血の轍 押見修造 (著) 小学館

血の轍 押見修造 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 「惡の華」「ハピネス」「ぼくは麻理のなか」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏が、ついに辿り着いたテーマ「毒親」!

母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。母・静子によって。狂瀾の奈落へと!

読む者の目を釘付けにせずにはおけない、渾身の最新作!!

レビュー

どんな話ですか? 簡単に言えばマザコン漫画ですが、明るいマザコン漫画ではなく、どちらかというとダークなマザコン漫画です。

美しい母親の静子は息子の静一を溺愛していますが、明らかに歪んだ愛情で溺愛しており、それが原因で母親は息子の友人を崖から突き落としてしまい大きな事件に発展していきます。

更に静一に彼女ができそうなると母親が妨害をするシーンも多く内容はどちらかというと気持ち悪いですが、続きが気になり不思議な魅力に嵌っていく漫画だと思います。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 最初はどこにでもいるような平凡な家庭の話ですが、読んでいくうちにジワジワとこの親子の危険な部分が出てきて特に静子の「これは本当に危険な母親なんだな」という部分を見れます。

過激なホラー漫画とは違い独特の迫力もあるので、自分としては是非おススメしたいです。

 

ホットロード 紡木たく (著) 集英社

ホットロード 紡木たく (著) 集英社

アマゾン商品紹介 “夜明けの蒼い道 赤いテイルランプ 去ってゆく細いうしろ姿 もう一度あの頃のあの子たちに逢いたい 逢いたい……” 母親と2人で暮らす14歳の少女・和希。親の愛に恵まれず、行き場のない不満を抱える彼女は、ある日、刹那的に生きる暴走族の少年・ハルヤマと出会う。どこか似たもの同士の2人は、いつしか互いに惹かれあっていき…。

レビュー

どんな話ですか? 和希と春山の物語です。

暴走族に入っている春山は和希のことを気に入り二人は付き合うことになります。

和希の母親と関係が上手く行っておらず、二人の間には大きな溝があります。

春山と付き合うようになってから、和希は学校にも行かなくなり家にも帰らなくなってしまうのです。

しかし和希の心の傷を埋めてくれたのは春山でした。

母親との間を取り持ってくれたのも春山だったのです。

和希と春山の絆はどんどん深くなっていきます。

そんな時暴走族同士の争い中、春山はトラックに轢かれて意識不明の状態が続きます。

その後なんとか意識を戻したのですが、辛いリハビリと喧嘩をしたことによって少年院に入ることになるのです。

その間も和希はずっと春山のそばにいました。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 現在にはあまりない硬派な漫画だと思います。

14歳の和希の心模様がたくさん見れて、何もかもに反抗したいという気持ちが表現されています。

和希の母親の気持ち、友達の気持ち、春山との関係などは、14歳の和希を大人にするために必要な大切なことばかりでした。

同じような年齢の頃に、自分も同じような思いを抱えていたと重なる部分があり共感できたのです。

和希が春山と出会ってからどんどん少女から大人の女性になっていく姿の成長を見届けることができます。

 

まだ、生きてる・・・ 本宮 ひろ志 (著) サード・ライン

まだ、生きてる・・・ 本宮 ひろ志 (著) サード・ライン

アマゾン商品紹介 定年を迎えたサラリーマン・岡田憲三。家に帰ると家族は消えていた。妻が全財産を持ち逃げし、息子や娘は音信不通に・・・。生きる事に疲れた希望も無くした憲三は、60年の人生の幕を閉じようと、故郷・房総の山奥に入り首吊り自殺を図るが・・・。現代人に生きる事の意味を問いかける意欲作、第一巻。

レビュー

どんな話ですか? 物語の主人公はサラリーマンで、長年勤めた会社を定年退職した際に、突然、退職金を持って家族に逃げられる。主人公は故郷に帰って山で自殺を図るが、失敗して山で死ぬまで生きようと決意する。幼い頃におばあちゃんに教えられた生活の知恵を利用しながら、逞しく生きていく。ヨモギを利用した傷薬や、ドングリを食料にしたりと、今では忘れ去られている利用方法があるのだと感心する。会社勤めに疲れたサラリーマンに読んで欲しい漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 都会の生活に疲れて死のうと思っていたサラリーマンが、同じく自殺しようとしていた若い女性、産まれた子供の3人とともに生活する中で、生きることの本当の意味を教えてくれるとても感動的な作品だから。年功序列や終身雇用、メンバーシップ型の仕事という独特の制度がまだ色濃く残っている日本の会社の中では、人間関係に悩みながら、仕事にやりがいを感じられないサラリーマンorサラリーウーマンも多く働いていることだろう。そのような疲れた会社勤めの人々の価値観を変えてくれると思う。

