あかぼし俳句帖 有間しのぶ (著) 小学館

あかぼし俳句帖 有間しのぶ (著) 小学館

アマゾン商品紹介 今、五七五が熱い!俳句マンガが熱い!

定年まであと5年。
自動車メーカーの宣伝部で活躍したのも今や昔。閑職に追いやられ、何か趣味でも、と思い始めたシニアサラリーマン明星啓吾。
行きつけの料理屋で俳人の水村翠と出会う。会いたい一心で、明星は翠に俳句の指導をお願いする。
時代の波にも、出世の波にも乗り遅れた男の人生が、十七音に彩られはじめる!!!!!!!

どんな話ですか? 窓際族の明星が、居酒屋で美しい女流俳人に出会い、俳句の魅力にとりつかれて変化していく様をコミカルに描いています。中年で独身、働くことも生きることもあきらめかけていた明星が17音の短い言葉に感動を詠み込んでいきます。初めは、季語とか俳句の約束事も全く分からなかったのですが、女流俳人に褒めてもらいたい一心で、自然や周囲の世界に目を向け、視野を広げていきます。謙虚な姿勢で学び続ける明星の感性が豊かになっていきます。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 俳句の目で見ると、かすんだ日常もドラマチックになることを明星の姿を通して感じました。どちらかといえばダメ男の明星ですが、なぜか憎めないキャラクターで、読んでいると元気が出てきます。明星の周りの人々も優しく声をかけあって、明星が周囲への気配りが上手なんだなと感じました。出世コースからはずれている明星ですが、人生の楽しみ方は仕事だけではないか方向性を示してくれています。一方、仕事の人間関係はやはり濃いから、明星は仕事を通してどうやって貢献するかも大きな生きがいだということも伝わってくるからです。
どんな人に読んでもらいたいですか? これから俳句を始めてみようかなと思う人だけでなく、定年を控えていて老後の人生を考えている人に読んでほしいです。

ある程度、俳句の知識がある方々にも十分応えることのできる漫画です。吟行や句会での様子が刺激になると思います。

読んだことによるエピソード 1回目より2回目と繰り返し読むたびに気づきがあります。私自身も明星とほぼ同時期に俳句を始めましたが、登場人物のセリフの深さに、何度もうならされます。

乙嫁語り 森 薫 (著) KADOKAWA

乙嫁語り 森 薫 (著) KADOKAWA

アマゾン商品紹介 中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の昼と夜。
美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。遊牧民と定住民、8歳の年の差を越えて、ふたりは結ばれるのか……? 『エマ』で19世紀末の英国を活写した森薫の最新作はシルクロードの生活文化。馬の背に乗り弓を構え、悠久の大地に生きるキャラクターたちの物語!

レビュー①

どんな話ですか? 19世紀後半の中央アジア・カスピ海周辺の地域を舞台にした物語。その地域の文化や人々の生活を緻密かつ丁寧に描いた作品。

エイホン家の年若い後継ぎカルルクのもとに8歳年上の花嫁アミルが嫁いでくるところから物語が始まる。

嫁いできた日が初対面であった二人が、日々の生活やアミルの実家との争いを経て夫婦としての絆を深めていく。

以降、未亡人のタラス・双子の姉妹ライラとレイリ・ペルシアの姉妹妻アニスとシーリーン、アミルと同じ町に住むパリヤなど、オムニバス形式で様々な乙嫁(美しいお嫁さん)達の物語が綴られている。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 中央アジアの文化や細やかな刺繍の入った衣装に装飾品、風景などがとにかく丁寧に描かれていて紙面の美しさだけでも読む価値がある。
時代や地域の違いによる価値観の形成も踏まえて描かれたそれぞれの夫婦の在り方が非常に面白い。
特に姉妹妻のアニスとシーリーンは、早くに夫を亡くし生活に困窮していたシーリーンを友人(姉妹妻)のアニスが自らの夫の二人目の妻になることを提案するという、現代日本ではまずありえない形で絆を結ぶ。
一夫多妻という形でありながら、その関係性を美しく爽やかに描いている。

