銀の匙 荒川弘 (著) 小学館

銀の匙 荒川弘 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 超ヒット作『鋼の錬金術師』の荒川弘の最新作!
大自然に囲まれた大蝦夷農業高校に入学した八軒勇吾。授業が始まるなり子牛を追いかけて迷子、実習ではニワトリが肛門から生まれると知って驚愕…などなど、都会育ちには想定外の事態が多すぎて戸惑いの青春真っ最中。仲間や家畜たちに支えられたりコケにされたりしながらも日々奮闘する、酪農青春グラフィティ!!

レビュー①

どんな話ですか? 高校受験時進路をどうするか悩み、学校の先生の勧めで農業高校の酪農科に進学することから始まります。生き物の世話や食べるとは犠牲の下でなっていること等普通の学校では学べないことを学んでいきます。そんな中、友人たちと学び、バカなことをし、時には恋愛をし、何かをやり遂げようと一生懸命やり、時には頼らなければいけないことを知っていきながら成長する3年間を描いています。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 高校選び特に何も考えず何となくで選んだ高校からの大学、社会人。きちんと考えていなかったらこそ今後悔ばかりしています。そんな中この作品を見ると、中学の時に悩み、それをきちんと受け止めてくれた周りがいてうらやましいと思います。そして、時には否定され、逃げたくなる、楽な道を進んでもいいところを目をそらさず自分自身で選んで進んだ主人公の生きざまがすごいと思いお勧めします。最終話では初回の描写と似たところがあり、こんな風に成長したんだと痛感させられます。人生逃げずに考え続ければ大変で辛い思いもするけど、結果が残ることを教えてくれます。

レビュー②

どんな話ですか? 主人公である男子高校生の八軒は、親からの学問に対するプレッシャーから逃れるために、全寮制の農業高校へ進学しました。そこには、農家の跡取り達(キャラが濃い)がひしめき合っており、八軒も次第に勉強以外の重要なモノに気付き始めました。特に部活動に馬術部があり、好きな女の子に近づくために入部するシーンがとても面白いです。また途中で、壁に当たり挫折するシーンも何度か見受けられますが、仲間や大人のフォローで乗り切っていきます。シリアスあり、ラブコメあり、笑いありの良作です。是非、読んでみてください。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 「銀の匙」とは、農業を専門とする北海道の高校で、高校生達の日常とラブコメが繰り広げられる漫画となっております。また単行本は15巻完結となっており、お手軽に全巻揃えることができます。内容自体は高校生の学園モノですが、テーマが農業高校であるため、独得な世界観となっております。内容としては、ギャグとシリアスがとても良いバランスで構成されております。この漫画は、週間少年サンデーで連載されていたこともあり、全年齢層が楽しめる内容となっております。

レビュー③

どんな話ですか? 高校受験に失敗した主人公、八軒勇吾。

学力競争などから逃げ出すために進学した「エゾノー」で、沢山の仲間や畜産動物(なかま)に出会い触れ合い、成長していく物語。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 初めはナヨナヨとしていそうに見える主人公だが、物語が進んでいく内に、人間としての成長していく様がしっかりと描いてあり、更には起業にまで取り組んで行く姿をみていると、気持ちが前向きになってしまう。

様々な困難に正面からぶつかって行く姿勢は、見習いたい物がある。

彼方のアストラ 篠原健太 (著) 集英社

彼方のアストラ 篠原健太 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!!
どんな話ですか? 惑星キャンプに訪れたカナタ達9人は突然ワームホームに吸い込まれ宇宙に投げ出される。
5012光年先から子どもたちだけで帰還するため大宇宙を旅していく
そして旅の中、世界の真実について解明されていく
なぜその漫画をオススメしたいですか? 今を代表する冒険マンガで未知への対応などこれほどワクワクしたマンガは少ない
多くの伏線が最終巻で見事に回収される圧巻は多くの人に語りたいほど見事
どんな人に読んでもらいたいですか? 普段あまりマンガを読まない人、マンガは何も得るものがないと考えている人に一度読んでみてほしい
読んだことによるエピソード 何か、新しいことへ挑戦したい気持ちになります

だんしんち 岡叶 (著) KADOKAWA

だんしんち 岡叶 (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 一緒にダラダラ過ごしたくなるモラトリアムお部屋コメディ!!

