アシュラ ジョージ秋山 (著) ゴマブックス株式会社

アシュラ ジョージ秋山 (著) ゴマブックス株式会社

アマゾン商品紹介 今の時代からは想像もつかない“大飢饉”。舞台は中世、農村の時代。日照りが続き干上がった土地では、食べるものは何もなくなる。飢饉で追いつめられた人間のすることとは・・・!?不幸な生まれ方をしたアシュラは、その逞しい本能により壮絶な生き方を繰り広げる。人間性の本質と欲望をギリギリのところまで描いた“衝撃の問題作”!!ジョージ秋山の代表的傑作!

レビュー

どんな話ですか? 室町時代の京都。相次ぐ洪水や飢きんにより京の都は荒廃し人々は飢え苦しんでいた。こんな時代に生まれたアシュラは生まれてすぐに親に捨てられ人肉をも食らうケダモノとして生き抜いていく。ある時、地頭の息子を殺してしまったアシュラは追われる身となるが、美しい少女・若狭と出会いかくまわれる。若狭の優しさや愛に触れ、次第に人間性を備えていくアシュラだったが…。
飢餓に追いつめられた極限状態の人間の心理に迫る異色の作品。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 描写が過激すぎて社会問題化して連載中止となった『アシュラ』だが、それだけ作品の与えるインパクトは大きく一度読めば忘れられない作品となる。連載が中断されなければアシュラは最後は仏門に入り「命」と命名されていたという。
作者のジョージ秋山は息子に「命」と命名し、父の作品を読み込んだ息子は名前に込められた真意『命がけで生きろ』に気づく。
人の世の不条理への絶望を提示しながら「命がけで生きろ」と説いた稀有な才能に恵まれた作家にしか作れない作品。

メイドインアビス つくしあきひと (著) 竹書房

メイドインアビス つくしあきひと (著) 竹書房

アマゾン商品紹介 隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っていた。アビスの不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていく。アビスの緑に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?幻想と機械が入り混じる大冒険活劇、第一巻!★単行本カバー下イラスト収録★

レビュー①

どんな話ですか? 舞台の世界には『アビス』とよばれる秘境の大穴が存在し、中には奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っているのです。

アビスの謎を解き明かすべく探検家達は深い大穴に潜るのですが、深く下りれば下りるほど上昇しようとしたとき、体や精神に異常をきたす「アビスの呪い」という現象が襲います。

そのため、ある一定の深さまで潜ると生きては地上に帰れないという奈落の大穴なのです。

ですがそのような恐ろしい場所でも地上に戻れなくてもアビスの謎とロマンを求めて探検家たちはアビスに挑み続けました。

主人公の母親も探検家の一人で過去にアビスの生きては帰れないアビスの奥深くに挑み、主人公もまたアビスの謎を求め探検家を目指していました。

主人公がアビスの調査としているとき、記憶喪失のロボットの少年と出会います。

少年の正体、アビスの底の謎、母親の後を追い主人公と少年は奈落の大穴に挑みます。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 冒険物、サバイバル、未知への魅力が読んでいる側にも伝わります。

少女と少年がアビスを潜る中で出会い、成長と少しずつ明らかになっていくアビスの正体がわくわくします。

そしてこの作品の素晴らしいところは、ただの冒険物ではないところだと思います。

主人公達は幾度も苦しい状況に会ったり、アビスの謎を解き明かすべく非道な手段をとっている大人や犠牲になってしまった人々等…リアルなえげつなさが独特で魅力的です。

私がここ数年で一番面白いと感じた漫画です。

レビュー②

どんな話ですか? 舞台となる星全ての陸海空が開発されつくした中、人類最後の秘境として人々を魅了してやまない奈落の大穴、アビス。

アビスには古代文明が存在しており、超常的な力を持つ価値ある遺物が発掘されるため、それらを採取する「探窟家」と呼ばれる冒険者たちが多数挑むが、危険な原生生物がひしめいており、そのうえ帰還する際に高度をあげると、その深さに応じて様々な心身の変調をきたす「上昇負荷」と呼ばれる呪いがあるため、まさに命を賭した冒険であった。

