(ニコ) タカハシマコ (著) 双葉社

(ニコ) タカハシマコ (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 心に傷を持ち、やがて犯罪を犯す可能性を秘めた少年少女を、事前に隔離施設へ連れて行くために派遣される女子中学生型ロボット〝ニコ〟。ニコと触れ合うことで、自らの心の闇に気付き、あるものは自分を取り戻し、あるものはニコとともに〝船〟に乗る道を選択する…。その可愛らしい絵柄とそれに反する毒の強い描写で、いま最も注目度の高い漫画家のひとりであるタカハシマコの名作が、大幅新規描き下ろし・加筆・修正を経てファン待望の完全版として蘇る!! ①②巻同時発売、全2巻。
どんな話ですか? 虐待、いじめ、近親相姦。学校や家庭の軋轢に悩み、トラウマを負った少年少女の前に忽然と現れては、将来的に犯罪を犯す可能性が示唆された彼らを隔離施設へ導く少女型ロボット・ニコ。
彼女との交流を通してある者は自我を取り戻し、ある者は全てを捨てて隔離施設「船」へと赴く。
ニコと邂逅した少年少女たちが体験する出来事を描いたオムニバス。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ロリエロ漫画家タカハシマコが手がけた一般向け作品。キュートな絵柄に反し、毒のある作風は健在です。
本作の狂言回しとなるニコはセーラー服がチャームポイントの女子中学生型ロボット。量産型なので何体もおり喋り方や性格が異なる上、出会った少年少女たちへのアプローチの仕方にも個性が出ます。
ニコは原則傍観者に徹し、少年少女たちの事情に深入りしません。ですがニコとの邂逅を経て、少年少女たちは自分の心の闇と向き合いある決断を下します。
インモラルな匂わせ描写もありますが、逆にそれがフェティッシュな魅力になっています。ニコに代表されるキャラデザは頭身低めでとても可愛らしいです。少年犯罪をテーマにした作品ですが、一方的に悪を裁いて済ますことなく、船に行くか否かの最終的判断は個々の登場人物に委ねられます。
ニコと各キャラクターが築く関係性のバリエイションにも注目。ある者は対等な友情を、ある者は憎しみを、ある者は唯一の逃避先として依存するのですが、本来ロボットで感情を持たないはずのニコが達観した表情を見せる瞬間があり胸が詰まります。
リリカルな心理描写やセンシティブな演出など、好きな人はとことんハマる作品です。
どんな人に読んでもらいたいですか? 美少女アンドロイドに萌える人
少年少女の心の闇に惹かれる人
オムニバスが好きな人
萌え系の絵柄が好きな人
読んだことによるエピソード 特になし


ヨイコノミライ! きづきあきら (著) 小学館

ヨイコノミライ! きづきあきら (著) 小学館

 

