スクールランブル 小林尽 (著) 講談社

スクールランブル 小林尽 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 恋する乙女・塚本天満、高校2年。恋のお相手は同級生の烏丸大路。運命のクラス替えの日、天満の祈りが届いたのか、二人は同じクラスに!! しかし喜びも束の間、彼があと1年で転校することが判明。ゼ~ッタイ転校前に告白するぞ! そんな彼女に恋をしているのが播磨拳児。天満の気持ちをつゆ知らず、あれやこれやとアタックするも、天然ボケな天満は完全スルー! 天満の播磨の片想い、どうなる?‥ってお話です。
どんな話ですか? 男女二人の高校生の物語がそれぞれがスタートします。男女二人の主人公の目線がメインとなり、その他にも回によって各キャラクター目線で物語が展開する青春群像劇のテイストをとっています。播磨拳児、塚本天満の二人が、それぞれ好きな相手を求めて行く恋の物語が展開します。その中でかなりギャグテイストな見せ方もしていくテンポのよい学園ラブストーリーになっています。登場人物たちそれぞれの青春を追っていくもので、キャラに感情移入できる内容になっています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 恋愛とコメディをこれでもかと絡めた物語性は練られたもので面白みがあります。登場するキャラクターがとにかく面白く、かなり個性派なキャラクターが揃っています。特に播磨拳児の暴れん坊な青春は意外性があって面白いものです。漫画家になり、マグロ漁船になって陸を離れるなどの普通の学生とはかけ離れた青春をおくる様は笑えて面白いです。明るくおバカなテンションでの見せ方も多いですが、等身大の恋の感情を描いた展開にはキュンとくるものがあって楽しめます・
どんな人に読んでもらいたいですか? 太い筋がずっと続く緊張感がなく、多くは緩い学園ラブコメの展開となり、個々のエピソードも短編のものが多いです。長くシリアスな話だと集中力が持たない、疲れるという人であれば、てっとり早く笑えて楽しめるこの物語がおすすめできます。少しの時間でクスリと笑いたい、可愛いヒロインを楽しみたいという人にも向いています。
読んだことによるエピソード とくになし。

Paradise Kiss 矢沢あい (著) 祥伝社

Paradise Kiss 矢沢あい (著) 祥伝社

アマゾン商品紹介 受験勉強に追われる早坂ユカリは、単調な日々を送っていたが、服飾専門学校「矢澤芸術学院」に通うジョージの学園祭でファッションモデルを務めることになった。夢を追いかける仲間たちとの出会いは、やがて---。 ファッション誌「Zipper」で連載。

レビュー①

どんな話ですか? NANAなどを描いた矢沢あい先生『ご近所物語』の続編作品。

普通とはかけ離れたオシャレすぎる高校生たちが、将来や切ない恋愛に悩む物語です。

容姿端麗な主人公・早坂紫。

親の期待を背負いながらも、進学校での成績が振るわず、進路に悩む落ちこぼれ高校生。

そんな時、謎の高校生・ジョージにファッションショーのモデルをしてほしいとスカウトされます。

服飾学校に通う『ご近所物語』主人公の妹・美和子や、

容姿端麗すぎる謎の高校生・ジョージにより、紫の高校生活は一変!

恋愛模様や友情だけでなく、煌びやかなファッションショーなど見どころいっぱいの作品です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? なにより、お洒落な世界観!

連載誌がファッション誌だっただけに、とにかく華やか。

前作『ご近所物語』と同じ高校生でありながらも、少し大人な世界観。

煌びやかなファッションショーのシーンは、色あせることがありません。

彼らのブランド「Paradise Kiss」はラグジュアリーでありながらも、繊細なディティールが素晴らしい。

紫は基本的に進学校の制服姿ですが、「矢澤学園」に通うジョージ、実和子、嵐、イザベラなど、私服姿が個性豊か!