レビュー②

どんな話ですか? 中央アジア・シルクロードの街を舞台に、そこで暮らす乙嫁(=かわいいお嫁さん)たちの生活を描いた漫画です。一家の跡継ぎである少年(13歳くらい)のもとにお嫁さんがやってくるのですが、そのお嫁さんは年上(20歳くらい)で、年が離れています。さらに定住民である家族に対し、お嫁さんは遊牧民出身で、色々と生活習慣や風俗が違います。そんな近世中央アジアの文化・風俗を描きながら、砂漠のオアシス都市で暮らす人々の生活を描いた漫画です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? ストーリーとして盛り上がりは薄いですが、作者の方はおそらく相当に研究・描きこまれていて、中央アジア民俗学としても楽しく読むことができます。土地に定住する街で暮らす人々と、定住せず遊牧をして暮らす人々の生活や価値観の違いがとてもよく描かれ、勉強にもなります。民族によって違う洋服の細かい描き込みや、建物の作り・小物の描き方などは素晴らしいです。また、食事シーンに登場する現地の食べ物が非常においしそうで、私はこの漫画を読んでから元々好きだった中央アジアに旅行したのですが、「これがあの…!」となることが多く、感動しました。

 

古見さんは、コミュ症です。 オダトモヒト (著) 小学館

古見さんは、コミュ症です。 オダトモヒト (著) 小学館

アマゾン商品紹介 中毒必至のコミュ症ヒロインコメディー!!

話したい、話せない。この緊張が、伝わってたらどうしよう。

万人が振り返る美少女・古見(こみ)さんは、コミュ症です。
コミュニケーションがとても苦手で、周囲は近寄りがたく感じている?
「どうやって話しかけよう」「話しかけた後どうしよう」
と考えてしまう古見さん。
そんな古見さんと、友達になった只野(ただの)くんの学園生活、開校です!!

心も指先も震えるけど、目標は友達を100人作ること!
思わずニヤニヤ、でもたまに胸をつくコミュニケーションコメディー!!

【編集担当からのおすすめ情報】
古見さんの可愛らしさ、人と接する時の緊張感などなど、きっと古見さんを愛さずにはいられない物語です。

人付き合い(コミュニケーション)で、たまに胸が締め付けられる全ての人に、是非お読み頂けますと幸いです。

どんな話ですか? 私立伊旦高校の1年生の古見硝子は、容姿端麗でクラスのマドンナ的存在だとみなされていますが、人と話すのがとても苦手な「コミュ症」です。

中学までは友達を一人も作ることができなかったコミュ症美少女・古見さんは、高校に入学して間もなく、人の気持ちを察するのが得意なクラスメイトの只野くんと友達になることができました。

2人で協力し、周囲の人々の助けも借りながら、古見さんの「友達を100人作る」という夢を達成するために奮闘していく物語です。

また、2人の関係性が変化していく様子にも注目です。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 美少女なのに人とまともに話すことができず、筆談をする古見さんですが、只野くんや他のクラスメイトの協力もあり、少しづつ友達が増えていき、様々な経験をすることで成長していく姿に勇気をもらえます。

登場人物は皆個性豊かな濃いキャラばかりで、古見さんと只野くんは振り回されてばかりです。

それでも、新しいことに興味津々でワクワクしている古見さんはとてもかわいらしく描かれています。

いわゆる学園青春ものとは少し違っており、共感できる部分もあり、クスッと笑える部分もあり、楽しんで読むことができます。

どんな人に読んでもらいたいですか? 現役の高校生はもちろん、大人の方でも学生時代を思い出しながら楽しめると思います。

友達が多いほうじゃなかったとか、自分も人と話すのは苦手だという意識がある人であれば、古見さんの気持ちに共感することができて、古見さんを応援したくなると思うのでオススメです!

