ちはやふる 末次由紀 (著) 講談社

ちはやふる 末次由紀 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早(ちはや)。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新(あらた)。おとなしくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!

レビュー

どんな話ですか? 主人公の千早は、小学生の頃に、福井から来た新という男の子と出会いで、競技かるたの楽しさを知り、同じく友達の太一も一緒に、かるたにはまっていきます。新は福井に帰ってしまいますが、高校生になった千早と太一は競技かるた部に入って、切磋琢磨しながら、競技かるた道をますます極めていきます。新とは、試合で再会したり、戦うこともあります。

小倉百人一首は、小学校で触れる子どもも多いようで、お正月におばあちゃんの家で家族で楽しむ、という話も聞いたことがあります。ですが、競技かるたは、使うものは同じ小倉百人一首でも、空気、スピード感が全く違います。漫画の絵から伝わる緊張感と一瞬の駆け引きは、読んでいてこちらも汗をかいてしまうほどです。ですが、千早の一直線で周りが見えなくなって周りの人振り回したり、巻き込んだりしていく様子は微笑ましいし、時に爆笑してしまいます。また、千早以外の、競技かるた部員や他校の部員のかるたと向き合う姿や、友情や、恋愛感情の様子も丁寧に描かれていて、読み応え抜群です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 競技かるたの世界には触れたことはない方が多いと思いますが、この漫画を読むと、まずは千早をはじめとした個性豊かな登場人物たちに惹かれていきます。天真爛漫でかるたへの情熱はダントツでまっすぐ突き進む千早と、育ちの良さを感じるふるまいの中に千早への想いやかるたへの熱い想いを持つ太一、地方育ちの素朴な感じでありながら、柔らかく温かい言動の中にも強い芯を持っている新などのメインキャラだけでなく、クイーンに立ち続けるけどかわいいキャラクター好きの詩暢や千早と共に過ごす部員も、とても個性的で、私は誰が好きかなぁ、誰と似てるかなぁなんてことを考えることも楽しいです。

次に、この漫画を読むと、競技かるたの世界に惹かれていきます。多くの方にとっては、競技かるたは身近とは言えない思います。ですが、競技かるた繊細さ、大胆さ、奥深さを知ることができますので、きっと読んだ方の多くが、思わず素振りをしてしまうと思います。

人の魅力と競技の魅力を知ることができるので、この漫画をオススメしたいです。

 

スター・レッド 萩尾望都 (著) 小学館

スター・レッド 萩尾望都 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 太陽系第4惑星・火星。赤い風の吹く星。23世紀末の地球に天を見つめる1人の少女がいた。レッド・星(せい)。火星に生まれ、火星を恋する第5世代の火星人。しかし、夢にまで見た故郷に帰った時、火星の大いなる災いが始まった。火星と火星人の呪われた運命を救うため、銀河系の中心で少女が見たものは……。萩尾望都が描く壮大なSF叙事詩。

レビュー

どんな話ですか? 萩尾望都のSF大作です。
主人公のレッド・星は2270年代の未来の地球に住む火星人の少女。育ての親である地球人のパパ・シュウに守られながら、素性を隠し地球人として生活していましたが、いつか故郷の火星に戻ることを夢見ています。
ある日、月世界人らしい謎の少年・エルグと出会い、エルグは星が火星人であることを見抜きます。
エルグは、謎多き火星人についての情報を伝えれば、星を「火星に連れて行ってあげる」と約束するのです。
実は、火星人は火星に渡った地球人の子孫であり、火星に順応し超能力を得るようになった存在です。星自身も超能力があり、透視や人の考えを読み取ることができるなどの能力があります。しかし、火星人は地球人との争いの末に姿を消しており、その生態は謎につつまれていたのです。
星は迷った末にエルグとともに火星に渡るのですが、そこで地球人による火星人研究局に存在がばれてしまい、追われる身となります。
そこで二人は様々な陰謀に巻き込まれていくというストーリーです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 技術の進歩について考えさせられる作品であるためです。

ここでは技術ではなく、超能力として描かれていますが、どうしても人が超能力を得るということが現代の技術の進歩と重なります。

作品中の火星人研究局の局長であるペーブマンという人物が印象的な発言をしています。

彼は、星の高い超能力について「たいした退化ですな!」と評価するのです。

その理由は、星が実際には視力はなく超感覚でものを捉えている上に、念動力でものを動かせ、瞬間移動ができ、テレパシーでコミュニケーションが取れること、それは目も腕も脚も声帯も必要がないということ示すことになるからだと彼は語ります。

「岩みたいになって転がってるてのはどうです!考えてるだけ―それすら不要になる―生きることすら不必要になってしまう! これが退化でなくてなんです?」と訴えかけるのです。

現代の技術の進歩の成れの果てを想像させませんか?