立川にあるボロアパートで一人暮らしをする大学2年生・壇野心志、
通称「だんしん」の部屋は友人達の溜り場になっていた。

3H男子(ヘタレ・非モテ・人見知り)のだんしんを筆頭に、
天然マイナスイオン系男子・ぐーぐー、
ドSなサブカルクソメガネ・シャンピが集う部屋には、
ゆるっ と楽しい時間が流れていく…。

連載直後からpixivコミックで週間ランキング1位を獲得した話題作が、
コミックス限定の描き下ろしエピソードを収録して、いよいよ発売!!

どんな話ですか? 一人暮らし大学生・檀野心志(通称だんしん)の住むボロアパートはいつも友人2人のたまり場!
ドSメガネ美大生のシャンピ、ほんわか癒し系男子ぐーぐー、そしてドジないじられ系男子だんしんの3人でダラダラゴロゴロ…
そのへんにいそうでいないかも?な男子大学生たちの日常コメディ!
なぜその漫画をオススメしたいですか? 基本的には日常コメディなので平凡男子な主人公の自宅で男子大学生たちがわいわい遊んだりたまに外出してみたり…というほのぼの感を楽しむ感じなのですが、回が進むにつれ友人2人は「ステレオタイプで平凡なイメージの家庭」に育った人ではないな…ということがわかってきて、それ故に平凡男子だけど気のいい主人公とほのぼの過ごす様子が際立ちます。仲間たちとくだらないことで騒いだりまったり過ごしたり…というのは普通に誰でも得られることではなく特別なことなんだなぁ、と改めて思うことができる作品です…。
どんな人に読んでもらいたいですか? 一人暮らしをしている人、くだらないことで一緒に騒いだりできる友達がほしい人、人生に疲れている人、男子同士のエモい関係が好きな人
読んだことによるエピソード 特になし。

カラオケ行こ! 和山やま (著) KADOKAWA

カラオケ行こ! 和山やま (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 歌がうまなるコツ教えてくれへん?

合唱部部長の聡実はヤクザの狂児にからまれて歌のレッスンを頼まれる。
彼は、絶対に歌がうまくなりたい狂児に毎週拉致されて嫌々ながら
歌唱指導を行うが、やがてふたりの間には奇妙な友情が芽生えてきて……?
話題の作品が描き下ろしを加えて待望のコミックス化!!

レビュー①

どんな話ですか? ヤクザが中学生の少年にカラオケを指導してもらう…という突飛な設定ながら、最初イヤイヤだった少年・聡美と飄々としているイケメンヤクザの狂二の心の交流を描いた作品
なぜその漫画をオススメしたいですか? あからさまにBLな作品というわけではないけれども、年齢も離れていて共通点もないような狂児と聡美がお互いに惹かれ合っていく様子が、ギャグも含めた淡々とした独特の雰囲気で描かれてはまってしまいます。

レビュー②

どんな話ですか? 「このマンガがすごい!2021」の「オンナ編」で5位にランクインしている、今大注目の漫画家和山やま先生の作品です。元々COMITIAで同人誌として頒布されていた作品ですが、そのあまりの人気ぶりに角川からコミックスとして出版されました。お話は、中学校で合唱部の部長を務める主人公が、とある事情でヤクザにカラオケの指導を頼まれるところから始まります。しぶしぶそれを承諾した主人公ですが、そこから2人の不思議な絆が芽生え始めて……?というのが大まかなストーリーです。
なぜその漫画をオススメしたいですか? オススメしたい理由は、キャラクターが魅力的であるというのが1番です!まずメインキャラクターは主人公の聡実くんとヤクザである成田狂児。聡実くんは黒髪に眼鏡と控え目な印象にもかかわらず、ヤクザに対してもしっかり自分の意見を言う。淡白そうに見えてお人好し。対する狂児はオールバックで軽い調子の見るからに胡散臭そうなヤクザ。でも聡実くんの前ではタバコを控えていたり、聡実くんが危ない目にあっている時には助けに現れたり。2人ともギャップがあって、その魅力は語り尽くせません。

