と人の繋がりで生きていると言う事を思い出させてくれる。現代の人にも、古き良き時代を知ってもらい、またいつか人の暖かさで溢れる時代になって欲しいから。

リトル・フォレスト 五十嵐大介 講談社

リトル・フォレスト 五十嵐大介 講談社
アマゾン商品紹介 スローフードって楽じゃない。手間ひまかけて、汗かいて。だけど、そうやって辿り着いたひとくちには、本当の美味しさが満ちているのです。
レビュー
どんな話ですか? 都会に出たものの、故郷の小森に戻ってきたいち子。小森は冬は雪深く孤立してしまうような田舎の村。そんな小森で農業をしながら生活を営むいち子は、春夏秋冬さまざまな農作物を作り、収穫し、料理して食べるという生活を繰り返す中で、自分の人生についてゆっくり向き合っていく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 特に大きな事件が起こるような作品ではないですが、いち子の田舎の生活を通じて、「生きるとは」「食べるとは」「人生とは」という、「生」の根本について深く考えさせられます。また、いち子の毎日の食事を見ていると、現代人が忘れてしまったような「本当の豊かさ」を感じ取ることができます。

まんが 新白河原人 ウーパ! 守村大 講談社

まんが 新白河原人 ウーパ! 守村大 講談社
アマゾン商品紹介 30年近く漫画を描き続け、気づけば齢47になる漫画家・もりむら。次回作のアイディアを練っていたある日、とんでもないことを思いつく。それは、電気もガスも水道もない未開の山で、自給自足の“原始生活”を送ることだった!

レビュー

どんな話ですか? ベテラン漫画家守村大が、福島新白河の原生林を購入し、自ら開墾してログハウスを建て、自給自足の生活を始めるノンフィクションエッセイ漫画
なぜその漫画をオススメしたいですか? 人間本気になれば家も建てられる。DIY未経験からログハウスからツリーハウス、炭窯、サウナ小屋、カヌーまで作ってしまうバイタリティを読んで感じて欲しい。

銀の匙 荒川弘 (著) 小学館

銀の匙 荒川弘 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 超ヒット作『鋼の錬金術師』の荒川弘の最新作!
大自然に囲まれた大蝦夷農業高校に入学した八軒勇吾。授業が始まるなり子牛を追いかけて迷子、実習ではニワトリが肛門から生まれると知って驚愕…などなど、都会育ちには想定外の事態が多すぎて戸惑いの青春真っ最中。仲間や家畜たちに支えられたりコケにされたりしながらも日々奮闘する、酪農青春グラフィティ!!

レビュー①

どんな話ですか? 高校受験時進路をどうするか悩み、学校の先生の勧めで農業高校の酪農科に進学することから始まります。生き物の世話や食べるとは犠牲の下でなっていること等普通の学校では学べないことを学んでいきます。そんな中、友人たちと学び、バカなことをし、時には恋愛をし、何かをやり遂げようと一生懸命やり、時には頼らなければいけないことを知っていきながら成長する3年間を描いています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 高校選び特に何も考えず何となくで選んだ高校からの大学、社会人。きちんと考えていなかったらこそ今後悔ばかりしています。そんな中この作品を見ると、中学の時に悩み、それをきちんと受け止めてくれた周りがいてうらやましいと思います。そして、時には否定され、逃げたくなる、楽な道を進んでもいいところを目をそらさず自分自身で選んで進んだ主人公の生きざまがすごいと思いお勧めします。最終話では初回の描写と似たところがあり、こんな風に成長したんだと痛感させられます。人生逃げずに考え続ければ大変で辛い思いもするけど、結果が残ることを教えてくれます。

レビュー②

どんな話ですか? 主人公である男子高校生の八軒は、親からの学問に対するプレッシャーから逃れるために、全寮制の農業高校へ進学しました。そこには、農家の跡取り達(キャラが濃い)がひしめき合っており、八軒も次第に勉強以外の重要なモノに気付き始めました。特に部活動に馬術部があり、好きな女の子に近づくために入部するシーンがとても面白いです。また途中で、壁に当たり挫折するシーンも何度か見受けられますが、仲間や大人のフォローで乗り切っていきます。シリアスあり、ラブコメあり、笑いありの良作です。是非、読んでみてください。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 「銀の匙」とは、農業を専門とする北海道の高校で、高校生達の日常とラブコメが繰り広げられる漫画となっております。また単行本は15巻完結となっており、お手軽に全巻揃えることができます。内容自体は高校生の学園モノですが、テーマが農業高校であるため、独得な世界観となっております。内容としては、ギャグとシリアスがとても良いバランスで構成されております。この漫画は、週間少年サンデーで連載されていたこともあり、全年齢層が楽しめる内容となっております。

レビュー③

どんな話ですか? 高校受験に失敗した主人公、八軒勇吾。

学力競争などから逃げ出すために進学した「エゾノー」で、沢山の仲間や畜産動物(なかま)に出会い触れ合い、成長していく物語。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 初めはナヨナヨとしていそうに見える主人公だが、物語が進んでいく内に、人間としての成長していく様がしっかりと描いてあり、更には起業にまで取り組んで行く姿をみていると、気持ちが前向きになってしまう。

様々な困難に正面からぶつかって行く姿勢は、見習いたい物がある。

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 植草杏、12歳。両親の離婚を機に母親の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーが無いと感じた杏。だが、近所に住む大悟と知り合い、徐々に自分の居場所を見つけるのだった。しかし、彼女を支える母親が仕事中に倒れて…!?現在、過去、未来をつなぐ恋の物語、第1巻!!