 

ラララ 金田一蓮十郎 (著) スクウェア・エニックス

ラララ 金田一蓮十郎 (著) スクウェア・エニックス

アマゾン商品紹介 自宅ではいつもおっぱい丸出し素っ裸状態の石村亜衣。バーで酔っ払っていた桐島に婚姻届にサインをさせ、その翌日いきなり離婚届けにサインを迫るそのワケとは?

レビュー

どんな話ですか? 会社をリストラされた桐島士朗が、バーで知り合った石村亜衣と流されるまま結婚してしまう。外科医の亜衣を専業主夫として支える士朗、ふたりの結婚生活の物語である。初めは亜衣が自らがバツイチになるために、士朗を丸め込み行った愛の無い結婚であった。

亜衣をふくめ、周りの人々も複雑な事情を持っている人物が登場する。しかし、お互いがそれぞれの背景を理解し受け入れ、お互いのことを思いやるようになり、いつしか本当の信頼関係を持つ夫婦となっていく、笑いあり、時々涙ありのハートフルストーリー。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 出てくる登場人物は亜衣や准といった、複雑な事情を抱えている人が多い。

その内情はネグレクトだったり、放置子だったり、トランスジェンダーだったりで、なさそうで実際にあるテーマであるのが興味深い。その複雑な事情を持つ人々のことを理解し、受け入れるという、読んでいる人の心をジーンとさせる漫画である。と、同時にそれら社会的問題について考えてしまう漫画でもある。とても面白いのだが、面白いだけで終わらず、考えさせられる、というのが、この漫画の良いところだ。

登場人物がみんないい人で、結果安心して読めるところも良いところだろう。

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 宮川サトシ (著) 新潮社

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 宮川サトシ (著) 新潮社

アマゾン商品紹介 「あんたもワテが産んだ傑作やでねぇ、なんも心配しとらんよ」。かつて僕が白血病になった時、母はこう笑い飛ばした。今度は僕が母を救う、そう決めたはずだったのに。死が近づく闘病の日々と、母を失った日常で僕が知った、最愛の存在がいない世界とその死の本当の意味。死後1年、母から届いたスペシャルな贈り物とは。特別編も収録! 涙と希望に溢れる家族エッセイ漫画。

レビュー

どんな話ですか? 主人公の母親がガンを宣告されるところから物語は始まり、二人三脚での闘病生活が始まる。

そんな主人公の思いとは裏腹に意欲的に取り組まない母親に苛立ち怒りをぶつけてしまう。

ついには母親は亡くなってしまい、主人公は初めて母親がいない世界をこれから生きていくのだと気づく。

生きていく中で、ふとした時に思い出す母との思い出、後に遺された人たちの心情、ついには母との繋がりが強い地元を出て東京で暮らすことを決意する。

そんな主人公の生き様が描かれている。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者が実際に体験した母親との闘病生活の日々、葛藤、自分にとっての幸せ、周りの変化を作者らしい言葉と画の表現で漫画化していて、子供にとって親という存在がいかに大きなものか、当たり前のように過ごしているこの時間が、かけがえのない時間なのだということを作品を通して教えてくれます。

読みやすい1巻完結というボリュームで、何度でも手にとって読み返したくなる、そんな作品です。

読んだ後は必ず親に会いたくなります。

家栽の人 毛利甚八 (著), 魚戸おさむ (著) 小学館

家栽の人 毛利甚八 (著), 魚戸おさむ (著) 小学館

 

アマゾン商品紹介 ▼第1話/ポトス▼第2話/カラジューム▼第3話/ポインセチア▼第4話/ユズ▼第5話/コブシ▼第6話/タンポポ▼第7話/桜桃▼第8話/マルハチ▼第9話/サボテン▼第10話/ザクロ  ●登場人物/桑田義雄(緑山家庭裁判所判事)  ●あらすじ/父親が高裁の長官であり、自身も将来を嘱望される身であるにも関わらず、“家裁”にこだわり栄転を拒否したことのある桑田。そして、暇さえあれば裁判所の周囲の植物に会いに出かけたり、世話をしたりする彼を変人と言う者もいる(第1話)。▼ある日、桑田の元に持ち込まれたのは離婚した夫婦の子供の親権問題。お互いに権利を主張する両者に「子供の幸せは争って与えるものではない」と諭す桑田。もと夫婦は桑田の言葉によってもう一度やり直そうと考え始める……(第3話)。

