女王の花 和泉かねよし (著) 小学館

女王の花 和泉かねよし (著) 小学館

アマゾン商品紹介 亜国(あこく)の姫でありながら冷遇されている亜姫(あき)。幼いながらも母の世話をしながら、明るく生きる亜姫はある日、金の髪と天の色の眼を持つ奴隷の少年・薄星(はくせい)と出会う。境遇の違いを超えて、強い絆で結ばれる二人だったが、その先に待っていたのは…!?

レビュー①

どんな話ですか? 大国の姫として生まれながらも、冷遇されながら育った少女・亜姫は、正妃である母を第二夫人の策略により失ってしまいます。

そんな彼女を支えるのは、奴隷として差別を受けながらも、まっすぐと生きる少年・薄星。

人質という形で国を出された二人は、身を寄せた国で互いに支え合いながら成長していきます。

しかし、ただひとつの願いを捨てられないために、望まない未来へとどんどん進んでいき、過酷な運命に翻弄されることに・・・。

それでも、何度も何度も傷つけられながらも亜姫と薄星は懸命に立ち向かっていく、感動超大作なお話です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? とにかく、圧巻。少女漫画といっていいのかと思うくらいに厚みがすごいと感じる歴史ロマン作品で、読了後はなぜもっと早く出会わなかったのかと惜しく思うくらいです。読み始めたら一気読みしてしまいます。

たくさんの大人の陰謀に巻き込まれ、命を狙われたり、戦いに身を投じたりと息もつけない苛烈な日々の中で、亜姫と薄星の関係が尊くて、愛おしくて堪りません。

古代中国を模した世界は、簡単に人が死に、独裁極まりなさがまかり通る、そんな中で。ただ単純に、大好きな人たちと穏やかに暮らしたいと願った少女の、国盗り合戦に参加せざる終えなかった境遇が苦しくて、辛くて、しんどさがハンパないですが。それ以上に、魅力的な人物たちに心を揺さぶられ、奮闘する少女を彼らと一緒に応援してしまいます。

決して、身近な世界でも題材でもないけれど、共感せずにはいられない場面がたくさんあり、学ばせてくれる作品です。

レビュー②

どんな話ですか? 亜国の姫として生まれた亜姫とその奴隷として拾われた薄星の物語です。

姫と奴隷、2人は決して結ばれることのない関係性でしたが、長い年月をかけてお互いが誰よりも大切な存在になっていきます。

亜姫は薄星のために、薄星は亜姫のために、それぞれが相手のために生きていました。

それでも2人に残された道は苦しくて切ないものでした。

共に大人に成長した2人を待つのは国をかけた戦争、別れだったのです。

立場を超えて愛を貫いた2人の純愛物語です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? とにかく薄星がカッコいいのです!

ブレることなく亜姫が大好きで、立場を考えて行動したり、時に暴走したり…。

どんなに苦しくても亜姫を守り抜いた姿とラストの別れは涙なしには読めないです。

亜国は実際には存在しない国ですが、中国っぽい雰囲気を持っており、恋愛だけではなく、歴史ロマンのような壮大さも兼ね備えています。

登場人物もクセがあるキャラが多く、魅力的です。

この漫画は冒頭から結末が読めるようになっているのですが、そこまでの描き方・構成がとても素晴らしいので、是非最初から最後までどっぷり読んでみて欲しいです。

銀と金 福本 伸行 (著) フクモトプロ

銀と金 福本 伸行 (著) フクモトプロ

アマゾン商品紹介 裏社会で頭脳と心理戦を駆使して巨万の富を得ていく男達の活躍を描いた賭博コミック。競馬でスッカラカンになってしまった森田鉄雄(もりた・てつお)は、平井銀二(ひらい・ぎんじ)に声をかけられ、日当10万円の仕事を持ちかけられる。そして翌日、みかん箱10箱を運んだ森田は、その箱の中には不正融資で得た10億円が入っていると平井から知らされて……!?「カイジ」「アカギ」と並び称される福本伸行の代表作の一つ。

レビュー①

どんな話ですか? 裏社会を生きる男達の壮絶なバトルを描いた作品です。単なる力のバトルではなく、智謀や人間心理、戦略を題材にしています。悪魔じみた思考で弱者や悪党から金を搾り取り、その金でさらなる巨悪を征していきます。銀さんの相棒である森田鉄雄の人間的な成長が見れるところも面白いです。平井銀二に接ることによって、眠っていた能力が次々と覚醒していきます。また、対戦相手も悪魔のような人物なので、ドキドキしながら楽しめます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 裏社会を生きる男達の壮絶なバトルを題材にしていますが、そのバトルが奥が深くて思考しながら読むことができます。個人的にはバトル漫画と言うよりもサスペンス要素の方が強いかな?と思います。推理やトリック系の作品が好きな人はハマると思います。また、そのバトルのゲームやルールが独創的で面白いです。まったく先が読めないストーリー構成なので、最後までハラハラドキドキしながら読むことができます。とくに理論に基づいた独自の戦略は見ごたえがあります。