読んだことによるエピソード 人付き合いが苦手でも、周りの人に助けてもらいながら友達を増やしていく古見さんに勇気をもらいました。

王様ゲーム 終極 金沢伸明 (著), 栗山廉士 (著) 双葉社

王様ゲーム 終極 金沢伸明 (著), 栗山廉士 (著) 双葉社

アマゾン商品紹介 悲劇から7カ月。最初の王様ゲームでただ一人生き残った金沢伸明が転校した呉広高校で、再び命がけのゲームが始まった!
謎の少女・本多奈津子の登場で、徐々に明らかになっていく謎。過酷な命令によって1人、また1人と減っていく生徒たち。最後に生き残るのは誰なのか!?
220万部突破の大ヒットコミックス、待望の続編シリーズがスタート!
どんな話ですか? 選ばれたクラスメイト全員のスマホに深夜12時になると命令なるモノが届き、翌日の深夜12時までにスマホに届いた命令を遂行しなければ、命令に指名された生徒はスマホに届いた方法で命を失うホラーゲームです。生き残り1人になるまでゲームは続き、勝利者はゲーム発生ウイルスの源になるため、ゲームは勝利者にとっても永遠継続します。終極ではゲーム参加2回目となる男女がキーマンとなり、男はクラスメイトを救おうとしますが、女はクラスメイトを減らそうとします。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 人間の本能というか、人の醜さそのものが現れるところが見ていて面白いです。自分が生き残るために他者を犠牲にしようとする者もいればその逆もしかり、人間関係の構図を見るのも面白いです。グロさが抜群に容赦ないので、食事中やグロさが苦手な人は向かないですが、ホラーやグロイ作品が好きな人はある意味感動すると思うし、読んだ人は当たり前の日常がいかに幸せかを実感できると思います。しれっと恐怖の中に生まれる恋愛も面白いです。
どんな人に読んでもらいたいですか? 生きることが嫌になっている人が読めば、今の日常を生きていることは、当たり前の日常は素晴らしいと思えるし、一般漫画のグロさやホラーに物足りなさを感じている人にはおススメできる作品です。恐怖の中で芽生える恋心を感じたい人にもおススメです。
読んだことによるエピソード 今を頑張って生きようと思えます。

柔道部物語 小林まこと (著) 講談社

柔道部物語 小林まこと (著) 講談社

アマゾン商品紹介 俺は三五十五(さんご・じゅうご)。高校に入学したばかりで何も知らない俺は、先輩たちの甘い言葉に乗せられて柔道部に入ることにした。ところが、入部したとたん、先輩たちの態度が豹変。シゴキはあるわ、坊主頭にさせられるわ、もちろん女の子との交流会なんて真っ赤なウソ。でも、一度やると決めた柔道だ。強くなってみせるぞ――!! 読み出したら止まらない!! 珠玉の本格柔道コメディ、第1巻!!

レビュー①

どんな話ですか? 柔道未経験の素人が高校入学後、全くの偶然から柔道部に入部する事になります。たまたま才能を持っていて、練習するうちにメキメキと実力を発揮し、最初は県内のライバルに打ち勝って悲願の全国大会出場までを描きます。中盤から後半に掛けては、全国の舞台で出会った作中最強のライバルとのストーリーです。初めのうちはまったく歯が立たずコテンパンにやられますが、かつてのライバル達の助けもあり、最後にはその最強のライバルに打ち勝つという物語です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者の小林まこと氏の実体験を元にした物語であり、小林氏自身もインタビューで答えてたのですが、始めはギャグ路線のドタバタ漫画を描こうと思っていたとの事でした。が、有名柔道家から「楽しみにしている」と言われたのをきっかけに、真面目路線へと変更、それ以降はとにかくリアルな柔道物になっています。高校時代に運動部で汗を流したことのある人であれば、必ず「そうそう、そうだった」と思えるようなリアルな描写があちこちに散りばめられていて、思わずニヤっとする事間違いなしの点がお勧めです。

レビュー②

どんな話ですか? 高校に進学したばかりの吹奏楽部出身、かつ全く冴えない学生だった三五十五。この1人の少年が友人の勧めで間違って柔道部の見学に行ったことからストーリーが始まります。

後でわかることですが岬商業高校の柔道部の監督はオリンピック候補選手だったと言う事。

そして柔道初心者だった三五十五が、いつの間にやら柔道の魅力に取りつかれ、最終的にはインターハイを始めとした高校柔道の頂点に立つまでを描くスポーツ漫画です。単なるスポ根と言うよりもコメディーの要素も入っているところが少し面白いところ。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 個人的に中学高校大学と本格的にスポーツに取り組んでいたこともあり、描写がリアルなスポーツ漫画が大好きでした。柔道部物語は単に柔道と言うスポーツがリアルに描かれているだけではなく、高校生の恋愛や友人関係、昔ながらの先輩後輩関係なども面白おかしく描かれており、今の若者にとっても非常に興味を持って読むことができる作品だと思います。もちろん、私のような40代の世代にとっても懐かしさを感じさせる面白い作品です。