夢を追う高校生たちの物語としてはもちろん、ファッションを見ているだけでうっとり。

レビュー②

どんな話ですか? 端正なルックスにモデル体型と容姿に恵まれながらも、母親との関係性から自分に自信がない平凡な女子高生だった主人公・紫(ゆかり)は、ファッションの専門学校である矢澤芸術学院の「パラキス」メンバーと出会い、学園祭のショーのモデルにスカウトされる。受験勉強真っ最中の紫は「あんたたちの遊びに付き合っている暇はない!」と突っぱねるが、パラキスのメンバーたちが真剣に自分の夢と向き合っているということを知りモデルを引き受けることに。次第に”誰のためでもない、自分の人生を歩くって決めたんだから”と葛藤や周りとの衝突を繰り返しながら一人の自立した女性へと成長していく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ファッション誌「Zipper」での連載開始から20年以上経った今でも、移り変わりの激しい”ファッション”がテーマの漫画でありながら全く”時代遅れ”を感じさせない作品。

自身が10代の頃にはキラキラしたファッションの世界への憧れや、自分の手で夢のように美しいドレスを作り上げるパラキスメンバーたちに、ただただ「夢」を見せてもらっていた。メインの登場人物たちよりも大人になって久しぶりに読んでみると、煌びやかな世界観だけでなくその表情やセリフの中に今だからわかる思春期特有の揺らめきや繊細さを感じ取ることができ、主人公の紫だけでなく、一人一人の心の動きがものすごく丁寧に描写されていることに気づいて感動した。

主人公の紫とジョージの恋の行方について、2人の選択に10代の頃はどこか腑に落ちないものがあったが、30代の今は「わかるよ」と共感してしまったところに時の流れを感じた。

また今作は、矢沢あい先生の「ご近所物語」のその後の世界と繋がっているためご近所ファンにとっても”あのキャラがこんな大人になったのか!”という懐かしさと発見がとても感慨深かった。

レビュー③

どんな話ですか? 進学校に通う平凡な女子高生、早坂紫が個性豊かな矢沢芸術学園の生徒達と出会い、彼らとの交流を通して自分自身が本当にしたいことは何なのかと疑問に思うようになっていきます。

彼女は親の期待や希望に合わせるようにいい子を演じて過ごしてきました。

学校も無理をして自分のレベルよりも高い学校へ通い、塾にも通いますが成績は良くなく親にもがっかりされます。

紫は自分の存在価値を見失ってしまいます。

そんな彼女にショーのモデルをして欲しいと頼む矢沢芸術学園の生徒の一人嵐。

彼の友人達の熱意も感じモデルをやってみようと決心します。

また、リーダー的存在の譲二は紫とは全く違い、自分の夢や考えを持っていて自信に満ち溢れています。

紫は彼の存在を否定しながらも自分とは全く違う性格の彼に惹かれていき、恋をします。

紫にとって彼女の周りで起きる全てのことが新鮮であり魅力的。

親の反対を押しのけて、自分の人生を歩くと決めたと誓い、葛藤しながらも一生懸命自分の人生と向き合い、成長していこうとするストーリーです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 私を含め、10代の中高生は将来の進路や夢に行き詰まり、親の言われたとおりに行動し学校へ通う人は多いです。

私自身、自分で決めた進路に進みながらもこれでいいのか、もっと他にやりたいことはないのかと自問自答することが多かったです。

しかし、挑戦することでの失敗を恐れて安全な道を突き進んできました。

誰でもない自分自身の人生なのだから自分が一生懸命考え、行動して失敗もして成長することは自信へも繋がります。

あの頃は戸惑っていた私も今なら分かります。

矢沢あい先生の作品は中高生にとても人気です。

多感な10代の子供たちが学校や恋愛に悩むことが多いけれど、読みやすい漫画の中に参考になる言葉が多く出てきます。

少しでも多くの人の悩みが早く解決できればと思いオススメします。

薔薇のために 吉村明美 (著) 小学館

薔薇のために 吉村明美 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 大学受験に失敗した枕野(まくらの)ゆり。それを皮切りにボーイフレンドにはフラれ、たったひとりの身内である祖母も亡くなるという不幸に見舞われる。ところが、祖母の遺書により、死んだと思っていた母親が生きていたことがわかる。しかも、母親は有名女優で、兄弟が3人もいるというものだった…!!
どんな話ですか? 両親を早くに亡くした、デブでブサイクな主人公ゆり。ゆりを育ててくれたおばあちゃんも亡くなって、住むところもなくなった…と思っていたら、自分が有名女優の娘であることを知りるところから物語が始まります。

突如美形一家に放り込まれて、一緒に暮らすことになったゆり。女優一家の美形姉弟たちに、デブでブスとバカにされながらも、健気で優しく打たれ強いゆり。その家事能力の高さもあって、家族みんなが心のキレイなゆりに惹かれていいきます。

