ハルとアオのお弁当箱 まちた (著) コアミックス

ハルとアオのお弁当箱 まちた (著) コアミックス

アマゾン商品紹介 ひとりで食べてるのにひとりじゃない。誰かが作ってくれたから、お弁当は今日も温かい。オタク女子のハルは、いつもは平気なのにふとしたある日、彼女を憐れむ世間の目に落ち込んでしまう。そんな時に出会ったオネエの蒼くんとハルは意気投合し、勢いで同居をすることに。だが、同居のルールはお弁当を作り合うことで!?「おはようとかおやすみとか」のまちたが贈る優しくて心温まる、手のひらサイズの往復書簡!
どんな話ですか? アニメオタク女子のハルは、いつもはどんなことがあっても平気なのにふとしたある日、彼女を憐れむ世間の目に落ち込んでしまいます。そんな時出会った看護士のオネエの蒼くんとハルは意気投合し、勢いで同居をすることになります。同居のルールはお弁当を作り合うことで、料理初心者のハルですが蒼君を喜ばせようと奮闘します。お互いの考え方を尊重しつつ同居をするのは難しいですがお弁当交換をすることで友情が深まっていきます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 同居というと男女の恋愛や同性の友情が一般的なテーマであるが、この物語では性別にとられずに好きな相手と一緒に暮らすというところが素敵です。お弁当作りを通じて相手を思う気持ちがよく伝わってきて幸せな気持ちになります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 日常に疲れている人、恋人といても新鮮味がないなーとマンネリを感じている人におすすめしたいです。特別なことをしなくても日常を少し丁寧に暮らすだけで、新たな幸せを感じることがあると思います。
読んだことによるエピソード 私も家族にお弁当を作りたいと思いました。

先生の白い嘘 鳥飼茜 (著)  講談社

先生の白い嘘 鳥飼茜 (著)  講談社

 

出典:先生の白い嘘

 

アマゾン商品紹介 「このマンガがすごい!オンナ編」2014に第9位を獲得した、注目作家鳥飼茜の青年誌最新作、登場!原美鈴は24歳の高校教師。生徒を教師の高みから観察する平穏な毎日は、友人・美奈子の婚約者、早藤の登場により揺らぎ始める。二人の間に、いったい何があったのか?――男と女の間に横たわる性の不平等をえぐる問題作、登場!
どんな話ですか? 高校で教師をする平凡な主人公の日常があることをきっかけに少しずつ変わっていきます。主人公と、その周りの人物を通じて、男女の関係性、性の不平等に踏み込んだお話です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? テーマが少し重たい話ですが、自分自身の内面や承認欲求、他人との付き合いについて考えさせられます。男女というカテゴリー関係なく、他者との関わり方や力関係などについて嫌というほど向き合わせてくれる漫画です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 読んだ後に、救いがあるか・疑問に対して答えを見つけられるかは分かりませんが、他人との関わり合い方について考えたいという人におすすめです。じっくりと漫画に向き合いたい人におすすめです。恋愛に対して、もう少し深く考えてみたいと思った人にも是非読んでもらいたいです。
読んだことによるエピソード 特になし

xxxHOLIC CLAMP (著) 講談社

 xxxHOLIC CLAMP (著) 講談社 

アマゾン商品紹介 不思議コメディ!
霊感体質の持ち主、四月一日君尋(ワタヌキキミヒロ)はある日、吸い寄せられるように一軒の家に…。そこは、市原侑子(イチハラユウコ)という名の妖しい女性が主人をつとめる店で、どんな願いも、見合った対価をはらえばかなえるという。そこで働かざるを得なくなった君尋は、今日もコキ使われて…!?「店よ。ねがいがかなう、ミセ。そのかわり対価をを頂くわ。それに見合った、ね」“あやかし”が視えてしまう四月一日(ワタヌキ)が必然的に訪れてしまった店とは!?