頂き!成り上がり飯 奥嶋ひろまさ (著) 徳間書店

頂き!成り上がり飯 奥嶋ひろまさ (著) 徳間書店

アマゾン商品紹介 不良高校の王森高校では、誰もが第三十五代頭のメリケンを狙い、ケンカに明け暮れる日々。一年のケニーもメリケンに挑むものの、あっさりボコボコにされながら、空を見上げて己の無力さに涙していた。しかし、偶然ケニーの弁当を食べたメリケンは、あまりの美味しさに重いパンチを喰らったような衝撃を受けた!料理の腕前が武器になると悟ったケニーは全生徒の胃袋を掴んで王森高校の“頂き“に成り上がると誓った!
どんな話ですか? 王森高校でのヤンキーのてっぺんを狙う料理が得意な1年生・ケニーはケンカはイマイチだが自分の料理は武器になる!ということで飯で学校のヤンキーたちを手なずけて成りあがるストーリー。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ヤンキー高校の男の子たちがケンカ等で殺伐としていたのがおいしい料理でほのぼのとしていく…というギャグがほほえましくてかわいいです。
どんな人に読んでもらいたいですか? グルメ漫画や料理漫画が好きな人、
不良男子キャラクターたちのほのぼのが見たい人、
ごついキャラ以外に美少年タイプのキャラも多いので、美少年好きな人にもおすすめ!
読んだことによるエピソード ケニーの料理する内容は家庭料理やお弁当などが主なので、いつもの料理をちょっとおいしくする簡単なお料理小ネタなど参考にして普段の料理に取り入れたレシピがあります!

専門学校JK ほっけ様 (著) KADOKAWA

専門学校JK ほっけ様 (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 アニメ系専門学校生のザンネンなゲンジツをせきららに描く問題作、登場!

これ以上ない徹底取材をもとに、アニメ系専門学校で学ぶJKたちの超ザンネンな実態を描き抜く、業界震撼のキケンな4コマ! 夢追う少女たちによる自由すぎる、おもしろ専門学校ライフがここに!!

代々木アニメーション学院の完全協力により、アニメ系専門学校で学ぶ女子たちの、ちょっとズレた実情がおもしろおかしく描かれていく日常4コマ。コミックのなかで、専門学校生の“真の実態”が語られている箇所には【本当】の印鑑が押されており、とても信じられないような笑えるネタの多くが、正真正銘の“真実”であることも証明している! これまでに描かれたことのない、アニメ系専門学校生の超ザンネンなゲンジツが初めて暴かれる、まったく新しいテーマのスクールライフコミック!

どんな話ですか? 実在のアニメ系専門学校・代々木アニメーション学院の高等部を舞台とした、
オタクで残念な「専門学校のJK」の実態を描いたあるある系ギャグ漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 代々木アニメーション学院の取材協力のもと描かれている作品とのことで、
実際の授業内容やスケジュール、
どういう生徒が多いかなどの専門学校の実態がわかる点や、
他にも学生ではなくてもオタクあるあるなエピソードがたくさんで面白いです。
どんな人に読んでもらいたいですか? アニメ系の学校進学を考えている人、
アニメ・漫画・ゲーム系などのクリエイター系オタク、
美少女系ほのぼのギャグ漫画が好きな人
読んだことによるエピソード 実際に入学する段階までは行ってはないのですが、高等部の内容以外に社会人生徒なども通う夜間コースの紹介エピソードもあって興味を持ちました。

ヒメゴト~19歳の制服 峰浪りょう (著) 小学館

ヒメゴト~19歳の制服 峰浪りょう (著) 小学館

アマゾン商品紹介 周囲から男っぽく見られている女子大生・由樹(ユキ)。彼女は誰にも言えない秘密の儀式を行っていた――。燻り続ける己の欲望に苦悩する日々を送る由樹。一方、同じ大学に通う佳人(カイト)と未果子(ミカコ)の2人も他人には明かせぬ「秘密」を抱えていて――。「ヒメゴト」を持つ3人の19歳が繰り広げる「ヨクボウ」と「セイフク」の物語――。
どんな話ですか? 周囲から男っぽい扱いをされているために大学では男っぽい振る舞いをしているけれど本当は女の子らしくなりたくて唯一持っている女の子の服「制服」を夜な夜な着ている由樹・
清純な美少女で周囲からはお嬢様と思われているけれど毎夜セーラー服を着て15歳の設定で「援助交際」している未果子・
憧れのイケメン男子扱いされているけれど女装癖があり、また理想の美少女な未果子に憧れてこっそり同じ服装をしている佳人。
それぞれ人には言えない秘密を持ったこの3人の欲望と思惑が絡み合っていく19歳の群像劇。
なぜその漫画をオススメしたいですか? メインキャラクター3人は外見的に他者より恵まれた者でありつつも、
まさに「秘め事」といった性的行動をやめることができないまま悩みながら生きていて、
そういった「こじらせ」は若さゆえというふうにも感じるけれども、誰にでも多少このような「ヒメゴト」はあるのではないかな…と思うからです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 自分の性的な気持ちに悩んでいる人や、
作中キャラクターと年齢が近い高校生~大学生くらいの人
読んだことによるエピソード 特になし