やがて、ゆりは兄に恋心を抱くようになったり、弟がゆりに想いを募らせるようになったり…と、恋愛と家族愛の入り混じった見ごたえたっぷりのヒューマンドラマです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? デブでブスと容姿でバカにされるゆりは、一見可哀想な環境にあり、多くの人が自分と同じようだと共感できる部分があると思います。ただ、ゆりが普通の人と少し違うことは、打たれ強く周りをも明るく変えてしまうような、愛に満ち溢れる人だということ。読んでいて、自分も前向きになれるような、心があたたくなるような気持ちになるので、オススメしたいです。

やがては、女性としての美しさをも持ち合わせるようになるゆりの魅力を、ぜひ一度読んで味わってほしいです。また、美形姉弟たちのキャラも個性豊かで、ゆりとのやりとりも楽しくて飽きさせません。

どんな人に読んでもらいたいですか? 自分には何もないと、おちこんでいる人。

日常がつまらないと思っている人。

ヒマな人。

逆境にあっても笑顔で人に優しく接するゆりを見ていると、自分も優しい気持ちになれるような気がするから。後読感もあたたかいマンガです。

読んだことによるエピソード とくになし。

ベアゲルター 沙村広明 (著) 講談社

ベアゲルター 沙村広明 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 3匹の獣(めす)が牙を剥き合う、おんなの修羅場!! 『無限の住人』の沙村広明が贈る、背徳のエンタテインメント! ――中国の売春街で起きた謎の殺人。それはやがて、日本の某・広域暴力団内部での現金盗難事件と結びつき、とある辺境の孤島にて、予期せぬ火花となり炸裂する!! 情慾(エロス)と暴力(バイオレンス)の完璧な融合……これが“叛逆ずべ公アクション”だ!!
どんな話ですか? 「無限の住人」「波よ聞いてくれ」などで有名な沙村広明が手がける叛逆ズべ公アクションの金字塔。
ヤクザの金をぶんどって舎弟と逃げたもののあっさり捕まってしまった主人公の忍は、命を助ける条件として、自身の出身地である石婚島への潜入を持ちかけられます。
なんと鄙びた離島に過ぎなかったはずの忍の故郷は、マフィアやヤクザが跳梁跋扈し、売春で栄える怪しげな場所へ変貌していました。
島へ潜入を果たした忍は、島を牛耳る巨大製薬企業に子供をとられて復讐の炎を燃やすトレーネや、製薬企業の用心棒である凄腕カンフー使い睫毛と出会い、娼婦の胎児を売り買いする石婚島のおぞましい暗部に迫っていくのですが……。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 叛逆ズべ公アクションのアオリが示す通り、メインキャラとなる忍・トレーネ・睫毛の三人がかっこいいです。

皆それぞれ過去を秘め、譲れない物の為に戦っているのですが、義手に仕込んだギミックをぶっぱなしたり、カポエラ風カンフーで悪党どもを薙ぎ払ったりとケレンミたっぷりの痛快アクションで魅せてくれます。

トレーネや睫毛と比べると小物の忍も、姉御肌で情に厚い一面を見せてくれるので憎めません。

多国籍マフィアやヤクザ、巨大企業の陰謀が渦巻く島が舞台であり、先の展開が読めずハラハラドキドキが持続します。

過激な拷問シーンも頻出するので、エログロ好きにもたまりません。

どんな人に読んでもらいたいですか? 強く美しくかっこいい女性が好きな人

ケレンミたっぷりのアクションが見たい人

ヤクザやマフィアの駆け引きが好きな人

陰謀・裏切り・愛憎劇のキーワードに反応する人

エログロ描写に耐性があり、フェティッシュな表現が好きな人

読んだことによるエピソード とくになし

幸せカナコの殺し屋生活 若林稔弥 (著) 講談社

幸せカナコの殺し屋生活 若林稔弥 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 ブラック企業を満身創痍で退職したOL・西野カナコ。
転職先はまさかの“殺し屋”!?
人殺しなんて無理無理無理無理カタツムリ――――!!
……と思ったら、天性の才能が大開花!世のため人のため、今日も悪をやっつける――――――――☆
どんな話ですか? ブラック企業に勤めていてパワハラを受けた西野カナコ(もちろん名前の元ネタは西野カナ)がなぜか転職をした先が殺し屋だった(応募の時点ではパワハラで病んで覚えていなかったというのが本人談)というストーリー4コマ漫画です。