アマゾン商品紹介 高校の漫画研究サークルで、ゆる〜い青春を謳歌してきた部員達。自分勝手で気ままな空間を各々気に入っていたのだが、ある時異物が混入する!毒を持つ可憐なその女生徒にかき乱されるサークルの行方は……?
どんな話ですか? とある高校の漫画研究会が舞台。
不真面目な部員ばかりが集うなか、唯一やる気のある主人公・井上広海は、保健室登校の女子生徒・青木杏にどうしたら皆が真面目に部活動に取り組んでくれるか相談する。
広海にアドバイスを乞われた杏はやがて部室に出入りし始め、彼女に言葉巧みに唆されたメンバーたちは部誌の制作にとりかかる。
漸く本格的な活動ができると喜ぶ広海だが、杏の本性は漫研の撲滅を目論むサークルクラッシャーだった。
杏は口先ばかりで何もしないメンバーらをひどく軽蔑し、裏で「夢潰し」と称して人間関係をひっかき回す。杏の暗躍と部員たちの未熟さのせいで部誌作りは暗礁に乗り上げ、メンバーそれぞれの秘密が暴かれていく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 可愛い絵柄と毒のある作風のギャップがたまらない作者の初期の代表作。
むちむち肉感的でフェティッシュな美少女ヒロインのデザインは、萌えキャラ好きな男性にも受けそうです。高校の漫研という狭い空間内で展開するエピソードが主ですが、出てくるオタクが皆自意識の肥大した痛いキャラなので、黒歴史を蒸し返されます。
漫研の部員はメンヘラリスカ僕っ娘に声優志望のぶりっこギャル、理論武装の自惚れオタク、壁サー同人作家のストーカーなどいずれ劣らぬ問題児ばかり。サークルクラッシャーなんて概念がまだ存在しない時代に描かれたにもかかわらず、本作のキーパーソンとなる杏は、ただそこにいるだけで人間関係を破綻させる魔性のヒロインとして危ない魅力を放ってます。
同人作家(志望)あるあるに悪意をプラスしたネタが延々描かれる為、身に覚えがあるオタクは過去にやらかしてしまった自己嫌悪がぶり返すことうけあいです。
基本的に鬱展開続きで、ラストも一部を除いて救われない結末をむかえますが、この後味の悪さが癖になります。
どんな人に読んでもらいたいですか? ヤンデレ・メンヘラが好きな人
サークルクラッシャーものが好きな人
オタクの話が好きな人
鬱展開に耐性がある人
むちむちぼいんな美少女キャラが好きな人
読んだことによるエピソード 特になし

ちーちゃんはちょっと足りない 阿部共実 (著) 秋田書店

ちーちゃんはちょっと足りない 阿部共実 (著) 秋田書店

 

アマゾン商品紹介 成績、お金、恋人、友達、いつも何かが足りない気がする中学2年生女子のちーちゃんとナツ。2人はクラスの中で成績優秀な友達・旭や、学級委員に助けられながらも、普通の日々を送っていた。そんなある日、ナツとちーちゃんは学校帰りに寄ったお店で、クラスの目立つグループの女子・藤岡から「万引きしねえ?」と声をかけられる。ナツはその場を上手くしのいだが、お金が足りずに買えなかった可愛いリボンが忘れられずにいた。後日、教室で女子バスケ部員が顧問の誕生日プレゼントを買うために、部員である藤岡から集金をしていた。その様子を目撃した旭は、「学校でお金のやり取りは危ない」と注意をしたが、部員達に煙たがられる。そして放課後、事件は起きた。
どんな話ですか? 同じ団地に住むちょっと足りないちーちゃんとナツは中学二年生の幼馴染。
天真爛漫で言動の幼いちーちゃんは無邪気にナツに懐いていたが、ナツはちーちゃんを内心見下し自分はもっと上にいけるはずと信じていた。
成績優秀な友人・旭や、クラスの中心人物・藤岡に憧れと同時に劣等感を抱き、日々を無難にやり過ごすナツ。
そんなる日、ナツとちーちゃんは下校中に立ち寄った店で藤岡に万引きを唆される。その場は上手くごまかして切り抜けナツだが、翌日事件が起きる。
思春期を経た人間なら誰しも覚えがある人間関係の軋轢を描いた話。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 思春期を通った人間、あるいは真っ只中の人間にダイレクトに突き刺さる話です。
自分はもっと上のカースト、上のグループに属せるはずだという欲求不満を抱えながら、ちーちゃんを内心見下して自尊心を維持するナツの造形がとても痛々しいです。
中学校の友人グループの閉塞感や女子間の陰湿なマウントの取り合いなど、いじめと呼べるほど顕在化してないぶん生々しく歪な関係を、すごく的確に抽出しています。
頭からっぽのお馬鹿とナツをはじめとする周囲に軽んじられていたちーちゃんが、その素直さや朗らかさでもって次第に受け入れられていくのと対照的に、自意識をこじらせて鬱屈していくナツがひどくやるせないです。
十代の女子の嫉妬や劣等感が絡んだ微妙な友情、共依存にも似たどん詰まりの感情が大変な説得力を持って描かれていて、「もうやめてくれ!」と叫び出したくなります。
鬱展開に定評のある作者ですが、本作は私たちの身近で起こり得る体験を扱っている為、中学生日記を地でいくリアルさが半端ありません。
黒歴史を蒸し返される感覚を味わいたい、ドМな読者向けです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 中学生日記が好きな人
幼馴染に対して劣等感や憧れなど、複雑な感情を抱いてる人
鬱展開が好きな人
黒歴史をほじくり返されたい人
女子の友情なんて信じない人
鬱屈した十代を過ごした人
読んだことによるエピソード 特になし