レビュー②

どんな話ですか? 主人公は裏社会で銀王と称される平井銀二。通称は”銀さん”。

銀さんは仲間と裏仕事をこなしていましたが、ある日競馬場でチェックしていた森田鉄雄を勧誘して仕事仲間へと引き入れます。

最初は素人だった森田も、銀さんと共に仕事をしているうちに裏稼業の仕事に慣れていきます。

ギャンブルや殺人鬼との対決で森田は成長し、タネになりそうな仕事を見つけては森田が自ら仕掛けるように。

こうして一人前になりそうに思われた森田でしたが、心中に思う所があり・・。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 銀と金は色々な要素の詰まった漫画であり、とっつきやすいと思います。

基本的にギャンブル系が多いのですが、心理戦メインにしているのでギャンブルに詳しくなくてもハマれます。

例えばギャンブル系だとポーカーや麻雀といった有名どころのツールを使った勝負が作品では描かれています。

しかしどちらも独自のルールがあり、それで普通のポーカーや麻雀とは違う面白さに。

またギャンブル以外でも殺人鬼と死闘を演じるといった白熱のバトルシーンも。

こちらもただ殴り合うだけでなく、相手の心理を読んだバトルで面白いです。

レビュー③

どんな話ですか? ギャンブル中毒だった無一文の主人公、森田鉄雄は競馬場で裏社会のドン・平井銀二に出会う。銀二の才覚・カリスマ性に感化された鉄雄は、悪党が暗躍する裏社会で生きていく決意をする。銀二は裏社会での様々な駆け引きや死闘を通して成長していく森田鉄雄を後継者にするべく期待と信頼を抱くも、ある出来事をきっかけに二人は別々の道を歩む。

勝敗に関わる駆け引きがストーリー随所に現れる本作。例えば最初に銀二が森田を相棒として相応しいか確かめる為に森田に課した問いがあります。「5000万円で人を殺してほしい」。性悪説を肯定するかのような銀二の誘いを森田は最終的に断るのですが、このような心理的描写が複数現れます。のちの画商・中条との戦いでは絵画の目利き勝負を挑み、札束で「金の橋」を作る名場面ですが、この回でも巧みな作戦で中条の目を欺きました。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 緊迫の心理戦の面白さに定評があり、現在でも福本作品の中でも名作と言われています。例えば主人公・森田初の大仕事は株の「仕手戦」なのですが、本作の代表回と言っても過言ではないでしょう。森田らは日本旭の株をめぐる仕手戦に参戦することになりました。そんな中、銀二たちは仕手戦の最中、暴力団により拉致されてしまいます。逃げおおせた森田は銀二たちの救出を画策。伊沢と面会・交渉の末、銀二らは解放されました。しかし実際は銀二の説得により協働で日本旭を「喰う」体制を築くことに成功したことによるもので、森田の救出作戦は徒労に終わったと思われたが、伊沢に渡したはずの密会テープはカセットデッキを二台使った森田のトリックにより手元に残していました。株で得た金の他に、大物政治家の弱みにつながる物証を手元に残すという大成功のもと仕手戦は幕を閉じました。

BLAME! 弐瓶勉 (著) 講談社

BLAME! 弐瓶勉 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 弐瓶勉の傑作SF! カバーは新たに描き下ろし! 極限まで発達したインターネット世界。探索者・霧亥(キリイ)は「統治局への再アクセス」を可能にするために何千フロアも超構造体を放浪し、「感染前」の「ネット端末遺伝子」を求める。

レビュー①

どんな話ですか? 超未来の世界の話、霧亥という主人公が「ネット端末遺伝子」というのを探し続けてあちこち旅をします。「ネット端末遺伝子」とは、情報空間にアクセス可能な認証キーの事です。霧亥はどこで生まれたのか育ったのかは分かりません。この超未来の世界では、「ネット端末遺伝子」を持たない人間は遺伝子が汚染され、「ネットスフィア(情報空間)」から排除されてしまいます。霧亥は永遠にそれを探し続けるのですが、途中で何度も何度も大変な目に遭います。しかし、霧亥は旅をし続けます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? この漫画の世界観は大変独特で、シドニアの騎士を描いた弐瓶勉さんが1997年-2003年に作った全10巻です。

超未来の世界を表現する為か、とにかくセリフがとても少ないので、自分で想像しながら読む楽しさが有ります。又、描写が独特で大変細かく、どのように描いたのだろう、と虫眼鏡を持って来たくなるような、他の人にはない独特な描写力。引き込まれるものがあります。若い人より少し歳行った人の方が好むかも知れません。とにかく一度読めばとりこになること間違いなし!

