ぼくの地球を守って 日渡早紀 (著) 白泉社

ぼくの地球を守って 日渡早紀 (著) 白泉社

アマゾン商品紹介 亜梨子(ありす)は植物と交信する能力を持つ高校生。ある日、隣家のイタズラ小学生・輪(りん)を誤ってマンションのベランダから転落させてしまう。奇跡的に回復した輪は、もう一人の自分に覚醒していた…。一方、亜梨子は前世の夢を共有する同級生に出会い…!?

レビュー①

どんな話ですか? 「ぼくの地球を守って」は1986年から1994年にかけて連載されていた日渡早紀による漫画作品です。
主人公の亜梨子は高校生で、東京に引っ越してきたばかりの大人しい女の子です。
引越したてで慣れない環境の中、彼女が出会ったのは同じクラスメートの迅八とその幼馴染である一成。
彼らは昔から地球ではない場所で別の人生を歩んでいた記憶があり、時折夢で見るためその度に二人で話していました。
二人の話を聞いた亜梨子はその日自分も宇宙から地球を見守る夢を見ます。
一方で、亜梨子は隣に住んでいる小学生、輪に振り回される毎日…。
迅八や一成の話を聞いた輪は、亜梨子がいる目の前でベランダから転落する事故が起きてしまいます。
そして、一命をとりとめた輪もまた地球ではない場所で生きていた記憶を取り戻してしまうのでした。
これは、地球ではない場所で生き、地球へと転生した高校生たちが、再び出会いそして過去の記憶に振り回されていく物語です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 今や転生ものは多くある世の中で、異世界へと転生する物語は山ほどあります。

しかし、「ぼくの地球を守って」は地球ではない星で生活をした記憶を持ちながら、現代の日本を生きる高校生を描いています。

まずこの点が今ある転生もの、異世界ものとは違う部分ではないかと思います。

そして、共通の記憶を持つ彼らは偶然にも高校生として転生しており、日本という場所で出会います。

しかし、輪のみ一人小学生。

なぜ彼が一人だけ小学生なのか、そして、小学生である未成熟な体が壮絶な過去を思い出してしまったらどうなるのか…。

ただの転生もの、異世界ものとは違い、現実味のある物語です。

こんなふうに世の中に生きるもの全てが転生してこの世に生きているのかなとつい想像してしまいます。

レビュー②

どんな話ですか? 1986年から8年間雑誌「花とゆめ」に掲載されていたSF漫画です。ジャンルとしては「生まれ変わり」「超能力」ものとしてのSF作品になります。

【あらすじ】主人公は東京に引っ越してきたばかりの高校生、坂口亜梨子(ありす)。内気でまわりになじめずにいるが実は植物の言葉がわかるという能力を持っている。

ある日、亜梨子は隣に住む小林輪(りん)という少年を誤ってマンションから転落させてしまい、物語はそこから動き出す。輪はさいわい軽傷で済んだが、その事件をきっかけに亜梨子に婚約を申し込む。

時を同じくして、亜梨子はひょんなことから同級生の小椋迅八(じんぱち)と錦織一成(いっせい)から、不思議な夢の話を聞く。2人は共通の7人の人物が登場する夢を見続けており、迅八は「ギョクラン」という男性、一成は「エンジュ」という女性目線。その「ギョクラン」と「エンジュ」を含む7人が、月にある基地から地球を眺めている夢の内容だという。面白い物語のようにその話を聞いた亜梨子だったが、輪から婚約を申し込まれた日に迅八たちが語った内容と酷似した夢を自分も見る。動転して婚約を了承してしまう亜梨子。いっぽう輪も、事故のショックで亜梨子や迅八たちと同じ夢を見、いわゆる超能力にも目覚めていた。そして親や亜梨子にはそれまで通り接しながら、奇妙な暗躍をはじめていく。

なぜその漫画をオススメしたいですか? ①「転生もの」「前世の記憶」「超能力」といった創作ジャンルにおいての金字塔のような作品だからです。

すでに本作に影響を受けた作品が多く世に出ていますし、様々な場所で名前が挙がる名作です。元ネタとして知っておいて損はないでしょう。

②伏線の張り方や回収がとても巧みで、構成が素晴らしいです。心の栄養として名作を読むことをオススメします。

③亜梨子と輪は、昨今目にする「おねしょた」(女性のほうがかなり年上の男女カップル)になります。30年以上前の少女漫画でそういった関係が描かれていたことを知ってほしい。

