君は青空の下にいる  森本里菜 集英社

君は青空の下にいる  森本里菜 集英社

アマゾン商品紹介 高校野球の規定が変わり、女子の公式戦参加が認められるようになった年…県立美浜高校野球部に1人の女の子が入部した。彼女の名は一ノ瀬渚、ポジションはピッチャー。今、渚と美浜高の青春をかけたドラマが始まる!
どんな話ですか? 高校の野球部に入部した女子高生が、仲間と一緒に甲子園を目指す物語。恋愛要素もある。
なぜその漫画をオススメしたいですか? はじめは周りの男子部員から疎まれていた主人公ですが、ひたむきに練習に取り組み、徐々に周りに認められて甲子園を目指す過程にとっても感動したから。

烏に単は似合わない 阿部 智里 (原著)・松崎 夏未 (著) 講談社

烏に単は似合わない 阿部 智里 (原著)・松崎 夏未 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 シリーズ累計100万部、史上最年少松本清張賞受賞作の超人気和風ファンタジーコミカライズ。人間の代わりに「八咫烏(やたがらす)」の一族が支配する世界「山内」で、世継ぎである若宮の后選びが始まった。朝廷で激しく権力を争う大貴族四家から遣わされた四人の姫君。それぞれが思惑を秘め后の座を競う中、様々な事件が起こる。姿を消した侍女、後宮への侵入者、そして謎の手紙…果たして最後に若宮に選ばれるのは誰なのかー
どんな話ですか? 同名小説のコミカライズ作品。
人の姿に変身することができる烏「八咫烏」の一族が支配する「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが始まっていた。
后選びのための宮である桜花宮が開かれると、有力貴族である四家からそれぞれ姫が遣わされ、后の座を求め競い合うことになっている。
今回はあせび、浜木綿(はまゆう)、真赭の薄 (ますほのすすき)、白珠の君(しらたまのきみ)の4人が名乗りを上げたが、肝心の若宮が姿を見せず、桜花宮は徐々に混乱していく。
姫たちはそれぞれの思惑の元で暗躍するが、その中で東家の姫・あせびだけは、あばたに罹ってしまった姉の代理として急遽召し上げられたこともあり、后候補としての教育を受けておらず、マイペースに過ごしていた。
他の后たちに見下されるあせびだが、実は幼いころに一度だけ見た若君を一途に思い続けており、希望を持ち続けていたのだ。
なぜその漫画をオススメしたいですか? よくあるファンタジー平安の少女小説かなと思いながら読み進めていると最後で度肝を抜かれます。
この驚きを体験してほしいので、ぜひ読んでいただきたいです。
四人の姫によるきらびやかかつどろどろしたお后選びの世界だとすっかり騙されていました。
ストーリーへの驚きはもちろんのこと、コミカライズされて非常に美しい絵で描かれているので、衣装や背景の細やかさにも注目してほしいです。

千歳ヲチコチ D・キッサン 一迅社

千歳ヲチコチ D・キッサン 一迅社

アマゾン商品紹介 時は千年の昔、平安時代。
少々風変わりなセンスを持った貴族の姫・チコがしたためた文が、ふとした風のいたずらで、若いわりには世を悟ったような貴族の子息・亨の元に届く。
個性的な文の内容に心を動かされ、返歌を出した亨。
たった一度、偶然交わしただけの文は、これから何をもたらすのか――?
どんな話ですか? 舞台は平安時代、少し風変わりな感性を持つ貴族の姫・チコと真面目な貴族の子息・亨(とおる)、二人の恋物語です。
ある日、チコが親友宛てに書いた文が風にさらわれてしまい、それを偶然亨が拾います。
戯れに返歌をしたためた亨でしたが、チコの不思議な感性がみてとれる歌が頭から離れません。
一方チコも、亨の返歌が気にかかり、どこの誰とも知れない相手を「秋風の君」として探し始めます。
しかしチコは、返歌が従者に渡されたときの状況から、亨のことを女性だと勘違いしているため、二人はなかなか出会うことができません。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 平安時代が舞台なので時代考証はきちんとされているのですが、現代のノリで笑いを差し込んでくるので、おかしくて声を出して笑ってしまいます。
メインは二人の恋物語なのですが、二人はお互いが誰だかわかっていない状態なので、基本は離れて暮らす二人の周りにいる個性的なキャラクターたちが織り成すコメディ作品だと思っていればよさそうです。
この二人がなかなか出会わないというもどかしさと平安ネタを使った笑いのバランスがすばらしく、非常に面白いのでぜひ読んでもらいたいです。