レビュー③

どんな話ですか? 中学時代吹奏楽部で、運動とは無縁だった主人公「三五十五」が、新人勧誘の甘い言葉に騙されて柔道部に入部します。騙されて入部したとは言え、途中で辞めるのは男らしくないという事で柔道を続け、次第に才能を現していき、県下最強と言われた江南高校の樋口に新人戦でまさかの勝利を収め優勝します。その後も鍛錬を続け、ついには江南高校を破って念願の全国大会に出場、最初の全国大会では千葉代表講談館浦安に敗れますが、樋口ら県のライバルたちに協力もあり、遂に金鷲旗大会で講談館浦安を破って全国優勝を遂げる物語です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 作者の小林まこと氏自身も高校時代柔道部であり、当初は自身の部活動経験をもとにしたドタバタ劇を描こうとしていたらしいです。が、柔道オリンピック日本代表の古賀稔彦氏からファンレターを貰った事がきっかけで本格柔道漫画路線に切り替え、仕事と割り切ることなく感情移入して書いたそうです。このエピソードからも判るとおり、リアルな本格柔道物とスポ根物、元々の路線であったギャグ物と、3つの要素を余すところなく含んでおり、万人に受ける文句なしの傑作だからです。

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

砂時計 芦原妃名子 (著) 小学館

アマゾン商品紹介 植草杏、12歳。両親の離婚を機に母親の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーが無いと感じた杏。だが、近所に住む大悟と知り合い、徐々に自分の居場所を見つけるのだった。しかし、彼女を支える母親が仕事中に倒れて…!?現在、過去、未来をつなぐ恋の物語、第1巻!!

レビュー①

どんな話ですか? 杏(あん)と大悟という幼なじみの男女が小学、中学、高校と共に過ごす中で互いを異性として意識し合い、大人へと成長していく様子を描いた恋愛漫画です。東京に住んでいた12歳の杏が母親の実家がある島根に引っ越してくるところから物語が始まります。そこで大悟という少年と出会い二人は仲良くなっていきます。思春期特有の甘く切ない恋愛話なのですが、その後の進学や就職等で離ればなれになり、二人の関係はなかなか上手くいきません。しかしどのような困難な状況でも二人の心をしっかりつなぎ止めているのは杏が大切に持っている砂時計でした。

幼なじみ、島根、砂時計という3つのキーワードがこの漫画では大切な要素になっています。人との出会いと別れを繰り返す中で成長していく二人の純愛物語で、少女漫画ではありますが大人が読んでも楽しめる内容になっています。

なぜその漫画をオススメしたいですか? 最近は奇をてらうような恋愛漫画や恋愛ドラマが多いですが、昔ながらの純愛の物語も面白いということを多くの人に知って欲しいです。そして世間の人にもう少し地方(田舎)にも目を向けて欲しいという思いもあってこの漫画をオススメしたいと思いました。都会がダメというわけではありませんが田舎のゆったりした雰囲気や、田舎の純朴な子ども達の友情もこの漫画の注目ポイントです。泣いたり笑ったりの恋愛漫画ですが読み終わった後には必ずホッとする気分になると思いますので、ぜひ多くの人に読んで欲しいです。

レビュー②

どんな話ですか? 島根を舞台に、幼馴染たちの恋愛模様を描いた作品です。幼馴染をテーマにした作品は数あれど、こちらの作品は恋愛要素以外にも惹き込まれる点がたくさんあります。物語のヒロイン、植草杏は両親が離婚し母親と共に島根に引っ越しますが、しばらくしてその母親が亡くなってしまいます。悲しみに暮れる杏を救ったのが、北村大悟という同級生の男の子です。二人は互いに惹かれ合い、ついに付き合うようになるのですが、幸せいっぱいの二人の前に突然杏の父親が現れ、彼らを取り巻く環境に変化が訪れます。大悟と同じく杏の幼馴染である藤は、地元の名家に生まれたお坊ちゃまですが、自分の出生には何か裏があるのではないかと疑いを持っていました。自分の出生に疑いをもち、思い悩む藤の姿に亡くなる間際の母の面影を感じ、心配になる杏…。それぞれの悩みや暗い過去を抱えながら、それでも前を向いて成長していく彼らの姿が印象的な作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 母親を失った暗い過去を忘れられず苦しむ杏や、自分の出生に疑念を抱き思い悩む藤など、それぞれのキャラクターが異なる悩み・過去を抱えています。その人を取り巻く環境や経験が、どれほどその後の人生に影響を与えるのか、そしてそれを乗り越えることがいかに難しいことであるか痛感させられます。乗り越えたい、強くなりたいという思いを打ち砕くように押し寄せる悲しみや苦しみが随所に表現され、時間をかけて成長していくキャラクターたちの姿に勇気をもらえるためオススメしたい作品です。

