ポーの一族 萩尾望都 (著) 小学館

ポーの一族 萩尾望都 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 1880年ごろ、とある海辺の街をポーツネル男爵一家が訪れた。ロンドンから来たという彼らのことはすぐに市内で評判になった。男爵夫妻とその子供たち、エドガーとメリーベル兄妹の4人は田舎町には似つかわしくない気品をただよわせていたのだ。彼らを見たものはまるで一枚の完璧な絵を見るような感慨にとらわれた。実は、その美しさは時の流れから外れた魔性の美。彼らは人の生血を吸うバンパネラ「ポーの一族」であった。市の外れに家を借りた一家は、人間のふりをしながら一族に迎え入れるべき者を探し始めた。そして、エドガーが興味をひかれたのが、市で一番の貿易商の子息であるアラン・トワイライトだった…。

レビュー

どんな話ですか? 遥か時の彼方を越えて、永遠の時を生き続ける吸血鬼(バンパネラ)たち。時に人間を喰らい、時に人間とひっそりと同化しながら、不老不死を生きるバンパネラ。約250年前、14才でバンパネラとなり、少年のまま永遠の時を生きるエドガーを中心に妹メリーベル、同じく少年のままバンパネラになったアランらが、生きる苦悩、愛するものを失う悲しさ、中世から世界大戦、現代に至るまで出会う者たちとの関わりや遭遇する出来事、一族の秘密などを細やかに描く。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 少年のまま永遠に生き続けるということがどんなことか。大人と違い、身体も精神も安定しない状態のままで生き続けなくてはならない。安定しないが故に、些細な心の揺れまで大きくクローズアップされる。大人が生き続けるのとは違う、もっと繊細な視点で物語が展開される。少女漫画の神様・萩尾望都の代表作であり、その情緒的な表現は、従来の漫画の枠を越えた文学性が感じられる。「ポーの一族」はいくつもの短編・長編が重なったシリーズであるが、1972年短編「すきとおった銀の髪」から1974年短編「エディス」を発表後、40年のも空白期間を経て、2016年長編「春の夢」にて再開。2021年現在も続行中である壮大なシリーズである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です