スター・レッド 萩尾望都 (著) 小学館
アマゾン商品紹介 | 太陽系第4惑星・火星。赤い風の吹く星。23世紀末の地球に天を見つめる1人の少女がいた。レッド・星(せい)。火星に生まれ、火星を恋する第5世代の火星人。しかし、夢にまで見た故郷に帰った時、火星の大いなる災いが始まった。火星と火星人の呪われた運命を救うため、銀河系の中心で少女が見たものは……。萩尾望都が描く壮大なSF叙事詩。 |
レビュー
どんな話ですか? | 萩尾望都のSF大作です。 主人公のレッド・星は2270年代の未来の地球に住む火星人の少女。育ての親である地球人のパパ・シュウに守られながら、素性を隠し地球人として生活していましたが、いつか故郷の火星に戻ることを夢見ています。 ある日、月世界人らしい謎の少年・エルグと出会い、エルグは星が火星人であることを見抜きます。 エルグは、謎多き火星人についての情報を伝えれば、星を「火星に連れて行ってあげる」と約束するのです。 実は、火星人は火星に渡った地球人の子孫であり、火星に順応し超能力を得るようになった存在です。星自身も超能力があり、透視や人の考えを読み取ることができるなどの能力があります。しかし、火星人は地球人との争いの末に姿を消しており、その生態は謎につつまれていたのです。 星は迷った末にエルグとともに火星に渡るのですが、そこで地球人による火星人研究局に存在がばれてしまい、追われる身となります。 そこで二人は様々な陰謀に巻き込まれていくというストーリーです。 |
なぜその漫画をオススメしたいですか? | 技術の進歩について考えさせられる作品であるためです。
ここでは技術ではなく、超能力として描かれていますが、どうしても人が超能力を得るということが現代の技術の進歩と重なります。 作品中の火星人研究局の局長であるペーブマンという人物が印象的な発言をしています。 彼は、星の高い超能力について「たいした退化ですな!」と評価するのです。 その理由は、星が実際には視力はなく超感覚でものを捉えている上に、念動力でものを動かせ、瞬間移動ができ、テレパシーでコミュニケーションが取れること、それは目も腕も脚も声帯も必要がないということ示すことになるからだと彼は語ります。 「岩みたいになって転がってるてのはどうです!考えてるだけ―それすら不要になる―生きることすら不必要になってしまう! これが退化でなくてなんです?」と訴えかけるのです。 現代の技術の進歩の成れの果てを想像させませんか? |
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