レビュー③

どんな話ですか? 両親の離婚を機に、12歳の冬に母・美和子の実家である島根に引っ越してきた主人公・植草杏。
田舎独特の雰囲気に馴染めずにいた杏だったが、近所に住む少年・北村大悟と出会う。
村の地主・月島家との交流もあり杏の笑顔が増える一方で、美和子は生きることに疲れ、突然自殺してしまう。
心の拠り所をなくした杏は悲しみのあまり、葬式の場で美和子と一緒に買った砂時計を遺影に投げつけて壊してしまった。
大悟は全く同じ砂時計を杏に贈り、「ずっと一緒におっちゃるけん」と約束し、成長した二人はやがて恋仲になる。
しかし様々な苦難や変化が訪れ、二人の関係は少しずつ変わってゆく。
少女から大人に成長していく杏の人生を追った、心に迫る少女漫画。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 誰もが経験する初恋や初体験の甘酸っぱい記憶、失恋などを植草杏というひとりの女性に重ね合わせて描くことで、読者側も感情移入して読めるのが魅力的な点です。
少女の頃に読めば自分がいずれ経験するであろう未来を覗き見ることができて、大人になってから読めば懐かしい記憶を思い出しながら感傷に浸ることができます。
読む年齢によって受け取り方が変わるバイブル的な漫画なので、女性には是非一度読んで頂きたいです!


甘々と稲妻 雨隠ギド (著) 講談社

甘々と稲妻 雨隠ギド (著) 講談社

アマゾン商品紹介 妻を亡くし、ひとりで娘の子育てに奮戦する数学教師・犬塚。料理が苦手で小食で味オンチな彼は、ひょんなことから教え子・飯田小鳥と、一緒にごはんを作って娘と3人で食べることに!! 月刊「good!アフタヌーン」誌上で連載開始当初から話題沸騰! 愛娘&女子高生と囲む、両手に花の食卓ドラマ、開幕です!! 「このマンガがすごい!2014」オトコ編第8位にランクイン!!
どんな話ですか? お母さんを亡くしてしまった幼稚園の女の子と高校教師のお父さんが料理を介して家族の絆や友達との関係を深めていく物語です。
奥さんを亡くしてからコンビニ弁当やスーパーの惣菜でご飯を済ませていたお父さん。
ある日、テレビ番組の美味しそうなご飯をかぶり付くように見ていた娘の「ママにこれつくってってお手紙して」の一言で娘に美味しいご飯を食べさせたい、食べさせなければいけないという気持ちに気付きます。
以前、娘と花見をした時に知り合った女の子からもらった名刺を頼りに娘と一緒にお店に向かいます。
ほとんど料理をした事がないお父さんといつも元気でヤンチャな女の子、とある事情から包丁を持てなくなってしまった女の子が少しずつ成長していく素敵な作品です。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 面白いのはもちろんですが、お父さんと子供が徐々に成長していく様子に感動するといった点がオススメです。

奥さんを亡くしたシングルファーザーと子供という少し重たそうに感じる題材ですが、内容はかなり明るくワクワクした気持ちで読み進める事が出来ます。よくある不仲の親子ではなく、仲良い親子がさらに仲良くなっていくという点も気に入っています。

作中に登場する料理は、美味しいそうなだけではなく料理初心者向けの簡単レシピが多いので料理に興味を持っているお父さんやレパートリーを増やしたいと考えているお母さんにも読んで欲しいです。