レビュー③

どんな話ですか? 主人公の亜梨子は東京へ転校してきたばかりの高校生。

隣のマンションに住む小学生の輪にからかわれたり、慣れない環境が続き、どこかへ還りたい…と日々思っていました。

ある日、学校の中庭にいると、クラスメートの迅八と一清が怪しい雰囲気を醸し出しているのを見ます。

運の悪いことに、二人に気づかれた亜梨子。

そこで二人が数年前から共通の夢を見ているという話を聞かされます。

月から地球を見守っているという夢を二人はムーンドリームと呼び、それぞれ今の自分ではない姿で生活をしていると言うのです。

俄かには信じられない亜梨子ですが、その日彼女も同じような夢を見てしまいます。

一方で、隣に住む輪はある日亜梨子と過ごしている時に、マンションのベランダから落ちてしまうという事故に遭ってしまいます。

命に別状はないものの、この事故をきっかけに輪もまた地球ではない別の場所で過ごした記憶がよみがえってしまいます。

偶然、地球で再び生まれた彼ら。

次々と前世、ムーンドリームで出会った仲間と再会をし、再び出会えた喜びを分かち合いますが、過去の記憶があまりにも強く、現世でも彼らひとりひとりを苦しめていくことになっていくのでした。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 転生ものって流行っていますが、これは大分以前に作られたいわば転生もののはしりとも言えます。

地球ではない場所で生まれ、生きていた人たちが、今再び地球で再会をします。

女性であったシュスランは現世では一清として生まれ、過去と同じようにギョクランであった幼馴染の迅八に惹かれ苦しみます。

主人公とも言えるモクレンの記憶を持つ亜梨子。

彼女にどうしようもなく惹かれてしまう迅八。

一方で、シオンの記憶が強く出て、翻弄される輪もまた、どうしようもなく亜梨子に惹かれて感情を暴走させていきます。

今は別の人物として生まれているのに、過去の記憶があまりにも強く引きずられてしまう彼らの感情を考えると心が揺さぶられてしまいます。

また、過去に避難されても仕方ない罪を犯したメンバーもおり、それぞれが持つ記憶がどんどん首を絞めていく部分はこちらも苦しくなります。

今を生きる、生きなくてはいけないということを強く思わせてくれる作品なので、とても好きです。

レビュー④

どんな話ですか? 同じ内容の夢を見ている人同士が集まって、お互いがみた夢の内容を話合っているとどうもそれは私たちの前世の記憶なんじゃない?!

しかもそれはここ地球の話ではなくて、遠いどこかの惑星の話のよう。毎晩更新し続ける夢を追っていくうちに、自分たち(の前世)は遠い惑星のエリートで、母星の滅びの危機に際し、移住できる星を探す探査チームで、月にある基地で暮らしながらここ地球を監視している…という事まで分かりました。そして、どうやら自分たちがその閉ざされた基地の中で伝染病により病死し、思いを馳せた地球に転生してきたのだと知る事になります。

同じ夢を見ている前世での仲間として集まって来た人は皆同じ高校二年生。しかしたった一人だけ少額5年生の子供が。

この謎が解けた時に戦慄するとともに悲しみや切なさ愛しさの涙があふれます。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 少女漫画におけるファンタジー界の頂点だと思っている作品です。

前世の記憶、現世での生活、前世に振り回されつつも現世で必死に生きようとする主人公たちに何度も涙します。

前世と現世、空間を時空を飛び越えてこんなにも哀しく美しい物語はこれ以外に知りません。

物語がとても複雑で、前世の夢と現世での出来事が並行して描かれていきますが、それがどれにしても大変丁寧に描かれている為、読んでいる自分もあらゆる登場人物に感情移入することが出来、ときにあいつを憎み、逆から見れば悲しい気持ちになり、最終的には全て愛で納まる、という感じです。


乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 潮里 潤 (著), 三嶋 与夢 (その他), 孟達 (その他) KADOKAWA

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 潮里 潤 (著), 三嶋 与夢 (その他), 孟達 (その他) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 異世界に転生したら「女尊男卑」な、乙女ゲー世界でした!!!

