眠れる森のカロン 茂木清香 (著) 講談社

眠れる森のカロン 茂木清香 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 予測不能のスリルライド・ファンタジー、開演!!!!記憶をなくした“ぼく”が迷い込んだ大きな屋敷。そこに現れたのが、かろんと名乗る小さな女の子。仲良くなった“ぼく”とかろんは一緒に暮らし始めるが、その屋敷は謎だらけ。身の回りで起こる奇怪な事件に違和感を覚え、記憶を取り戻そうとする“ぼく”。そして、ある恐ろしい真実に辿り着く‥‥。
どんな話ですか? 「この門をくぐるものは一切の希望を捨てよ」と書かれた門をくぐると、少年の身体は影だけになっていた。
さらに逃げ続けた先に佇んでいたのは、薔薇に埋もれた不思議な洋館。
洋館で待っていたのはフリフリのドレスを着た愛くるしくミステリアスな少女、その名もカロン。
カロンは少年を王子様と呼んで歓迎するのだが、彼はすべての記憶を失い、自分が誰かもわからなくなっていた。
はたしてここはどこで自分は誰なのか?
不気味な屋敷を徘徊したはてに、王子様を待ち受ける衝撃的な真実とは。
メルヘンタッチなホラー。
なぜその漫画をオススメしたいですか? メルヘンタッチの可愛らしい絵柄とダークな内容が融合した、大人のための残酷童話とも呼ぶべき作品です。謎に包まれた不気味な館、徘徊するモンスターたち、地下室に閉じ込められたバケモノなど、序盤から掴みはばっちりで引き込まれます。話が進むと次第に明かされていく王子様の正体や、カロンの狂気に背筋が冷えます。フリーホラーゲームの「Ib」や「魔女の家」など、ゴシックホラーな雰囲気が好きな層に刺さりそうです。
前半は逃げ回る一方で弱々しかった王子様が、邪悪な本性を剥き出してからが物語の真骨頂です。カロンすら怖気付く勢いで反撃に転じるのですが、攻防がめまぐるしく入れ替わるスリリングな展開に手に汗握ります。また、カロンと王子様の人格が歪んでしまった根底には家族との確執や虐待が挙げられるのですが、この回想パートの陰湿さもぞくぞくします。
カロンの意外な正体がわかった瞬間世界の見え方ががらりと変わるのも快感です。
どんな人に読んでもらいたいですか? ダークメルヘンが好きな人
ゴシックホラーが好きな人
「Ib」「魔女の家」「クロエのレクイエム」が好きな人
シリアルキラーに興味がある人
読んだことによるエピソード 特になし

さよならソルシエ 穂積 (著) 小学館

さよならソルシエ 穂積 (著) 小学館

 

アマゾン商品紹介 画家と画商…ふたりの“ゴッホ”の伝記浪漫

19世紀末、パリ。のちの天才画家ゴッホを兄に持つ、天才画商テオドルスの、知られざる奇跡の軌跡。生前、1枚しか売れなかったゴッホが、なぜ現代では炎の画家として世界的に有名になったのか…。その陰には実の弟・テオの奇抜な策略と野望があった! 兄弟の絆、確執、そして宿命の伝記!

どんな話ですか? 舞台は19世紀末のパリ。世界的に有名な画家フィンセント・ファン・ゴッホと、その弟であるテオドルス・ファン・ゴッホの強い絆を描いた伝記漫画です。
画商であるテオドルスは、幼いころから兄の絵の才能に嫉妬しながらも、その才能を誰よりも理解していました。しかし当時の芸術の潮流は、貴族の肖像画や宗教画などしか認められない権威主義。生活の中にあるありのままの美しさを描いたフィンセントの絵は、まだ芸術として人々に認められません。
それでも兄の才能を信じ、画家仲間たちと新しい芸術を世に広め、兄の絵を世界に売り出そうとするテオドルス。そんな矢先、衝撃的な事件が起こります。
なぜその漫画をオススメしたいですか? この漫画で描かれるゴッホ兄弟の人生は、完璧に史実に基づいたものではありません。しかし、どのようにしてフィンセント・ファン・ゴッホの存在が天才画家として世に広まっていったのか、そこに至るまでのストーリーは弟との関係も含め、とてもドラマチックで面白いものになっています。
自身の才能に無自覚な兄と、兄の才能を信じ続けた弟、最後はそんな二人の衝撃の結末に胸が熱くなります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 作者なりのゴッホ兄弟の解釈をエンターテイメントとして楽しめる人、芸術に関心のある人、ゴッホの絵が好きな人に読んでもらいたいです。
読んだことによるエピソード この漫画の舞台である19世紀末のパリは、上流階級の人々だけのものであった芸術が庶民にも広がっていく大きな転換期であったことを、漫画を通して知ることが出来ました。
ゴッホの絵を今芸術として美しいと思えることが、昔は当たり前ではなかったのだと思うと、絵に対する見方も変わりました。