もちろんカナコに殺人経験はありません。しかし過去の経験から殺し屋の才能があったことがわかり無事殺し屋に転職をしました。そこから殺し屋としてのカナコのストーリーが展開していきます。ちなみに「殺し屋カナコの幸せ生活」ではありません。

なぜその漫画をオススメしたいですか? この漫画は「殺し屋になったカナコがどのような難しい状況で人を殺していくか?」という作品ではありません。「殺し屋になったことで幸せな生活を手に入れるカナコの話」です。今までこのような作品はなかったと思います。そして殺されていく人間が大抵悪人ばかりで殺されるのを見ると読むこちらまで幸せになれるからです。特にカナコが殺したいと思っていながら殺せなかったのにようやく殺すチャンスができた時に見せるカナコの笑顔にはこちらも笑顔になります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 「死にたい」と思っている人にお勧めです。このカナコはパワハラで退職したというのは書きましたが、かつて引きこもりを経験し高校時代にはいじめにあって何回も死にたいと思っていたという話も描かれます。そんな状況から見事に生きることを選んで幸せな生活をつかんでいったのです。だから生への欲求を強く思わせるこの作品を読んでほしいです。
読んだことによるエピソード こういう作品は初めて見たが、引き込まれた。

蒼天航路 王欣太 (著), 李學仁 (著) 講談社

蒼天航路 王欣太 (著), 李學仁 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 三国時代の中国。魏に生まれた阿瞞は、乱世に己の宿命を見出し、中華の安定、三国の統一に向けて権力の座へ駆け上がっていく。阿瞞は即ち、魏の武帝・曹操である。四天王をはじめとする熱き魏の武将、董卓、劉備、孫権ほか数々の宿敵。絢爛豪華な男たちに彩られた、乱世の奸雄と畏れられた男の感動の生涯!
どんな話ですか? 三国志時代の英雄達が天下統一を目指して激しく争っていくストーリーとなっています。個々のキャラクターにはこの漫画独特の性格設定が付与されていて強烈な印象を読後に残すことになります。董卓の解釈などはこの漫画の序盤のクライマックスとして多くのファンが魅了されました。この漫画では曹操を中心とした目線からストーリーが語られていきます。少年時代の曹操から天下統一に迫っていくまでの過程をテンポ良く描ききることに成功しています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? それぞれのキャラが生を燃やしつくしていく様に生き方の矜持というものが得られます。仕事などで組織に属している場合、英雄達の生き方を自分に重ねて、よし頑張ろうというモチベーションの源泉にもできます。社会に関わり組織に属すにせよ起業するにせよ、拡大させていく過程をなぞらせることで学びにもなり、また武術や剣術、建築、食事などといったあらゆることに精通している英雄というものが存在していたらこんなにも痛快なのかということを感じることができます。
どんな人に読んでもらいたいですか? 向上心を持ちたい方や元気を得たい方におすすめです。組織内で自分なりの場所を獲得することの大切さということも理解でき、たとえ志半ばで倒れるとしてもやりきることが大切なんだという感覚を共感できる方であれば面白く読み進めていくことができると思います。
読んだことによるエピソード とくになし。

四月は君の嘘 新川直司 (著) 講談社

四月は君の嘘 新川直司 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 「あの日、僕はピアノが弾けなくなった‥‥」仄暗い青春を過ごす元・天才少年、有馬公生。夢も恋もない世界に佇む、彼に差し伸べられた手は名も知れぬ少女のものだった!! 少女の名は宮園かをり。性格最低・暴力上等の彼女はしかし、まぎれもなく最高のヴァイオリニストだった!公生は、かつて住んでいた音楽の世界に、強引に引きずり戻される。カラフルに色づく、音楽の世界に! 完結後の今もなお、各界からの絶賛の声が鳴り止まない音楽コミックの金字塔!「音が聴こえる」その描写から、目が離せない!

母の死をきっかけにピアノを弾かなくなった、元・天才少年有馬公生。目標もなく過ごす彼の日常は、モノトーンのように色が無い‥‥。だが友人の付き添いで行ったデートが、少年の暗い運命を変える。性格最低、暴力上等、そして才能豊かなヴァイオリニスト‥‥少女・宮園かをりと出逢った日から、有馬公生の日常は色付き始める!! 青春を切り取る注目の作家・新川直司がおくる、切ない青春ラブストーリー最新作第1巻!