まだ、生きてる・・・ 本宮 ひろ志 (著) サード・ライン

まだ、生きてる・・・ 本宮 ひろ志 (著) サード・ライン

アマゾン商品紹介 定年を迎えたサラリーマン・岡田憲三。家に帰ると家族は消えていた。妻が全財産を持ち逃げし、息子や娘は音信不通に・・・。生きる事に疲れた希望も無くした憲三は、60年の人生の幕を閉じようと、故郷・房総の山奥に入り首吊り自殺を図るが・・・。現代人に生きる事の意味を問いかける意欲作、第一巻。

レビュー

どんな話ですか? 物語の主人公はサラリーマンで、長年勤めた会社を定年退職した際に、突然、退職金を持って家族に逃げられる。主人公は故郷に帰って山で自殺を図るが、失敗して山で死ぬまで生きようと決意する。幼い頃におばあちゃんに教えられた生活の知恵を利用しながら、逞しく生きていく。ヨモギを利用した傷薬や、ドングリを食料にしたりと、今では忘れ去られている利用方法があるのだと感心する。会社勤めに疲れたサラリーマンに読んで欲しい漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 都会の生活に疲れて死のうと思っていたサラリーマンが、同じく自殺しようとしていた若い女性、産まれた子供の3人とともに生活する中で、生きることの本当の意味を教えてくれるとても感動的な作品だから。年功序列や終身雇用、メンバーシップ型の仕事という独特の制度がまだ色濃く残っている日本の会社の中では、人間関係に悩みながら、仕事にやりがいを感じられないサラリーマンorサラリーウーマンも多く働いていることだろう。そのような疲れた会社勤めの人々の価値観を変えてくれると思う。

 

ラララ 金田一蓮十郎 (著) スクウェア・エニックス

ラララ 金田一蓮十郎 (著) スクウェア・エニックス

アマゾン商品紹介 自宅ではいつもおっぱい丸出し素っ裸状態の石村亜衣。バーで酔っ払っていた桐島に婚姻届にサインをさせ、その翌日いきなり離婚届けにサインを迫るそのワケとは?

レビュー

どんな話ですか? 会社をリストラされた桐島士朗が、バーで知り合った石村亜衣と流されるまま結婚してしまう。外科医の亜衣を専業主夫として支える士朗、ふたりの結婚生活の物語である。初めは亜衣が自らがバツイチになるために、士朗を丸め込み行った愛の無い結婚であった。

亜衣をふくめ、周りの人々も複雑な事情を持っている人物が登場する。しかし、お互いがそれぞれの背景を理解し受け入れ、お互いのことを思いやるようになり、いつしか本当の信頼関係を持つ夫婦となっていく、笑いあり、時々涙ありのハートフルストーリー。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 出てくる登場人物は亜衣や准といった、複雑な事情を抱えている人が多い。

その内情はネグレクトだったり、放置子だったり、トランスジェンダーだったりで、なさそうで実際にあるテーマであるのが興味深い。その複雑な事情を持つ人々のことを理解し、受け入れるという、読んでいる人の心をジーンとさせる漫画である。と、同時にそれら社会的問題について考えてしまう漫画でもある。とても面白いのだが、面白いだけで終わらず、考えさせられる、というのが、この漫画の良いところだ。

登場人物がみんないい人で、結果安心して読めるところも良いところだろう。

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 宮川サトシ (著) 新潮社

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 宮川サトシ (著) 新潮社

アマゾン商品紹介 「あんたもワテが産んだ傑作やでねぇ、なんも心配しとらんよ」。かつて僕が白血病になった時、母はこう笑い飛ばした。今度は僕が母を救う、そう決めたはずだったのに。死が近づく闘病の日々と、母を失った日常で僕が知った、最愛の存在がいない世界とその死の本当の意味。死後1年、母から届いたスペシャルな贈り物とは。特別編も収録! 涙と希望に溢れる家族エッセイ漫画。

