炎の料理人周富徳 荒 仁 (著), 今泉 伸二 (イラスト) 集英社
どんな話ですか? | 多数のテレビ出演でも有名な中華料理の巨匠、周富徳の半生をベースにした伝記風の作品。 グルメ漫画、ドキュメンタリー漫画というより、幼少から下積み時代の奮闘、修行先での試練やライバル料理人としのぎを削るコンクールを経てステップアップしていくという、エンターテインメント性が強く打ち出されています。 大らかで血気盛ん、お調子者の周は初めこそバタバタして挫折を味わうものの、たゆまぬ努力と土壇場での天才的な閃きによって目の前のハードルを次々と乗り越え、日本における中華料理文化に新しい可能性を開拓していきます。 順調に腕を上げつつあったある日、尊敬していた親方が病に倒れ、実力ナンバー2の副料理長も、やむなく中国へ帰郷することになります。 新料理長に抜擢されたのは周でした。ついに組織のトップに立った彼は、はたして伝統ある名店を守っていけるのでしょうか。 |
なぜその漫画をオススメしたいですか? | かなりフィクション成分が強く、若き日の周氏は「浅草橋ヤング洋品店」などで見せる陽気でコミカルなキャラクターそのままに描かれています。 最大のみどころは、どう考えても不利な土壇場で活路を見出す、周の天才的な閃きです。 しかしそれらは、日々の努力や料理に対する好奇心、良いものは何でも吸収しようとする貪欲さに裏打ちされたものであり、単なる行き当たりばったりとは違う備えの大切さを教えてくれるように思います。 |
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