諸葛孔明 時の地平線 諏訪緑 (著) 小学館

諸葛孔明 時の地平線 諏訪緑 (著) 小学館

 

アマゾン商品紹介 後漢(ごかん)末期。朝廷軍の将軍・曹操に、朝廷への憎悪をむき出しに立ち向かってくる少年がいた。彼こそが諸葛亮孔明―軍師として史上名をはせた天才の、若き日の姿である。諏訪緑が満を持して挑む新世紀の「三国志」!
どんな話ですか? 古代アジアを主な題材とする諏訪緑の長編漫画です。諸葛孔明を主人公とした三国志の物語ですが、実際の三国志演義のエピソードを独自に解釈しています。孔明は単なる天才軍師ではなく、乱世の犠牲になり、涙を飲んで生きてきた、ゆえに世直しが必要であるといった、目的意識を持っていました。漢人も少数民族も等しくこの大地の上に生きる権利があると考え、政策と戦略を実行していきます。当初は天才ゆえ協調性が無く他人と慣れ合わない孔明ですが、劉備に心酔し仲間を得ることで人間的に成長していきます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 三国志は映画、小説、ゲームなどでさかんに発信されており、現代に知らない人はいないでしょう。ですがそれらは主に軍師としての諸葛孔明、劉備に出会ってからの孔明が描かれています。悲痛な生い立ちから乱世を終わらせるまで、一人の青年としての生き様を描いた作品は少ないのではないでしょうか。この漫画を読むと誰も書かなかった孔明にきっと出会えます。
どんな人に読んでもらいたいですか? 三国志が好きだ、三国志に詳しい人に読んでもらいたいですね。こんな解釈があるのか、と新鮮な驚きがあります。
読んだことによるエピソード こんな諸葛孔明もありだと思います。私が好きなのは諸葛孔明と敵の軍師、司馬懿との関係性です。敵味方に分かれて出会わなければ、きっと良い友人になり得たでしょう。作者の独自解釈に共感します。