レビュー②

どんな話ですか? 主人公の男性が、ネット端末遺伝子を持つ人を見付けることを目的に、未来の暴走した都市を探索するストーリーです。

探索中には、セーフガードや珪素生物と言った敵と遭遇すると戦闘が始まります。

主人公は唯一の武器、重力子放射線射出装置を使用して、ボロボロになりながらもその敵をなぎ倒し、再び探索へと戻っていきます。

主要人物は、主人公の他に女性が1人だけ登場します。

その女性とはストーリーの序盤で遭遇して以降、離れては再会することを繰り返すことになります。

なぜその漫画をオススメしたいですか? ストーリーが始まってから、ほぼ説明がないまま、主人公の漂流を見ます。

最初の頃は、全く話がよく分からないまま、探索ストーリーが進んでいきますが、

全10巻と巻数も少なく、終盤に近付くにつれて、何となく登場人物たちの関係性が分かってくると、楽しさを感じれます。

序盤も、無口の主人公が、ボロボロにやられながらも無感情のまま、敵をなぎ倒していく様は、爽快感があります。

ただ生きるためだけの食事や、自分のケーブルの埃を無造作に吹く姿など、無感情な主人公のかっこよさが良いです。

刻の大地 夜麻みゆき Jコミックテラス

刻の大地 夜麻みゆき Jコミックテラス
アマゾン商品紹介 邪神竜ディアボロスの手により荒廃した世界、オッツキイム。それを救ったのは幼い少年だった。 しかしそのディアボロスは時を経て復活してしまう。少年は再び旅に出るが…彼が還ることはなかった。再び脅威にさらされた世界で、三人は出会う。心優しい迷子の少年、十六夜。記憶喪失のダークエルフ、ジェンド。そして謎の騎士、カイ。 彼らはそれぞれの目的のため、共にディアボロスを探して旅に出る。
レビュー
どんな話ですか? 邪神竜・ディアボロスによって滅ぼされそうになった世界。7歳の勇者によってディアボロスが倒され、一度は平和を取り戻したものの、再びディアボロスが復活したことにより今また滅亡の危機が迫っていた。当時の勇者がディアボロスに会うために旅立ったが、彼が帰ってくることはなかった。勇者の親友であったカイは、旅の途中で魔物と心を通わせることができる不思議な少年・十六夜と、記憶を失ったダークエルフの生き残り・ジェンドと出会う。勇者の遺した『人間と魔物が共存する世界』という言葉について、2人と旅をしながら可能性を探していく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 優しい絵柄と物語にほっこりしたい時に読むべき作品。テンポがやや遅く感じるが、むしろこのテンポあっての作品。平成初期らしさのある絵柄がノスタルジーで良い。とても良い!30~40代に特にオススメしたい。とにかく絵がいい。

1122 渡辺ペコ 講談社

1122 渡辺ペコ 講談社
アマゾン商品紹介 妻・相原一子。夫・相原二也。結婚7年目の仲良し夫婦。セックスレス。子供なし。そんな二人が選択したのは「婚外恋愛許可制(公認不倫)」。おとやには、いちこも公認の“恋人”美月がいる。美月との恋に夢中になり始めるおとやを見て、いちこにも変化が……。『にこたま』の渡辺ペコが描く最新作は、結婚の嘘と真実。結婚したい人もしたくない人も――「結婚」を考えるすべての人に届けたい、30代夫婦のリアル・ライフ!
レビュー
どんな話ですか? 妻・相原一子、夫・相原二也はセックスレスで子供なしだが、結婚7年目の仲良し夫婦。そんな二人が選択したのは「婚外恋愛許可制(公認不倫)」。二也には美月という恋人がいるが、一子はそれをわかった上で公認している。そんな折、一子も若い男性から言い寄られ、近外恋愛をしてしまう。お互い公認ではじまったこのルールが、夫婦の形や在り方を少しずつ変えていく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 昔から不倫を描いた作品は多くあるものの、誰かが悪人だったり、夫婦仲が険悪だったり、ドロドロしていたり…という内容が多かったのですが、この夫婦はとても仲良しで、しかも不倫自体が「公認」というあたりが今までの不倫ものとは一線を画しています。ただし公認といっても、そこまで割り切れないのが人間で、一子も二也も、何かしらのモヤモヤを抱えたまま夫婦を続けていきます。時代が進んで、婚姻関係の在り方も変わりつつある昨今、「夫婦とは」ということを考えさせられる作品です。