大穴に接する街の孤児院で生活する少女リコもまた、アビスへの冒険心に魅了されていた。孤児院の経営手段として子供たちに課せられているアビス上層の探窟に勤しむ傍ら、ある日リコは少年型のロボットを発見する。

レグと名付けられたロボットは記憶を失っていたが、どうやらアビスの底からやってきたらしい。人間ではないゆえに上昇負荷もかからず、とても丈夫で戦闘能力が高い彼は、孤児院の一員としてしばしの友好を結ぶ。

そんな折、最高級の探窟家「白笛」でもあったリコの母親の遺品がアビスの底から浮かび上がり、街は騒然となる。その遺品の中から、「奈落の底でまつ」という一文を目にしたリコはもはや憧れを抑えきれなくなり、自らのルーツを知りたいと願うレグを水先案内人として、死出の旅路へと身を投じる。

そして、アビスが孕む様々な危険と未知との遭遇、謎と狂気に翻弄されながら、一行は成長を遂げてゆく。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 好き嫌い、というよりは、どっぷりハマるか受け付けないか両極端になる作品だと思います。

絵本のような、と形容される可愛らしいキャラクターと、全く容赦のないグロテスクな描写との対比が凄まじいので、常にハラハラさせられます。元コナミ出身のイラストレーターである作者、つくしあきひと先生の細密な筆致は漫画の域を超えているといって過言ではないでしょう。

そう聞くと、また畑違いのクリエイターが軽率に漫画に手を出したパターンか・・・と思われるかもしれませんが、とんでもない。この重厚な設定と、意外性に満ち、先が気になって仕方なくさせるストーリーテリングこそがこの作品の真骨頂と言えます。特に最近、映画化した部分であるラスボス級の悪役、ボンドルドとの謀略に満ちた駆け引きは圧巻で、誰も予想しえない結末に途方に暮れることでしょう。

あと、ナナチはかわいいですね。

極黒のブリュンヒルデ 岡本倫 (著) 集英社

極黒のブリュンヒルデ 岡本倫 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 子供の頃に事故で死なせてしまった幼なじみが忘れられない高校生・村上良太は、彼女との約束を果たすべく、天文部に在籍し宇宙人を探していた。ある日、良太のクラスにその幼なじみと瓜二つの美少女・黒羽寧子が転校してくる。どこか浮世離れした彼女の秘密とは一体…!? 純愛ダークファンタジー、衝撃の第1巻!

レビュー

どんな話ですか?  「エルフェンリート」などの独創的な作風で鬼才との呼び声が高い岡崎倫氏の作品です。主人公村上良太は子供の頃片思いをしていた「クロネコ」と呼ばれていた少女を目の前で事故で亡くしてしまう。

高校生となった良太の前に、ある日クロネコと同じ面影を持った少女、黒羽寧子が転校生としてやってくる。謎めいた雰囲気を漂わせる彼女だったが、実は研究施設から逃げ出してきた特殊能力を持つ魔女であることが判明する。魔女は「鎮死剤」と呼ばれる薬を一定時間ずつに打たないと死んでしまうらしい。良太は他の魔女たちとも出会いながら、彼女たちを救うため様々な手立てを尽くすが、、、

なぜその漫画をオススメしたいですか?  エルフェンリートでかなり徹底したエログロと、繊細な心理描写を両立させて独特な世界観を打ち出した岡崎氏ですが、その才能はこの作品でも遺憾なく発揮されています。まず第一に面白いのはやはり基本的な設定の発想です。「鎮死剤」などというアイディアはとても目新しいものですし、「ハーネスト」と魔女の本体の秘密など、思わず息を呑まずには読み進められない生々しさがあります。際どいSF路線を貫きながらも、やはりそれぞれの人物の感情描写も上手く、思わず涙が出てしまう場面も多々あります。