ボールルームへようこそ 竹内友 (著) 講談社

ボールルームへようこそ 竹内友 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 俊英が贈るダンススポーツ青春譚、開幕! その一歩(ステップ)で僕は変わる――。平凡な中学生、富士田多々良(ふじた・たたら)は将来の夢も特に無く、無為な日々を過ごしていた。そんなある日、謎のヘルメット男に出会った多々良は訳もわからず連れ去られてしまう。男が向かった先は……何と社交ダンスの教室だった。ダンスの世界に一歩を踏み出した多々良の日常が、みるみる変わり始める――!! 剥き出しの才能が描く“ボーイ・ミーツ・ダンス”!! 踊り手の魂が交錯する舞踏室(ボールルーム)で繰り広げられる、激アツ! ダンスストーリーに酔いしれろ!!
どんな話ですか? 漫画家竹内友による、社交ダンスをスポーツという観点から掘り下げて描かれた作品です。2017年にアニメ化もされました。冴えない少年だった主人公の富士田多々良が、社交ダンスと出会い、才能を開花させて一気にプロへの道を駆け上がっていく、非常にテンポ良く展開の進むストーリーが特徴です。社交ダンスを通して、師匠であるプロダンサーの人物が続々登場しますが、その誰も彼もが魅力的なキャラクターでストーリーがどんどん加速していきます。主人公のトップへと上り詰めるまでの軌跡を痛快に体感できる、とても読み応えのある漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 作画のレベルが非常に高いことが挙げられます。どのコマも登場人物たちが美しく生き生きとしていて、もちろんストーリーも面白いのですが、美術品を眺めている時のようにじっくりと絵に集中させてくれる、こちらを魅了させ没頭させてくれる美しいイラストです。ストーリーがスピード感あふれているので、ページを捲るのがもったいなく感じられるほどです。作者の竹内友先生はかなり社交ダンスの勉強をされたようで、ダンス中の人間の肉体の描写は大変リアルで、なおかつ綺麗な描線で表現されています。整髪剤や汗の匂い、ダンスシューズと床が擦れる鋭い音や登場人物の息遣いが体感できるような、圧倒的な表現力だと思います。ぜひ、いろんな方に鑑賞してもらいたくなります。
どんな人に読んでもらいたいですか? まずは、何かに熱中したい方にお勧めしたいです。「ボールルームへようこそ」は読み手の首根っこを無理やり掴んで没頭に引き摺り込んでくれる強い引力があるからです。そして、大変な熱量でこちらを満足させてくれます。途中で手を止めると続きが気になって仕方なくなりますし、読了感も最高です。次に、新しいことをはじめたい、もしくははじめる方にお勧めしたいです。主人公が未経験からプロへと成長していく姿を見ていると、自分もゼロからのスタートでも頑張ろうという気持ちにしてくれるからです。足を踏み出す勇気と力を分けてくれる、頼もしい漫画です。
読んだことによるエピソード 社交ダンスを中高年の趣味程度の認識しかしていなかったのですが、本当はこんなに若くて熱いダンス競技だったのかと驚きました。新たな世界を知れて、とても勉強になりました。

幽麗塔 乃木坂太郎 (著) 小学館

幽麗塔 乃木坂太郎 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 時は昭和29年、舞台は神戸。ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。テツオは曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名であった・・・・・・・・

レビュー①

どんな話ですか? 舞台は昭和29年、神戸。
気弱で善良な青年・天野太一は、憧れのマドンナ・花園恵が、いじめっ子の御曹司・三村と婚約した事にショックを受ける。
失意のどん底の太一のもとを訪れたのは、ミステリアスな美青年・テツオ。彼は一緒に金持ちになろうと太一を誘い、ある富豪が所有する時計塔に隠された財宝の秘密に迫っていくが、その時計塔には死番虫と呼ばれる猟奇殺人鬼が徘徊し、過去の惨劇で犠牲者もでていた。
はたして太一とテツオは謎に包まれた時計塔の全貌を解き明かし、莫大な財宝を手に入れることができるのか。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 江戸川乱歩や横溝正史の推理小説が好きならハマること間違いなし、耽美で仄暗い世界観が最大の魅力です。
それに加えて男装の麗人・テツオの、中性的な美しさがたまりません。
性同一性障害という概念がまだ認知されてなかった第二次世界大戦直後の日本、テツオが抱えるジェンダーの問題や孤独、深い苦悩を当時の世相と絡めて掘り下げていく手腕はさすがです。続きが気になる巧みな構成で、極上のスリルが味わえます。
死番虫の不気味な存在感、猟奇的な惨劇の盛り上げ方など、ホラーとミステリーのいい所どりの贅沢さ。
絵の上手さは折り紙付き。登場人物は男女とも美形ぞろいなので目の保養です。また、本作のキーパーソンとして登場する丸部から滲み出す異常さや狂気にはぞくぞくします。
眉目秀麗で頭脳明晰な名探偵テツオとその助手・太一の凸凹コンビのとぼけた掛け合いには愛着がわきますし、二人が行く先々で巻き込まれる事件も、人間の欲や業、土地の因習が絡んだおぞましいもので見ごたえあります。

 

レビュー②

どんな話ですか? 昭和29年の神戸。ニートの天野太一はひょんなことから自分とは正反対の美青年テツオに出会い、莫大な財産が隠されていると噂の謎めいた時計塔の謎を解くことになる…。

財宝が隠されるという時計塔にまつわる不気味な怪人の噂。昔住んでいた老婦人の奇怪な死亡事件。そして再び時計塔を舞台に起こった凄惨な殺人事件。

本当にお宝が眠っているのか?謎の美青年テツオの正体は?

