秘密 -トップ・シークレット- 清水玲子 (著)  白泉社

秘密 -トップ・シークレット- 清水玲子 (著)  白泉社

アマゾン商品紹介 変死を遂げた米大統領、自殺した連続殺人犯…。彼らの脳に遺された映像が語る「秘密」とは…!? 大幅加筆の上、シリーズ第1作より収録!!

レビュー

どんな話ですか? 清水玲子さんの近未来SFサスペンス漫画となります。舞台は2060年代の警察で、この世界では殺人事件の被害者の脳をMRI操作することで故人の記憶(MRIで読み取れるのは画像となるため、聞いた記憶ではなく目で見た記憶)を読み取り操作を進めていくという設定となっています。MRI操作が行われるようになっている、という設定で2060年頃と設定されているのだと思いますが、事件自体は現在の世界でも起こりうるもので臨場感を持って読むことができます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 操作対象となるのは凶悪犯罪や重要な事件・人物に関わる場合のみであることから扱う事件の内容も重く、また他人の記憶を覗くということから捜査員の精神的負荷も高く、いろいろな思惑が混ざり合って、漫画ではありますが非常に読み応えのある内容になっています。

進撃の巨人 諫山創 (著) 講談社

進撃の巨人 諫山創 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 手足をもがれ、餌と成り果てようと、人類は巨人に挑む!! 巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の戦いが始まってしまう。――震える手で、それでもあなたはページを捲る。超大作アクション誕生! これが21世紀の王道少年漫画だ!!

レビュー

どんな話ですか? 100年前突然現れた巨人に滅亡寸前まで追い込まれ、人類が壁の中の危うい平和を享受している異世界が舞台。壁が巨人によって突破されたことで事態が大きく動いていく。母親を食われ巨人の駆逐を誓う少年と幼馴染たちの固い友情には、最後には戦うことになるドラマティックな展開だけに余計感動する。劣勢の人類が黙々と戦い続け、策がはまった時の高揚感、重要なキャラでさえ簡単に死んでしまうリアル、立場が違う人間がそれぞれの正義に従い下す決断と報われない結果。巨人とはいったい何であるかの謎解き、壁の中のクーデターを経てついに明かされる真実。見どころ多く、キャラも魅力的で、ラストがどうなるか予想つかず最後まで目が離せない。死と絶望が肌で感じられる独特な雰囲気も好みです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 相手にとって利があるとかではなく、単に自分がより楽しみたいから。面白くて興奮するものは、人も引きずり込んで熱く語り合ってしまいます。この漫画は伏線が多く深読みできる要素に満ちていて、会話を楽しむには最適です。

 

リアル 井上雄彦 (著) 集英社

リアル 井上雄彦 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 バスケを辞めてから何もかも上手くいかなくなった男・野宮朋美。街でナンパした山下夏美をバイクに乗せ事故り、ケガを負わせてしまう。高校も辞めた野宮は、ある日、古ぼけた体育館で車いすの男・戸川清春と出会い1on1のバスケ勝負を挑む。体育館でのバスケ勝負から繋がった野宮と戸川。ひょんなことから西高バスケ部キャプテン高橋と賭けバスケ対決をすることに。結果、賭けに勝ち西高体育館の鍵をゲットする。その高橋がある日、トラックに轢かれてしまい…。 【デジタル版では紙版未収録のカラーイラストを特別収録】

レビュー

どんな話ですか? 車椅子バスケが題材の漫画です。3人の主人公が軸となりストーリーが展開していくのですが、病気や障害を持った人達、障害を負わせてしまった人、仲間や家族との在り方などテーマとしてはかなり重い内容です。しかし障害を持っている、持っていないに関係なくその人がその人自身として生きることに悩み苦しみもがきながら進んでいく。決して全てがハッピーエンドで終わっていくような夢物語ではなく、現実と日々向き合っていくという内容になっています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 生きるという難しくなかなか答えの出ない事柄がテーマの漫画ですが、それぞれのキャラクターがどのように思い行動し葛藤しているのか。それを目で追うだけでも価値があります。名言集なのかと思うくらい心に響く言葉がたくさんあり、読むと前をむいていかなくちゃ!と思わせてもらえます。また、作者の遊び心で他の作品を思いださせるような言い回しが出てきたりするので井上先生の他の作品は読んだことがある方は絶対に楽しめると思います。もちもん暗い内容も多いですが、要所要所にクスっと笑えるような話も多く読めば読むほどハマっていってしまいます。