どんな人に読んでもらいたいですか? 子供がいる・いない関係なく「ほっこりしたい」「幸せな気持ちになりたい」という人にオススメの作品です。

また、子育てをした事がある人の多くが一度は悩んだ事のある問題も多々登場するので幼稚園~小学校の子供がいる方は共感しやすい内容だと思います。

読んだことによるエピソード 特にありません。

君が僕らを悪魔と呼んだ頃 さの隆 (著) 講談社

君が僕らを悪魔と呼んだ頃 さの隆 (著) 講談社

アマゾン商品紹介 その少年は、15歳にして悪徳の限りを尽くした。傷つけ、犯し、奪い尽くした……。半年間の失踪を経て、記憶の全てを失ってしまった高校生、斎藤悠介。記憶喪失なりに平穏だった日常は、ある日、突然、破られた。次々に現れる過去を知る者、復讐者たち。覚えのない咎で断罪される瞬間、死肉に突きたてた刃の、幻を見た。━━さて。俺が殺したのは、どこの誰だ? 謎と暴力の記憶喪失サスペンス!

かつて、僕は悪魔だった。半年間の失踪を経て、記憶の全てを失ってしまった高校生、斎藤悠介。記憶喪失なりに平穏だった日常は、ある日、突然、破られた。次々に現れる過去を知る者、復讐者たち。覚えのない咎で断罪される瞬間、死肉に突きたてた刃の、幻を見た。━━さて。俺が殺したのは、どこの誰だ?

どんな話ですか? かつてその少年は悪魔と呼ばれ、周りの人々から恐れられていた。彼は学生ながら、たくさんの同級生へいじめの限度を超えた嫌がらせを遊び感覚でしていた。ある日突然、彼は失踪し、半年後に保護された。彼は悪魔と呼ばれた頃の記憶を全て失っていたのである。普通の人間として平凡な暮らしをする彼の前に過去の罪による問題が立ちはだかっていく。彼はまさか自分がそんなことをしていたとは当初信じられないが、その後、さまざまな証拠、証言から、自身の犯した過ちに気づいていく。彼はどのようにして罪を償うのか、果たして平凡な生活は取り戻せるのか。
なぜその漫画をオススメしたいですか? この漫画をお勧めしたい理由は2つあります。1つ目は罪の償い方に対する考え方が非常に興味深いからです。
主人公は自身の犯した罪に対して、誠実に取り組み、許しを願います。しかしたとえ被害者に許してもらえたからといって、それでいいのか、主人公はもがき苦しみます。。罪に対してどう取り組むのか、この漫画には非常に影響されます。
2つ目は見る人によりその人見え方は違う点がリアルな生活と一致すると思ったからです。
主人公のことを優しい人間だと信じる人、主人公を悪魔だと信じる人、主人公を普通の人間だと信じる人、さまざまな証言が出てきます。これは私たちにも当てはまることです。幼馴染が見るあなた、同僚が見るあなた、先輩が見るあなた、きっと違うと思います。人間の多面性を的確に表してくれた漫画です。
どんな人に読んでもらいたいですか? サスペンス系の漫画が好きな方は必ず好きだと思います。

また、奥深いヒューマンドラマを表現した漫画なので、エモーショナルな方は是非読んで欲しいです。

バイオレンスな表現などが時折出てくるので、苦手な方は控えてください。

読んだことによるエピソード 表面だけで他人を判断しようとじゃ思わなくなりました。

月刊少女野崎くん 椿いづみ (著) スクウェア・エニックス

月刊少女野崎くん 椿いづみ (著) スクウェア・エニックス

アマゾン商品紹介 無骨な男子高校生は、乙女な少女漫画家でした。

無骨な男子高校生「野崎梅太郎」。彼に恋をした女子高生「佐倉千代」は勇気を振り絞って告白するものの、何故か恋人ではなく少女漫画家のアシスタントになったのでした…。男子高校生でありながら人気少女漫画家でもある野崎くんの日常を描く、少女漫画家男子コメディー!!

どんな話ですか? 16歳の女子高生・佐倉千代は、ある日好きな人に告白をする。相手は無口でぶっきらぼうな同級生・野崎梅太郎。勇気を振り絞って想いを伝えたところ、返ってきたのは直筆サイン、家で渡されたのは描きかけの原稿、彼はまさかの人気少女漫画家で…!?

無骨でちょっと不思議な少女漫画家・野崎くんと、その周りに集まる高校生達の日常を描いたドタバタラブコメディー。片想いのまま野崎くんのアシスタントになってしまった千代の想いは果たして…?