私の少年 高野ひと深 講談社

私の少年 高野ひと深 講談社

アマゾン商品紹介 この感情は、母性?それとも–。スポーツメーカーに勤める30歳、多和田聡子は、夜の公園で12歳の美しい少年、早見真修と出会う。元恋人からの残酷な仕打ち、家族の高圧と無関心。それぞれが抱える孤独に触れた二人は、互いを必要なものと感じていく–。「このマンガがすごい!2017「<オトコ編>第2位! 年齢や立場の違いを超えた二人の交流を描く話題作!!
どんな話ですか? とあるスポーツメーカーに勤める30歳の多和田聡子は、自宅近くの公園で出会った12歳の少年・早見真修に、ひょんなことからサッカーを教えることになる。
複雑な家庭環境が垣間見える真修のことが気にかかり、サッカークラブの試合への送迎を引き受けたり、一緒にお寿司を食べに行ったりと何かと真修を構うようになる聡子。
しかし、それを知った真修の父親は激怒し、聡子の会社へ処分を求めた。結果として地元仙台へと転勤になった聡子は真修の前から姿を消す。
数年後、中学生になった真修は修学旅行先の仙台で聡子と再会し、再び二人は連絡を取るようになる。
聡子のことを思い続けていた真修は聡子に告白するが、聡子は大人としてその気持ちにこたえることはできないと告げ……。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 年齢差のある二人の恋といえば年上男性と年下女性で描かれることが多いように思いますが、この作品の場合は女性のほうが年上ということで、それ故の繊細な問題にも触れていてリアリティがありおもしろいです。
一方で真修が女の子と間違えられるほどの美少年として出てくるので、その彼が中学生、高校生と成長していく様をみていると感慨深いものがあります。
恋愛関係だけに限定されない、人と人とのいろいろな関係性について考えることができるので、たくさんの人に読んで欲しい作品です。

乱と灰色の世界 入江 亜季 KADOKAWA

乱と灰色の世界 入江 亜季 KADOKAWA

 

レビュー①

アマゾン商品紹介 4人の天才魔法使い。
10歳の女の子、漆間乱(うるま・らん)には秘密があった。彼女にはサイズが合わない、だぼだぼのシューズ。これを履くと、みるみる変身! グラマラスな美しいオンナへと成長できる。「子どもはイヤ、早く本当の大人になりたいな」。ところがある日、変身後の姿のまま、乱は初恋に落ちてしまった! ……地方都市・灰町を舞台に、4人の魔法使いに起こった4つの大事件を描くマジック・アンド・ライフ。灰町に隠れて暮らす漆間一家に、幸せの日々が訪れるのはいつになることやら。入江亜季によるFellows!連載作品。
どんな話ですか? 灰町に住む漆間家は、魔法使い一家。そこで一番幼い漆間乱は、まだ魔法を上手に使えません。
唯一の得意技は、大人サイズのスニーカーを履いて自分の姿を大人のものにしてしまうこと。
ある日乱は、大人の姿で出会った大人の男性・凰太郎に恋をします。
誰にも必要とされていないと考えていた乱は、ただ唯一自分だけを愛してくれている凰太郎に夢中になりますが、凰太郎は魔法界からやってきた骸虫(むし)に脳を侵されてしまいます。
魔法使いたちは、凰太郎ごと骸虫を殺してしまおうとしますが、乱はどうにか凰太郎だけを助けようと奮闘し……。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 表紙を見てもらうと分かると思うのですが、とにかく絵が緻密で美しく、小物まで全部かわいい。
人物の表情も魅力的で、見ているとすぐお話に引き込まれていきます。
ちょっと切ないお話ではあるのですが、現実と魔法が隣り合ったような世界観も楽しく夢中になって読めるので、ぜひ読んでみてほしいです。