死役所 あずみきし (著) 新潮社

死役所 あずみきし (著) 新潮社

 

アマゾン商品紹介 お客様は仏様です。此岸と彼岸の境界に存在する、死役所。ここには、自殺、他殺、病死、事故死……すべての死者が訪れる。罪無き者は、天国へ。罪深き者は、地獄へ。あるいは――。“助けたこと、後悔してるんです。…こんなことを考えてる、自分が嫌で…”命を棄ててまで、守りたいものはありますか? 魂抉る死者との対話、待望の第1巻。

レビュー

どんな話ですか? 人間が死後どうなるかを描いた作品です。

自殺、不慮の事故、天寿等様々な理由で人間は必ず死にます。

死んだ後はどうなるのか?天国や地獄というのは本当に存在するのか?残念ながらこの世の人間は誰もその答えを知りません。

そのような「人間の永遠のテーマ」を題材とした作品です。

ここでは、人間は死んだ後「死役所」という場所に集められ、自分が死んだ経緯を思い出しながら細かく書類に書いていき、その後成仏する為の誓約書にサインします。

それと同時に自分の人生を振り返って未練や後悔の念を感じる人も多く、来世ではどのように生きたいかを考えます。

普通はその後成仏の扉へ向かうのですが、その人間たちを後目に成仏することができないでいる死役所の職員のアナザーストーリーを描いたお話です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? この話はオムニバス形式で、「一人の死人=一つの物語」というように作られているので、飽きずにサクサクと読み進めることができます。
この話の中で、死役所を訪れた人間(死者)のほとんどは、事故や殺人等の不本意な死に方ですので成仏することができます。すなわち、天国へ行くことができるのです。
ですが、弱いものいじめをしたり、死刑囚であった場合は天国へ行くことができません。因みにいじめを働いた人間は地獄へ、死刑囚は冤罪であってもこの「死役所」で働き続けることになります。
どんな悪者も死んだ後は「無」になって成仏することができる。そんなことは大間違い!というストーリーが倫理的で良いなと思った点です。

 

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 宮川サトシ (著) 新潮社

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 宮川サトシ (著) 新潮社

アマゾン商品紹介 「あんたもワテが産んだ傑作やでねぇ、なんも心配しとらんよ」。かつて僕が白血病になった時、母はこう笑い飛ばした。今度は僕が母を救う、そう決めたはずだったのに。死が近づく闘病の日々と、母を失った日常で僕が知った、最愛の存在がいない世界とその死の本当の意味。死後1年、母から届いたスペシャルな贈り物とは。特別編も収録! 涙と希望に溢れる家族エッセイ漫画。

レビュー

どんな話ですか? 主人公の母親がガンを宣告されるところから物語は始まり、二人三脚での闘病生活が始まる。

そんな主人公の思いとは裏腹に意欲的に取り組まない母親に苛立ち怒りをぶつけてしまう。

ついには母親は亡くなってしまい、主人公は初めて母親がいない世界をこれから生きていくのだと気づく。

生きていく中で、ふとした時に思い出す母との思い出、後に遺された人たちの心情、ついには母との繋がりが強い地元を出て東京で暮らすことを決意する。

そんな主人公の生き様が描かれている。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者が実際に体験した母親との闘病生活の日々、葛藤、自分にとっての幸せ、周りの変化を作者らしい言葉と画の表現で漫画化していて、子供にとって親という存在がいかに大きなものか、当たり前のように過ごしているこの時間が、かけがえのない時間なのだということを作品を通して教えてくれます。

読みやすい1巻完結というボリュームで、何度でも手にとって読み返したくなる、そんな作品です。

読んだ後は必ず親に会いたくなります。

「子供を殺してください」という親たち 押川剛, 鈴木マサカズ (著) 新潮社

「子供を殺してください」という親たち 押川剛, 鈴木マサカズ (著) 新潮社

アマゾン商品紹介 家族や周囲の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘…。現代社会の裏側に潜む家族の闇と病理を抉り、その先に光を当てる――!! 様々なメディアで取り上げられた押川剛氏の衝撃のノンフィクションを鬼才・鈴木マサカズ氏の力で完全漫画化!