レビュー

どんな話ですか? 主人公の母親がガンを宣告されるところから物語は始まり、二人三脚での闘病生活が始まる。

そんな主人公の思いとは裏腹に意欲的に取り組まない母親に苛立ち怒りをぶつけてしまう。

ついには母親は亡くなってしまい、主人公は初めて母親がいない世界をこれから生きていくのだと気づく。

生きていく中で、ふとした時に思い出す母との思い出、後に遺された人たちの心情、ついには母との繋がりが強い地元を出て東京で暮らすことを決意する。

そんな主人公の生き様が描かれている。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者が実際に体験した母親との闘病生活の日々、葛藤、自分にとっての幸せ、周りの変化を作者らしい言葉と画の表現で漫画化していて、子供にとって親という存在がいかに大きなものか、当たり前のように過ごしているこの時間が、かけがえのない時間なのだということを作品を通して教えてくれます。

読みやすい1巻完結というボリュームで、何度でも手にとって読み返したくなる、そんな作品です。

読んだ後は必ず親に会いたくなります。

失恋ショコラティエ 水城せとな (著) 小学館

失恋ショコラティエ 水城せとな (著) 小学館

 

 

アマゾン商品紹介 製菓学校に通う爽太(ソータ)は一つ上のサエコと交際中。4年前の一目惚れから想い続け、去年のクリスマス直前にようやく初キス。大のチョコレート好きな彼女のため、チョコ作りの腕を磨く日々。彼女からタバコの匂いがしても、バレンタインのデートを断られても、全くくじけず挑み続ける爽太だったが…!?

レビュー

どんな話ですか? お菓子職人を目指す主人公の男子専門学生:爽太は、ダメもとで憧れの先輩サエコに告白し、まさかのOKをもらう。そこでバレンタインデーに向けて、一世一代の気合を込め、チョコを作るもサエコは他に彼氏がいると受け取り拒否…「エッチをしてなければ付き合っていない」というサエコのロジックの元に玉砕したのだった。

チョコレート大好きなサエコを振り向かせるべく、爽太は渡仏。有名パティスリーの元で修行にに励む。数年後努力が実を結び、有名パティスリー日本出店の為、「チョコレート王子」として凱旋帰国を果たす。

満を持してサエコと再会するも、サエコはすでに他の男性と結婚が決まっていた。それでもまだ爽太は諦められず、今までの印象を一新すべく、「悪い男」を演じサエコにアピールしていく。

そんなある日、爽太はお互いの片思いについて意気投合したモデル:えれなとセックスフレンドとして関係を持つようになる。一方、サエコは家庭を顧みない夫に疲弊し、冷え切った夫婦生活を送っていた。

えれなの片思いの終わりにより、爽太はえれなと真剣に付き合おうと決意。しかし、そんな中、夫のDVに耐えかねて家を飛び出したサエコが店に押し掛けてきてしまう。ついにサエコと肉体関係を持った爽太。えれなとサエコへの想いで板挟みになってしまったが、そんな爽太へ長年想いを寄せていた同僚:薫子からの告白もあり、爽太のサエコへの想いは決着を迎えることになる。

なぜその漫画をオススメしたいですか? とにかく漫画に登場するチョコレートが美味しそう。ボンボン・ショコラはもちろん、パン・オ・ショコラやショコラ・ショーなど様々なチョコレート菓子が丁寧に、かつとてつもなく美味しそうに描かれている。爽太のお店「ショコ・ラ・ヴィ」のチョコレートは、再現したボックスが三越伊勢丹で開催しているチョコレートのお祭り「サロン・デュ・ショコラ 」で販売されるほどファンが多い。

もちろん「失恋」をテーマにしたストーリーも秀逸。登場人物たちの想いが交差する様がさながらほろにがく甘いチョコレートのよう。

バレンタイン時期にぴったりの漫画です。

死がふたりを分かつとも 天色ちゆ (著) 集英社

死がふたりを分かつとも 天色ちゆ (著) 集英社

アマゾン商品紹介 クリスマスの夜、男に絡まれたコスプレ女子?を助けようとして刺れてしまった大学生・流星(りゅうせい)。死にかけて目覚めたら、彼女は自分は悪魔だと言い出して……!? 離れられない体になってしまったふたりは、悪魔・よつばを呼んだ「召喚者」をさがすことに。期限は1年以内、見つけて願いを叶えないとふたりとも死んでしまう! 一方、流星自身も心に深い傷を抱えていて…? 消せない過去と残酷な運命に抗う、ドラマチック・ラブ!