レビュー①

どんな話ですか? あやかしに好かれやすい体質の高校生・四月一日君尋が、壱原侑子(主人公)という女性と出会う。侑子は、四月一日のあやかしに好かれやすい体質をどうにかする替わりに、侑子の元でバイトをすることを条件として提示する。四月一日はバイトをする中で、悩みを抱えた人間や人でない者などの不思議な“客”と出会い、奇怪な出来事に遭遇していく。毎回、何かを抱えた人が無意識に引っ張られるようにして侑子の元へやってくる。その度に侑子が解決するが、なんだかんだで四月一日も結構巻き込まれる。
なぜその漫画をオススメしたいですか? この漫画の独特な世界観、ミステリアスで妖艶な雰囲気や侑子の言う言葉には、つかみどころがなくふわふわとした部分がありながらもどこか核心をつき、ふに落ちると言う不思議な力があります。そんな裕子のもとに訪れるお客さんは、大抵何か悩みを抱えていたり、大きな願いがあったりします。友達に見栄を貼りたくて虚言癖がある人、ネット中毒者、自分が特別だと自惚れて他人に迷惑をかけていることに気付かない人。そういう人の持つ願望や欲望のようなものを、侑子らしく解決していくところが見所です。

レビュー②

どんな話ですか? あやかしが視える特異体質を持つ主人公・四月一日君尋(わたぬき  きみひろ)。
ある日、あやかしに追いかけ回されているうちに見知らぬ店に迷い込み、店主の妖艶な女性・侑子(ユーコ)と出逢う。
侑子は相応の対価を貰って願いを叶える店を営んでおり、四月一日は自分の体質を治して欲しいと頼む。
体質を治すには莫大な対価が必要なため、労働力が願いに見合うまで四月一日は侑子の店で働くことになる。
店を訪れる客と交流しながら、四月一日の出生や体質の謎、世界の秘密が明かされていく、独特な世界観が魅力のファンタジー漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 独特な世界観にまず惹かれますが、この漫画は特に「日常」と「非日常」がうまく溶け合っている良作だと思います。
話やテーマはやや難解で重いように感じますが、そのぶん自分なりに解釈して楽しむことができます。
絵が綺麗で話もよく作り込まれているので、是非とも読んで頂きたいです!

レビュー③

どんな話ですか? 男子高校生の主人公・四月一日(わたぬき)は昔から妖(あやかし)が見える上に、呼び寄せる体質で苦労していたが、ある学校帰りに見たことのないお屋敷に体が吸い寄せられ、そこに住む怪しい女主人、侑子と出会う。彼女はなんでも願いを叶えてくれるらしく、願いを叶える代わりにそこでバイトをすることになる。様々な妖怪や幽霊、奇怪な物たちなど、現実とは裏の世界を知るたびに、実は侑子と出会ったこと自体が『必然』であり、四月一日の生い立ちも関わっていて、彼を含めた周りの者も巻き込んで、様々なものに葛藤しながら成長していく話。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 純和風でありながら妖々しく奇々怪界で、鼻に付くような艶っぽさと、色気が独特で読み手を魅了する作品。何よりも女主人の侑子がひたすらに美しい。登場するたびに着ている服が違う上、全て美しい!どんな立ち姿でも絵になる上、こんなにキセルが似合う女主人はなかなかいない。周りに出てくるキャラクターも全て魅力的。絵が本当に綺麗で、現実の裏の世界とはこんな感じなのかなぁと思わず思いを馳せてしまうほど、ファンタジーでありながら、現実みがあってそそられる面白い作品。

20世紀少年 浦沢 直樹 (著) 小学館

20世紀少年 浦沢 直樹 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 無事、2016年を迎えられた人類へ捧ぐ。

浦沢直樹が世に放ち、日本中を席巻することとなった大ヒット作、『20世紀少年』。
来年完結10周年を迎える本作が、雑誌掲載時のカラーを再現した完全版として遂に登場!

作中では、2015年に人類は滅亡――
以降、西暦は「ともだち暦」と改められる。
まさに、今読むべき黙示録。

オリジナル単行本2冊を1冊にまとめ、読み応え充分の全11巻+『21世紀少年 完全版』全1巻で刊行スタート!
あらすじ/1997年、ケンヂが営むコンビニへ刑事が訪れた。ケンヂがいつも酒の配達をしている敷島家が、全員行方不明になったのだという。敷島家の集金がまだ終わっていなかったケンヂは、飲み逃げかと落ち込むものの、渋々ビールの空きビンを取りに敷島の家を訪れる。するとそこには、どこかで見たことがあるような、不思議なマークが壁に描かれていた(第1話)。▼ケンヂは、幼なじみのケロヨンの結婚式に出席していた。ケロヨンとは少年時代、小学校の仲間たちと近所の空き地に秘密基地を作り、みんなで地球の平和を守るために戦うと誓い合った仲だった(第2話)。

