ホーリーランド 森恒二 (著) 白泉社

ホーリーランド 森恒二 (著) 白泉社

アマゾン商品紹介 学校にも家庭にも身の置き所がなく、自分の存在が確認できない高校生・神代ユウ。ボクシングのワン・ツーを覚えた彼は“ヤンキー狩り”をするハメになり、夜の街の戦いに巻き込まれていくが…!?

レビュー①

どんな話ですか? 引きこもりの高校生「神代ユウ」が、路上のカリスマと呼ばれるストリートファイトの達人「井沢マサキ」と出会い、あらゆる格闘技の猛者たちを倒していくアクション漫画です。

主人公の神代ユウは最初我流のボクシングをベースとして街の強敵たちと闘いを繰り広げますが、もう一人の主人公と呼べる井沢マサキに、路上で通じるオフェンスやディフェンスを教わり、圧倒的に強くなっていきます。

作者である森恒二さんが格闘技経験者であり、実際にストリートファイト経験者のため非常にリアリティのあるバトルシーンが秀逸な作品です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 私はボクシングを通算6年以上経験しており、実際に若い頃ストリートファイトをしたことがあります。ですからこの作品は本当に「リアルな喧嘩」を上手く再現していると感じました。実際に格闘技経験者同士がノールールで戦った場合にどのようなリスクがあるのかがよく分かります。喧嘩を勧めているわけではなく、逆に格闘技をたしなんでいる人間が素人相手に手を出すとどうなるか、または異種格闘技のようなものをリング外で行うと悲惨な結末が待っているというのが理解できるはずです。若いうちは血気盛んで自分の力を試したいという人が多いですが、この漫画を読んで実際の喧嘩の危険さを知ってほしいと願います。

レビュー②

どんな話ですか? 学校ではいじめられ、家庭内では家族からの憐れみの目に苦しみ、どこにも居場所がないと絶望していた主人公が、喧嘩を通じて夜の街に居場所を見出し、さまざまな登場人物との喧嘩や友情を通して人間的に逞しく成長していく、といったお話です。もちろん主人公は最初から喧嘩が強かったわけではありません。不登校の生活の中、本で知った知識をもとにボクシングの練習を室内で始め、そこで知ったワン・ツーの素振りだけを毎日5000回などと続けていくうちに、いつしか喧嘩に必要な瞬発力や判断力を身に付けていき、そこから夜の街を舞台とした人間成長劇へと発展していきます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 喧嘩の描写が単に暴力的であるような漫画とは違って、パンチひとつにしても力の込め方から拳の軌道など、かなりテクニカルで踏み込んだ内容の説明が読めることです。どんな分野でも素晴らしい技術にはそれを裏打ちする原理や鍛錬の仕方があるのだなあといったことが納得させられます。また、主人公の、がむしゃらな反復練習的努力だけでなく常に考え続け、技術を自分なりのものとして完成させようと真剣になるさまにも感動させられます。また、ひとりだけの力だけで強くなることは不可能であることを数々のストリートファイトで得た師や友人から学んでいく姿も非常に教訓的でした。

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