レビュー②

どんな話ですか? 人間界の灰町で暮らす、ちょっと和風な独得な雰囲気の魔法使いの一家、漆間家を中心にしたお話。

末っ子の漆間乱は、コミュニケーションが苦手な小学生。

早く大人になりたい乱は、乱には大きい魔法のスニーカーを履くと、大人の美女に変身できる。

ちょっとドジな乱に対して、兄の陣は頭もよくスポーツ万能、家事も一通りできてしまう男前。

狼に変身できる魔法を使う。

父の全は、カラスに変身する魔法を使う黒羽衆のお頭。強くて、人望もある威厳のある頭目だけれど、娘の乱と妻の静にはデレデレ。料理から針仕事までできる主夫でもある。

母の静香は、最強の魔女で絶世の美女。魔法使いの村において、その強い魔力で「虫」を封印している。乱たちが暮らす灰町にはたまにしか帰れない。

主人公の乱はそんな家族に囲まれているけれど、強い魔力がうまくコントロールできない上に、小学校でもうまくなじめずにいる。ある日スニーカーを履いて、変身した姿で、お金持ちで身勝手なイケメン凰太郎に出会う。

うまく生きていけないもどかしさに早く大人になりたい乱と自分の人生に飽き飽きしていた凰太郎が出会う。

一方魔法使いの村では封印していた虫が・・・

なぜその漫画をオススメしたいですか? とてもわくわくする漫画です。

書き込みや描写もとても素敵。なにより登場人物が脇役まで生き生きとして描かれているのがとても魅力的です。

乱が成長していく姿も、ちょっと嫌な感じだった凰太郎が乱によって変わっていくのも、ドタバタしているようで穏やかな雰囲気がします。

設定が凝っているのに、説明的な部分がないのもいい。漫画だけど小説を読んでいるような気分でした。

わたしも乱たちが住む灰町に暮らしたいなと思えるような作品です。

みちくさ日記 道草晴子 リイド社

みちくさ日記 道草晴子 リイド社

アマゾン商品紹介 13歳の若さで「ちばてつや賞」を受賞し漫画家としてデビューするも、ほどなく精神科病院に入院……

病院から通う学校生活、農作業に盆踊り、ボクシング部入部、デイケアで輪投げの日々、元カレの逮捕・出所・プレハブ暮らし、新しい診断、脱腸、恩師との再会……
著者・道草晴子が歩んできた15年以上にわたる途方もない“人生の道草”と、再び絵筆を執るまでの涙と笑い、そして再生の記録。

「トーチweb」での連載時から、漫画、文学、音楽、現代美術、音楽、医療、福祉、教育の分野でも大きな反響を呼び、多くの現役クリエーターが注目する、ノンフィクション漫画の最前線!!

どんな話ですか? 道草春子は小学生の頃から漫画を描くのが好きで友達に見せたりしていた。中学に入り周りと上手く話せないけど、周りに漫画を見せると喜んでくれるのが嬉しかった。ある日思春期の不安定で漫画がうまく描けなくなり、学校にも行けなくなり、精神科に診察したら、入院する事になった。精神病と関わっていく道草春子の半生を描く。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 精神病院ではどういう生活をして、退院したらどうするかがわかる作品です。精神病で悩んでいる人におススメしたい漫画です。うまくいかない事がなんどもなんどもあってもそれでも人生は続いて、ときたま嬉しい事もあり、どうでもいい事もありそいそれでも続いていく事が救いになる作品です。欠陥だらけで完璧じゃないことはすてきな事だと思ったという文章は私の心に響きました。
どんな人に読んでもらいたいですか? 人生が辛い人、精神科に通っている人
読んだことによるエピソード 何度も辛い事があっても生きていこうという希望になりました。