レビュー①

どんな話ですか? ケンヂとその仲間たちが小学生時代に書いた「よげんのしょ」をもとにストーリーが展開していく。ケンヂは、姉の子カンナを育てながら実家のコンビニで働いていた。そんなある日、小学校の同級生のドンキーが投身自殺したとの訃報が舞い込んでくる。ケンヂのもとにはドンキーからの手紙が送られており、その中には「このマーク、覚えてないか?」との文字とマークが書かれていた。そのマークは、数日前に行方不明になった敷島教授の家の壁に描かれていたものと同じだった。そして同じ頃、そのマークをモチーフとした教団で「ともだち」なる存在が世界を動かし始めていた。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 正義とは何か、友情とは何かを教えてくれる作品。誰しもが子ども時代に経験したような息苦しさと罪悪感を思い出させ、子どもの善と悪について考えさせられる。また人間の精神のもろさ、すがりたいという気持ち、洗脳と信仰についても深く考えさせられる。善が悪になり、正が負になるような逆転があり、いったい何が正しいのか、誰が正しいのかをいろんな視点で感じることができる。今この時代をどうやって生きてくか、ケンヂやカンナ、仲間たちの生き方から学ぶことができるように思う。

レビュー②

どんな話ですか? 冴えない主人公遠藤健児(ケンヂ)が、少年時代からの友人たちと共に地球滅亡を企てる悪の組織に立ち向かうSFサスペンス大作。

大阪万博を翌年に控えた1969年、ケンヂは友人たちと秘密基地の中で「よげんの書」を作って盛り上がる。悪の組織が企てる地球滅亡計画に、正義のヒーローとして立ち向かうのはもちろん自分達。仲間のオッチョ、ヨシツネ、フクベエらと共に他愛のない空想で盛り上がる、昭和の平和な小学生だった。

時は流れ、ヒーローどころか冴えないコンビニ店主となったケンヂ。ロック歌手になるという夢をあきらめ、酒屋だった実家の店を改装したコンビニで働き、パッとしない日々を送っているのだ。そんな平凡な日常が、世界各地で起こり始めた異変によって一変していく。なんと、子供の頃自分達が考えた「よげんの書」のとおりに世界が破壊されて行ったのだ。

その事実にいち早く気づいたケンヂは、悪の首謀者「ともだち」に立ち向かうべく、昔の仲間達と共に立ち上がる。

なぜその漫画をオススメしたいですか? もともと浦澤直樹のマンガのファンなのですが、その中でも冒険性、サスペンス性に優れたエキサイティングなストーリーです。物語は1970年代前後と現代を行き来する内容になっており、当時、主人公と同じように小学生だった世代の人には堪らない漫画だと思います。

主人公のケンヂ達が小学生時代にふざけて書いた「よげんの書」に沿って世界滅亡のシナリオが進行して行くのですが、悪の首謀者の名前は「ともだち」、そのトレードマークは小学生時代のコミックに載っていたおなじみのマーク、最初に破壊される都市は近所にあった飲み屋の名前(さんふらんしすこ)という、いかにも小学生の頭で考えたような子供じみたストーリーなのに、その話の通りに現代の世の中で人がリアルに死に、世界が破壊されていくという、嘘なのか本気なのかわからないような構成も絶妙です。

主人公はカッコ良くも強くもない、どこにでもいる冴えないキャラクターというのもまた感情移入できるポイント。

「ともだち」の正体がなかなか明かされず、どんどん先を読まずにいられなくなる徹夜必至の漫画です!