レビュー

どんな話ですか? 心に深い傷を負う大学生、流星。

あるクリスマスの夜、男の人に絡まれていたコスプレ女子?を助けようとして刺されてしまうというところから物語はスタートする。

死を悟った流星だが目覚めたら傷は治っており、隣には助けたコスプレ女子?が全裸で寝ていた。

彼女は「自分はあくまであり、魔力を分け与えたことであなたを生かしている。」と言う。

離れられない体になってしまった二人は元に戻るため(生きるために)

悪魔・よつばを現世によんだ「召喚者」を探すことに。

しかし1年以内に見つけられなかった場合、二人とも死んでしまう!

なぜその漫画をオススメしたいですか? 純粋に絵がキレイで、登場人物がかわいいのとイケメンだから・・・

というのはもちろん、二人のイチャイチャにキュンキュンする要素ばっちりはいってます。

しかしそれだけでないのがこの漫画をお勧めしたいと思った理由です!!

登場人物がしっかりキャラ立ちしていて、「ふたりとも幸せになってほしい!」と願わずにはいられないような

素敵な人たちなんです。そしてその登場人物たちのセリフがまた素敵!!

感動する、心温まる、こちらまでじわっとくるようなものがたくさんでてきます。

さらにはしっかり笑いまで抑えています。

内容的には残酷な(重めの)設定が多くあり、暗くなってしまうようなストーリーも

そのおかげで緩和されている気がします。

私的には流星くんとよつばちゃんのなんども笑わされました。

家栽の人 毛利甚八 (著), 魚戸おさむ (著) 小学館

家栽の人 毛利甚八 (著), 魚戸おさむ (著) 小学館

 

アマゾン商品紹介 ▼第1話/ポトス▼第2話/カラジューム▼第3話/ポインセチア▼第4話/ユズ▼第5話/コブシ▼第6話/タンポポ▼第7話/桜桃▼第8話/マルハチ▼第9話/サボテン▼第10話/ザクロ  ●登場人物/桑田義雄(緑山家庭裁判所判事)  ●あらすじ/父親が高裁の長官であり、自身も将来を嘱望される身であるにも関わらず、“家裁”にこだわり栄転を拒否したことのある桑田。そして、暇さえあれば裁判所の周囲の植物に会いに出かけたり、世話をしたりする彼を変人と言う者もいる(第1話)。▼ある日、桑田の元に持ち込まれたのは離婚した夫婦の子供の親権問題。お互いに権利を主張する両者に「子供の幸せは争って与えるものではない」と諭す桑田。もと夫婦は桑田の言葉によってもう一度やり直そうと考え始める……(第3話)。

レビュー

どんな話ですか?  家庭裁判所(途中から地方裁判所)を舞台とするヒューマンドラマです。

古い作品ですが、過去に何度か実写ドラマ化され、昨年もドラマ化されたので、若い方もご存知だと思います。

主人公の桑田判事は、植物を愛する物静かな人物。現場主義で「池に沈める体罰」を実証実験してみるなど、かなり思い切った事をする大胆さも持っています。

家事審判や遺産相続、少年犯罪関係など、事件の審理が中心ですが、主人公の桑田判事は法廷外でも活動があり、絵的にも野外を含むシーンの変更がある為、退屈しません。

よく言われる「人の縁」や「家庭は社会の最小単位」が、改めて実感できます。

意外な人物や出来事が事件の解決に繋がり、伏線の回収でストーリーがダイナミックに展開します。

遺産相続とピラカンサ、少年事件とスノードロップ、外国人犯罪とナノハナなど、ストーリーには毎回、キーとなる植物(性質や花言葉など)が絡む為、植物にも詳しくなれます。

