愛すべき娘たち よしながふみ (著) 白泉社
アマゾン商品紹介 | 「女」という不思議な存在のさまざまな愛のカタチを、静かに深く鮮やかに描いた珠玉の連作集。オトコには解らない、故に愛しい女達の人間模様5篇。 |
レビュー
どんな話ですか? | 全ての女性が抱える女ならではの確執や女性間格差、自己評価が低くなりがちな女性の教育環境問題について、なぜそうなるのかを平易に描き、柔らかな目線で描いた力作です。1話完結で、母子の確執、家庭内暴力といった家庭環境、結婚、学歴や美醜格差で悩む状況を淡々と描きだし、主人公となる女性たちが選択する解決策を客観的に描いていきます。その選択は、見る人によっては正しいとは言えません。しかし、当人が行った選択について教育的指導のような苦言を呈す行為は無く、優しく見守るような結末にしています。重いテーマですが、ときおりギャグもあり、共感を得ても、嫌悪感が残らない演出と絵柄で好感持てます。 |
なぜその漫画をオススメしたいですか? | 時代を超えても共感を呼ぶ内容で、読後に辛い感情が残ることはありません。いずれも心が救われるようにまとめたのは作者の優しさからではないかと思います。今、新型コロナウイルス感染拡大で、多くの女性がリストラされ、自殺者も増えています。そうしたなかで本作品を読むことで共感により、心が救われる人もいるかもしれないと考えて紹介します。さまざまな状況下に置かれている女性の状況を淡々と描いているので、読後には必ず溜飲が下がるというものではありません。ただし、そういう人もいるという理解につながり、許容力が少し広がるのではないかと思います。 |
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