絵柄はやはりそれほど上手くはありませんが、物語づくりに関しては他に並ぶ作家がいないほどに優れています。

闇金ウシジマくん 真鍋昌平 (著) 小学館

闇金ウシジマくん 真鍋昌平 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 丑嶋のもとを毎朝9時に訪れる「奴隷くん」と呼ばれる人々。それはパチンコ依存症の主婦たちのことで、丑嶋は彼女らに3万円の現金と引き換えに5万円の借用書にサインさせる。あらかじめ金利・手数料2万円を引いた上、1日3割もの暴利を課しているにも拘わらず、今日も彼の会社には哀れな訪問者が引きも切らない。

レビュー

どんな話ですか? 貸金融業者『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨を中心に、お金を借りに来るお客およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。金利は10日5割(トゴ)という暴利であり、当然ながら闇金融である。第一巻では、毎朝9時に丑嶋の元を訪れるパチンコ依存症の主婦たちからストーリが始まり、回が進むにつれて、カウカウファイナンスの従業員の日常や訪れる客およびその関係者の様々な人物の視点で物語が語られる。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 非常に暴力的であり、社会の闇を描いた作品であり、私の様に女性が読む漫画ではないが、今までごく普通のOLだった女性が、ちょっとしたはずみで借金まみれになってソープに沈んでいくケースや、ほんの少し欲を出しただけなのに命に関わるような結末が待っている事態に陥るなど、自身もいつでもあっち側に転落する可能性があって、身につまされる漫画である。どうしてそうなってしまったのか、どこで間違ったのか、自身ならどうしたか、深く考えさせられる。

ゴールデンカムイ 野田サトル (著) 集英社

ゴールデンカムイ 野田サトル (著) 集英社

アマゾン商品紹介 『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!

レビュー①

どんな話ですか? 日露戦争後の北海道が舞台。

網走刑務所から脱獄した受刑者の刺青を集めて、隠された黄金を探す話。

アイヌの少女アシリパさんと、不死身の杉本がメインキャラクター。

アイヌ民族の文化が真面目に語られています。

キャラクターのひとりひとりが、とても魅力的です。

重い過去を抱えていたり、サイコパスだったり、精神を病んでいたりしますが、全員好きです。

暗い話ばかりではなく、ギャグも織り混ぜてあり、笑いも絶えません。

ただ、エロとグロが多すぎて、友だちに勧めづらいです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? アシリパさんのかわいさとたくましさ。

ひとりで、道具をつくり、狩りをして、動物を捌いて、料理をし、寝るところをつくってしまいます。しかも動物ごとに方法が全て違います。

杉本のかっこよさと哀愁。

強くて不死身で、かっこいいです。そして細かいところで優しい。めちゃくちゃ人殺しているのに。

辛い過去を背負っているので、時折見せる寂しい顔も本当に好きです。

ギャグが面白い。

暗い展開の中でも、笑えます。女の人の裸より、男の裸が多いです。ムキムキです。

レビュー②

どんな話ですか? 日露戦争直後、砂金のゴールド・ラッシュと開拓にわく北海道。アイヌが残したと言われる莫大な金塊をめぐり、荒くれ探求者たちの争奪戦が始まる!

「不死身の帰還兵」こと主人公の杉元、「アイヌの愛娘」狩人アシ(リ)パさんはじめ、金塊の暗号たる刺青を入れられた網走監獄の脱獄囚、情報将校率いる第七師団、元新選組まで…、入り乱れる敵方・味方のキャラクターの悲喜劇も濃く、何通りもの楽しみ方ができる、非常にゴージャスな冒険活劇の傑作です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 何気なく読んでみたら、本当に止まらなくなりました。かなり刺激の強い表現があるので、小心な自分は「ヒエ―」と指の間から見ていたのですが、ひと段落するとどうしても読み返さずにいられなくなるのです。隠された埋蔵金を探す…という話の大筋について、とても巧みにストーリーが仕込んであるので、どれもこれも伏線に見えて、自分なりの推理をあれこれ考えられる、という知的要素がひとつ。また、「狩猟」「北海道グルメ」という要素もありますし、金塊探しの合間に差し込まれるサバイバル豆知識や歴史コラム的な部分も見どころです。そして極めつけが、魅力的すぎるキャラクター造形でしょう。脇役なんて本当にいないんじゃないか、と思えるくらいに一人一人ががっつり生きているストーリーで、もう呑み込まれたら最後…という気がします。野田先生の画力が半端なく、どこを見ても手抜きなしに、1世紀前の北海道の美麗な世界が広がっている事にも、心を打たれます。