僕の心のヤバイやつ 桜井のりお (著) 秋田書店

僕の心のヤバイやつ 桜井のりお (著) 秋田書店

アマゾン商品紹介 ネットで話題! 陽キャ美少女×陰キャ少年の
ニヤニヤ系青春格差ラブコメディ! !
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を
妄想してはほくそ笑む、
重度の中二病の陰キャ・市川京太郎。
だが山田を観察する内に、
京太郎が思う
「底辺を見下す陽キャ」とは
全然違うことに徐々に気づいていき…!?陰キャ男子・京太郎の初めて恋、始まる。
コミックスでしか読めない
激レアエピソード
描き下ろし漫画あり!
どんな話ですか? 主人公は中学2年生男子の「市川京太郎」

友達はおらず、いつも1人で本を読んでいる所謂「陰キャ」です。

心根は優しく、クラスメイトのために自ら悪者になったり、見返りを求めない優しさを発揮できる良い奴でもあります。

市川のクラスメイトで、今作のヒロイン「山田杏奈」は学校一の美人。

友達も多く、モデル仕事もしている、市川とは真逆の「陽キャ」

初めは山田のことを「陰キャを見下す嫌な女」と勝手に決めつけて敵視していた市川ですが、彼女の意外な本質を垣間見て恋を自覚。

山田も、市川のさりげない優しさに触れて徐々に惹かれていきます。

陰キャであるが故に積極的になれない市川と、不器用なアタックを仕掛けてくる山田の、甘くて甘い、甘すぎるラブコメです。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者は元々ギャグ漫画をメインに描いてきた人なので、ギャグ描写は当然面白いのですが、それ以上に、登場人物の心理描写、表現が巧みです。

この作品は、主人公市川の視点でのみ描かれているので、ヒロインや他の登場人物の内面は描写されません。

そのため読者は、表情や間、セリフのニュアンスで心の内を読み取るわけですが「本当にギャグ漫画家だったのか?」と思うほど、その表現が上手いです。

また、数話前に出てきたさりげない描写が、実は重要な伏線になっていたりなど、読むたびに新しい発見がある素晴らしいラブコメです。

どんな人に読んでもらいたいですか? 作者曰く、ヒロインの山田は「こんな女の子がいたらいいな」というコンセプトで描いているようですので、かわいい女の子に悶えたい男子におすすめたです。

また、ラブコメとして、かつてないほど構成が巧みなので、ラブコメは好きだけど、最近は同じような作品ばかりで飽きたという人にも是非読んで欲しいです。

読んだことによるエピソード 他のラブコメを読むと「浅っ」と思うようになってしまいました。

ぼくの地球を守って 日渡早紀 (著) 白泉社

ぼくの地球を守って 日渡早紀 (著) 白泉社

アマゾン商品紹介 亜梨子(ありす)は植物と交信する能力を持つ高校生。ある日、隣家のイタズラ小学生・輪(りん)を誤ってマンションのベランダから転落させてしまう。奇跡的に回復した輪は、もう一人の自分に覚醒していた…。一方、亜梨子は前世の夢を共有する同級生に出会い…!?

レビュー①

どんな話ですか? 「ぼくの地球を守って」は1986年から1994年にかけて連載されていた日渡早紀による漫画作品です。
主人公の亜梨子は高校生で、東京に引っ越してきたばかりの大人しい女の子です。
引越したてで慣れない環境の中、彼女が出会ったのは同じクラスメートの迅八とその幼馴染である一成。
彼らは昔から地球ではない場所で別の人生を歩んでいた記憶があり、時折夢で見るためその度に二人で話していました。
二人の話を聞いた亜梨子はその日自分も宇宙から地球を見守る夢を見ます。
一方で、亜梨子は隣に住んでいる小学生、輪に振り回される毎日…。
迅八や一成の話を聞いた輪は、亜梨子がいる目の前でベランダから転落する事故が起きてしまいます。
そして、一命をとりとめた輪もまた地球ではない場所で生きていた記憶を取り戻してしまうのでした。
これは、地球ではない場所で生き、地球へと転生した高校生たちが、再び出会いそして過去の記憶に振り回されていく物語です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 今や転生ものは多くある世の中で、異世界へと転生する物語は山ほどあります。