 

トモちゃんはすごいブス 森下裕美 (著) 双葉社

トモちゃんはすごいブス 森下裕美 (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 天涯孤独になってしまった日…、チコはトモという謎の女に出会う。一度見たら忘れられないとんでもないブス、トモ…。この日を境に、生命力ゼロだったチコは、徐々に大切なものを獲得してゆく。ディープな大阪を舞台に繰り広げられる抱腹絶倒、しかも切ない森下ワールド全開!!
どんな話ですか? 若くして唯一の肉親である父を亡くした引きこもり少女チコのもとに突然現れた「トモちゃん」。いろいろな意味で「すごい」ブスなトモちゃんとの生活によって変わっていくチコとトモちゃん、その周りの人々の物語。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 生きること、死ぬこと、働くこと、愛することなど様々なメッセージが込められている作品なのでぜひ一度は読んでほしい。
どんな人に読んでもらいたいですか? 自分には何もできないと思っている人や自分に自信がない人、人生に悩んでいる人、風俗をする人ってどんな人なのかちょっと知りたい人。
読んだことによるエピソード トモちゃんみたいなかっこいい人間になりたいと思いました。

メランコリア 道満晴明 (著) 集英社

メランコリア 道満晴明 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 ショートストーリーの名手・道満晴明が描くメランコリックオムニバス! 世界の終わりが近づく中、人は何を思うのか!? 楽しいだけじゃ、穏やかなだけじゃ、幸せなだけじゃ、人生はつまらない。「憂鬱」それは甘くて苦い蜜の味――…。読むほどに絡み合っていく、巧妙なストーリーギミックとじわじわと心を侵すメランコリックな物語!!
どんな話ですか? 巨大彗星の接近による世界の終末が近付く中、メランコリックな日々を過ごす人々。
ある殺し屋は売春組織の元締めの女子高生の暗殺を依頼され、ある一家は父親が作った地下シェルターに避難し、ある少女はクラスでいじめられている少年と終業式の日に密会する約束を交わす。
それぞれ全く接点のない話だと思われていたが、終盤で伏線が回収され、世界の終末を回避する冴えたやり方が導かれる。
ショートショートの奇才が紡ぐ傑作オムニバス。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者の道満晴明はもともと特殊性癖に特化したエロ漫画でコアな人気を博していました。本作もエログロナンセンス要素を含みますが、一般向けなので若干マイルドになっています。デフォルメの利いたフェティッシュなキャラデザは、刺さる層にはとことん刺さります。最初はそれぞれ独立した話と思わせておいて、ドミノ倒しの如く終盤で伏線が回収されていく構成が見事。また、本作は世界の終末が近付いた人類の過ごし方を淡々と描いています。非日常と日常の境界線が溶け出す不条理な世界観は、SF・ファンタジー・ホラーのジャンルボーダレスな闇鍋で、中毒性の高い独特の読み心地を約束します。おねショタやТS、百合にBLなど、世間一般の道徳観念では異端視される性的嗜好が広義の愛の形として許容されてる自由さも心地いいです。天才チェスプレイヤーのボビー・フィッシャーやループ・ゴールドバーグマシンなど、知っているとちょっと頭がよくなった気になるキーワードを散りばめておくセンスも素敵でした。
どんな人に読んでもらいたいですか? SFが好きな人
伏線回収の見事さに驚きたい人
エキセントリックな殺し屋が見たい人
人外キャラに萌える人
百合やBLが好きな人
読んだことによるエピソード 特になし

(ニコ) タカハシマコ (著) 双葉社

(ニコ) タカハシマコ (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 心に傷を持ち、やがて犯罪を犯す可能性を秘めた少年少女を、事前に隔離施設へ連れて行くために派遣される女子中学生型ロボット〝ニコ〟。ニコと触れ合うことで、自らの心の闇に気付き、あるものは自分を取り戻し、あるものはニコとともに〝船〟に乗る道を選択する…。その可愛らしい絵柄とそれに反する毒の強い描写で、いま最も注目度の高い漫画家のひとりであるタカハシマコの名作が、大幅新規描き下ろし・加筆・修正を経てファン待望の完全版として蘇る!! ①②巻同時発売、全2巻。
どんな話ですか? 虐待、いじめ、近親相姦。学校や家庭の軋轢に悩み、トラウマを負った少年少女の前に忽然と現れては、将来的に犯罪を犯す可能性が示唆された彼らを隔離施設へ導く少女型ロボット・ニコ。
彼女との交流を通してある者は自我を取り戻し、ある者は全てを捨てて隔離施設「船」へと赴く。
ニコと邂逅した少年少女たちが体験する出来事を描いたオムニバス。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ロリエロ漫画家タカハシマコが手がけた一般向け作品。キュートな絵柄に反し、毒のある作風は健在です。
本作の狂言回しとなるニコはセーラー服がチャームポイントの女子中学生型ロボット。量産型なので何体もおり喋り方や性格が異なる上、出会った少年少女たちへのアプローチの仕方にも個性が出ます。
ニコは原則傍観者に徹し、少年少女たちの事情に深入りしません。ですがニコとの邂逅を経て、少年少女たちは自分の心の闇と向き合いある決断を下します。
インモラルな匂わせ描写もありますが、逆にそれがフェティッシュな魅力になっています。ニコに代表されるキャラデザは頭身低めでとても可愛らしいです。少年犯罪をテーマにした作品ですが、一方的に悪を裁いて済ますことなく、船に行くか否かの最終的判断は個々の登場人物に委ねられます。
ニコと各キャラクターが築く関係性のバリエイションにも注目。ある者は対等な友情を、ある者は憎しみを、ある者は唯一の逃避先として依存するのですが、本来ロボットで感情を持たないはずのニコが達観した表情を見せる瞬間があり胸が詰まります。
リリカルな心理描写やセンシティブな演出など、好きな人はとことんハマる作品です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 美少女アンドロイドに萌える人
少年少女の心の闇に惹かれる人
オムニバスが好きな人
萌え系の絵柄が好きな人
読んだことによるエピソード 特になし