主人公の太一はテツオと共に様々な事件に巻き込まれながら、時計塔の謎に挑んでいきます。

なぜその漫画をオススメしたいですか? まず、昭和初期という時代の少し不気味で謎めいた世界観がたまりません!!

登場人物もとても魅力的で、読み進めるごとにキャラクターに愛着が湧いてきます。

初めは利害関係の一致から行動を共にし始め、お互いに「何かあったらコイツを切り捨てよう」と考えていた二人が様々な困難を乗り越え、それぞれ抱えていた悩みやマイノリティによる孤独感を認め合って少しずつ本当の親友になっていく過程にグッときます。昭和初期を舞台にした作品ですが、いまにも通ずる家庭問題やLGBT、人が自分らしく生きることの難しさや大切さについても考えさせられる作品です。

物語の本筋である「時計塔の謎」を軸としたミステリー要素も読みごたえがあり、ミステリー好きな方にもぜひおすすめです。

純粋に謎解きや犯人捜しの要素も面白いので、予想しながら読み進めていけます。

絵も綺麗なので、とても読みやすいです。

ブラッドハーレーの馬車 沙村 広明 (著) 太田出版

ブラッドハーレーの馬車 沙村 広明 (著) 太田出版

出典:ブラッドハーレーの馬車

 

アマゾン商品紹介 資産家・ブラッドハレー家の養女になることが、孤児院の少女たちの憧れだった。ブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しく活躍する……そんな期待に胸を膨らませた少女たちがたどり着いた先は、暗い暗い塀の中。恐ろしく壮絶な悪夢が始まる――。
どんな話ですか? 歌劇団を主催する大富豪・ブラッドハーレー家は、毎年豪華な馬車を孤児院にさしむけて、身寄りのない少女たちを養子に迎え入れていた。
舞台での活躍を夢見、希望にあふれて馬車に乗り込んだ薄幸の少女たちを待ち受けていたのはしかし、高い塀が聳える監獄。
実は富豪の養女というのは建前にすぎず、少女たちは野蛮な囚人たちの性欲の鬱憤の捌け口として、慰み者にされる宿命だった。
何も知らずブラッドハーレーの馬車に乗り込んだ少女たちそれぞれが辿る、あまりに残酷すぎる運命とは。
トラウマになること必死の衝撃作。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 夢と希望にあふれた無垢な少女たちが辿る、残酷すぎる運命に衝撃を受けます。
読んだら鬱になる事必至、絶望しかもたらさない名作。
どん底の底が抜けるほどとことんまで落ち込みたい、鬱好き読者にはおすすめです。
また、美少女たちが鬼畜に凌辱されるシーンが描かれるので、嗜虐欲を満たしたい人にもおすすめ。
ただ残酷で外道なだけではなく、作者持ち前の画力の高さによって、一種の残虐美ともいえるような芸術表現に昇華されているのもポイントです。
ただのエログロにあらず、少女たちが突き落とされた地獄で見出す一筋の希望もちゃんと描かれるため、群像の悲喜劇が交錯する人間ドラマの趣があります。
時代や場所は明言されていませんが、作者は「赤毛のアン」に触発されて描いたと言及しており、少女たちが着る華やかなドレスの描写や欧州風の馬車や建物の描写も見ごたえあります。
どんな人に読んでもらいたいですか? 鬱展開に耐性のある人
どんでん返しに驚きたい人
エログロが好きな人
読んだことによるエピソード とくになし。

 

累 松浦だるま (著) 講談社

累 松浦だるま (著) 講談社

アマゾン商品紹介 イブニング新人賞出身の新しき才能が放つ『美醜』をテーマにした衝撃作!! 容貌の醜さから人に忌み嫌われてきた累。そんな彼女に、女優であった美しき母親が遺した1本の口紅。その口紅は他者の顔を奪うことが出来るという謎の力を持っていた。累はその力を使い、美しき者が享受するすべてを奪う事を決意する。