レビュー③

どんな話ですか? 北海道にあるという金塊を巡るストーリー。主人公の杉元は、幼馴染で親友の奥さんに恋心を抱いており、その人の目の病気を治したいとお金を早急に欲しています。だから砂金目当てに北海道まで出てきました。そんな時クマに襲われたのですが、助けてくれたのがアイヌの少女、アシリパ。北海道には金塊が眠るという噂をたどり旅する二人と、彼らを取り巻く軍人や囚人の物語です。アイヌ文化がたくさん出てくるのでそれらに詳しくなれます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? とにかく引き込まれるような作りになっているからですね。読んでいたら全く興味のなかったアイヌにも興味を持つようになりましたし、何事にも関心を示さないこの私がハマりました。絵も男性が書いている割にキレイで、漫画から入っても大丈夫です。少々グロいシーンもありますがそれがスリルを誘います。金塊を巡って杉元とアシリパのコンビ以外に、ユニークな囚人や軍人が出てくるのでそれぞれのキャラの魅力もすごいです。推しが見つかるマンガですね。

ベルセルク 三浦建太郎 (著) 白泉社

ベルセルク 三浦建太郎 (著) 白泉社

アマゾン商品紹介 巨大な剣を背負い、鉄の義手をつけた剣士・ガッツ。彼の行くところ、血の雨が降り、死体の山が築かれる…! 大ヒット!! 圧倒的迫力の叙事詩!!

レビュー①

どんな話ですか? 主人公のガッツがゴットハンドと呼ばれる役216年に一度起こる覇王の卵と呼ばれているベヘリットが引き起こす蝕によって元人間から転生する超存在(バケモン)を追って旅を行う話。

元々鷹の団といわれる兵士団に所属していたガッツはもともと幼少期から剣術の腕を磨いて一人傭兵として生きていた。

その戦いぶりを目の当たりにした鷹の団の団長グリフィス(めちゃ強い)

はガッツを鷹の団に招き入れようと一騎打ちをしガッツは破れ入団することになる。そしてガッツは鷹の団で無敗の最強剣士となり、そうなった時に自らの存在意義を考え鷹の団を抜けることを決断する。

そしてその後ガッツは鷹の団と再会するのだが・・・。

なぜその漫画をオススメしたいですか? ストーリーの随所に人間の暗い部分や悲しみ憎しみが散りばめられ、それでいての感動のシーン(読めば分かる)などダークファンタジーでありながらも本当によく描かれている作品だと思います。細かい武器の由来や身に着けている装備、こんなものにそんな力が有るのかなど驚きのシーンなども多く描かれていると思います。

キャラクターなども一人一人個性的かつ繊細に描かれています。

そして何よりも戦闘シーンが本当にかっこいいです。

あまり子供には見せたいとは思いませんが((笑))

ダークファンタジーが好きな人にはたまらない作品になります!!!

作者の先生が死ぬまでに描き切れるのかという発言にもその作り込みの深さが感じられるかと思います。

もし少しでも興味があれば是非人に薦めたい作品です。

レビュー②

どんな話ですか? ダークファンタジーの巨編壮絶ファンタジーであるのですが、今から20数年前にアニメ化もされ、最も残酷なシーンで打ち切りとなりました。主人公が二人いるような錯覚に苛まれるような感覚で、今で言う進撃の巨人のような、グロさも際立つ中で、やはり「救われない」と言う世界観がなんとも言えません。ガッツとグリフィスが主人公のようなストーリーで進んでいくのですが、グリフィスの残虐さについていけなくなったガッツが鷹の団を脱退して、グリフィスが壊れる所からスタートするような感じです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? これまでの王道ファンタジーとは違い、初に近い中世の頃の成り上がりの時代を描いたダークファンタジーでありますので、グロやエロ何でもありで裏切りについても克明に描かれております。中世の頃の時代感を背負いながら、二人の主人公の救われないストーリーが何とも言えません。