ヨイコノミライ! きづきあきら (著) 小学館

ヨイコノミライ! きづきあきら (著) 小学館

 

アマゾン商品紹介 高校の漫画研究サークルで、ゆる〜い青春を謳歌してきた部員達。自分勝手で気ままな空間を各々気に入っていたのだが、ある時異物が混入する!毒を持つ可憐なその女生徒にかき乱されるサークルの行方は……?
どんな話ですか? とある高校の漫画研究会が舞台。
不真面目な部員ばかりが集うなか、唯一やる気のある主人公・井上広海は、保健室登校の女子生徒・青木杏にどうしたら皆が真面目に部活動に取り組んでくれるか相談する。
広海にアドバイスを乞われた杏はやがて部室に出入りし始め、彼女に言葉巧みに唆されたメンバーたちは部誌の制作にとりかかる。
漸く本格的な活動ができると喜ぶ広海だが、杏の本性は漫研の撲滅を目論むサークルクラッシャーだった。
杏は口先ばかりで何もしないメンバーらをひどく軽蔑し、裏で「夢潰し」と称して人間関係をひっかき回す。杏の暗躍と部員たちの未熟さのせいで部誌作りは暗礁に乗り上げ、メンバーそれぞれの秘密が暴かれていく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 可愛い絵柄と毒のある作風のギャップがたまらない作者の初期の代表作。
むちむち肉感的でフェティッシュな美少女ヒロインのデザインは、萌えキャラ好きな男性にも受けそうです。高校の漫研という狭い空間内で展開するエピソードが主ですが、出てくるオタクが皆自意識の肥大した痛いキャラなので、黒歴史を蒸し返されます。
漫研の部員はメンヘラリスカ僕っ娘に声優志望のぶりっこギャル、理論武装の自惚れオタク、壁サー同人作家のストーカーなどいずれ劣らぬ問題児ばかり。サークルクラッシャーなんて概念がまだ存在しない時代に描かれたにもかかわらず、本作のキーパーソンとなる杏は、ただそこにいるだけで人間関係を破綻させる魔性のヒロインとして危ない魅力を放ってます。
同人作家(志望)あるあるに悪意をプラスしたネタが延々描かれる為、身に覚えがあるオタクは過去にやらかしてしまった自己嫌悪がぶり返すことうけあいです。
基本的に鬱展開続きで、ラストも一部を除いて救われない結末をむかえますが、この後味の悪さが癖になります。
どんな人に読んでもらいたいですか? ヤンデレ・メンヘラが好きな人
サークルクラッシャーものが好きな人
オタクの話が好きな人
鬱展開に耐性がある人
むちむちぼいんな美少女キャラが好きな人
読んだことによるエピソード 特になし

ちーちゃんはちょっと足りない 阿部共実 (著) 秋田書店

ちーちゃんはちょっと足りない 阿部共実 (著) 秋田書店

 