レビュー

どんな話ですか? 実在する精神障害者輸送サービス事務所がモデルとなっている漫画で、引きこもりの人や精神疾患を持つ人を無理矢理ではなくしっかりと説得して医療につなげるという話です。

引きこもり本人とその家族が世間体などを気にするあまり、周囲に相談せずに問題を先送りしていたら、家族では手が付けられないほど悪化してしまったので事務所に依頼するところから話がスタートします。

アルコール依存症の人、エリート教育で心を病んでしまった人、お金でなんでも解決しようとしたがる家族、成人した子供を手放したい考えの親など様々な人が登場します。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 「精神障害者」や「引きこもり」という特殊な人間を描いているのではなくて、精神障害があっても一人の人間として、細かい心理描写があるのでただ単に「精神障害者や引きこもりは怖い」という内容で終わらせてしまっているのではなくて、誰でも些細なきっかけで精神障害者や引きこもりになることはあるのだと知ることができます。

実話に基づいたフィクションなので全ての描写にリアリティがあります。

放置して悪化してしまった精神障害者の入院の難しさ、自身や家族が心に異変を感じても世間体などを気にするあまり最初に精神医療に繋がることへの難しさは特に丁寧に描かれています。

ちいさいひと 青葉児童相談所物語 夾竹桃ジン, 水野光博, 小宮純一 (著) 小学館

ちいさいひと 青葉児童相談所物語 夾竹桃ジン, 水野光博, 小宮純一 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 増え続ける児童虐待。すべての子どもたちの幸せのため、駆け出し児童福祉司の相川健太は今日も奮闘する! サンデーでのシリーズ連載開始以来、大きな反響を呼んだ真剣ドラマシリーズが、ついに単行本化!! その命を救うため、その笑顔を取り戻すため、日々戦う大人たちがここにいる!

レビュー

どんな話ですか? これは児童保護施設の話です。育児放棄や虐待など、社会問題の一つとなっていますが、さまざまなケースに応じて保護士や福祉士がアドバイスしたり実際に子どもを保護する様子が描かれています。

「こども」ではなく、なぜ「ちいさいひと」と呼ぶのか、その理由も出てきます。身の回りから聞こえる泣き声や、怪我のあと、それらは本当にしつけや偶然なのか?

ためらわず、相談してもいいのではないか?

また、子育てに悩んだらアドバイスもくれる場所でもあるそうです。

保護する人、うまく育てられない親の気持ち、被害を受けた児童の感情…色々と考えられる漫画です。

そんなことを考える漫画です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 世の中には色々な境遇の人がいます。

私の友人は最近、結婚しました。

彼女が結婚した最大の理由は「同情」だったそうです。

彼女の旦那さんには娘がいました。

2人の娘の母親はネグレクトでした。

年齢のわりに幼い下の娘と、未だおねしょをしてしまう高校生のお姉さん。

部屋もゴミ屋敷のように汚かく、家事も育児も放棄して飲み歩いていた母親は、子どもに全く興味がなかったそうです。

たしかにそれは凄まじい光景だったと思います。

でも、おそらく、その母親にもなんらかの原因があったと思います。

虐待してしまった親の気持ちを知ることもできるのが、この漫画のオススメポイントです。

生理ちゃん 小山 健 (著) KADOKAWA

生理ちゃん 小山 健 (著) KADOKAWA
アマゾン商品紹介 「大変なのを生理のせいにできないから大変なんです」
悩める女性たちの元にも、ツキイチで生理ちゃんはやってくる。イタイ、ツライ、メンドクサイを吹き飛ばすほど、笑って泣けちゃう大傑作!
共感の嵐を巻き起こす生理ちゃんが、嬉しい描き下ろしも収録して待望のコミックスに!

レビュー

どんな話ですか? 毎月嫌でも必ず女の子達にくる、つらくて重くてだるくて痛い生理をテーマに描かれた漫画です。生理が来た日からの何気ない日常や生理になっている日の人との関わり方など女性のナイーブなことだけど、面白くて分かりやすく紹介してくれています。彼氏と楽しみにしていた旅行の日に急に予定外の生理になり一気にテンションが下がり旅行を満喫できなくなる彼女。彼氏にも優しく接することができなくなります。女性なら誰でもわかる!と共感できるのではないでしょうか。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 内容はもちろん面白いものも多いですが、女性なら共感できる内容であり私だけが生理で苦しんでる訳ではないことも知れます。男性側の女性が生理になった時の反応だったり対応もリアルに見れて面白いです。毎月くる嫌な生理に振り回される女性の気持ちをいろんなストーリーの中に詰め込まれているので飽きることなく読めます。気分が急激に落ち込んだりやる気がなくなることは誰でもあると思うので、生理で気分が落ちてる日にこそ家でゆっくりと笑いながらこの漫画を読んでほしいです。