レビュー①

どんな話ですか? 14歳の”有馬公生”は幼少期より天才ピアニストとして将来を嘱望されていたが、ある時からピアノが全く弾けなくなる。公生は同じ年のヴァイオリニスト”宮園かをり”と出逢う。かをりがヴァイオリンを演奏する姿を見て公生は心を奪われる。公生はかをりにコンクールの伴奏者をお願いされる。2年前からピアノの音が聞こえないため最初は断る。自分を支えて欲しいと泣きながら頼むかをりに心動かされた公生。2年ぶりに人前でピアノを演奏することを決意する。底抜けの明るさの中にどこか儚さを漂わせるかをり。交流を深めるうちにかをり自身の抱える難題が公生を徐々に翻弄していくのだった。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 序盤からテンポ良く進む物語の中で、その時々の主人公の繊細な感情がしっかり表現されています。そのため悩みや悲しみなどを通じて主人公に感情移入しやすく描かれています。また一般的には漫画では表現しにくいとされる音楽の演奏シーン、メロディーが流れるシーンは本当に音が聞こえるかのように描かれており、さらにその演奏に主人公の感情を絡めていく描写は、この漫画独自の表現がなされており圧巻の一言です。その世界にいるかのような没入感が味わえる名作です。

レビュー②

どんな話ですか? 中学生の天才ピアニスト・有馬公生は、厳しい指導を受けた母の死を境に、ピアノの音が聞こえなくなってしまい音楽の世界から離れていました。そして、彼の幼馴染である澤部椿と渡亮太、そして渡に好意を寄せ、椿を介して渡と仲良くなったバイオリニスト・宮園かをりの4人を軸にして、物語は展開します。

かをりたちに半ば強制されることで、彼女のパートナーとして公生は再びピアノに向かいます。彼はかをりにひかれつつも、渡に遠慮してしまいます。また、椿も公生にひかれているのですが、幼馴染の関係を変えられずにいます。

公生の再生、かをりが隠している嘘、4人の恋を描いた、中学生たちの美しい物語です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 音楽をテーマにしていることもあり、とても美しい物語だと感じました。絵もさわやかで綺麗だと思います。それぞれいろいろな悩みや葛藤を抱えていますが、登場人物たちがみな基本的に良い人たちで、優しく、ひたむきに生きていることが感じられます。そして主人公である公生が徐々に再生し、成長していく姿と、彼を支える周囲の人たちの思いやりにもまた感動します。恋の行方も気になりますし、破天荒な少女であるかをりの嘘にも、涙を禁じ得ません。

女装してめんどくさい事になってるネクラとヤンキーの両片想い とおる (著) マッグガーデン

女装してめんどくさい事になってるネクラとヤンキーの両片想い とおる (著) マッグガーデン

アマゾン商品紹介 お互いの好きな人は、嫌いなヤツが女装した姿!? 可愛く朗らかな女の子・「花」 凛とした美人・「めい」 二人はお互いに好きだと気づいていない両片思い!…しかし、互いにバレてはいけない秘密が…。

レビュー①

どんな話ですか? ヤンキーが苦手なネクラと、ネクラが嫌いなヤンキーが、お互いの女装姿に片思い(なんとも言えない両想い)しちゃいます。

お互いに本当の姿(男)を知らないまま、女装した姿同士で仲良くなっていきます。

ですが、お互いに「ヤンキー/ネクラが嫌いらしいから本当の姿は見せられない」とわかっているので、本当の姿(男)のことは言えないままです。

それでも、女装した相手がとことん可愛くて仕方がない者同士でなので、女の子同士としてどんどん仲良くなって、なんとも言えない面白い状況になっていきます。

さらに、女装した姿に言い寄ってくる者(男)まであらわれ、どんどん面倒くさいことに。

男子高生のめんどくさくも面白い(両)片想いの、今後の展開が気になります。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 本当の姿(男)は苦手意識を持ちあっているのに、女装姿に一目ぼれしあっているので、お互いに本当の姿を知ったらどうなるんだろうとドキドキです。
さらに、コスプレイヤー、ケンカ&霊感強いヤンキー、メイド喫茶店員、女性が苦手なイケメンなどキャラもてんこ盛りです。
本当の姿(男)同士では仲良くなれる気がしないと思いつつ、それでもお互いのちょっといいところを知ったりして、苦手と思いつつ偏見がなくなっていくような青春恋愛(?)コメディになっています。
おもわず鼻で「ふっ」と笑ってしまうような作品になっていて、絵も可愛いのがオススメポイントです。
主人公(ネクラ)の女装時がリアル女の子より可愛いときがあるので、そこも注目ポイントです。