アマゾン商品紹介 成績、お金、恋人、友達、いつも何かが足りない気がする中学2年生女子のちーちゃんとナツ。2人はクラスの中で成績優秀な友達・旭や、学級委員に助けられながらも、普通の日々を送っていた。そんなある日、ナツとちーちゃんは学校帰りに寄ったお店で、クラスの目立つグループの女子・藤岡から「万引きしねえ?」と声をかけられる。ナツはその場を上手くしのいだが、お金が足りずに買えなかった可愛いリボンが忘れられずにいた。後日、教室で女子バスケ部員が顧問の誕生日プレゼントを買うために、部員である藤岡から集金をしていた。その様子を目撃した旭は、「学校でお金のやり取りは危ない」と注意をしたが、部員達に煙たがられる。そして放課後、事件は起きた。
どんな話ですか? 同じ団地に住むちょっと足りないちーちゃんとナツは中学二年生の幼馴染。
天真爛漫で言動の幼いちーちゃんは無邪気にナツに懐いていたが、ナツはちーちゃんを内心見下し自分はもっと上にいけるはずと信じていた。
成績優秀な友人・旭や、クラスの中心人物・藤岡に憧れと同時に劣等感を抱き、日々を無難にやり過ごすナツ。
そんなる日、ナツとちーちゃんは下校中に立ち寄った店で藤岡に万引きを唆される。その場は上手くごまかして切り抜けナツだが、翌日事件が起きる。
思春期を経た人間なら誰しも覚えがある人間関係の軋轢を描いた話。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 思春期を通った人間、あるいは真っ只中の人間にダイレクトに突き刺さる話です。
自分はもっと上のカースト、上のグループに属せるはずだという欲求不満を抱えながら、ちーちゃんを内心見下して自尊心を維持するナツの造形がとても痛々しいです。
中学校の友人グループの閉塞感や女子間の陰湿なマウントの取り合いなど、いじめと呼べるほど顕在化してないぶん生々しく歪な関係を、すごく的確に抽出しています。
頭からっぽのお馬鹿とナツをはじめとする周囲に軽んじられていたちーちゃんが、その素直さや朗らかさでもって次第に受け入れられていくのと対照的に、自意識をこじらせて鬱屈していくナツがひどくやるせないです。
十代の女子の嫉妬や劣等感が絡んだ微妙な友情、共依存にも似たどん詰まりの感情が大変な説得力を持って描かれていて、「もうやめてくれ!」と叫び出したくなります。
鬱展開に定評のある作者ですが、本作は私たちの身近で起こり得る体験を扱っている為、中学生日記を地でいくリアルさが半端ありません。
黒歴史を蒸し返される感覚を味わいたい、ドМな読者向けです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 中学生日記が好きな人
幼馴染に対して劣等感や憧れなど、複雑な感情を抱いてる人
鬱展開が好きな人
黒歴史をほじくり返されたい人
女子の友情なんて信じない人
鬱屈した十代を過ごした人
読んだことによるエピソード 特になし

eensy-weensy モンスター 津田雅美 (著) 白泉社

eensy-weensy モンスター 津田雅美 (著) 白泉社

 

アマゾン商品紹介 五月七花は、成績普通、運動神経いまひとつ、容姿平凡のどこにでもいる女の子。温厚な人間だったはずなのに、同じクラスの王子こと常盤葉月の言動を見ていると、悪意が毒虫のごとく噴出!クリスマスの日、ついに葉月に悪態をついてしまい…!?
どんな話ですか? 美男美女に囲まれた平凡な主人公の女の子。おっとりとした性格の彼女でしたが、実は心の中にモンスターが潜んでいました。学校一イケメンでモテモテの彼を見た時にだけ飛び出てくるモンスターとはいったい・・・?
なぜその漫画をオススメしたいですか? 優秀な人、美しい人に対して誰しもが持っている妬みやひがみ,反感の感情。しかしたいていの人はそれを隠して生きているものです。それが大人だからです。でもたまにそれをぶちまけたくなる時はありませんか?
私たちの心を代弁するかのように、日頃おっとりしている主人公はそれを実行してしまいます。それを見た私の中のモンスターが言ったんです。「ちょっとすっきりした」
心にモンスターがいるお仲間の方、是非読んでみてください。
(ちなみにその後お詫びするエピソードもちゃんと入ります)
どんな人に読んでもらいたいですか? 定番でない漫画が読みたい人、スカッとする漫画が読みたい人、対人関係でもやもやを抱えている人
読んだことによるエピソード とくになし。