乙女ゲー世界に転生してしまったリオン。男は女を養うだけの家畜の様な境遇に、過去のゲーム攻略知識を使い、図らずも反旗を翻す。 イケメン死すべし!ド外道主人公による、剣と魔法の下剋上ファンタジー第1巻!

どんな話ですか? 主人公・リオン少年は、ある日、自分が転生者であることを悟ります。突如として思い出された前世は、妹に弱みを握られて嫌々ながらに乙女ゲームをしていたがために体調を崩して死亡したという、そんな遣り切れない事実をつきつけられ。そして、生まれ変わったこの世界は、その乙女ゲームの世界であり、自分はただのモブキャラであることを悟り。はては、世界は女尊男卑極まりない、差別社会という未来に夢も希望もない状態・・・前世を思い出したとたんに絶望を抱えるリオン。

ですが、そんな境遇の中でも、記憶にあるゲームのシナリオをもとに、なんとかモブはモブとしてしたたかに生きようと奮闘するリオンの、目指せ辺境のんびりライフ!――が、成り上がり貴族街道まっしぐら!になっている、痛快ファンタジーです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 異世界トリップ系のお話はたくさんありますが、その中でも異色といえるでしょう、虐げられるモブ男子のファンタジー。異世界ものらしく、かわいい女の子もかっこいい男の子も出てくるのですが、元サラリーマンで、自身の境遇に捻くれまくりな主人公を中心に描くので、ヒーロー・ヒロインキャラたちも、みんなどこか残念な設定。王子や貴族の扱いが軽すぎたり、王道である平民チートヒロインの活躍を奪ったりと、やりたい放題な主人公の行動は見ていてスカッとします。

本人は、目立たないように・・・けれど、自分が損しないように・・・と、アレコレ画策しつつも、ワルモノにはなりきれずに寧ろ優しさが勝ってしまい、結局は望んでいない結果ばかりを得ている不器用さがクセになります。

大人だけど、まだまだ若いお兄さんが、癖の強い異世界で学生をやっている姿から目が離せません!

どんな人に読んでもらいたいですか? 頭を空っぽにして・・・ではなく、頭が空っぽになるような、面白い漫画が読みたい!と思っている人におすすめな作品です。女尊男卑極まりない無情な世界の中で、転生者チート全開でコソコソと傍若無人を振りかざす主人公を、ただただ笑って欲しいです。
読んだことによるエピソード 異世界トリップ大好きですが、似たり寄ったりな話が多くなり出尽くしたかと食傷ぎみになっていた時に出会ったので、まだまだ転生ものも捨てたものじゃないな!と、心機一転でほかの作品も楽しめるようになりました。

ドリフターズ 平野耕太 (著) 少年画報社

ドリフターズ 平野耕太 (著) 少年画報社

アマゾン商品紹介 A.D.1600天下分け目の関ヶ原・・・敵陣突破の撤退戦”島津の退き口””捨てがまり”で敵将の首を狙うは島津豊久!生死の狭間で開いた異世界への扉・・・

レビュー①

どんな話ですか? 主人公は関ヶ原の戦いで主君を逃がすために戦死したとされる島津豊久。瀕死の状態で歩いている島津は気づくとわけのわからない場所に飛ばされ、主人公の仲間になる織田信長など年号の違うものも同じ異世界へ飛ばされる。そこはエルフなどがいる異世界。島津、織田などは漂流者(ドリフターズ)と呼ばれ、その世界の黒の国王軍と戦うことになる。黒の国王軍にも島津同様異世界へ飛ばされたものもいて黒の国王軍にいる異世界から来た悪しきものを廃棄物(エンズ)と呼ぶ。本来は戦うことのなかった時代の違う者たちドリフターズ達とエンズ達の戦い。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 戦国武将やみんなが知っている歴史上の人物や有名な偉人などが出てきて、本来であれば出会うことのなかった人物たちの戦いや交流が見れるのでとても面白いと思います。バトルシーンは大迫力で、本来は戦うことはなかったためどちらが勝つのか想像するだけで楽しく、見ていて引き込まれてしまいます。バトルシーン以外でも見どころはたくさんあってそれぞれの特徴や性格、戦う際の作戦などもとてもよく考えられており、この漫画の面白さを際立たせてくれます。