レビュー②

どんな話ですか? THE・オタクである男子、ハナエ。彼には、友人にも内緒にしていることがあった。それは、女装してメイド喫茶で働いているということ。元々女装が趣味だったハナエは、女装した姿――ハナとなることで、オタクとは180度違う、明るくてゆるふわな女子へと変貌し、楽しみながら日々メイドとしてアルバイトをしているのだった。元々は趣味が講じてメイド喫茶で働き始めたハナエだったが、働き始めてしばらくしてから、別の目的が出来たのだった。それは、常連客である、かっこいい系女子――メイと会うことだった。俺様系女子のメイは、とある時からメイド喫茶の常連となり、よくハナに会いに来てくれる。かっこいいくせに照れ屋で初なメイに、ハナエは恋をしたのだ。

しかし実は、このメイ。ハナエと同じくして実は男子であった。窓越しにメイド喫茶で働くハナを見て一目惚れし、何とか会いたいが男子の自分ではメイド喫茶には入れない。そこで、女装して入るという突拍子もない方法で潜入したのだった。

両想いなのに片思い。BL?GL?いいえ、純愛です。複雑だけど面白い。とにかくツッコミどころ満載の青春ラブストーリー漫画です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? とにかく面白いです。関係性はぐちゃぐちゃで、ハナ、メイ二人の正体を知っている読者から見れば、「何この二人可愛い!」となること請け合いです。そして女装した二人は本当に可愛いんです。私的にはハナちゃん派なのですが、服装、髪型(ウィッグですけども)どストライクで、こんな女子になりたいなぁなんて女子力を高めるきっかけにもなってます。ハナちゃん男だけど。

乙嫁語り 森 薫 (著) KADOKAWA

乙嫁語り 森 薫 (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の昼と夜。
美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。遊牧民と定住民、8歳の年の差を越えて、ふたりは結ばれるのか……? 『エマ』で19世紀末の英国を活写した森薫の最新作はシルクロードの生活文化。馬の背に乗り弓を構え、悠久の大地に生きるキャラクターたちの物語!

レビュー①

どんな話ですか? 19世紀後半の中央アジア・カスピ海周辺の地域を舞台にした物語。その地域の文化や人々の生活を緻密かつ丁寧に描いた作品。

エイホン家の年若い後継ぎカルルクのもとに8歳年上の花嫁アミルが嫁いでくるところから物語が始まる。

嫁いできた日が初対面であった二人が、日々の生活やアミルの実家との争いを経て夫婦としての絆を深めていく。

以降、未亡人のタラス・双子の姉妹ライラとレイリ・ペルシアの姉妹妻アニスとシーリーン、アミルと同じ町に住むパリヤなど、オムニバス形式で様々な乙嫁(美しいお嫁さん)達の物語が綴られている。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 中央アジアの文化や細やかな刺繍の入った衣装に装飾品、風景などがとにかく丁寧に描かれていて紙面の美しさだけでも読む価値がある。
時代や地域の違いによる価値観の形成も踏まえて描かれたそれぞれの夫婦の在り方が非常に面白い。
特に姉妹妻のアニスとシーリーンは、早くに夫を亡くし生活に困窮していたシーリーンを友人(姉妹妻)のアニスが自らの夫の二人目の妻になることを提案するという、現代日本ではまずありえない形で絆を結ぶ。
一夫多妻という形でありながら、その関係性を美しく爽やかに描いている。

レビュー②

どんな話ですか? 中央アジア・シルクロードの街を舞台に、そこで暮らす乙嫁(=かわいいお嫁さん)たちの生活を描いた漫画です。一家の跡継ぎである少年(13歳くらい)のもとにお嫁さんがやってくるのですが、そのお嫁さんは年上(20歳くらい)で、年が離れています。さらに定住民である家族に対し、お嫁さんは遊牧民出身で、色々と生活習慣や風俗が違います。そんな近世中央アジアの文化・風俗を描きながら、砂漠のオアシス都市で暮らす人々の生活を描いた漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ストーリーとして盛り上がりは薄いですが、作者の方はおそらく相当に研究・描きこまれていて、中央アジア民俗学としても楽しく読むことができます。土地に定住する街で暮らす人々と、定住せず遊牧をして暮らす人々の生活や価値観の違いがとてもよく描かれ、勉強にもなります。民族によって違う洋服の細かい描き込みや、建物の作り・小物の描き方などは素晴らしいです。また、食事シーンに登場する現地の食べ物が非常においしそうで、私はこの漫画を読んでから元々好きだった中央アジアに旅行したのですが、「これがあの…!」となることが多く、感動しました。