なぜその漫画をオススメしたいですか? まず、とにかく気楽に読める作品です。

基本的に4コマ漫画で構成されていて内容も日常系コメディーなので、1日の終わりやゆっくりしたい休みの日に気軽に楽しむことができます。

またそれだけでなく、登場人物が魅力的なのもオススメできる理由です。

主人公の野崎くんと千代のほかにも、クールを気取る小心者でツンデレの同級生・御子柴や、男子よりも女子にモテる演劇部のエース・鹿島など、一癖も二癖もあるキャラクターが登場し、彼らの行動が巡り巡ってちょっとした群像劇のように展開していくストーリーは必見です。

どんな人に読んでもらいたいですか? 少女漫画が苦手・読んだことのない方にこそオススメです!

確かに主人公の野崎くんは少女漫画家ですが、この作品のメインはコメディです。

野崎くんも他の登場人物たちも一見少女漫画とは縁の無さそうなキャラクターばかりで恋愛要素も多くはないので、がっつりした恋愛展開が苦手な方でも笑って楽しめる作品だと思います。

読んだことによるエピソード 少女漫画の恋愛展開が苦手でジャンルごと敬遠していたのですが、この作品はそれを逆手にとってギャグにしている向きがあって楽しめました。

憂国のモリアーティ コナン・ドイル (著), 竹内良輔 (著), 三好輝 (著) 集英社

憂国のモリアーティ コナン・ドイル (著), 竹内良輔 (著), 三好輝 (著) 集英社

アマゾン商品紹介 時は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン──。
この国に根付く階級制度に辟易するモリアーティ伯爵家長子・アルバート。孤児院から引き取ったある兄弟との出会いによって、世界を浄化するための壮大な計画が動き出す。名探偵シャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授の語られざる物語の幕が開く──!!

レビュー①

どんな話ですか? コナンドイルのシャーロックホームズを原案とし、ホームズの最大の敵として描かれているモリアーティ教授を主人公とした物語。古くから根付く完全階級制度は非常に強固で、貴族以外にとっては生きづらい中、主人公のウィリアムは弟のルイスと一緒に孤児院で暮らしていた。そこにやってきた貴族のモリアーティ家の嫡男アルバートの好意(気まぐれ)によってひきとられることになった。天才的な頭脳を持ったウィリアムは、アルバートにその才能を認められ、ルイスも含む三人でモリアーティ家を乗っ取り、国を変えるために暗躍していく。
なぜその漫画をオススメしたいですか? シャーロックホームズを原案としているが、原案では描かれていないモリアーティに焦点が当たっている、新たな物語として楽しむことができる。もちろんホームズ好きも楽しめると思う。まら歴史的背景も描かれているので産業革命前後のイギリスを中心とする世界がうかがえるのも興味深い。モリアーティ家の三人がイケメンであることも読んでいて大変眼福。モリアーティが彼なりの美学と正義感を持っており、必ずしも悪とは言えない点も魅力的な点。

レビュー②

どんな話ですか? 小説家アーサー・コナン・ドイルが書いた探偵小説にシャーロック・ホームズシリーズがあります。その小説にホームズの敵役としてモリアーティ教授という人物が数回登場します。このモリーアーティ教授を主人公にしたのが漫画「憂国のモリアーティ」です。20世紀初頭の完全階級制度がはびこるイギリスで、孤児だった天才少年が死亡した貴族「ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ」になり代わるところから物語は始まります。成長したウィリアムは数学の教授となりますが、裏では犯罪相談役(クライムコンサルタント)として活動していました。犯罪を利用して腐った階級制度を変えるという信念を持ち、ウィリアムに賛同する仲間たちとともに暗躍します。
なぜその漫画をオススメしたいですか? 犯罪を利用して暗躍する主人公のウィリアムですが、その信念には共感できるものがあり大変惹きつけられます。ウィリアムの天才的頭脳を駆使した作戦が行われるたびにハラハラドキドキして、読むのがとめられなくなりました。同じく天才でありウィリアムの裏の顔を暴く側となるシャーロック・ホームズも個性的で面白く描かれています。ウィリアムに賛同する仲間たちも犯罪に手を染めますが素敵な人たちで、どの人物にスポットが当たっても楽しめる漫画です。かの有名な小説シャーロック・ホームズの舞台裏を見るような感じで小説を読んだことある人は倍楽しめますし、読んだことがない人でも純粋に面白い内容となっています。