デリシャス! 小林深雪 (著), あゆみゆい (著) 講談社

デリシャス! 小林深雪 (著), あゆみゆい (著) 講談社

アマゾン商品紹介 アイドルを夢見る野々原りんご。お料理なんてまったくできないのに、お料理番組のキャスターになっちゃったから、さあたいへん!読んでたのしく、作っておいしい、グルメ・ラブコメの決定版!!
どんな話ですか? 中学生のの野原りんごは芸能活動をしています。お料理は全然できないのにお料理番組のオーディションを受けて、合格してしまいます。幼馴染の一臣はお料理が得意で、料理ができないりんごにお料理を伝授します。一臣はりんごの事が好きですが、りんごはお料理番組で共演している石坂真人の事が好きです。一臣の事が好きな朱菜もいてお料理番組をからませながら、揺れ動く恋愛模様を描いています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? デリシャス!も子どもの頃に読んだ作品ですが、話は王道の少女漫画で、大人になって読むのが少々恥ずかしいような気にもなるのですが、それ抜きにしても絵が本当に可愛いのです。りんごちゃんの衣装やお料理など丁寧に可愛く描いており、絵の可愛さにほれぼれします。出てくるお料理も簡単にできるお菓子ばかりで、子どもながらにデリシャス!のレシピを見ながらお菓子作りをしたものです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 癒されたい人、可愛いものが見たい人、お料理がしたい気分の人、可愛い恋愛を読みたい人におススメです。
読んだことによるエピソード この漫画を読んで、お菓子作りに挑戦したいと思うようになりました。

かんかん橋をわたって 草野誼 (著) ぶんか社

かんかん橋をわたって 草野誼 (著) ぶんか社

アマゾン商品紹介 住み慣れた「川南(かーなみ)」から、橋ひとつ向こうの「川東(かわっと)」に嫁いだ萌(もえ)は、
上品で優しい姑・不二子(ふじこ)に引き目を感じながらも嫁としてなじもうとしていた。
ところが萌の時だけ米がうまく炊けないなど、日々に違和感を感じるうちに、恐ろしいことがわかってくる。
町の人が耳打ちした「気をつけたほうがいいわよ。あの人は『おこんじょう』だから」とは?
恐ろしさに身震いが止まらない! 嫁と姑の千日戦争!
どんな話ですか? 町の中心を流れる川に隔てられた「川南」地域から「川東」地域に嫁いできた萌は家事の失敗続きで同居する夫の家族に小言を言われながらも、夫の母・不二子の厳しくも優しい様子を尊敬して明るく頑張っていた。
しかし萌はあるとき自分の失敗が不二子による嫌がらせだったこと、不二子は「川東いちのおこんじょう(意地悪)」と呼ばれていること、
さらには川東には「嫁姑番付」が存在し、自分はその4位であることを知っていく。
姑との関係に悩みながらも、持ち前の明るさ・根性で川東の嫁たちをまとめ上げていく萌。
明かされていく嫁姑番付の謎。そして真に川東を支配している「ご新造様」の存在とは…。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 最初のうちは普通の嫁姑問題なレディコミ…という印象の作品なのですが、「嫁姑番付」なる謎の番付が出てきたあたりからこれはちょっとおかしいぞ?という感じになってきて、最終的には川東を圧政で支配する「ご新造様」VSクーデターを起こした川東の嫁や住民たちの物理的な対決…という、最初からは想像もできない流れに。
荒唐無稽な展開ゆえに嫁たちはどうなってしまうの!?と先が気になって読み進めてしまいます。
表面的には嫁たちの蜂起という様相を描きながら、まさに少年漫画のような友情・努力・勝利!のストーリーで新鮮な味わいのある作品です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 漫画ジャンルのカテゴリに囚われない一風変わった作品を読んでみたい人、友情・努力・勝利!が好きな人、女同士の熱い友情が見たい人
読んだことによるエピソード 特になし。

