ぼくらの  鬼頭莫宏 小学館

ぼくらの  鬼頭莫宏 小学館

アマゾン商品紹介 あらすじ/夏休み、過疎地の村へ“自然学校”にやってきた少年少女15人。1週間が経ったある日、海辺の洞窟へ探検に入った一同は、その奥にコンピューターを持ち込んで住んでいた謎の男・ココペリと出会う。彼は自分が作ったゲームをやらないかと誘い、宇白可奈を除く14人の中学1年生が同意して契約を結ぶ。半信半疑で宿舎に戻った一同だったが、その日の夕刻、大きな物音と共に巨大ロボットが現れて…(第1話)。●本巻の特徴/突如現れた2体のロボット。1体をココペリが操り、もう1体の“敵”との戦闘が開始される。自らを宇宙人と明かすココペリは、最初の戦いを終えると「この後は君たちが地球を守るんだ」と言って姿を消してしまう。これは、本当にただのゲームなのか…? 15人の戦いが、いま幕を開ける!!
どんな話ですか? いわゆる鬱系マンガです。
15人の中学生が主人公の、巨大ロボットに乗って未知の敵と戦う、一見王道ロボットアニメのような話です。
この漫画の大きな特徴は、ロボットを操縦した人間は必ず死ぬということ。
ロボットは人間の生命力をエネルギーに稼働するため、戦いが終わるとパイロットは絶命するのです。
主人公達は、そのことを後から知るものの、時すでに遅く、パイロットの運命から逃れることができません。
そのうえ、もし一人でも戦いを放棄するか、戦闘に負けるかすると、その時点で世界が滅びるという事実まで明らかになります。
つまり、戦っても戦わなくても、パイロットにとっては自分が死ぬことに変わりはないということです。
そんな絶望的な状況下で、主人公たちはそれぞれの思いを胸に、戦っては死んでいき、残りのパイロットにバトンを繋いでいきます。
このように、ただでさえ心がえぐられるような辛い設定なのに、中盤からさらに追い打ちをかけます。
主人公たちは人間のあらゆる醜さを目の当たりにし、命がけで戦う意味に疑問を抱き出す中、想像もしなかった敵の正体を知って動揺します。
果たして、自分の命を犠牲にしてまでこんなにも醜い世界を救う必要があるのか?そんな主人公たちの心の葛藤が終始描かれます。
とことん救いようのない憂鬱な展開に、いったいどのような結末を迎えるのかがとても気になり、一度読みだしたら最後まで止まりまくなります。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 中学生の子供たちが直面するあまりにも残酷な運命を見せられ、自分の境遇がいかに恵まれているかを思い知らされます。
行動や考え方を改める、良いきっかけを与えてくれます。
15人の主人公たちの心理描写が非常に丁寧に描かれており、どんな人でもきっと誰かの境遇と自分が重なり、共感を抱くでしょう。
人間の醜さの描き方も秀逸。この世界で生きていくことの生きづらさや、大人の汚さの表現は胸に刺さります。他人事には思えません。
人の命をテーマに扱い、斬新な手法で命の大切さについて教えられる、とても酷な話だけど素晴らしい作品です。
どんな人に読んでもらいたいですか? ・考えさせられる作品を読みたい人
・濃いテーマを扱う作品が好きな人
・鬱マンガが好きな人
・過激な作品が読みたい人
読んだことによるエピソード 過酷な運命を背負った人を思い、自分の境遇を嘆くことなく、できることをやろうと思いました。

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