レビュー

どんな話ですか?  家庭裁判所(途中から地方裁判所)を舞台とするヒューマンドラマです。

古い作品ですが、過去に何度か実写ドラマ化され、昨年もドラマ化されたので、若い方もご存知だと思います。

主人公の桑田判事は、植物を愛する物静かな人物。現場主義で「池に沈める体罰」を実証実験してみるなど、かなり思い切った事をする大胆さも持っています。

家事審判や遺産相続、少年犯罪関係など、事件の審理が中心ですが、主人公の桑田判事は法廷外でも活動があり、絵的にも野外を含むシーンの変更がある為、退屈しません。

よく言われる「人の縁」や「家庭は社会の最小単位」が、改めて実感できます。

意外な人物や出来事が事件の解決に繋がり、伏線の回収でストーリーがダイナミックに展開します。

遺産相続とピラカンサ、少年事件とスノードロップ、外国人犯罪とナノハナなど、ストーリーには毎回、キーとなる植物(性質や花言葉など)が絡む為、植物にも詳しくなれます。

※ 昭和に連載が始まったやや古い漫画なので、一部、現行法とは異なる表現があります。

例:禁治産の件

なぜその漫画をオススメしたいですか?  傍聴に行かない限り見ることのない裁判の様子が、リアルに表現されています。

裁判関係の職業が、裁判官や弁護士以外にも詳しく描写される為、お仕事漫画としても秀逸です。

一話限りしか登場しない人物にも、人生の奥行と厚みがあって、何故、そんなことになってしまったのか、自分ならどうするだろうなどと、他人の人生を疑似体験できた気持ちになります。

また、立場が異なる複数の人物の視点や、その行動に至る過程なども描写される為、物事を一面だけから決めつけない多角的な視点に気付かされます。

アオハライド 咲坂伊緒 (著) 集英社

アオハライド 咲坂伊緒 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 高1の双葉には中学時代から忘れられない初恋の人、「田中くん」がいる。中学のとき女子に、はぶられた経験から自分を偽って日々過ごしている。「田中くん」を思わせる男子に出会うが、彼は――。熱く青く一生懸命にぶつかりあう高校生活グラフィティ!

レビュー

どんな話ですか? 中学生時代に出会った初恋の人である「田中くん」に再会する双葉。しかし久しぶりに会った田中くんは双葉の知っていた「田中くん」ではなかった。苗字も変わり、性格も以前とは違う彼に昔の「田中くん」を探してしまう双葉。一方馬渕として生活している彼も双葉に気のある様子を見せる場面もありながら、家庭の辛い現実が付きまとい、自身を責め、幸せになってはいけないという思い込みから双葉に離れていく。恋愛だけでない、友情や家族愛なども考えさせられる漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 少女漫画好きなら知らない人はいないかもしれません、アニメにも映画にもなった名作です。ただ原作はアニメとも映画とも全く違った良さがあり、洸の格好良さはもっともにじみ出ていますし、アニメは特に気だるそうな性格にも見えますが、原作はもう少し優しく、本気の人柄に見えます。アニメや映画は知っているけれど、原作は読んだことがない人もきっと多いと思いますが、全く違った良さがあるので、ぜひ原作で堪能してもらいたいです。

プリンセスお母さん 並庭 マチコ (著) KADOKAWA

プリンセスお母さん 並庭 マチコ (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 「こんなお母さんいてほしい」との声続々!
娘が語る、ちょっと(?)不思議な母と家族の
爆笑実録ギャグコメディ!