Paradise Kiss 矢沢あい (著) 祥伝社

Paradise Kiss 矢沢あい (著) 祥伝社

アマゾン商品紹介 受験勉強に追われる早坂ユカリは、単調な日々を送っていたが、服飾専門学校「矢澤芸術学院」に通うジョージの学園祭でファッションモデルを務めることになった。夢を追いかける仲間たちとの出会いは、やがて---。 ファッション誌「Zipper」で連載。

レビュー①

どんな話ですか? NANAなどを描いた矢沢あい先生『ご近所物語』の続編作品。

普通とはかけ離れたオシャレすぎる高校生たちが、将来や切ない恋愛に悩む物語です。

容姿端麗な主人公・早坂紫。

親の期待を背負いながらも、進学校での成績が振るわず、進路に悩む落ちこぼれ高校生。

そんな時、謎の高校生・ジョージにファッションショーのモデルをしてほしいとスカウトされます。

服飾学校に通う『ご近所物語』主人公の妹・美和子や、

容姿端麗すぎる謎の高校生・ジョージにより、紫の高校生活は一変!

恋愛模様や友情だけでなく、煌びやかなファッションショーなど見どころいっぱいの作品です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? なにより、お洒落な世界観!

連載誌がファッション誌だっただけに、とにかく華やか。

前作『ご近所物語』と同じ高校生でありながらも、少し大人な世界観。

煌びやかなファッションショーのシーンは、色あせることがありません。

彼らのブランド「Paradise Kiss」はラグジュアリーでありながらも、繊細なディティールが素晴らしい。

紫は基本的に進学校の制服姿ですが、「矢澤学園」に通うジョージ、実和子、嵐、イザベラなど、私服姿が個性豊か!

夢を追う高校生たちの物語としてはもちろん、ファッションを見ているだけでうっとり。

レビュー②

どんな話ですか? 端正なルックスにモデル体型と容姿に恵まれながらも、母親との関係性から自分に自信がない平凡な女子高生だった主人公・紫(ゆかり)は、ファッションの専門学校である矢澤芸術学院の「パラキス」メンバーと出会い、学園祭のショーのモデルにスカウトされる。受験勉強真っ最中の紫は「あんたたちの遊びに付き合っている暇はない!」と突っぱねるが、パラキスのメンバーたちが真剣に自分の夢と向き合っているということを知りモデルを引き受けることに。次第に”誰のためでもない、自分の人生を歩くって決めたんだから”と葛藤や周りとの衝突を繰り返しながら一人の自立した女性へと成長していく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ファッション誌「Zipper」での連載開始から20年以上経った今でも、移り変わりの激しい”ファッション”がテーマの漫画でありながら全く”時代遅れ”を感じさせない作品。

自身が10代の頃にはキラキラしたファッションの世界への憧れや、自分の手で夢のように美しいドレスを作り上げるパラキスメンバーたちに、ただただ「夢」を見せてもらっていた。メインの登場人物たちよりも大人になって久しぶりに読んでみると、煌びやかな世界観だけでなくその表情やセリフの中に今だからわかる思春期特有の揺らめきや繊細さを感じ取ることができ、主人公の紫だけでなく、一人一人の心の動きがものすごく丁寧に描写されていることに気づいて感動した。

主人公の紫とジョージの恋の行方について、2人の選択に10代の頃はどこか腑に落ちないものがあったが、30代の今は「わかるよ」と共感してしまったところに時の流れを感じた。

また今作は、矢沢あい先生の「ご近所物語」のその後の世界と繋がっているためご近所ファンにとっても”あのキャラがこんな大人になったのか!”という懐かしさと発見がとても感慨深かった。

レビュー③

どんな話ですか? 進学校に通う平凡な女子高生、早坂紫が個性豊かな矢沢芸術学園の生徒達と出会い、彼らとの交流を通して自分自身が本当にしたいことは何なのかと疑問に思うようになっていきます。