しかし、「ぼくの地球を守って」は地球ではない星で生活をした記憶を持ちながら、現代の日本を生きる高校生を描いています。

まずこの点が今ある転生もの、異世界ものとは違う部分ではないかと思います。

そして、共通の記憶を持つ彼らは偶然にも高校生として転生しており、日本という場所で出会います。

しかし、輪のみ一人小学生。

なぜ彼が一人だけ小学生なのか、そして、小学生である未成熟な体が壮絶な過去を思い出してしまったらどうなるのか…。

ただの転生もの、異世界ものとは違い、現実味のある物語です。

こんなふうに世の中に生きるもの全てが転生してこの世に生きているのかなとつい想像してしまいます。

レビュー②

どんな話ですか? 1986年から8年間雑誌「花とゆめ」に掲載されていたSF漫画です。ジャンルとしては「生まれ変わり」「超能力」ものとしてのSF作品になります。

【あらすじ】主人公は東京に引っ越してきたばかりの高校生、坂口亜梨子(ありす)。内気でまわりになじめずにいるが実は植物の言葉がわかるという能力を持っている。

ある日、亜梨子は隣に住む小林輪(りん)という少年を誤ってマンションから転落させてしまい、物語はそこから動き出す。輪はさいわい軽傷で済んだが、その事件をきっかけに亜梨子に婚約を申し込む。

時を同じくして、亜梨子はひょんなことから同級生の小椋迅八(じんぱち)と錦織一成(いっせい)から、不思議な夢の話を聞く。2人は共通の7人の人物が登場する夢を見続けており、迅八は「ギョクラン」という男性、一成は「エンジュ」という女性目線。その「ギョクラン」と「エンジュ」を含む7人が、月にある基地から地球を眺めている夢の内容だという。面白い物語のようにその話を聞いた亜梨子だったが、輪から婚約を申し込まれた日に迅八たちが語った内容と酷似した夢を自分も見る。動転して婚約を了承してしまう亜梨子。いっぽう輪も、事故のショックで亜梨子や迅八たちと同じ夢を見、いわゆる超能力にも目覚めていた。そして親や亜梨子にはそれまで通り接しながら、奇妙な暗躍をはじめていく。

なぜその漫画をオススメしたいですか? ①「転生もの」「前世の記憶」「超能力」といった創作ジャンルにおいての金字塔のような作品だからです。

すでに本作に影響を受けた作品が多く世に出ていますし、様々な場所で名前が挙がる名作です。元ネタとして知っておいて損はないでしょう。

②伏線の張り方や回収がとても巧みで、構成が素晴らしいです。心の栄養として名作を読むことをオススメします。

③亜梨子と輪は、昨今目にする「おねしょた」(女性のほうがかなり年上の男女カップル)になります。30年以上前の少女漫画でそういった関係が描かれていたことを知ってほしい。

レビュー③

どんな話ですか? 主人公の亜梨子は東京へ転校してきたばかりの高校生。

隣のマンションに住む小学生の輪にからかわれたり、慣れない環境が続き、どこかへ還りたい…と日々思っていました。

ある日、学校の中庭にいると、クラスメートの迅八と一清が怪しい雰囲気を醸し出しているのを見ます。

運の悪いことに、二人に気づかれた亜梨子。

そこで二人が数年前から共通の夢を見ているという話を聞かされます。

月から地球を見守っているという夢を二人はムーンドリームと呼び、それぞれ今の自分ではない姿で生活をしていると言うのです。

俄かには信じられない亜梨子ですが、その日彼女も同じような夢を見てしまいます。

一方で、隣に住む輪はある日亜梨子と過ごしている時に、マンションのベランダから落ちてしまうという事故に遭ってしまいます。

命に別状はないものの、この事故をきっかけに輪もまた地球ではない別の場所で過ごした記憶がよみがえってしまいます。

偶然、地球で再び生まれた彼ら。

次々と前世、ムーンドリームで出会った仲間と再会をし、再び出会えた喜びを分かち合いますが、過去の記憶があまりにも強く、現世でも彼らひとりひとりを苦しめていくことになっていくのでした。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 転生ものって流行っていますが、これは大分以前に作られたいわば転生もののはしりとも言えます。