レビュー

どんな話ですか? 著者である漫画家さんの家庭の様子を描いた漫画になります。ストーリー漫画ではなく日々の様子を漫画にしているんですが、その様子が普通ではないのです。主人公は漫画家さんの母親になります。このお母さんがとてもいい意味で変わっていて数々の奇行を見せるんです。たとえば一緒に寛いでいる時になんの脈絡もなく「植物人間状態になったら延命してほしい?」などと質問してきたりします。そんな風に変わりすぎているお母さんの挙動を楽しむ漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? この漫画を読んでいるととても楽しい気持ちになるからおススメしたいですね。最近はコロナやそれでなくてもストレスフルな毎日を送っている人も多いと思います。私もそうでした。しかしこの漫画を読めばそんな重苦しい空気もどっかに吹き飛んでしまいます。これは本当にそう思いました。気分があっという間に明るくなり人生を肯定的にとらえられるようになりました。主人公であるお母さんはどんなに変わっている自分であれ受け入れて愛しているのです。その姿が胸を打つんだと思います。元気になれるんでぜひともおすすめしたい漫画ですね。

私はシャドウ 粕谷紀子 (著) 集英社

私はシャドウ 粕谷紀子 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 【ページ数が多いビッグボリューム版!】夫・武文を熱愛する専業主婦・浅葱芹菜。彼に尽くすことが生きがいだが、彼女を見る周囲の目は冷ややかで、浮かれているのは芹菜ばかり。そんなある時、「ベタベタした関係は気持ち悪い」と夫に言われ、友人・もと子の誘いである決心を…!?

レビュー

どんな話ですか? 世間知らずで、何もできない専業主婦の芹奈。夫が大好きで、浮気されてもDVされても愛し続けて耐えていた。

探偵の陣内に、助けてもらい、最初は口封じのために事務所の手伝いにいくが、

変装し、技術も身につけ、芹奈自身も探偵に。芹奈が山田という別人に変装し、

夫の会社へ潜入し、夫の浮気と、夫がだまされていることを知り、

力になろうとする。

夫との結婚自体も仕組まれたものだと知り、組織をあばこうとする。

何もできなかった芹奈が、どんどん人間味を帯びてきて、何でもできるようになり、

成長していき、美しくなっていくのは読み応えがあって引き込まれる。

話しの内容はスケールが大きく、

とても最初の専業主婦のぐうたら生活とはほど遠い。

最後に陣内を掌で転がしている感じがいい終わり方だった。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 昔の漫画だと思うが、話しに引き込まれる。

絵柄は古いが、丁寧に描き込まれているので、細かいところまで見るのも楽しい。

主人公がどんどん成長していくのが、読んでいてきもちがいい。

話しがとても入り組んでいて、

どこがどこにつながっているのか?と思うのもおもしろい。いろんなトラップが仕掛けられていて、

読み応えがあります。出てくる脇役も、ちゃんと過去があって、キャラクターがしっかりしているので愛着が湧く。最初は面白くないなーと思って読み始めたけれど、止まらなくなります。

の、ような。 麻生海 (著) 芳文社

の、ような。 麻生海 (著) 芳文社

 

アマゾン商品紹介 それは人生の劇的変化…。一人暮らしの希夏帆の前に恋人・愁人が連れてきた二人の少年。二人は愁人の親戚で両親を失ったばかりの兄弟だという。希夏帆の家で生真面目な中学2年生の冬真、天真爛漫な5歳の春陽、そして愁人の4人は同居生活をすることに。戸惑う日々の中、彼らの新たな関係が始まる――。

 

どんな話ですか? 一人暮らしの希夏帆の前に恋人・愁人が二人の少年を連れてきます。彼らは愁人の親戚で両親を失ったばかりの兄弟です。

希夏帆の家で生真面目な中学2年生の冬真、天真爛漫な5歳の春陽、そして愁人の4人は同居生活をすることになります。

彼らの新たな生活が始まり、戸惑いながらもお互いの距離を縮めていく生活は家族のカタチをつくっていきます。

日々の家事は勿論、クリスマスや年末年始、幼稚園でのミニ事件をはじめとして、優しさや温かさを感じる物語です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? クリスマスのプレゼントや幼稚園のイベントなど、親がしてくれた様々なことを思い出し、感謝の気持ちが湧き上がるため。

育児の場面でぶつかる様々な困難にも、手探りながらも向き合おうとしていく登場人物に心を打たれ、自分自身も頑張ろうと思う。

特に、希夏帆は不器用ながらも頭の回転が早く、理不尽なことには理路整然と意見を述べ、他人の子どもに対しても真っ当な意見を伝えます。現実世界では中々難しいことではありますが、勇気をもらえます。