レビュー①

どんな話ですか? 杏(あん)と大悟という幼なじみの男女が小学、中学、高校と共に過ごす中で互いを異性として意識し合い、大人へと成長していく様子を描いた恋愛漫画です。東京に住んでいた12歳の杏が母親の実家がある島根に引っ越してくるところから物語が始まります。そこで大悟という少年と出会い二人は仲良くなっていきます。思春期特有の甘く切ない恋愛話なのですが、その後の進学や就職等で離ればなれになり、二人の関係はなかなか上手くいきません。しかしどのような困難な状況でも二人の心をしっかりつなぎ止めているのは杏が大切に持っている砂時計でした。

幼なじみ、島根、砂時計という3つのキーワードがこの漫画では大切な要素になっています。人との出会いと別れを繰り返す中で成長していく二人の純愛物語で、少女漫画ではありますが大人が読んでも楽しめる内容になっています。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 最近は奇をてらうような恋愛漫画や恋愛ドラマが多いですが、昔ながらの純愛の物語も面白いということを多くの人に知って欲しいです。そして世間の人にもう少し地方(田舎)にも目を向けて欲しいという思いもあってこの漫画をオススメしたいと思いました。都会がダメというわけではありませんが田舎のゆったりした雰囲気や、田舎の純朴な子ども達の友情もこの漫画の注目ポイントです。泣いたり笑ったりの恋愛漫画ですが読み終わった後には必ずホッとする気分になると思いますので、ぜひ多くの人に読んで欲しいです。

レビュー②

どんな話ですか? 島根を舞台に、幼馴染たちの恋愛模様を描いた作品です。幼馴染をテーマにした作品は数あれど、こちらの作品は恋愛要素以外にも惹き込まれる点がたくさんあります。物語のヒロイン、植草杏は両親が離婚し母親と共に島根に引っ越しますが、しばらくしてその母親が亡くなってしまいます。悲しみに暮れる杏を救ったのが、北村大悟という同級生の男の子です。二人は互いに惹かれ合い、ついに付き合うようになるのですが、幸せいっぱいの二人の前に突然杏の父親が現れ、彼らを取り巻く環境に変化が訪れます。大悟と同じく杏の幼馴染である藤は、地元の名家に生まれたお坊ちゃまですが、自分の出生には何か裏があるのではないかと疑いを持っていました。自分の出生に疑いをもち、思い悩む藤の姿に亡くなる間際の母の面影を感じ、心配になる杏…。それぞれの悩みや暗い過去を抱えながら、それでも前を向いて成長していく彼らの姿が印象的な作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 母親を失った暗い過去を忘れられず苦しむ杏や、自分の出生に疑念を抱き思い悩む藤など、それぞれのキャラクターが異なる悩み・過去を抱えています。その人を取り巻く環境や経験が、どれほどその後の人生に影響を与えるのか、そしてそれを乗り越えることがいかに難しいことであるか痛感させられます。乗り越えたい、強くなりたいという思いを打ち砕くように押し寄せる悲しみや苦しみが随所に表現され、時間をかけて成長していくキャラクターたちの姿に勇気をもらえるためオススメしたい作品です。

レビュー③

どんな話ですか? 両親の離婚を機に、12歳の冬に母・美和子の実家である島根に引っ越してきた主人公・植草杏。
田舎独特の雰囲気に馴染めずにいた杏だったが、近所に住む少年・北村大悟と出会う。
村の地主・月島家との交流もあり杏の笑顔が増える一方で、美和子は生きることに疲れ、突然自殺してしまう。
心の拠り所をなくした杏は悲しみのあまり、葬式の場で美和子と一緒に買った砂時計を遺影に投げつけて壊してしまった。
大悟は全く同じ砂時計を杏に贈り、「ずっと一緒におっちゃるけん」と約束し、成長した二人はやがて恋仲になる。
しかし様々な苦難や変化が訪れ、二人の関係は少しずつ変わってゆく。
少女から大人に成長していく杏の人生を追った、心に迫る少女漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 誰もが経験する初恋や初体験の甘酸っぱい記憶、失恋などを植草杏というひとりの女性に重ね合わせて描くことで、読者側も感情移入して読めるのが魅力的な点です。
少女の頃に読めば自分がいずれ経験するであろう未来を覗き見ることができて、大人になってから読めば懐かしい記憶を思い出しながら感傷に浸ることができます。
読む年齢によって受け取り方が変わるバイブル的な漫画なので、女性には是非一度読んで頂きたいです!