残酷な神が支配する 萩尾望都 小学館

残酷な神が支配する 萩尾望都 小学館
アマゾン商品紹介 友達に恵まれ、ボランティアと勉強に励む幸せな生活を送っていたジェルミの日常は、ある男との出会いで一変する。母・サンドラの婚約者で大金持ちの英国紳士・グレッグ。ジェルミの苦痛に満ちた地獄の日々が始まった
レビュー
どんな話ですか? 友達に恵まれ、ボランティアと勉強に励む幸せな生活をボストンで送っていた少年・ジェルミ。シングルマザーの母親・サンドラが、英国紳士のグレッグと出会い再婚することに。2人の再婚を喜ぶジェルミだったが、グレッグから性虐待を受けてしまう。1度の過ちを盾にグレッグから脅迫されたジェルミは、その後も幾度となくグレッグから虐待され続けてしまう。母親への愛とグレッグへの憎しみのはざまで、心身が徐々に壊れていくジェルミは、ついにグレッグの殺人を計画してしまう。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 性虐待や親子関係のひずみを描いている作品なので、かなりずっしりと重い読後感ですが、人間心理の微妙な動きやサスペンスが好きな人には是非読んでほしい作品です。ジェルミとサンドラのいびつな親子関係、グレッグからの歪んだ愛情など、人間関係って健全なものだけではないことに気付かされます。

魔法少女・オブ・ジ・エンド  佐藤健太郎 秋田書店

魔法少女・オブ・ジ・エンド  佐藤健太郎 秋田書店
アマゾン商品紹介 ふつうの高校1年生、貴衣とつくねの学校に魔法少女が出現! 不思議な力で次々と同級生を殺していき……。 未曾有の絶望パニックホラー開幕(秋田書店HPより)
どんな話ですか? ややグロテスクな描写を含むパニックホラー系マンガです。
ある日突然主人公の学校に、子供の落書きのような不細工な姿の魔法少女が現れます。
その魔法少女は、学校の校舎から侵入すると、瞬く間に教室に飛び込み、生徒たちを不思議な力で大量惨殺し始めます。
なんとか校舎から逃げた主人公たちが目の当たりにしたのは、大量の魔法少女たちにめちゃくちゃにされた町の姿でした。
世界で何が起こっているのか、魔法少女とはいったい何者なのか。
舞台は過去へ行ったり未来へ行ったりし、徐々に真実が明らかになっていきます。
物語の冒頭から過激でグロテスクな描写が多く、ハラハラする展開で進んでいく物語です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 物語の序盤は、理不尽で圧倒的な暴力から逃げる主人公たちの視点から、ハラハラする気持ちでどんどん読み進めたくなります。
グロテスクな描写も多いですが、過激な描写にもつい目がいってしまいます。
真新しい新鮮さみたなものはそこもまでないのですが、ドキドキ感を味わえます。
物語の後半は、魔法少女たちの正体も次第に明らかになっていき、次第に対抗するすべを身に着けていった主人公たちは、事件を収束に導いていきます。
最後はそれなりにハッピーエンドで、座りのよい結末であり、程よくすっきり終わるから読後感も悪くありません。

