砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 植草杏、12歳。両親の離婚を機に母親の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーが無いと感じた杏。だが、近所に住む大悟と知り合い、徐々に自分の居場所を見つけるのだった。しかし、彼女を支える母親が仕事中に倒れて…!?現在、過去、未来をつなぐ恋の物語、第1巻!!

レビュー①

どんな話ですか? 杏(あん)と大悟という幼なじみの男女が小学、中学、高校と共に過ごす中で互いを異性として意識し合い、大人へと成長していく様子を描いた恋愛漫画です。東京に住んでいた12歳の杏が母親の実家がある島根に引っ越してくるところから物語が始まります。そこで大悟という少年と出会い二人は仲良くなっていきます。思春期特有の甘く切ない恋愛話なのですが、その後の進学や就職等で離ればなれになり、二人の関係はなかなか上手くいきません。しかしどのような困難な状況でも二人の心をしっかりつなぎ止めているのは杏が大切に持っている砂時計でした。

幼なじみ、島根、砂時計という3つのキーワードがこの漫画では大切な要素になっています。人との出会いと別れを繰り返す中で成長していく二人の純愛物語で、少女漫画ではありますが大人が読んでも楽しめる内容になっています。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 最近は奇をてらうような恋愛漫画や恋愛ドラマが多いですが、昔ながらの純愛の物語も面白いということを多くの人に知って欲しいです。そして世間の人にもう少し地方(田舎)にも目を向けて欲しいという思いもあってこの漫画をオススメしたいと思いました。都会がダメというわけではありませんが田舎のゆったりした雰囲気や、田舎の純朴な子ども達の友情もこの漫画の注目ポイントです。泣いたり笑ったりの恋愛漫画ですが読み終わった後には必ずホッとする気分になると思いますので、ぜひ多くの人に読んで欲しいです。

レビュー②

どんな話ですか? 島根を舞台に、幼馴染たちの恋愛模様を描いた作品です。幼馴染をテーマにした作品は数あれど、こちらの作品は恋愛要素以外にも惹き込まれる点がたくさんあります。物語のヒロイン、植草杏は両親が離婚し母親と共に島根に引っ越しますが、しばらくしてその母親が亡くなってしまいます。悲しみに暮れる杏を救ったのが、北村大悟という同級生の男の子です。二人は互いに惹かれ合い、ついに付き合うようになるのですが、幸せいっぱいの二人の前に突然杏の父親が現れ、彼らを取り巻く環境に変化が訪れます。大悟と同じく杏の幼馴染である藤は、地元の名家に生まれたお坊ちゃまですが、自分の出生には何か裏があるのではないかと疑いを持っていました。自分の出生に疑いをもち、思い悩む藤の姿に亡くなる間際の母の面影を感じ、心配になる杏…。それぞれの悩みや暗い過去を抱えながら、それでも前を向いて成長していく彼らの姿が印象的な作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 母親を失った暗い過去を忘れられず苦しむ杏や、自分の出生に疑念を抱き思い悩む藤など、それぞれのキャラクターが異なる悩み・過去を抱えています。その人を取り巻く環境や経験が、どれほどその後の人生に影響を与えるのか、そしてそれを乗り越えることがいかに難しいことであるか痛感させられます。乗り越えたい、強くなりたいという思いを打ち砕くように押し寄せる悲しみや苦しみが随所に表現され、時間をかけて成長していくキャラクターたちの姿に勇気をもらえるためオススメしたい作品です。

レビュー③

どんな話ですか? 両親の離婚を機に、12歳の冬に母・美和子の実家である島根に引っ越してきた主人公・植草杏。
田舎独特の雰囲気に馴染めずにいた杏だったが、近所に住む少年・北村大悟と出会う。
村の地主・月島家との交流もあり杏の笑顔が増える一方で、美和子は生きることに疲れ、突然自殺してしまう。
心の拠り所をなくした杏は悲しみのあまり、葬式の場で美和子と一緒に買った砂時計を遺影に投げつけて壊してしまった。
大悟は全く同じ砂時計を杏に贈り、「ずっと一緒におっちゃるけん」と約束し、成長した二人はやがて恋仲になる。
しかし様々な苦難や変化が訪れ、二人の関係は少しずつ変わってゆく。
少女から大人に成長していく杏の人生を追った、心に迫る少女漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 誰もが経験する初恋や初体験の甘酸っぱい記憶、失恋などを植草杏というひとりの女性に重ね合わせて描くことで、読者側も感情移入して読めるのが魅力的な点です。
少女の頃に読めば自分がいずれ経験するであろう未来を覗き見ることができて、大人になってから読めば懐かしい記憶を思い出しながら感傷に浸ることができます。
読む年齢によって受け取り方が変わるバイブル的な漫画なので、女性には是非一度読んで頂きたいです!