二目と見れぬ醜悪な容貌を持つ少女・累。その醜さ故、過酷な道を歩む累に、母が残した一本の口紅。その口紅の力が、虐げられて生きてきた、累の全てを変えていく――。

どんな話ですか? 大女優の母とは似ても似つかぬ醜い容姿の少女・累。それが原因で激しいいじめを受けていた。ある日、累は亡き母が遺した口紅のことを思い出す。それはキスをすると相手と顔が入れ替わる不思議な口紅だった。累はその口紅を使い、いじめの首謀者の美しい顔を奪うことに成功する。それをきっかけに、母親譲りの並外れた演技力を持つ累は、自身の望む女優としての人生を掴み取って行く。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ・思わぬ展開の連続で引き込まれ、あっという間に読めます。・嫉妬や欲望などの情念渦巻く作品で、感情が揺さぶられます。
どんな人に読んでもらいたいですか? ドロドロの愛憎劇が好きな人
読んだことによるエピソード 特になし

 

 

嘘喰い 迫稔雄 (著) 集英社

嘘喰い 迫稔雄 (著) 集英社

レビュー①

アマゾン商品紹介 遊ぶ金欲しさに闇金に手を出し、取立てに追われる青年・梶くんの前に現れた謎の男・斑目貘。自らギャンブラーと名乗り、借金返済を手伝うと豪語する貘は、闇カジノへと乗り込むが…!?
どんな話ですか? あらゆる賭博を取り仕切る秘密組織「賭郎」。伝説のギャンブラー斑目貘は、賭郎の長の座を奪う勝負「屋形越え」に挑戦するべく、様々な強敵に挑んでいく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ・出てくるギャンブラーたちは常人にはわからない異様な価値観の持ち主。勝つためには死をも厭わない戦いぶりは非常にスリリングです。・立会人(賭郎から派遣され、賭博を取り仕切る人)の存在も大きな魅力の一つです。強い個性と生き様があり、一人一人がかっこいいです。・ゲームの多くは、ババ抜きやポーカーなど誰もが知るものがベースになっていますが、アレンジが加えられることによって緻密な頭脳戦になっています。・ギャンブル漫画には珍しく、激しい格闘シーンがあります。迫力があり、ギャンブル要素と並ぶ見どころです。※最初の数巻は普通ですが、途中から面白くなります。
どんな人に読んでもらいたいですか? ギャンブルのスリルを味わいたい人 バイオレンス描写が好きな人
読んだことによるエピソード 特になし

 

レビュー②

アマゾン商品紹介 遊ぶ金欲しさに闇金に手を出し、取立てに追われる青年・梶くんの前に現れた謎の男・斑目貘。自らギャンブラーと名乗り、借金返済を手伝うと豪語する貘は、闇カジノへと乗り込むが…!?
どんな話ですか? 天才ギャンブラーの班目獏が自身の目的を達成するためにギャンブルバトルをこなしていく漫画である。ギャンブルを公正に行われるよう取り仕切る賭朗という組織や国際的な犯罪組織アイデアル、警察など多くの組織や日本、さらには世界を巻き込みながら様々な勝負が展開される。頭脳を使ったギャンブルシーンだけでなく力と力がぶつかり合う格闘シーンやアクションシーン、さらにはシュールで笑える場面も多く様々な要素が楽しめる漫画である。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 様々な駆け引きや騙し合いが入り混じるギャンブルバトルと互いが死力を尽くして争う格闘バトルのバランスが絶妙で、読んでいて飽きない作品である。特にギャンブルのレベルが高く、終盤に行われる「エア・ポーカー」はギャンブル漫画の最高傑作と呼ぶ人も少なくない名勝負だ。あらゆる場面に伏線が張られており、思わず読み返してしまう中毒性がある。絵が非常に上手いこともこの漫画をオススメする一因であり、ギャンブル勝負が決する名場面や暴力によるバトルの迫力がすさまじく、見ごたえのあるものになっている。魅力的なキャラクターが多いのも心惹かれる点であり主人公である天才ギャンブラー班目獏はもちろん、もう一人の主人公兼常人枠の梶隆臣の成長もこの漫画の見どころである。さらには賭朗や敵キャラクターも個性が強く、読んでいてつい応援してしまう推しキャラができてしまうこと間違いなしである。
どんな人に読んでもらいたいですか? 昨今多くなってきたデスゲームやギャンブル漫画が好きな人、もしくはそのような作品に飽きてきた人にも読んでほしい作品である。ギャンブルだけでなく格闘、アクション、ギャグシーンもレベルが高いため、これらの要素が好きな人にお勧めしたい。伏線や叙述トリックが非常に多く後半のどんでん返しも珍しいものではないため、頭を使いながら漫画を読みたい人、または逆転劇が好きな人にも是非読んでもらいたい。
読んだことによるエピソード 特になし