炎の料理人周富徳 荒 仁 (著), 今泉 伸二 (イラスト) 集英社

炎の料理人周富徳 荒 仁 (著), 今泉 伸二 (イラスト) 集英社

どんな話ですか? 多数のテレビ出演でも有名な中華料理の巨匠、周富徳の半生をベースにした伝記風の作品。
グルメ漫画、ドキュメンタリー漫画というより、幼少から下積み時代の奮闘、修行先での試練やライバル料理人としのぎを削るコンクールを経てステップアップしていくという、エンターテインメント性が強く打ち出されています。
大らかで血気盛ん、お調子者の周は初めこそバタバタして挫折を味わうものの、たゆまぬ努力と土壇場での天才的な閃きによって目の前のハードルを次々と乗り越え、日本における中華料理文化に新しい可能性を開拓していきます。
順調に腕を上げつつあったある日、尊敬していた親方が病に倒れ、実力ナンバー2の副料理長も、やむなく中国へ帰郷することになります。
新料理長に抜擢されたのは周でした。ついに組織のトップに立った彼は、はたして伝統ある名店を守っていけるのでしょうか。
なぜその漫画をオススメしたいですか? かなりフィクション成分が強く、若き日の周氏は「浅草橋ヤング洋品店」などで見せる陽気でコミカルなキャラクターそのままに描かれています。
最大のみどころは、どう考えても不利な土壇場で活路を見出す、周の天才的な閃きです。
しかしそれらは、日々の努力や料理に対する好奇心、良いものは何でも吸収しようとする貪欲さに裏打ちされたものであり、単なる行き当たりばったりとは違う備えの大切さを教えてくれるように思います。

恐怖新聞 つのだじろう (著) ゴマブックス株式会社

恐怖新聞 つのだじろう (著) ゴマブックス株式会社

アマゾン商品紹介 深夜にどこからともなく配達され、1日読むごとに100日ずつ寿命が縮まるという「恐怖新聞」! そんな恐ろしい「恐怖新聞」が届けられることになった中学生・鬼形礼が体験する怪奇現象とは!? 週刊少年チャンピオンで連載された戦慄のホラー漫画がここに登場!!

レビュー

どんな話ですか? 心霊を中心にした超常現象全般を扱った怪奇マンガで、主人公の鬼形礼に届く、読むと100日寿命が縮まる「恐怖新聞」の記事どおりに人々を襲う不幸、配達人であるポルターガイストと礼との奇妙な関係、そして闘いと結末が描かれています。
新聞を受け取らないように手をつくしても、雨戸を破って部屋に入ってくるなど強制的に読まされるため、礼は着実に死に近づき、また数々の悲惨な予言や怪奇現象に苦しむのでした。
ポルターガイストは生前新聞配達をしており、恐怖新聞によって礼を殺し、見返りに成仏するのが目的の悪霊です。
関わった人間を諭すこともまれにあり、多少人間だった頃の理性を覗かせるものの、結局は礼の協力者である霊媒師を妨害して、自分の欲望を叶えてしまいます。
やがて礼の魂は、恐怖新聞のあらたな配達人として闇の中を徘徊するようになります。
除霊してハッピーエンドにならず、かといって守護霊に護られながら息を引き取ったはずの礼がなぜか現世に留まってしまうという、最初から最後まで何とも言いようのない恐怖が支配する作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 霊魂だけでなく雪男やUFO、悪魔、迷信と思われている現象まで幅広いオカルトを扱っており、「恐怖新聞」は単に鬼形礼や身近な人の運命を予告するだけでなく、これら超常現象に深く切り込んでいるため、リスクを承知で思わず自分も「新聞」を頭から読んでみたいという誘惑にかられてしまいます。
もちろん寿命が縮んでも、誰も責任を取ってくれません。礼の身に起こった悲劇を考えると、フィクションだからと馬鹿にできない恐怖を味わえるのではないでしょうか。