 

輝夜姫 清水玲子 (著) 白泉社

輝夜姫 清水玲子 (著) 白泉社

アマゾン商品紹介 赤ん坊のときに竹林に埋められていたのを発見されたという謎の過去を持つ少女・晶は、突然2人組の少年に連れ去られ、妖しき天女伝説が残る南海の孤島・神淵島へと連れて来られるが…!? 壮大なスケールで贈る、愛と陰謀と復讐のSF巨編!
どんな話ですか? 今まで読んだ漫画の中でとても印象深いのは「LaLa」で連載されていた清水玲子先生の「輝夜姫」という作品です。ストーリーがかなり壮大で、ジャンルとしてはSFサスペンスになるのですが全27巻があっという間に読み終えてしまうほど、のめり込みました。物語は日本の「竹取物語」をベースにしており、5歳までの記憶がない主人公の女性(晶・アキラ)が大人になり自分の数奇な運命に翻弄されながら、過去の記憶と現在に起こっていることを紐解いていくストーリー展開になっています。彼女は自分の過去を掘り起こしていく中で、幼少期「神淵島」という孤島で、世界各国の財閥や権力者たちのドナーとして育てられた経緯があることを知り、同じような仲間が存在していること、「輝夜姫」の生贄として、捧げられるという謎の儀式をしていたこと、計画自体が米軍の指揮のもと行われていたことがわかり、不思議な力をもつ自分と対峙しながら、この不条理な状況を解明して、復讐をしていくストーリーになっています。もちろん前編で島での生活や仲間との出会い、別れを経験していくのですが、後半では復讐するために葛藤する晶の戦いぶりもとても見ものです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 女性向けの漫画雑誌の中で、これほどスケールの大きさで書かれていることがとても珍しいと思ったのと、絵がとても綺麗なので初めて読んだ時のトキメキがあったことがお勧めしたい1番の理由です。趣味でよく海外ドラマを見るのですが、この作品もストーリーの展開自体は、いくつもの伏線が張られていて、仲間の裏切りや恋愛要素もしっかり入っているのでかなり精巧に練られていて、海外ドラマに引けを取らないほどの作品であると感じます。さらにドナーや世界経済を牛耳っている財界や著名人の替え玉として存在するという設定自体も、現実では都市伝説のような形で言われていることでもあったりするので、フィクションですが、想像の中で現実的にはあり得るのではないかと思ってしまうような錯覚が起きてしまう魅力があると感じています。なかなか日本における漫画の世界観でここまで、表現できているのは面白いし、珍しいと思うので是非もっと知ってもらいたい作品の1つです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 元々、少し大人向けの漫画雑誌ではあったので、若干難しい要素はあるのですが、30代、40代と年齢を重ねた方には是非とも読んで欲しい作品ではあります。画力がとても高いので表現力も美しいですし、ストーリーの展開自体もシリアス〜ちょっとセンチメンタルな大人の恋愛要素も含ませてくるので、女性としては憧れの気持ちで見ることもできるし、ストーリーは練られているし、楽しみが倍増して読んでもらえる作品だと思います。また登場人物は皆、何らかの特殊技能や役目があって生まれてきているバックボーンがあるので、それぞれの人物に感情移入してしまい、どの人物の話がメインになっても非常に読み応えがあります。絵が綺麗なので、男性向けよりは女性全般的にオススメの作品ではあります。
読んだことによるエピソード 今まで大人向けの漫画雑誌のものはあまり読んだことがなかったのですが、この漫画をきっかけに漫画≠子供向けという概念はなくなり、日本にはこうやって中身の濃い、ストーリー性の高い漫画がいくつも眠っていることを知るきっかけとなりました。今は動画配信サービスなどで色々な作品を見ることができるので、予算のあるこういったメディアから実写化の作品が出ても十分にインパクトを残せるなと感じています。男性・女性問わず、良作が世代や時間を超えてたくさん多くの人に見られたり、改めて注目を浴びてくれることに期待していきたいです。