 

レビュー③

アマゾン商品紹介 遊ぶ金欲しさに闇金に手を出し、取立てに追われる青年・梶くんの前に現れた謎の男・斑目貘。自らギャンブラーと名乗り、借金返済を手伝うと豪語する貘は、闇カジノへと乗り込むが…!?
どんな話ですか? うだつのあがらない借金まみれの青年・梶は、ひょんなことで伝説のギャンブラー・班目獏と知り合い、獏と一緒に過ごす中で、あらゆる賭博を取り仕切り強大な力を持つ秘密組織「賭郎」と関わっていく。
「嘘喰い」班目獏を中心とした、キャラクターたちの巧妙な心理バトルや、その駆け引きに伴う格闘・物理バトル、陰謀等が入り交ざる壮大なエンターテイメント作品!
なぜその漫画をオススメしたいですか? 作中の駆け引き・トリックの内容が巧妙で、前に戻って読み返したりよく考えながら読んだりしないとわからない!けど面白い…獏さんは主人公だから絶対勝ってくれるよね!?と思いきやものすごい絶望顔をしていたり、それすらも駆け引きだったり…とにかく先が読めなくて面白い!最初ショボかった梶もどんどん成長してかっこよくなる。細かく描き込まれたリアルタッチな絵柄の作品なので、絵がうまい漫画が好き!という人にもおすすめ。
どんな人に読んでもらいたいですか? ギャンブルもの作品が好きな人、格闘バトル作品が好きな人、心理戦や推理ものが読みたい人、スリリングなドキドキ感を味わいたい人、リアルな絵柄の漫画が好きな人
読んだことによるエピソード 特になし

オールラウンダー廻 遠藤 浩輝 (著) 講談社

オールラウンダー廻 遠藤 浩輝 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 総合格闘技『修斗(しゅうと)』に打ち込む高校生の廻(メグル)は、小学時代の友人である喬(タカシ)と、リングの上で7年ぶりの再会を果たす。しかし、昔は気の合う仲だった2人だが、育った環境の違いからタカシはメグルを敵視する。再会の喜びを交わすことなく、旧友同士の試合が始まってしまうのだった――。
どんな話ですか? 総合格闘技修斗を始めた主人公・廻。初めは情熱もなかったが、ライバルや仲間に触発されながら次第に真剣に取り組み、成長してゆく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ・派手な必殺技などはなく、堅実にじっくりと格闘技を描いて行く漫画です。・画力が高くコマ割りも巧みなので、格闘シーンの立ち位置や動作がよくわかり、実際の試合を見ているような面白さです。空手、柔道、ボクシングなど、いろいろな格闘スタイルの選手が登場します。・それぞれの登場人物の悩みや事情なども描かれており、人間ドラマも見どころの一つです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 本格的な格闘漫画を読みたい人
読んだことによるエピソード この作品を読んだ友人は、その後格闘技を始めました。