そもそもウチには芝生がない たちばなかおる 双葉社

そもそもウチには芝生がない たちばなかおる 双葉社

アマゾン商品紹介 小4、小2、年中さんの男3兄弟を育てるスミ。
認知症気味な姑の面倒を見る恵子。
その日暮らしの年下男と同棲中のマキ。
育児、介護、独身と、それぞれが不安と不満を抱えて日々を過ごしていたある日、
思いもよらぬ人生の転機が!? エッセイコミックで人気の作者が描く、
40代女性3人の泣き笑い人生劇場!!

レビュー

どんな話ですか? 認知症の姑問題を抱える恵子、年下男と同棲中のマキ、3兄弟を育てるスミの40代女性3人が抱えるそれぞれの生活のリアルな姿が描かれている。
なぜその漫画をオススメしたいですか? もうすぐ40代で、こうゆうことってあるよなあと共感して読み進めました。

イケナイ菜々子さん あさぎ龍 少年画報社

イケナイ菜々子さん あさぎ龍 少年画報社
アマゾン商品紹介 出会い系で知り合ったアラフォーの女性とのエッチで童貞を卒業した蒼は彼女のことが忘れられずもう一度会う約束をするが、彼女はまさかの叔母だった!? あさぎ龍が描く、艶めき絶頂アラフォー女性のイケナイラブストーリー!

レビュー

どんな話ですか? 出会い系で出会ったアラフォーの女性で脱童貞をした蒼だが、彼女のことが忘れられずにいた。もう一度会う約束をするが実はその女性は主人公の叔母であった。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 叔母とのイケない関係でありながら、コメディタッチで描かれていて面白い。優柔不断な主人公だが、絵も綺麗で面白いです。

私の少年 高野ひと深 講談社

私の少年 高野ひと深 講談社

アマゾン商品紹介 この感情は、母性?それとも–。スポーツメーカーに勤める30歳、多和田聡子は、夜の公園で12歳の美しい少年、早見真修と出会う。元恋人からの残酷な仕打ち、家族の高圧と無関心。それぞれが抱える孤独に触れた二人は、互いを必要なものと感じていく–。「このマンガがすごい!2017「<オトコ編>第2位! 年齢や立場の違いを超えた二人の交流を描く話題作!!
どんな話ですか? とあるスポーツメーカーに勤める30歳の多和田聡子は、自宅近くの公園で出会った12歳の少年・早見真修に、ひょんなことからサッカーを教えることになる。
複雑な家庭環境が垣間見える真修のことが気にかかり、サッカークラブの試合への送迎を引き受けたり、一緒にお寿司を食べに行ったりと何かと真修を構うようになる聡子。
しかし、それを知った真修の父親は激怒し、聡子の会社へ処分を求めた。結果として地元仙台へと転勤になった聡子は真修の前から姿を消す。
数年後、中学生になった真修は修学旅行先の仙台で聡子と再会し、再び二人は連絡を取るようになる。
聡子のことを思い続けていた真修は聡子に告白するが、聡子は大人としてその気持ちにこたえることはできないと告げ……。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 年齢差のある二人の恋といえば年上男性と年下女性で描かれることが多いように思いますが、この作品の場合は女性のほうが年上ということで、それ故の繊細な問題にも触れていてリアリティがありおもしろいです。
一方で真修が女の子と間違えられるほどの美少年として出てくるので、その彼が中学生、高校生と成長していく様をみていると感慨深いものがあります。
恋愛関係だけに限定されない、人と人とのいろいろな関係性について考えることができるので、たくさんの人に読んで欲しい作品です。