ベアゲルター 沙村広明 (著) 講談社

ベアゲルター 沙村広明 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 3匹の獣(めす)が牙を剥き合う、おんなの修羅場!! 『無限の住人』の沙村広明が贈る、背徳のエンタテインメント! ――中国の売春街で起きた謎の殺人。それはやがて、日本の某・広域暴力団内部での現金盗難事件と結びつき、とある辺境の孤島にて、予期せぬ火花となり炸裂する!! 情慾(エロス)と暴力(バイオレンス)の完璧な融合……これが“叛逆ずべ公アクション”だ!!
どんな話ですか? 「無限の住人」「波よ聞いてくれ」などで有名な沙村広明が手がける叛逆ズべ公アクションの金字塔。
ヤクザの金をぶんどって舎弟と逃げたもののあっさり捕まってしまった主人公の忍は、命を助ける条件として、自身の出身地である石婚島への潜入を持ちかけられます。
なんと鄙びた離島に過ぎなかったはずの忍の故郷は、マフィアやヤクザが跳梁跋扈し、売春で栄える怪しげな場所へ変貌していました。
島へ潜入を果たした忍は、島を牛耳る巨大製薬企業に子供をとられて復讐の炎を燃やすトレーネや、製薬企業の用心棒である凄腕カンフー使い睫毛と出会い、娼婦の胎児を売り買いする石婚島のおぞましい暗部に迫っていくのですが……。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 叛逆ズべ公アクションのアオリが示す通り、メインキャラとなる忍・トレーネ・睫毛の三人がかっこいいです。

皆それぞれ過去を秘め、譲れない物の為に戦っているのですが、義手に仕込んだギミックをぶっぱなしたり、カポエラ風カンフーで悪党どもを薙ぎ払ったりとケレンミたっぷりの痛快アクションで魅せてくれます。

トレーネや睫毛と比べると小物の忍も、姉御肌で情に厚い一面を見せてくれるので憎めません。

多国籍マフィアやヤクザ、巨大企業の陰謀が渦巻く島が舞台であり、先の展開が読めずハラハラドキドキが持続します。

過激な拷問シーンも頻出するので、エログロ好きにもたまりません。

どんな人に読んでもらいたいですか? 強く美しくかっこいい女性が好きな人

ケレンミたっぷりのアクションが見たい人

ヤクザやマフィアの駆け引きが好きな人

陰謀・裏切り・愛憎劇のキーワードに反応する人

エログロ描写に耐性があり、フェティッシュな表現が好きな人

読んだことによるエピソード とくになし

シグルイ 山口貴由 (著), 南條範夫 (著) 秋田書店

シグルイ 山口貴由 (著), 南條範夫 (著) 秋田書店

アマゾン商品紹介 江戸時代初頭、天下の法に反して駿河城内で挙行された真剣御前試合で対峙したのは、片腕の若武者と盲目の天才剣士だった!! 残酷無惨時代劇!!
どんな話ですか? 江戸時代の初頭、美しい駿河城内では真剣を用いた御前試合が行われました。その第一試合に登場したのは二人の剣士。しかし両名ともその体はとても死闘に耐えられるようには見えません。一方は左腕を失っており、一方は片足が不自由、更に盲目だったのです。隻腕の剣士に骨を断つことはできず、盲目の剣士には皮を切ることすらできない。そう評され危ぶまれた試合でした。しかし剣士にはお互いに斬らねばならない理由と強い思いがあります。それを形作った壮絶な過去が15巻に渡って明かされる作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 封建社会に囚われる登場人物たちの狂気に触れられます。どんなに努力しても覆すことのできない身分の差。突然訪れる死はあまりにあっけなく、恐怖は大きい。特に主人公である藤木源之助の宿敵、伊良子清玄の存在が強烈です。彼の母は貧民集落で性を売り、客をとっていました。しかし野心を持っていた伊良子はその出自を偽り、士となって天下すら夢見るのです。が、身分を、士を憎む相反した気持ちを持ちながら歪んだコンプレックスに翻弄される姿は、江戸の社会で唯一現代的な思考を持っているようにも見え、深い共感が生まれます。
どんな人に読んでもらいたいですか? 血にまみれた死闘が好きな方、封建社会や武士の制度に興味のある方には是非お勧めします。残酷方面を突き詰めた作風は血なまぐさくも美しいので、ただのグロテスクではないストーリー性の強い作品を読まれたい方は特に。
読んだことによるエピソード 特になし。