地球ではない場所で生まれ、生きていた人たちが、今再び地球で再会をします。

女性であったシュスランは現世では一清として生まれ、過去と同じようにギョクランであった幼馴染の迅八に惹かれ苦しみます。

主人公とも言えるモクレンの記憶を持つ亜梨子。

彼女にどうしようもなく惹かれてしまう迅八。

一方で、シオンの記憶が強く出て、翻弄される輪もまた、どうしようもなく亜梨子に惹かれて感情を暴走させていきます。

今は別の人物として生まれているのに、過去の記憶があまりにも強く引きずられてしまう彼らの感情を考えると心が揺さぶられてしまいます。

また、過去に避難されても仕方ない罪を犯したメンバーもおり、それぞれが持つ記憶がどんどん首を絞めていく部分はこちらも苦しくなります。

今を生きる、生きなくてはいけないということを強く思わせてくれる作品なので、とても好きです。

レビュー④

どんな話ですか? 同じ内容の夢を見ている人同士が集まって、お互いがみた夢の内容を話合っているとどうもそれは私たちの前世の記憶なんじゃない?!

しかもそれはここ地球の話ではなくて、遠いどこかの惑星の話のよう。毎晩更新し続ける夢を追っていくうちに、自分たち(の前世)は遠い惑星のエリートで、母星の滅びの危機に際し、移住できる星を探す探査チームで、月にある基地で暮らしながらここ地球を監視している…という事まで分かりました。そして、どうやら自分たちがその閉ざされた基地の中で伝染病により病死し、思いを馳せた地球に転生してきたのだと知る事になります。

同じ夢を見ている前世での仲間として集まって来た人は皆同じ高校二年生。しかしたった一人だけ少額5年生の子供が。

この謎が解けた時に戦慄するとともに悲しみや切なさ愛しさの涙があふれます。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 少女漫画におけるファンタジー界の頂点だと思っている作品です。

前世の記憶、現世での生活、前世に振り回されつつも現世で必死に生きようとする主人公たちに何度も涙します。

前世と現世、空間を時空を飛び越えてこんなにも哀しく美しい物語はこれ以外に知りません。

物語がとても複雑で、前世の夢と現世での出来事が並行して描かれていきますが、それがどれにしても大変丁寧に描かれている為、読んでいる自分もあらゆる登場人物に感情移入することが出来、ときにあいつを憎み、逆から見れば悲しい気持ちになり、最終的には全て愛で納まる、という感じです。


セトウツミ 此元和津也 (著) 秋田書店

セトウツミ 此元和津也 (著) 秋田書店

アマゾン商品紹介 「この川で暇をつぶすだけのそんな青春があってもええんちゃうか」。 まったりゆったりしゃべるだけ。関西の男子高校生、瀬戸と内海のクールでナナメでシニカルな放課後トーク7編。
どんな話ですか? この漫画は男子高校生の瀬戸小吉と内海想が河原で話すだけの物語でそれ以上でもそれ以下でもありません。舞台が河原から移ることはほとんどなく、彼らとその友達の会話劇を中心にストーリーが進行していきます。伏線の回収とウィットに富んだ会話が魅力的で、読んでいると思わずにやっとしてしまうような漫画です。基本的には一話完結のコメディ作品なのですが、ラストで衝撃の事実と展開が待っています。普通の高校生が話すだけなのに面白いという不思議な感覚を味わうことができる漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 優れた漫画はおしなべてその作品でしか味わうことができない物語になっていると個人的には思っているのですが、セトウツミがまさにそれです。それこそがおすすめしたい一番の理由です。会話で物語を成立させるだけでなく、笑いやユーモアの中にさらっと考えさせるような言葉が盛り込まれていたり、ただのシチュエーションコメディにとどまらない微妙な空気感は読まないと絶対にわかりません。他のギャグ漫画のように大味ではなく、感情の機微が丁寧に描かれているという点もオススメしたい理由の一つです。
どんな人に読んでもらいたいですか? ギャグやコメディが好きな人にはもちろん、青春漫画が好きな人にもオススメしたい作品です。というのもコメディでありながら登場人物の心情の揺れがリアルであり、瀬戸と内海の二人の友情物語として読んでも上質なストーリーに仕上がっているからです。
読んだことによるエピソード 物語の行間を読む力がついたような気がします。