レビュー②

どんな話ですか? 最近よく見るようになってきた異世界転生ものなのですが、このドリフターズでは関ヶ原の戦の最中に主人公である島津豊久がファンタジー世界に飛ばされるという物語から始まります。同様に異世界に飛ばされたのは世界でも有名な織田信長、那須与一、ハンニバル、菅野直、安倍晴明、土方歳三、ジャンヌダルク、ラスプーチン、明智光秀など濃いメンバーがそれぞれ漂流物と廃棄物サイドで戦争を行っていくアクション歴史ファンタジー漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者の平野耕太さんは前作ヘルシングでも迫力のある画風と派手なアクションを描いており、今作品のドリフターズでもその魅力的なキャラが派手なアクションと策略を巡らした戦いをしているので本当に読んでいてい楽しいんです。ファンタジー世界らしい設定も活かしながら、異世界から来た人物の知識を用いて斬新な策略を編み出すのは本当に驚きます。今作品では織田信長が悪魔らしい策略を巡らせて大活躍するのも凄く好きですし、主人公の島津豊久の刀を使ったアクションも迫力満点なのでおすすめです。

織田シナモン信長 目黒川うな (著) コアミックス

織田シナモン信長 目黒川うな (著) コアミックス

アマゾン商品紹介 1582年、本能寺の変で無念の死を遂げた織田信長が、≪犬≫に転生して、現代の日本にやって来た!!? しかも名前は≪シナモン≫ってラブリーな名前!? し・か・も!! 武田信玄を始めとする有名武将も犬に転生!!? ゆる~い犬の日常と戦国時代あるあるが融合した、全く新しいお犬様コメディ☆
どんな話ですか? もし戦国武将たちが犬に転生したら、こんな感じ!というコメディー漫画。1582年6月、織田信長は本能寺の変により命を落とします。その際に、非道を尽くした人生であったため、来世は犬にでも落ちるか、と観音菩薩の前で念じます。犬に落ちる、それもまた一興。そして目を覚ますと…女子高生の尾田市子(おだいちこ)に飼われる柴犬・シナモンになっていた!どうせならド―ベルマンが良かったと頭を抱えるシナモン・信長。近所のドッグランに赴くと、そこには犬に転生した武田信玄、上杉謙信、伊達政宗らが!明智光秀はリスに転生しイケメンの飼い主・三津秀人(みつひでと)と、太田牛一はカメムシ、アリなどの虫に何度も転生して登場します。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者の目黒川うな氏は犬好き&大河ドラマ好き。好きが乗じて、歴史の小ネタ満載、飼い犬あるあるの可愛らしいコメディー漫画が出来上がりました。2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」では明智光秀が主人公であることも踏まえ、タイミングを合わせたのか2020年1月から1クールでアニメ化しました。柴犬を初め、ポメラニアン、フレンチブルドッグ、ダックスフント、ボルゾイ、トイプードル、コーギーなど、モフモフのお犬様たちが、犬らしさを崩さずに、表情豊かに描かれていてとにかく可愛い!
どんな人に読んでもらいたいですか? これから犬を家族に迎えようと考えている人にオススメです。犬の習性や予防接種の基礎知識を漫画を通して知ることができます。柴犬好きの人は漫画の描写を細かいところまで楽しめると思います。また、大河ドラマでは美濃で暮らしていた頃に明智十兵衛光秀が帰蝶にリスをプレゼントしようとするシーンがあり、ドラマと漫画を合わせて楽しむことができます。なお、漫画の作中では本能寺の変の真相は明らかになることはないので、謎は謎のままにしたいという歴史好きの人にもぜひ読んでほしい作品です。
読んだことによるエピソード 輪廻転生って本当にあるのかも?と思うようになったのと、歴史に造詣が深くなった気がして、大河ドラマをより楽しく見られるようになりました。