彼女は親の期待や希望に合わせるようにいい子を演じて過ごしてきました。

学校も無理をして自分のレベルよりも高い学校へ通い、塾にも通いますが成績は良くなく親にもがっかりされます。

紫は自分の存在価値を見失ってしまいます。

そんな彼女にショーのモデルをして欲しいと頼む矢沢芸術学園の生徒の一人嵐。

彼の友人達の熱意も感じモデルをやってみようと決心します。

また、リーダー的存在の譲二は紫とは全く違い、自分の夢や考えを持っていて自信に満ち溢れています。

紫は彼の存在を否定しながらも自分とは全く違う性格の彼に惹かれていき、恋をします。

紫にとって彼女の周りで起きる全てのことが新鮮であり魅力的。

親の反対を押しのけて、自分の人生を歩くと決めたと誓い、葛藤しながらも一生懸命自分の人生と向き合い、成長していこうとするストーリーです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 私を含め、10代の中高生は将来の進路や夢に行き詰まり、親の言われたとおりに行動し学校へ通う人は多いです。

私自身、自分で決めた進路に進みながらもこれでいいのか、もっと他にやりたいことはないのかと自問自答することが多かったです。

しかし、挑戦することでの失敗を恐れて安全な道を突き進んできました。

誰でもない自分自身の人生なのだから自分が一生懸命考え、行動して失敗もして成長することは自信へも繋がります。

あの頃は戸惑っていた私も今なら分かります。

矢沢あい先生の作品は中高生にとても人気です。

多感な10代の子供たちが学校や恋愛に悩むことが多いけれど、読みやすい漫画の中に参考になる言葉が多く出てきます。

少しでも多くの人の悩みが早く解決できればと思いオススメします。

薔薇のために 吉村明美 (著) 小学館

薔薇のために 吉村明美 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 大学受験に失敗した枕野(まくらの)ゆり。それを皮切りにボーイフレンドにはフラれ、たったひとりの身内である祖母も亡くなるという不幸に見舞われる。ところが、祖母の遺書により、死んだと思っていた母親が生きていたことがわかる。しかも、母親は有名女優で、兄弟が3人もいるというものだった…!!
どんな話ですか? 両親を早くに亡くした、デブでブサイクな主人公ゆり。ゆりを育ててくれたおばあちゃんも亡くなって、住むところもなくなった…と思っていたら、自分が有名女優の娘であることを知りるところから物語が始まります。

突如美形一家に放り込まれて、一緒に暮らすことになったゆり。女優一家の美形姉弟たちに、デブでブスとバカにされながらも、健気で優しく打たれ強いゆり。その家事能力の高さもあって、家族みんなが心のキレイなゆりに惹かれていいきます。

やがて、ゆりは兄に恋心を抱くようになったり、弟がゆりに想いを募らせるようになったり…と、恋愛と家族愛の入り混じった見ごたえたっぷりのヒューマンドラマです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? デブでブスと容姿でバカにされるゆりは、一見可哀想な環境にあり、多くの人が自分と同じようだと共感できる部分があると思います。ただ、ゆりが普通の人と少し違うことは、打たれ強く周りをも明るく変えてしまうような、愛に満ち溢れる人だということ。読んでいて、自分も前向きになれるような、心があたたくなるような気持ちになるので、オススメしたいです。

やがては、女性としての美しさをも持ち合わせるようになるゆりの魅力を、ぜひ一度読んで味わってほしいです。また、美形姉弟たちのキャラも個性豊かで、ゆりとのやりとりも楽しくて飽きさせません。

どんな人に読んでもらいたいですか? 自分には何もないと、おちこんでいる人。

日常がつまらないと思っている人。

ヒマな人。

逆境にあっても笑顔で人に優しく接するゆりを見ていると、自分も優しい気持ちになれるような気がするから。後読感もあたたかいマンガです。

読んだことによるエピソード とくになし。