輝夜姫 清水玲子 (著) 白泉社

輝夜姫 清水玲子 (著) 白泉社

アマゾン商品紹介 赤ん坊のときに竹林に埋められていたのを発見されたという謎の過去を持つ少女・晶は、突然2人組の少年に連れ去られ、妖しき天女伝説が残る南海の孤島・神淵島へと連れて来られるが…!? 壮大なスケールで贈る、愛と陰謀と復讐のSF巨編!
どんな話ですか? 今まで読んだ漫画の中でとても印象深いのは「LaLa」で連載されていた清水玲子先生の「輝夜姫」という作品です。ストーリーがかなり壮大で、ジャンルとしてはSFサスペンスになるのですが全27巻があっという間に読み終えてしまうほど、のめり込みました。物語は日本の「竹取物語」をベースにしており、5歳までの記憶がない主人公の女性(晶・アキラ)が大人になり自分の数奇な運命に翻弄されながら、過去の記憶と現在に起こっていることを紐解いていくストーリー展開になっています。彼女は自分の過去を掘り起こしていく中で、幼少期「神淵島」という孤島で、世界各国の財閥や権力者たちのドナーとして育てられた経緯があることを知り、同じような仲間が存在していること、「輝夜姫」の生贄として、捧げられるという謎の儀式をしていたこと、計画自体が米軍の指揮のもと行われていたことがわかり、不思議な力をもつ自分と対峙しながら、この不条理な状況を解明して、復讐をしていくストーリーになっています。もちろん前編で島での生活や仲間との出会い、別れを経験していくのですが、後半では復讐するために葛藤する晶の戦いぶりもとても見ものです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 女性向けの漫画雑誌の中で、これほどスケールの大きさで書かれていることがとても珍しいと思ったのと、絵がとても綺麗なので初めて読んだ時のトキメキがあったことがお勧めしたい1番の理由です。趣味でよく海外ドラマを見るのですが、この作品もストーリーの展開自体は、いくつもの伏線が張られていて、仲間の裏切りや恋愛要素もしっかり入っているのでかなり精巧に練られていて、海外ドラマに引けを取らないほどの作品であると感じます。さらにドナーや世界経済を牛耳っている財界や著名人の替え玉として存在するという設定自体も、現実では都市伝説のような形で言われていることでもあったりするので、フィクションですが、想像の中で現実的にはあり得るのではないかと思ってしまうような錯覚が起きてしまう魅力があると感じています。なかなか日本における漫画の世界観でここまで、表現できているのは面白いし、珍しいと思うので是非もっと知ってもらいたい作品の1つです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 元々、少し大人向けの漫画雑誌ではあったので、若干難しい要素はあるのですが、30代、40代と年齢を重ねた方には是非とも読んで欲しい作品ではあります。画力がとても高いので表現力も美しいですし、ストーリーの展開自体もシリアス〜ちょっとセンチメンタルな大人の恋愛要素も含ませてくるので、女性としては憧れの気持ちで見ることもできるし、ストーリーは練られているし、楽しみが倍増して読んでもらえる作品だと思います。また登場人物は皆、何らかの特殊技能や役目があって生まれてきているバックボーンがあるので、それぞれの人物に感情移入してしまい、どの人物の話がメインになっても非常に読み応えがあります。絵が綺麗なので、男性向けよりは女性全般的にオススメの作品ではあります。
読んだことによるエピソード 今まで大人向けの漫画雑誌のものはあまり読んだことがなかったのですが、この漫画をきっかけに漫画≠子供向けという概念はなくなり、日本にはこうやって中身の濃い、ストーリー性の高い漫画がいくつも眠っていることを知るきっかけとなりました。今は動画配信サービスなどで色々な作品を見ることができるので、予算のあるこういったメディアから実写化の作品が出ても十分にインパクトを残せるなと感じています。男性・女性問わず、良作が世代や時間を超えてたくさん多くの人に見られたり、改めて注目を浴びてくれることに期待していきたいです。

僕だけがいない街 三部 けい KADOKAWA

僕だけがいない街 三部 けい KADOKAWA

 

アマゾン紹介 毎日を懊悩して暮らす青年漫画家の藤沼。ただ彼には、彼にしか起きない特別な症状を持ち合わせていた。それは…時間が巻き戻るということ! この現象、藤沼にもたらすものは輝く未来? それとも…。
どんな話ですか? 時間逆行サスペンス、時間が戻る“再上映(リバイバル)” に悩まされる主人公の過去とある事件を描く漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? サスペンス系漫画のなかでも、次の展開が待ち遠しく、希望と絶望が入り乱れてドキドキします。登場人物のそれぞれの描写が魅力的。主人公の成長も感じながら、久しぶりに一気見した漫画です。
どんな人に読んでもらいたいですか? サスペンス系漫画が好きな人。時間逆行・タイムリープをする漫画が好きな人。20代後半~30大前半の主人公と同世代の人は、小学校の頃のなつかしさなども感じると思います。
読んだことによるエピソード 特になし