※ 昭和に連載が始まったやや古い漫画なので、一部、現行法とは異なる表現があります。

例:禁治産の件

なぜその漫画をオススメしたいですか?  傍聴に行かない限り見ることのない裁判の様子が、リアルに表現されています。

裁判関係の職業が、裁判官や弁護士以外にも詳しく描写される為、お仕事漫画としても秀逸です。

一話限りしか登場しない人物にも、人生の奥行と厚みがあって、何故、そんなことになってしまったのか、自分ならどうするだろうなどと、他人の人生を疑似体験できた気持ちになります。

また、立場が異なる複数の人物の視点や、その行動に至る過程なども描写される為、物事を一面だけから決めつけない多角的な視点に気付かされます。

プラネテス 幸村誠 (著) 講談社

プラネテス 幸村誠 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 SFニュースタンダード登場!! 400万年を経て人は地上より飛び立った。この宙(そら)は人の強さを試す。

レビュー

どんな話ですか? 少しだけ未来の、少しだけ宇宙が身近にあるお話で宇宙空間でデブリ掃除(宇宙ゴミ掃除)を仕事にしている人達の物語。

自分の宇宙船を買うという壮大な夢を持つ主人公のハチマキをメインに、妻の形見を探すためデブリ掃除をしているユーリ、旦那が専業主夫をし自分は宇宙で働く船長のフィー、物事はすべて「愛」で判断する新人タナベなどの様々な登場人物達が登場する。

その時代のデブリ掃除屋さんは今で言う一般サラリーマンと同じであり、その現状の自分をなかなか受け入れられないハチマキが木星往還船のクルーに挑戦するという新たな夢を目指すことになるが・・・。

といった感じです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 少しだけ未来の宇宙時代描写がものすごくリアルで自然なので、すんなり話に入っていける。

主人公はハチマキだけど、登場人物全員がしっかり漫画の世界で生きてるので、どの人物メインのエピソードもおもしろい。

しかも登場人物全員と言っていいほど、一人ひとりに心にクる名言がある点もすごい。

全体を通してハチマキが自分自身と向き合い、自分なりの答えを導き出していくのがテーマだがその過程が素晴らしく、なおかつ簡潔で読後感がスッキリ。

宇宙船の描写や核融合炉エンジンなど宇宙好き・SF好きにぐっとくるところが多い面もマル。

実はNHKでアニメ化されているが、そのアニメも完成度が素晴らしく、プラネテスは漫画で始まり、アニメで完成しているといっても過言ではない。

漫画にも登場する、とある「しりとり」のやりとりは一見の価値ありです。

裏テーマは「愛」。

テガミバチ 浅田弘幸 (著) 集英社

テガミバチ 浅田弘幸 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 夜が明けることのないAG(アンバーグラウンド)という名の地。首都を照らす人工太陽の光も届かない危険な土地で人々のテガミを届ける仕事があった。命を賭してテガミに託された“こころ”を運ぶ彼らを、人はテガミバチと呼んだ!

 

どんな話ですか? 舞台は夜の明けない地『アンバーグラウンド』。首都を照らす人工太陽はあれど、その光が届かない場所は常に薄暗く危険と隣あわせ。そんな危険地帯を旅する国家公務郵便配達員(通称テガミバチ)は、人々の『こころ』がこもった『テガミ』を命がけで配達していた。

7歳で母親と生き別れた少年、ラグ・シーイングは、ある日テガミとしてテガミバチに運ばれることに。敵に襲われながらも自分を守り、目的地まで送り届けてくれたゴーシュ・スエードに憧れ、テガミバチになることを決意した。5年後、採用試験に合格したラグは、テガミバチとして日々テガミを配達しながら、テガミバチの最高称号「ヘッド・ビー」を目指すのだった。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 読んでいく内、自然と人に優しくなりたいと思えたため。冒険ファンタジーというとアクションがメインに思えますが、テガミバチは『こころ』を中心としたお話なので、人々の心の動きがとても丁寧に描写されています。主人公の真っ直ぐさ、優しさ、登場人物の思いや葛藤。読み終わった時には気付いたら涙が溢れていました。

もちろんアクションもかなり迫力があり、そちらも十分に楽しめます。銃や地雷、時にはバイオリンなど、様々な武器があるので面白いです。世界観が美しくイラストも綺麗なので、絵を眺めているだけでも楽しい。